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Rozen Maiden ローゼンメイデン SS総合 4

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/24(土) 11:34:50 ID:/Yi1uiTn
このスレは、タイトル通り
ローゼン関連のSSを取り扱っていきます。

※表現の自由  ※批判の自由  ※投稿の自由
これらの自由を念頭に置き、楽しく愉快に進めていきましょう。


■前スレ Rozen Maiden ローゼンメイデン SSスレ 3
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1130981955/l50

ttp://rozen.s151.xrea.com/index2.html (更新停止
↑ SS作品集・過去の作品
ttp://rozen-thread.org/2ch/test/threadsearch.cgi?t=ss1 (完全版
↑ SS総合・まとめ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1127569837/l50
↑ 薔薇乙女(ローゼンメイデン)のエロ小説 第3話 (エロパロ

844 :梅岡先生:2006/02/14(火) 19:14:09 ID:ujRa8uGw
「あら、雛苺?遅かったわね」
「30分前行動は基本ですぅ!」

だがそんな二人の言葉は耳にも入らず、一心不乱に「はんめい」の「は」を「ほ」にしようとする雛苺、だが……。

「じ、字が分からないの……」

愕然とする雛苺。
どうせならそのまま渡せば良かったのだろうが、雛苺はもはやアリスに執着などないため、心の篭ったチョ

コレートを渡すことが目的だったのだ。

「急いで動いたらお腹が空いたの……うゆ?こんな所に甘そうなちょこれーとが……だ、駄目なのっ!これ

はジュンに……ああ、でも……ごめんなさいなの、ジュン……」

嬉しそうに自らが作ったチョコレートを頬張る雛苺。
お腹が膨れたのか、そのまま眠ってしまった。
それを見た真紅と翠星石は、互いに見つめあい、ニヤリと、それはそれは恐ろしい笑顔を作った。

「これで強敵が一人……」
「消えたですね……」

お互いに顔を見合わせ、クックックと笑い合う二人だった。

「雛苺はジュン君に最も近い存在だったからね。僕もホッとしている所だよ」
「蒼星石っ!?」

二人が後ろを振り向くと、いつの間にか到着していた蒼星石が真っ直ぐ真剣な表情で二人を見ていた。
何故か片手にマヨネーズを持って……。

雛苺リタイア。

845 :梅岡先生:2006/02/14(火) 19:15:07 ID:ujRa8uGw
さて、飯食って参ります。
20時頃再開させていただくかしらー?

846 :826:2006/02/14(火) 19:18:10 ID:iSzvDXST
>>833
レスに反応して頂いただけでも感謝です
いつの日にか書く未来の作品の礎にでもして頂ければ幸いです

黒い薔薇乙女達は、これぞSSの真髄って感じでイイ!
多摩地区民として、多摩市の怪猫をゲストに出してもらって感動であります

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 19:34:09 ID:ktSkgoJ4
マヨネーズワロスwwwwww
マスター想いのええ子やwwww

848 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:03:26 ID:ujRa8uGw
「戻ってきたら感想増えてるかな?ワクテカwww」
とか調子こいてた自分にすみません。
では、再開させていただこうかしらー。

849 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:04:20 ID:ujRa8uGw
「元々不公平なのさ、このゲームは。どうやってもジュン君と同じ家に住んでいる君達に分がある。……そ

こで僕は考えたんだ。ならば、先に潰してしまえと」
「やめるです、蒼星石っ!」

一歩、また一歩と近づいてくる蒼星石。
片手には鋏、片手には何故かマヨネーズ。

「真紅、翠星石……僕は君達とは戦いたくはなかったけれど……これが運命ならッ!!」

鋏を構え、翠星石の方へ走り出す蒼星石。
だが……彼女の目に映ったのは、目に涙を浮かべ、両手を広げる翠星石の姿だった。

「君は……」
「やめるです、蒼星石……翠星石は……蒼星石とは戦えないです……」
「そんな甘えがっ!アリスゲームに許されるもんかっ!」
「許されなくったっていいですッ!翠星石は、蒼星石と戦うくらいなら死んだ方がマシです!!!」
「す、翠星石……」

自分はこんなにも愛されていたのかと驚く。
己の器の小ささを知り、膝をついて愕然とする蒼星石。

「君の泣き顔hぶふぉおッ!!!???」

突然四肢に絡まる蔦。
完全に不意を突かれた蒼星石は、為す術もなく翠星石の作り出した巨大な蔦に張り付けられてしまった。

「ヒーッヒッヒッヒ、引っかかりましたね蒼星石!そんな甘えはアリスゲームには許されないですぅ!!」
「よくやったわ、翠星石。どうやら、私と貴方の戦いになりそうね」
「負けないですよ、真紅!」
「……すい、せいせき……」

