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【バトル】2年A組+カヲル【ロワイアル】

1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 07:18:22 ID:fHgpTnNe
藤原竜也 シンジ
前田亜季 レイ
山本太郎 トウジ
柴咲コウ アスカ
安藤政信 カヲル
栗山千明 ヒカリ
北野武 ゲンドウ
宮村優子 本人

最後の一人まで戦いは続きます。

2 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 07:41:09 ID:oaZ2J4yo
糞スレ

3 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 07:54:40 ID:???
ビデオのお姉さんが、みやむーなんじゃないか?
役名が違う。

4 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 07:58:46 ID:???
すまんのぅ、ネタはあるが時間が無くて書けないのよ。


5 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 10:02:00 ID:???
何かレイは強そうな気がする

6 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 11:55:04 ID:???
綺麗事言いながらもシンジは殺して殺して生き残りそうだ

7 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 12:08:44 ID:???
シンジとカヲルが生き残り、「さあ僕を(ry

8 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 13:33:50 ID:???
俺的イメージでは

アスカ=相馬光子
レイ=桐山和雄

って感じかな。

9 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 18:27:23 ID:???
俺が立てようとしたスレを…。
まっいっか

10 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 21:32:59 ID:???
1の神経を疑う

11 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 21:42:23 ID:???
投下されるネタによっては良スレの予感

12 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/26(木) 06:27:04 ID:???
(修学旅行先はオキナワ、スクーバまで予定されてる)
(泳げない生徒もいる事を分かってほしいよ、まったく)
(でもいいや。どうせ、待機のために行けないんだ)
(アスカは行く気まんまんだったけど、どうせそうなるに決まってる…)

「えっ? 修学旅行、行っていいんですか」
「もちろんじゃない。中学生活、最大の思い出よん♪」
「でも、いいんですか? 僕らがいない時に使徒が来たら大変ですよ」
「いいのいいの。碇司令直々の命令だもの」
「父さんの命令…、ですか」

しばしの沈黙をアスカが破った。
「シンジ、本当は行きたくないんじゃないの? なんせ泳げないもんねぇ」
「うるさいなぁ。息が詰まる毎日なんだから行きたいに決まってるじゃないか」
「どうだか」
早速旅支度を整え始めるアスカを尻目にミサトへ問う。
「綾波も行くんですか」
「あったり前じゃない。シンちゃん、どうしてそんな事きくの? ひょっとして…」
「いや…、僕はただ…、あの…、綾波と南の島がどうしても結びつかなくて」
「それもそうね。日焼けしたレイなんてレイじゃないわ」
「ですよね」
ミサトの遠い目にシンジは気付かなかった。

13 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/26(木) 06:28:35 ID:???
「にゃははー、シンジ。一緒に来れて良かったなー」
離陸前からはしゃぐトウジ、ひたすらカメラを回し続けるケンスケ。
(アスカと委員長は隣同士ずっと仲良く喋ってる。綾波は…)
いた。
(でも、隣にいるのは知らない生徒だ。誰だろう。他のクラス?)
(あんまり学校に来ないからよく分からないや。後で確かめよう)
(トウジはずっとこの調子なのかな。飛行機の中なんて寝るに限るのに…、フハァ…)
大あくびとともに目を閉じるシンジだった。

尿意で目を覚ましたシンジは、眠りこけるクラスメイト達を目にしていた。
(トウジまで…。たった二時間のフライトでみんなが寝るなんておかしいな)
トイレに立とうとした。しかし、体に力が入らない。
(あれ、どうしたんだろ。体の自由が利かない…、こんなのおかしいよ…)
シューッという音が聞こえてくると、再び眠りに落ちてしまうシンジだった。

14 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/26(木) 14:59:18 ID:???
イイヨイイヨー