彼女は今、涙を流しながら優しかった頃の姉の姿を思い出していた。

850 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:06:49 ID:ujRa8uGw
ドタバタドタバタッ!
ジュンは誰かが階段を物凄い勢いで上ってくる音が聞いた。

「はぁ……またか」

やれやれといった様子で、壊されたら困る物をベッドの下に隠す。
バタンッ!バタンッ!
扉が開き、だがそのすぐ後に閉められた。

「開けるですっ!卑怯ですよ真紅!!」
「はぁ、はぁ、はぁ……じゅ、ジュン!お茶を淹れて……はぁ、頂戴」
「なぁにをやってるんだお前達は……」

開けるですー開けるですーと、扉の外からは甲高い叫び声が聞こえてくる。

「いいから、すぐに紅茶を淹れなさいっ!!」
「はいはい……」

そう言って扉の方へ歩きだすジュン。

「ちょ……どこへ行くつもり!?」
「どこって……紅茶を淹れるんだろ?台所へ行かなきゃできないよ」
「いいから、そこに座りなさいっ!まったく、使えない下僕だわ……」
「なんなんだよ一体……」

よっこらセックスと言いながら腰を下ろすジュン。

「さて……んっ……そうね、紅茶と言えば、お菓子は何が合うかしらね?」
「はぁ?そんなん、クッキーとか、スコーンとか……」
「なんて頭が悪いのかしらッ!紅茶と言えばチョコレートに決まっているでしょう!!?」
「そ、そうなのか?」
「そうよ。……あら?あららら?どうしてかしら、こんなところにチョコレートがあるのだわ。でも……困

ったわ、こんなに沢山、一人じゃ食べられないみたい。ジュン、レディにこんなに食べさせるのは酷という

ものよ。食べなさい」
「……今日はいつにもましておかしいぞ、お前。大体、こんなに沢山とか言っておいて、一口チョコじゃな

いか」
「い、いいから、早く食べるのだわ!さぁほら、すぐ「ちょーっと待つですぅ!!!」

851 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:09:56 ID:ujRa8uGw
なんとか鍵をこじ開けた翠星石が乱入する。

「す、翠星石っ!」
「今日は騒がしいな……少しは静かにしてろよ」
「……ジュン、これから翠星石が言うことをよーーーく肝に銘じておくです!まず最初に、翠星石は……ジュンのことなんて、な、何とも思ってないです!」
「はぁ?」

ますます困惑するジュン。

「だからこれから渡す物には……別にこれといって、とっ、特別な意味がある訳ではなく……あああ!だからだからっ!ジュンみたいなチビで引き篭もりで通販オタクみたいな奴のことを翠星石が好きになる訳なんてなくて……」
「喧嘩売ってるんだな?そうなんだな?」
「フフン、無様ね、翠星石」
「な、なぁんですってぇ!?ちょっと表に出るです真紅!どうせもう翠星石たちしか残ってないです。こうなったらガチバトルです!」
「望むところなのだわ!!」

そう言って、壊れた窓から外へ飛び出す二人。
暫くすると、うおおおおやらおりゃああああやらと、凡そ乙女には似つかわしくない怒声が聞こえてきた。

「……ホント、一体何なんだ……」

度し難いといった表情で、ジュンはまたパソコンに向かった。
階段から不吉な影が忍び寄っているとも知らずに……。

852 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:11:09 ID:ujRa8uGw
一方、階段では――。

「ふ……ふふふ……まさかマスターから貰ったマヨネーズがこんなところで役に立つなんて……」

体中マヨネーズでぐちゃぐちゃの蒼星石だった。
そう、彼女はマヨネーズを全身に塗りたくることによって、摩擦を弱め、翠星石の蔦地獄から開放されたのだった。
階段には彼女の歩いた軌跡がてんてんと、零れたマヨネーズによって表されている。

「ジュン君!」
「うわぁ、また来たぁ!!……って、蒼星石か」

ジュンは安堵した。
何故なら蒼星石は、ローゼンメイデンシリーズの中で唯一マトモな人形だったからだ。
だが――何かおかしい。
違和感を感じる。
……臭い?そうだ、何か臭うぞ。これは……。

「ふふふ、ジュン君、さぁマヨネーズを食べるんだ。コレステロールを摂ろうじゃないか」
「蒼星石ぃーーー!!!??」

油まみれの体で方にマヨネーズを構えている蒼星石。
そう、彼女は最愛の姉に裏切られて少し気が触れてしまったようだ。

「さぁ……さぁ、ほら……」
「お、落ち着くんだ蒼星石!何があったのかは知らないけれど、そう人生捨てたもんじゃないから……」
「さぁ……さぁ!!!!」

そう言って、ジュンの口に直接マヨネーズを差し込むと、マヨネーズのパックを思い切り(注:余りにも過激な内容のため、一部省略します)

「うわああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
「ふふふ、まだ残っているよ。全部食べなきゃ、駄目だよ……」
「くっ、口の中がぐちゃぐちゃする!!うッ……!気持ち悪い……」
「駄目だよ、駄目だよジュン君。僕はこうするしかないんだ。さぁ、『日頃のお礼』も兼ねて、グイっと……」
「ちょ、僕そんな恨まれてたのー!?……誰か……誰か助けてよっ!!」

(助けてあげるわよ?)

どこからともなく、官能的な声がジュンの頭に響いた――。

853 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:12:03 ID:ujRa8uGw
ここいらで一旦止めるべきか迷ったけど、面倒くさいので一気に投下しちゃいますね。

854 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:12:58 ID:ujRa8uGw
(助けてあげるわよ?)

「この声は?誰でもいい、助けてくれぇ!」

(うふふふふふ………)

パソコンのディスプレイから、唇を三日月状に歪ませた水銀燈の姿が現れた。

「はぁい♪」
「水銀燈っ!?僕の邪魔をしにきたか!」
「女神様……どうか僕をお助け下さい……」
「ちょ、この人間白目剥いてるんだけど……」
「ジュン君は……僕の愛に耐えられなかったんだ」
「貴方、マヨネーズ貰って喜ぶお馬鹿さぁんがどこにいるのよ」
「何ッ!?ジュン君、そんなことないよね?おいしかったよねぇ!?」
「……もう……マヨネーズなんて……見たくもない……」
「!!!!!!!!?????????」
「無様ねぇ……」
「……分かってた、分かってたさ、本当は……何かちょっと違うよなって」
「ちょっとどころじゃなかったけどね」
「ッ!?……マスターが、マヨネーズさえ買ってこなければ……ぐふっ!!」

どういう原理か、蒼星石は力尽きてその場に倒れた。

「マスター……大好きだけど……誰より……大嫌い、だよ……」

蒼星石リタイア。

855 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:14:50 ID:ujRa8uGw
「助かりました、女神様」
「いつまでテンパってるのよ……」
「……ハッ!水銀燈!?」
「これって天然、なのかしらぁ?反応に困るわぁ……」
「それで……一体どういう用件だ?」

突然マトモに戻ったジュンが、ずれたメガネを直しながら真剣な表情で尋ねる。
それもそのはず、この水銀燈に彼は何度も酷い目に遭わされているのだ。

「そんなにつんけんしなくてもいいじゃなぁい。今日が何の日か知らないのぉ?」
「今日?そういえば、カナリアも同じようなこと言ってたな……誰かの誕生日か何かか?」
「ハンッ、誕生日ですってぇ?どうしようもなくお馬鹿さんな人間ね」
「なんだとっ!?」
「(ハッ……いけないいけない、ここは優しくいかなきゃ)ご、ごめんなさぁい、ちょっと緊張しちゃって……今日はバレンタインデー、女の子が好きな男性にチョコレートを送る日よ」
「……ああ、そうか、そういうことだったのか。ってことはさっきの奴ら……うーん、少し悪いことしたな」
「他の女のことなんて、どうでもいいじゃなぁい……」

ジュンに怪しくすり寄る水銀燈。

「ちょ、おま……」
「私が何のために来たか、もう分かってるでしょう……?」

いつの間にか彼女は、ジュンの膝元に座っていた。
思わず首をのけぞるジュン。

「えっと、もしかして……僕に?」

照れて顔を赤くするジュン。

「せいかぁい。受け取って、貰えるわよね……?」

水銀燈が妖艶な笑みを浮かべる。

「あ、ああ……」
「ふふ、嬉しい……。(勝った!「バレンタイン争奪戦」完!)」

856 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:16:06 ID:ujRa8uGw
「ふふ、嬉しい……」

そう言って水銀燈が取り出した物は……。

「……何コレ」
「何って、ヤクルトよぉ。知らないのぉ?」
「いや……あの……」
「体にいいんだからぁ。乳酸菌摂ってるぅ?」
「いや……僕、ヤクルト嫌いなんだよ、ね……」


――沈黙――


※よろしければ、この状態のまま数分間お待ち下さい


硬直する水銀燈に、申し訳なさそうなジュン。

(どうして?私の作戦は完璧だったはず……何故なの?やはり私じゃ……アリスになれない、の……?)