15 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/26(木) 18:33:40 ID:???
「んっ…」
再び目を覚ましたシンジは、前屈みに突っ伏している姿勢に気がついた。
(機内食も出ないのにテーブルなんか出したっけ)
上半身をしっかり支える水平面に手をかけて体を起こす。
(テーブル…、じゃない。え? 机じゃないか)
辺りを見渡した。見慣れた2年A組の教室。
(あれ、修学旅行の飛行機の中だったと思うけど…。夢かな)
(今見てるのが夢? それとも旅行が夢だったのか)
机の上にはいつもの赤いノート型PCがある。
(授業中に寝ちゃったみたいだ…、よく見つからずに済んだな)
もう一度周囲に目をやる。教壇に先生はいなかった。
もっと奇妙なことには、クラスメイトの皆がついさっきまでのシンジ同様、
机に伏せて寝息を立てているのだった。
(どうなってんの?)

ガタッ

斜め後方から椅子の動く音がした。

16 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/26(木) 18:36:07 ID:???
「なんや〜、夢やったんかいな。修学旅行に行ったつもりではしゃいどったのに」
トウジが目を覚ましたようである。その首には金属質な輪がはめ込まれている。
「トウジ…、何、その首輪」
「え? うわ! なんや、いつの間にこんなん付けてるんや、ワイ」
慌てるトウジだったが、ふとシンジに目をやってすぐさま指を差す。
「シンジ、お前もはめとるで」
え?
咄嗟に手を首筋へやる。あった。確かにトウジと同じ物らしき感覚がある。
悪寒が背中を走った。同時に、方々からごそごそとした音や伸びをする姿が飛び込んできた。
「きゃ〜〜〜〜〜! 何よ〜、これ〜〜〜〜〜!」
アスカだ。
「何なの〜〜〜〜〜! 気持ちワル〜〜〜〜〜イ!」
その声に触発されてクラス中が騒然となった。
誰もが互いを見ては、首の物を取ろうともがいていた。レイでさえも。
ただ一人、見慣れぬ男子だけが平然と微笑を浮かべていた。
その時。前方上方のスピーカーから低い男声が響いた。
「2年A組の諸君、静粛に願いたい」
シンジは声の主の正体を直感した。
(父さん…)
何か得体の知れない不気味な予兆を感じ取るシンジだった。

17 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/26(木) 19:15:07 ID:???
「せっかくの修学旅行だが、A組に限り中止となった。まず、机のPCを起動させる事を望む」
広がる動揺。何がなんだか分からないが、とにかく電源を入れる。
ピコン
起動音とともにビデオムービーが再生され始めた。
「は〜い、2年A組の皆さ〜ん。今から説明する事をよ〜く聞いてね」
ミ…、ミサトさん…
「A組はエヴァンゲリオン専属操縦者候補生の集まりなの、知ってた?」
何だって?
「で、今日はフォースチルドレンの選抜を行っちゃいま〜す!」
「ワオ! やった〜!」
ケンスケが狂喜の声を上げた。
「ルールは簡単。一時間後からクラスメイト同士で戦争するの。もちろん、勝者は一人だけよん♪」
何を言ってるんだよ、ミサトさん…
「公平な抽選で武器を与えるから、それを使ってできるだけ多くのお友達を葬ってくださいね」
レイとアスカが小さく首を動かして、横目でシンジを見た。
(フォースチルドレン…、綾波とアスカと僕はもう適格者なのに…)
「あ、そうそう。綾波、惣流、碇の三人にもアドバンテージは無いわよ。みんなと同じ条件」
意味が分からない。
「これで死ぬようなら、この先の使徒との戦いで使い物になんかならないから」
死ぬ? クラスメイト同士で戦争って…、本当に命を奪いあう、ってこと?
あまりの衝撃にシンジは気を失いそうになった。

18 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/26(木) 20:38:00 ID:???
戦闘区域外では首輪が爆発する事。その区域は時を追って狭まる事。
脱走や首輪の除去を試みると死ぬ事。そして…、敵を倒すのにルールなど無い事。
多くの説明をひとしきり終え、ウインドウ内のミサトは満面の笑みとともに手を振って消えた。
「みんな、頑張ってね♪」の一言を残して。