乳酸菌と言えば水銀燈。
つまり乳酸菌を否定されるということは、水銀燈を否定するも同意なのである!
段々と目に涙が浮かんでくる水銀燈。
頭の中では「ジャンク」という言葉がぐるぐる回っている。
コンプレックスの強い彼女は、自分の存在を否定されたと認識したのだった。

「めぐううううううううううううううぅぅうぅううううぅぅう!!!!!!!!!!!!!!!」

なにがなんだかよく分からないというジュンを残して、水銀燈は泣きながらめぐの元へと帰っていった。

水銀燈リタイア。

857 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:17:45 ID:ujRa8uGw
やっぱり一旦切りますね。
延々と独り言繰り返してるみたいで鬱になってきましたw
もし良かったら、感想とかくれると本当に嬉しいです。

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 20:30:19 ID:XMZ00WOF
マヨネーズテラワロスwww
続きに期待してるよ!

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 20:39:43 ID:TTsRJ7CR
蒼……別に全身に塗らんでも腕だけ自由にしてから鋏で切ればよかったんじゃ……

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 20:46:39 ID:ktSkgoJ4
水銀に萌え始めた俺ガイルのだが。

861 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:55:31 ID:ujRa8uGw
コメントホントありがたいです……。
チキンなもんで、一人でスレ独占してるような気になって軽くビビってました。
残り3分の1程度。
二回くらいに分けて投下させていただきますです。

>>859
それは盲点だた。

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 20:56:12 ID:Ha8i5KjM
久しぶりに面白い小説が読めましたわ。続き期待。

863 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:56:32 ID:ujRa8uGw

「ハァ、ハァ……やるですね、真紅」
「貴方もね、翠星石……くっ!」

外ではまだ二人のガチバトルが続いていた。
両者共に綺麗なドレスは泥にまみれ、自慢の美しい髪の毛はあっちこっちに飛び跳ねていた。
ちなみに……ローゼンメイデンの中でも穏健派の二人は、殺し合うような真似はしない。
各々の片手に持ったチョコレートの小包。
これを破壊されたら負け、破壊したら勝ちということだ。
さっきガチバトルと言わんかったかコラとかそいういう突っ込みは勘弁してほしい。

「翠星石……一つ提案があるのだわ」
「その手には乗らないですよ、真紅」
「いいから聞きなさい。……いっそのこと、どちらのチョコレートを貰うのかは、ジュンに選んでもらえば

いいんじゃないかしら?」
「そ、それは……!」
「あら、自信がないの?」
「あ、あるに決まってるです!いいですよ。その勝負、受けて立つです!!」

真紅には自信があった。
ジュンは甘いものはあまり好きではない――。
それは、より長く一緒に暮らしていた真紅だけが知っている情報だった。
そのため、真紅のチョコレートはとても小さく、控え目に作られていたのだ。
対して翠星石のチョコレートは、大きさこそが愛情と勘違いしたのか、どのチョコレートより大きい。
何故真紅が最初からこの手段を取らなかったのかと言うと、何だかんだ言ってジュンが優しいからである。
優しいが故に、精神年齢の低い雛苺やカナリアのチョコレートから貰う可能性が高いと判断したのだ。
だが今や、自分と翠星石以外は全員リタイアした。

(勝敗は決したのだわ……!)

真紅はそう確信していた。
だが……。

864 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:57:43 ID:ujRa8uGw
「ぐえっ!?」

真紅の後頭部に何か硬い物がぶつかる。
振り返ると、そこには古ぼけた、だけど見慣れた鞄が宙に浮いていた。

「貴方は……」
「薔薇水晶ですねっ!」

ひょっこり顔を出したのは、何と薔薇水晶だった。

「……何?」

きょとんとした表情の薔薇水晶。

「『何』、じゃないのだわ!いきなり現れたのは貴方じゃない!」
「薔薇水晶……どうしてこんな所にいるですか?」
「……チョコレートを渡しに行く、途中」

気だるそうにそう答える。

「ちょ、チョコレートですってぇ!?」
「フンッ……嘘おっしゃい。チョコなんて、どこにもないじゃないの」
「……ここにあるわ」

薔薇水晶がそう言うや否や、眼帯の薔薇がニュルっと伸びて、中からキモグロい麺状のチョコレートが出て

きた。

「キモッ!?」
「……何を言うのよ。海原雄山氏も認めた味だわ」
「そ、そんなことはどうでもいいのだわ。一つ尋ねるわ、薔薇水晶。それは、誰に渡す物なの?」

真紅はとても忌々しそうに薔薇水晶を睨んでいた。
対して薔薇水晶は、物凄く鬱陶しそうに答える。

「……ラプラスの魔」
「「……は?」」

思ってもみなかった答えに唖然とする二人。

「お父様が、乙女たるもの、バレンタインという日本最大の乙女チックな行事に参加すべきだと……」
「だからって……」
「よりにもよって、ラプラスの魔、ですか……」
「いけない?」

何が悪いのか分からないと言った風に首をかしげる薔薇水晶。
一方で、翠星石は酷く安堵した。
これ以上ライバルが増えてたまるものか、と思ってのことだ。
だがしかし……

865 :梅岡先生:2006/02/14(火) 20:59:04 ID:ujRa8uGw
「チョコレートを入れて戻ってきたのかしらー!」

元気一杯にカナリアが茂みから登場する。

「余ったチョコで作り直したのー!」

いつの間にか目覚めていた雛苺が新たなチョコレートを引っさげ台所から顔を出した。

「コンビニで安売りしてたわぁ……お小遣いありがとう、めぐ」

さらには空から水銀燈が現れ出でる!

「そうか、そうだったんだ。健康を考えたハーフマヨネーズ、これならジュン君もきっと……」

他一名。

「……ところで貴方達は、何をしているの?」

薔薇水晶が珍しく自分から声をかける。

「それは――」
「ジュンにチョコレートをあげて、最初にカレの愛をゲットしたドールがアリスになれるのかしらー!!」
「ちょっ……それ違っ……」
「殺し合うことがアリスゲームじゃない、確かにそうお父様は仰ったのかしらー!!」
「いや、それは確かに言ったけど……」
「そう……そうなのね……それならば私も、参戦するわ」
「でもまぁカナも所々盗み聞きしただけだから、半分以上はカナの推測なのだけれどねー!!」

カナリアの最後の言に、薔薇水晶は気付かなかった。

「どうやら……」
「ええ……」
「僕たちは戦う運命にあるようだね……」
「蒼星石は黙ってるです」
「すみません……」
「なのー」
「かしらー?」

今ここに、薔薇乙女が集結した。
ジュンの愛は誰の手に……?

「……そんな趣旨だったっけ?」

ポツリと誰かが呟いた。

866 :梅岡先生:2006/02/14(火) 21:00:52 ID:ujRa8uGw
ぴんぽーん。
一触即発。
そんな雰囲気が漂う中、平和なチャイムの音が鳴り響いた。

「はーい。あら、巴ちゃん」
「こんにちは、桜田君いますか?」
「ちょっと待っててね……ジュンくーん、巴ちゃんよー」
「呼んだか?あ……」
「こんにちは」
「お、おう」
「あの……今日、バレンタインデーでしょ?だから、ハイ、これ」
「あ、ありがとう……」
「あの……えっと、私もう行くねっ」

頬を染めて駆け出す巴。
その様子を、同じように頬を染めて見送るジュン。呆けて見やる薔薇乙女たち。



「な、何てこと……」
「……思わぬ伏兵がいたのね……」
「まだ終わらんですっ!オリンピックには銀メダルというものがあるです!」
「そ、そうかしらー!二番はカナがいただきかしらっ!」
「……どきなさい。アリスになるのは、私……」
「何を寝ぼけたことを。アリスになるのは私だわぁ」

867 :梅岡先生:2006/02/14(火) 21:02:49 ID:ujRa8uGw
ぴんぽーん。

「はいはい……あの、どちら様でしょうか?」
「あのー、あたし、カナのマスターやってる者なんですけど……君が噂のジュン君ね?」
「は、はぁ……」
「いつもカナがお世話になってます。あ、それでコレ。つまらないものだけど……」
「あ、チョコレートですね。ありがとうございます」
「菓子折り持ってこようとも思ったんだけれど、せっかくのバレンタインだしね」
「ははは」
「ふふふ、それじゃあ、またね」