ぞろぞろと迷彩服の一団が教室へ入ってきた。大量の軍用リュックを重そうに抱えている。
めいめい顔にまでカムフラージュを施してあったが、適格者にとって正体は一目瞭然だった。
(青葉さん…、日向さん…、マヤさんまで…)
「今から名を読み上げる。呼ばれた者は前へ来てリュックを受け取り屋外へ出るよう」
「ちなみに、ここはオキナワじゃない。第三新東京からそれほど離れていない某所としておく」
「皆が不正を働かないよう見張るため、最後の者が出た後に私たちも外へ散ります」
「では、男子1番。相田ケンスケ」
はい!と元気よく飛び出たケンスケは、リュックを受け取るなりすぐに中身を確かめた。
「ひゃあ〜、ラッキーというべきか、ギャンブルというべきか」
(超レア&ビンテージ物のXM8アサルトライフルじゃないか。できれば使わずに取っておきたいよ)
(でも、これで戦うんだよな。機能は申し分無いけどロクに実戦配備されなかったモデル…)
(え〜っと弾は…、これだけ? 300発ほどしか無いじゃん。フルオート連謝は無理か。しかし、重い)
よっこらしょ、とリュックを肩に担ぎ上げたケンスケ。
クラス一同を振り返って、にやり、と微笑むと、肩へ食い込む負荷に喘ぎながらも力強く出て行った。

19 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/26(木) 23:28:18 ID:???
良スレ!久々にバトロワ観たくなってきた

20 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/27(金) 16:58:02 ID:???
五十音順で呼ばれるのかと思っていたけど、違ったようだ。
クラスメイトが順々にリュックを受け取って出て行く。
委員長は涙目でアスカに一瞥をくれた後、じっとトウジを見つめて駆け出していった。
残るは五人。綾波、アスカ、トウジ、僕。それに…、誰だか分からない男子。
「次。渚カヲル」
(渚? カヲル? 初めて聞く名前だ。やっぱりそんなのクラスにいないよな)
すっ、と立ち上がったカヲルは一切の物音を立てずに前へ出向き、リュックを受け取ると、
全く振り返りもせず教室を後にした。
(いったい何者なんだろう…。どうして突然僕らのクラスにいるんだ?)
「次。鈴原トウジ」
ギギ、と椅子を引きずって立ったトウジは受け取ったリュックの中を見てキョトンとした顔をした。
ため息にも似た音を発したが、眉尻を上げてシンジを向いた。
「シンジ、外で待っとるわ」
「う…、うん…」
(トウジ…。僕は誰も殺したくないよ…。ケンスケも誘って一緒に逃げよう)
シンジの視界は、今にもこぼれ落ちそうな涙で曇っていた。

21 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/27(金) 16:59:43 ID:???
「惣流・アスカ・ラングレー」
ガタン、と勢いよく立ち上がったアスカは真っ直ぐに迷彩服の三人を見据えて歩いた。
「いったいどういうこと? あんたたち、ネルフの仕事放り出して何なの、これ?」
「君の質問は認められない」
青葉の返事に「はん、どうせ碇司令の命令は絶対なんでしょうけどね」と言い放ち、
渡されたリュックの内容物を確かめた。
「な…、何よ〜〜〜〜、これ〜〜〜〜〜!」
弐号機標準装備の形状に似た、カッターナイフ一本だけを取り出してアスカは叫んだ。
「こんなもんで戦えってぇの、あんたたちは!」
(アサルトライフルを持ってったのもいるのに、こんなのどうしようもないじゃん…)
残る二人のチルドレン、レイとシンジを睨むアスカ。
「先に行くわ。せいぜい頑張んなさいよ、あんたたちも」
「ア…、アスカ…」
シンジの言葉に出て行こうとする足が止まった。
「何よ」
「い…、いや…、何でもないんだ…、そ…、外で…、会おう…」
「はぁ? あんたバカぁ?」
「えっ…」
「今から戦争だってミサトも言ってたじゃん。なんであんたなんかと一緒にいなきゃいけないのよ」
この状況下でなお、アスカは普段の調子そのままだった。
「三バカでつるんでりゃいいでしょ。私は一人で戦ってみせるわ」
「で…、でも…、仲間じゃないか。エヴァのパイロット同士…」
ふぅーっ、と大きく息をついてアスカが返した。
「あんた、ホントにバカね」
軽いリュックを振り回しながらアスカが部屋から消えた。