「カナリア……」
「そ、想定の範囲外かしらー……。ちょ、ちょっと、みんなどうしてカナを睨むかしらッ!!!??」
「許さなぁい……ミーディアムの不始末はドールの責任よ。ローザミスティカで償って」
「水銀燈目がマジかしらーー!!!??」
「落ち着くのよー、日本はまだ銅メダルなら狙えるわー(?)」
「……今度こそ、私が頂くわ……」

868 :梅岡先生:2006/02/14(火) 21:03:58 ID:ujRa8uGw
ぴんぽーん。

「はい?えっと……」
「こんにちは。私、めぐって言います」
「え?あ、どうも」
「いつもうちの水銀燈がご迷惑をお掛けしているようで……それでお詫びと言っては何ですが、にチョコレ

ートを……」
「あ、ありがとうございます。あの、パジャマで寒くないんですか?」
「病院抜け出してきちゃったんです。うふふ。じゃあ、タクシー待たせているんで、失礼します」



「で?水銀燈」
「ミーディアムの不始末は、何だったですっけ?」
「ドールの責任、だったよね」
「……導き出される最良の謝罪方法、ローザミスティカの謙譲」
「そうかしらー!かしらかしらかしらー!!!」
「違うの!違うの!めぐったら……絶対わざとだわぁ……」
「これだからジャンクは嫌なのー。壊れた人形は焼却炉にポイなのー」
「今ジャンクって言った!今ジャンクって言ったぁ!!うわあああああんめぐううううぅうぅう!!!!」
「ひ、雛苺って、結構毒があるのね……」



ぴんぽーん。
「またですのっ!?」
「今日は来客が多いな……はいはーい」
「あの、ジュン君、コレ……ハーフマヨネー「帰れ」

そして扉は固く閉ざされた。

「……そっか、ハーフじゃなくて、カロリーゼロマヨネーズにすれば……」

869 :梅岡先生:2006/02/14(火) 21:07:02 ID:ujRa8uGw
――その夜――

結局、取っ組み合いの喧嘩になった薔薇乙女たち。
ジュンは大泣きしている水銀燈を見かねて、あと冷ややかな目で彼女を睨む雛苺が恐ろしくなって、喧嘩の仲裁に入った。
そして事情を聞くと……。

「まったく……限度ってもんがあるだろう!」
「ひぐっ、ひぐっ……」

水銀燈の頭を撫でながら、主に雛苺に説教するジュン。
だが雛苺は下を向いてチッと舌打ちしていた。

「大体そんなことでアリスなんて決まる訳ないだろうが……そこっ!その物騒な物しまえっ!」

説教に飽きた薔薇水晶が、後ろの方で水晶の剣を素振りしていたので注意するジュン。

「この飽くなき努力こそが勝利へと結びつくの……」
「さいですか……」

何を言っても動じない薔薇水晶が、ジュンは苦手なようだ。

「だって……せっかくジュンのために作ったチョコレートを無駄にするなんて……」

顔を伏せて呟く翠星石。

870 :梅岡先生:2006/02/14(火) 21:09:58 ID:ujRa8uGw
「ったく……最初から普通に言えば、全部ありがたく貰ってたよ。ほら、くれるんだろ?きょ、今日は、その……あ、ありがとよ。フンッ!」
「やっぱりジュンは優しいのー♪」
「ちょ、お前……二重人格さんですか?」
「甘いのが嫌いなジュンのために、七味唐辛子を隠し味にしてみたわ。この真紅の気遣いに感謝しなさい」
「それはどうかと思うが……ま、ありがとよ」
「翠星石が一生懸命作ってやったですぅ……残したら承知しないです!」
「でかっ!……こんなの作るの大変だっただろう。……ありがとな」
「……ラプラスとどっちにあげようかしら……」
「僕はラプラスと同レベルか……だからその剣をしまえって!!」
「ひぐっ……うぐ……うわあああああん!!!!」
「水銀燈……そ、そろそろ泣き止めよ、な?」
「カナのみっちゃんへの愛情がたっぷり篭ってるかしらー!」
「なんか間違ってるような気もするが……ありがとう」
「ジュン君、カロリーゼロのマヨネーズだよ」
「お前は帰れ」

こうして、バレンタイン争奪戦は平和の内に治まったのだった。
いつものように大迷惑を被ったジュンだったが、彼の表情はどこか幸せそうだった。

バレンタイン企画「例えばこんなアリスゲーム」

            ―完―

871 :梅岡先生:2006/02/14(火) 21:12:45 ID:ujRa8uGw
なんだかスレを私有化しているようで、物凄い罪悪感を感じまくりながらの投稿でした。
でもやっぱり、せっかくだからバレンタインの本日中に投下したいって気持ちがあって。
俺のssが嫌いな人にはホント申し訳なく思ってます。

872 :僕犯人知ってます。:2006/02/14(火) 21:19:51 ID:3RiBfLIg
>>871
まぁ、別にいいんでねぇの。
嫌いな人か居るかは知らんけど、楽しみにしている人も居るわけだしさ。

自分も暇だし、続き投下しようかな?