22 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/27(金) 17:01:52 ID:???
「次。綾波レイ」
はい、と小さく応えて静かに前へ進み出る。
異常事態を全く意に介さず、リュックを受け取るとそのまま戸口まで寄った。
「あ…、綾波」
「何?」
振り向いた顔は、これまで出て行った誰よりも平静を保っていた。あの、渚カヲルと同じく。
「一緒に…、一緒にいようよ、外へ出ても…」
じっとシンジに視線を固定したまま数秒。ようやくレイが口を開く。
「さよなら」
「綾波!」
声は届いても反応が無い。レイも行ってしまった。
今や一人残された教室で、シンジは頭を両手で抱え込み机に伏せた。

「碇シンジ」
立ち上がろうとしないシンジ。
「どうした。碇シンジ。聞こえないのか。前へ出ろ」
日向の催促にも、やはり立たない。
「シンジくん!」
思わず出たマヤの呼びかけ。毅然とした態度を貫く規則を破ったマヤを青葉と日向が睨む。
その痛い視線で我に返ったマヤは顔を伏せたきり黙り込んでしまった。
(イヤだ…、戦いたくない…、戦いたくないよ…、父さん…、どうしろっていうんだよ…)

23 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/28(土) 02:29:05 ID:???
どうにか職務遂行の意識を取り戻したマヤがつぶやく。
「困りましたね…」
日向が小さく「うん…」と応えた時、長らく沈黙を守っていたスピーカーが唸った。
「どうした、シンジ。なぜ立たん」
ゲンドウの冷徹な声がこだました。
「父さん…、ここの様子が見えてるんだね…」
「ああ」
「戦いたくない…」
ぼそぼそと喋るシンジの声も、ゲンドウの耳にははっきりと届いていた。
「もう一度たずねる。なぜ立たん」
「クラスのみんなと戦うだなんて、できっこないよ!」
「そうか。参加しないのだな」
「当たり前だよ! できるわけないじゃないか!」
「死ぬぞ」
「えっ…?」
死、という響きにシンジは鋭敏になっていた。
「お前には失望した。何もせず、今そこで死ぬがいい」
ネルフ第一発令所総司令席に座るゲンドウは、傍らのスイッチに手を伸ばした。

24 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/28(土) 02:31:04 ID:???
「待ってください! 碇司令!」
青葉、日向、マヤの留守を預かり、オペレータ席に陣取るリツコの声だった。
「なんだね、赤木博士」
「碇司令…、サードチルドレンが生き残る、に賭けた者も多くいるのです」
ネルフ内部では、今回の『選抜』が賭けの対象となっていた。
「現時点で彼を失うのは公平性の点で疑問が残ります。再考をお願いします」
冬月も同意した。
「碇…、彼女に理があるぞ。ここでサードチルドレンを消すのはお前の傲慢だ」
肘をつき手を組んだままのゲンドウの耳元へ、冬月は顔を寄せてささやいた。
「個人的には好都合だがな。私は委員会が送り込んできたあの少年に賭けているのだから…」
フフ、と小さく笑う冬月に同調するごとく、ゲンドウの口元にも歪んだ笑みが浮かんだ。

「シンジ。次は無い。とにかく立て。逃げようなどと考えず、敵を倒せばいい」
スピーカーから流れるやや割れた音声にシンジは苛立っていた。
(敵だって? 僕の…、僕の敵は…、父さんだ!)
バン、と机を叩いて立ち上がり、日向からリュックを引ったくって部屋を走り出るシンジだった。

25 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/28(土) 03:32:11 ID:???
おもしれー 今後の展開に期待しとるよ

26 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/28(土) 17:36:11 ID:???
カーテンで外光を遮られ煌々と蛍光灯が灯っていた室内から、一気に廊下を駆け抜けた。
外は月夜だった。少し肌寒い。オキナワ向けに薄着で来たのがこんな事になるなんて…
待っているはずのトウジはいない。もちろん、アスカもレイもいなかった。
(暗いうちに歩くのはヤだな…。どこか眠れる場所は…)
きょろきょろと辺りを見回すシンジの視界の端に、建物の屋上の方向で鈍く銀色に光る物が入った。
バシュッ!
ひゅん、と空気を裂く音が耳元をかすめた。何かが飛んできている!
見上げた先には、クラスメイトとおぼしき一人の男子がボウガンを携えて立っていた。
(狙ってる…? 僕を?)
新たな矢をセットしようとしている影。シンジは立ち尽くしていた。
(そんな…、なんでこんな馬鹿げた事を真に受けてるんだよ…。おかしいよ…)
静謐に支配された夜に、ガチッ、と装填完了を示す音が響いた。
矢の先端の延長線上に、シンジの姿が捉えられる。
(やめてよ…、僕は死にたくないし、誰も殺したくないんだ…。みんなで逃げようよ…)
シンジの足は凍りついたように動かなかった。

27 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/28(土) 17:38:33 ID:???
「シンジ! そこはあかん! 走れ!」
この声は…
「トウジ!」
バシュッ!
発射音と矢が届く寸前、シンジは体をひねって声の方へ駆けていた。
ガシッ、とグラウンドに突き刺さる鋭利な音には振り向かず、シンジは走った。
「トウジ! どこにいるの! トウジ!」
「ここや!」
校庭と外界を隔てるフェンスの脇に立つ大きな木の陰から誘導の叫びが放たれる。

単発式のボウガンでは二の矢を継ぐまで時間がかかる。既にシンジは射程外へ出ていた。
「トウジ!」
半身だけを出してトウジはシンジの腕を引っ張り、木陰へと引きずり込んだ。
「すまんかったなぁ、シンジ。待っとるつもりやったけどワイも撃たれたから逃げてしもうた」
「トウジ…、僕は…、僕は…」
収まらない激しい鼓動に息を切らせながら、シンジはトウジを見やった。
トウジの右腕には深刻でこそないが決して浅くもない裂傷が刻まれ、血が流れ出していた。
「ああ、これか…。さっきの奴の矢がかすってな…」
「大丈夫…?」
「心配あらへん。こんなもん、じきに治りよるわ」
気丈なトウジに少しだけ気がまぎれ、素直な問いが出るシンジ。
「どうなっちゃうんだろうね、僕たち…」
「さぁな…。そやけどホンマ、むちゃくちゃ腹立つわ」
転向してきたばかり、まだ親しくなれないでいた頃のトウジの顔になっていた。
「撃ってきた奴もどないかしとるけど、これを仕組んだ奴らは何を考えとるんや!」
(みんなはスピーカーの声が僕の父さんだって知らない…)
(トウジをこんな目に合わせて…、絶対許さないぞ、父さん!)