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 21:23:40 ID:f8hdjzmG
何このハーレム 何この黒薔薇乙女達w
>眼帯の薔薇がニュ(ry

キモ杉w

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 21:32:09 ID:r5vvLYML
薔薇水晶キメェwwww

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 21:38:12 ID:ktSkgoJ4
久しぶりに長い文章読んだ。
すげーおもしろかったぞ、次回作も楽しみにしてるよ。

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 21:38:38 ID:iSzvDXST
細部にまで彫りこまれたギャグにワロス!カンベンシテクレー
グッジョブ!グッドマヨネーズ!


877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 21:42:27 ID:r5vvLYML
ujRa8uGwは罪深いな
こんなに敷居上げちゃって…後の人が辛いじゃないかw

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 21:55:59 ID:ktSkgoJ4
ここでカオスとかの巨匠の出番じゃねぇ?w
もしくは俺が、一気にスレのクオリティを下げるssうp。

879 :僕犯人知ってます。:2006/02/14(火) 22:03:50 ID:3RiBfLIg
>>827の続き
ジュンは水銀燈を自室のベッドに寝るように言って自分はリビングのソファーで寝ていた。
一方の水銀燈は中々眠れずに居た。
真紅達が自分のすぐ近くで寝ている。
そう思うと水銀燈はもし真紅達が目覚めたらそんな事を考える度何度か逃げ出そうかと思ったが、アレほど自分のためにと言ってくれた人を裏切るようで申し訳なかった。
水銀燈は結局朝まで眠れずに居た。
「人間。ねぇ、人間起きてよぉ」
水銀燈はまだ朝の5時だというのにジュンを起こした。
目覚めたジュンの瞳には不安げな表情をした水銀燈が写った。
「ん・・・・どうした?」
「べ、別に何も無いわよぉ・・・・」
水銀燈の顔から不安の色が消え、少し頬を赤らめジュンから目線をそらした。
ジュンと水銀燈は特にする事も無く、唯時間だけが過ぎていった。
真紅達の起床時間が段々と近付いてくると水銀燈からはまた不安の表情が伺えた。
「・・・・・不安なのか?」
「別に・・・・・」
「大丈夫だよ。真紅達ならきっと判ってくれる」
ジュンは妙に自信有り気だった。
真紅達の起床時間がきた。
階段を下りる音がして、少しずつ足音が近付いてくる。
水銀燈はまるで翠星石の様にジュンの陰に隠れてジュンの衣服をギュッっと握り締めていた。
リビングのドアが開いた。
「あら、ジュン今日は早いのね」
「おはようなのー」
真紅と寝ぼけ眼の雛苺がリビングに入ってきた。
まだ、真紅達は水銀燈の存在に気付いていない。
「真紅・・・・・・少し話があるんだ」
ジュンが真剣な面持ちで真紅に話し掛けた。
「何かしら・・・!!・・・ジュン。どうしてその子が居るの?」
真紅が水銀燈に気付き咄嗟に身構える。
ジュンが真紅の前に立ちはだかり必死に説得をした。
「待て!真紅!!こいつはもう敵じゃないんだ」
「どきなさい。ジュン!!あなたは水銀燈に操られているのよ」
真紅はジュンの言葉ですら信じようとはしなかった。
水銀燈は唇を噛み締めて必死に涙をこらえている。
それを見たジュンはさらに必死に真紅の説得を試みた。
「真紅。こいつを信じてくれ、本当にこいつは・・・・もう敵じゃないんだ」
ジュンは真紅の肩を掴み、声さえ力は無かったものの真紅にはジュンが言っている事は真実だと感じとれた。
「ジュン・・・・わかったわ。そして、ごめんなさいね。水銀燈」
真紅は微笑んで水銀燈に謝った。
水銀燈は真紅のこの言葉を聞いた瞬間、噛み殺していた涙が溢れ泣き崩れてしまった。