28 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/29(日) 14:08:37 ID:???
その数分前、ケンスケは長年の趣味から得た知識と一番手に戦線へ飛び出した幸運から、
体のほとんどを洞穴に隠して前方のみを狙い打ちする、という最良の地形に陣を張り、
XM8アサルトライフルを固定し終え、ノクトビジョンでさっきまでいた学校を観察していた。
(屋上にボウガンを構えた女子がいる…。あそこから狙い撃ちかぁ?)
まだ出てきていないトウジやシンジが気になる。
(建物を出たら走るんだぞ…、もう戦闘は始まっているんだ)
トウジが出てきた。凶悪な意思を持った射手が矢を放つ。腕をかすめたようだ。
(トウジ!)
支援しようにも到底弾の届かない距離。トウジの脚力を祈るしかなかった。
走り出したトウジが校庭の隅の木陰へ逃げ込む。どうにか助かったらしい。
(ふぅ…、やれやれ、危ないとこだったな)
手に汗握って状況を見守っていたケンスケがもう一度ボウガンの女子へ目を戻す。
(あれ?)
確かに女子のはずだった。しかし、今そこにいるのは同じ武器こそ手にしているが男子だった。
姿かたちに見覚えのない男子。やや長めの髪が夜風に揺れている。
(おかしいな…、さっきの女子はどうしたんだ? それに…、誰だ、あいつ?)
ケンスケが謎の男子の正体を考え始めた時、リュックを振り回しながらアスカが建物を出てきた。

29 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/29(日) 14:14:10 ID:???
だが、ボウガンの男はアスカの動向に一切の興味を示さず、ただ上方からその足取りを眺めていた。
続いて現れたレイにも、その矢を向けることなくただ立っていた。
(惣流も綾波も助かったな…、女の子が撃たれるところなんて見たくないから、ひとまずオッケー)
(残るは…、シンジか。シンジ、上に変なのがいるぞ。気をつけろ)
勢いよく駆け出してきたシンジ。
(いいぞ、そのまま走れ)
ケンスケの思いは届かない。シンジは、屋上の魔手から丸見えの位置できょろきょろし始めた。
(まったく! 何やってんだよ、お前は! そこは危ないんだってば!)
第一の矢が放たれた。どうやら脇にそれたようだ。
(ほら、狙われてるんだよ! 早く逃げろって!)
二の矢が撃たれ、思わず目を閉じたケンスケ。しかし、次の瞬間には目をしっかり開いていた。
戦闘やそれに付随する場面で視界を閉ざす事が死に直結するのをケンスケは深層意識で理解していた。
そして、ノクトビジョンが捉えた光景は、トウジの隠れた木陰に向かって疾走するシンジだった。
(よし! いいぞ! もうボウガン程度じゃ届かない)
ほっ、と胸をなでおろすケンスケだった。

「アスカや綾波は大丈夫だったのかな…」
「惣流も綾波も撃たれてへん。屋上の奴は、同じ女子は狙わんと男子だけ撃つつもりやったんとちゃうか」
アスカやレイが無事らしい事に安心するシンジだったが、トウジの言葉に引っかかる部分があった。
「女子? 上から狙ってきたのが女子?」
「そうや。スカート穿いてたやろ」
シンジは戸惑っていた。
(スカート? 穿いてない。見間違えなんかじゃない。誰かは分からないけど、あれは男子だった…)

30 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 15:14:05 ID:???
何か不思議現象が起きているが……

もしかしてタブリスXX?w

31 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/29(日) 17:57:58 ID:???
ピロロン♪
電子音とともにネルフ第一発令所の大型メインモニタでは最新情報の表示がなされていた。
『2年A組女子07番、死亡』
冬月がつぶやく。
「早いな」
「ああ」
ゲンドウは眉一つ動かさず、いつもの調子で返した。
「しかし…、誰がやったんだ。映像が入ってきていないぞ」
「……」
黙っているゲンドウには多くを求めず、冬月がリツコへ問う。
「詳細が不明なようだが…。どうなっている」
「それが…」
リツコは狼狽した様子で言葉を絞り出した。
「死亡した場所は首の発信機から特定されています。校舎の屋上です。殺害の実行者もほぼ間違いなく…」
「誰かね」
「発信機IDは渚…、渚カヲルを示しています…」
「あの、委員会が送り込んできた少年か」
冬月の顔には、喜怒哀楽のどれにも属さない複雑な表情が現出していた。
(クラスの皆と全く接点のない彼が躊躇せず事に及ぶのは想像できたが…、それにしても早い)
リツコが報告を続ける。
「監視カメラは戦闘区域を全てカバーしています。ですが…、これをご覧ください」
モニタ上に映像が流れ始めた。校舎の屋上を写しており、ボウガンを手にした女生徒が下を眺めていた。
屋上へ通じる階段からカヲルが現れて口を開きつつ少女へ近づき、少女が接近者の方向へ向き直る。
その刹那、カヲルの両目がはっきりとカメラに向き──

32 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/29(日) 17:59:35 ID:???
そこで映像は途切れていた。
「……機器の不良だと思われますが…」
「カメラは目立つものかね」
「いえ、おそらくほとんど気付かれる事はないと考えます。しかも現在は夜間…、認識するのは不可能です」
「音声も確認できないな。発信機にはマイクが組み込まれているのだろう」
「はい…、映像の様子から渚カヲルが彼女へ何かを話しかけているのは明らかなのですが…」
「それも機器の不良、かね」
リツコは何も返答できないでいた。冬月がゲンドウの耳元へ顔を寄せる。
「どう思う、碇。あの少年が何かしらの細工を施したのかもしれん…」
臨時オペレータの声がスピーカーから響いた。
「映像、回復します。主モニタへ回します」
先ほど見たのと同じ角度から写された校舎屋上のリアルタイム映像。渚カヲルはいない。
だが、死亡報告のあった女子07番は、一目見ただけで事切れているのが分かる形で倒れていた。
目を見開いた顔があお向けになっている。決して悶死したようには見えない。だが──
その首から下は、数メートル離れたところにうつ伏せに配置されていたのだった。

33 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 18:41:21 ID:???
おお、職人さん降臨してる。
バルタザールさんGJ!
頑張って。

34 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 19:09:59 ID:???
マジでGJ!!

35 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 22:02:03 ID:???
>>30
タブリスXXは、 ス カ ー ト は い て な い 

36 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 23:01:58 ID:???
>>35 スカートはいてなかったらギャグになるぞwww

37 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 23:16:09 ID:???
>>30
むしろカヲルはどうでもいい。タブリスXXは萌える

38 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/30(月) 03:54:03 ID:???
たしかにスカートはいてないな。もしかしてパンツもはいてないかも(;′Д`)ハァハァ

39 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/30(月) 04:09:27 ID:???
スレ違い

40 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/30(月) 04:33:01 ID:???
御免。

誘導
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1122352915/801-900

41 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/30(月) 05:23:29 ID:???
GJ!!

42 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/30(月) 17:31:49 ID:???
拡声器を手にした青葉がグラウンドへ出てきた。
「まだ校内に残っている者へ告ぐ」
トウジとの出会いでほぐれた緊張感から襲ってきた尿意を解放していたシンジが耳を澄ます。
「五分後にここは戦闘区域外となる。その瞬間に首輪は爆発する」
木陰に腰を下ろすトウジと放尿中のシンジが視線を交わす。
「誰がいるかは分かっているぞ。そこの木の陰。鈴原トウジ、碇シンジ!」
リュックを引き寄せ、トウジが慌てて立ち上がった。
「シンジ、ここもあかんようや。ションベンなんかしとる場合とちゃう」
「ちょ…、ちょっと待ってよ…」
「アホか、死にたいんか!」
シンジのリュックも持ち上げ、腕を引っ張る。
「わ…、わわ…」
液体をほとばしらせながらフェンスへ引きずられるシンジ。どうにか最後の一滴まで出し終えた。
「行くで」
連れ立ってフェンスをよじ登り、校外の闇へと消えていく二人だった。

43 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/30(月) 17:33:03 ID:???
洞木ヒカリは校門を抜けた先に見えた森へと入り、巨木に寄りかかって泣いていた。
「どうして…、どうして、こんな事になったの…、グスン…」
クラスメイト同士で戦争。考えたくはないが、やる気になっている生徒だっているかもしれない。
(無理よ…、私には…)
絶望感からただ泣くだけのヒカリも、その自己防衛本能からか、無意識に声を押し殺していた。
その時。