ちょっと、あれ基本的な質問していいですかね?
翠星石ってアニメで、時計屋に住んでたよね?
まぁ、いいかなぁ・・・・・・・。
また、あれ感想おねがいしますわ。

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 22:10:12 ID:YlIZbev7
なんか今日はすげーな。スレ伸びまくり・・・皆さんGJです
そろそろ次スレの時期だね。

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 22:12:22 ID:YlIZbev7
>>879
水銀燈萌えるw
翠星石は二期の途中まで時計屋で、4話からJUM家かな。

882 :僕犯人知ってます。:2006/02/14(火) 22:13:34 ID:3RiBfLIg
次スレ誰が建ててくれるんだろか?
また、自分迷子にならないようにしなければいかんなw
もうなることは無いと思うが。

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 22:24:41 ID:ujRa8uGw
わー、沢山のレスありがとうございます。普通に嬉しい。
三時間の労力が報われましたw

>>877
最高の褒め言葉なのですが、そこまでクオリティの高いもんでもないですよw

>>878
俺も、そろそろカオス氏のssが読みたい頃だわw
是非ssうp!

884 :僕犯人知ってます。:2006/02/14(火) 22:27:18 ID:3RiBfLIg
>>883
梅岡先生ですよね?

885 :梅岡先生:2006/02/14(火) 22:28:02 ID:ujRa8uGw
あ、名前入れ損ねた。
梅岡です、すまんです。

>>882
あ、じゃあ立てとこうか?

886 :梅岡先生:2006/02/14(火) 22:35:48 ID:ujRa8uGw
すみません、用事が出来たので少々席を外しますので、スレ建ての件は他の方お願いします。

887 :僕犯人知ってます。:2006/02/14(火) 22:36:01 ID:3RiBfLIg
>>885
あぁー、じゃあお願いします。


888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 22:52:05 ID:f8hdjzmG
今、投下してる連載?SSの中でどれが一番WKTK物なんだろうか?

889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 23:13:55 ID:iOa+WHp0
ま、そう言う比較はしないが吉

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 23:52:40 ID:HiruCR3S
>>888
場外アリスゲームをはじめるんじゃない。
各々がそれぞれのSSにwktkすればいいだけだ。

891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/14(火) 23:56:14 ID:DYPZRlr4
「はい、ジュン君」
のりは毎年のように紙の包みを渡した
「あっ!今年も義理チョコありがと姉ちゃん」
ジュンは気の抜けた感謝の言葉でそれを受け取り
部屋に戻ろうとしたが、それをのりは止めた
「あ、あの…ねジュン君…今年のは義理チョコじゃないの……////」
そう言うとのりは顔を赤面させうつ向いた…
「えっ…………(姉ちゃん…)////」


ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ



「今年のは義理はなまるハンバーグよ」
「義理バーグってなにさ――――!!!???」

ギリバーグ
バージニア州出身。22年前に『俺はUFOに拉致られた』を出版し世間を騒がせた。
その後数多くのワイドショーに出演したが
その後は郊外で牧場を経営し生活していた…

後のさだまさしである…

今ならスベっても敷居をsageたと言い訳できると思いました

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/15(水) 00:13:29 ID:b+YWEeAh
めぐは相変わらず水銀燈と諦念じみた会話をしていた。
「私の病気はもう治らないわ。だって私はジャンクだもの…。だから私の魂を…」
その時、病室のドアが開いて、見慣れない黒いマントのモグリ医者が現われた。
「話は聞かせてもらった。手術料は5000万円だ。」

一年後、めぐは逞しくなった。

ああ、すんませんすんません、思いついただけです!

893 :オリジナルのジュン:2006/02/15(水) 00:40:07 ID:aXigVDtp
雛苺と出会って五日が経った。
昨日は徹夜で仕事をしたからさすがに疲れて一日中寝てしまった。
だからその分も今日は雛苺と楽しく過ごそうと思う。
「雛苺。今日は何をしようか」
「じゃあジュンも一緒にヒナのフィールドで遊ぶの」
「ヒナのフィールド?」
「そうなの。とっても楽しいのよ」
「へえ。じゃあ行ってみようか」
そして僕は雛苺と一緒にヒナのフィールドに向かう。
押入れの大きな鏡が入り口らしい。でも人形とこうして生活してる時点で今までの常識など通用しないのは分かる。
だからあっさりと僕は信じて中に入る。
中はメルヘンチックな空間だった。
「ここがヒナのフィールドなのか」
「そうなの。確かNのフィールドとも言うの」
「へえ」
「やけに楽しそうだね」
後ろから声がする。僕と雛苺が振り向くとそこには短い髪の人形が立っていた。

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