ササッ、ガサガサッ

ヒカリの背後十メートルほどにある雑木の群れが不自然に音を立てた。
(何?)
ガサガサッ
音は止まない。それどころか、次第に近づいてくる。
(誰か来たの…? まさか…、私を殺しに?)
(イヤよ…、イヤ…。死にたくないの…、だって…)
今やその音は雑木の外縁、つまりヒカリの目前の位置にまで迫ってきていた。
そばへ下ろしてあったリュックから武器を取り出す。
SIGザウエル。戦略自衛隊も採用するハンドガンだが、ヒカリの知るところではない。
女子には重い拳銃を両手で構えると引き金に指をかけ、接近音の方向へ定めるヒカリ。

ガサガサガサッ!

来る…。良心と恐怖心の葛藤は生じず、ヒカリはただ無心に指へ力をこめた。

44 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/30(月) 17:34:19 ID:???
銃弾が発射される事はなかった。武器の扱いに全く無知なヒカリでは致し方ない。
マガジンの装填こそ配布時点でなされていたが、スライドの安全装置が解除されていなかったのだ。
(なんで動かないの…)
ビクともしない引き金に焦るヒカリの目の前へ、遂に来訪者が顔を現した。
「ん?」
互いに見つめ合った表情の両方に安堵の色が浮かんだ。
「ヒッカリ〜!」
「アスカ…」
そう。ヒカリは、クラスで最も仲の良いアスカへ発砲しようとしていたのだった。
(私…、もしかして…)
構えていたヒカリの両腕は下がり、膝は震え出した。
(私こそ…、やる気になってるの…?)
再び涙がこぼれるヒカリ。安心感からうっすら瞳の光るアスカとは違う意味の涙。
「ヒカリ…、もう大丈夫よ。私と一緒に行動しよ。ね? ほら、泣かないの」
ヒカリの頬へ手を差し向けるアスカ。
(違うの、アスカ…。私…、私ったら…、アスカを撃つつもりだったの…)
何も語らないヒカリの両手へ、アスカは自らの両手を移動させ優しく包み込んだ。
そして、その手の中のSIGザウエルをすんなりと自分の手へ移しかえた。

45 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/30(月) 20:16:02 ID:???
「あっ…」
この異常事態に身を守る唯一の術、ハンドガンをアスカにかすめ取られてヒカリは声を出していた。
「ヒカリ…、今これで私を撃とうとした?」
アスカの率直な質問にヒカリはうつむいた。
「撃とうとしたのね…。そう…」
カチ
安全装置を外したアスカは、カシャッ、とスライドも完了させた。
じっとりとした目付きでアスカがヒカリに問う。
「これ、私が持ってていい?」
「う…、うん…」
アスカが片笑みを浮かべた。ヒカリは何となく不安になったが、親友を信じて言葉をつないだ。
「私が持ってても…、使い方がよく分からないし…、きっと…、アスカが持ってた方がいいと思う…」
「……」
無言でいるアスカと心配そうな表情のヒカリの耳に異様な物音が届いたのはその時だった。

ガサッ

つい今しがたアスカが出てきた雑木の方向で、何かの動く気配がしていた。
見合う二人。リュックを背負うよう目配せしたアスカが、銃を持つ手に力を入れる。
(アスカ…、行くわよ)
ヒカリの手を取り、雑木から遠ざかる方向へ一気に駆け出した。

バサバサッ!

木々をかき分けて何かが飛び出してきた音。ヒカリの体を前にやって背を押し、アスカが振り返る。
猟銃を構えた男子生徒の姿が目に入った。その銃口は完全にアスカを捕捉している。

ズドン!

46 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/30(月) 20:17:40 ID:???
遠く聞こえた突然の火薬の炸裂音に、洞穴でウトウトしかけていたケンスケは目を見開いた。
(なんだ?)
ノクトビジョンを音の方へ向ける。森が広がるばかり。何かが動いているようだが、はっきりは見えない。
(ちくしょー、せっかく本物の戦闘シーンを暗視装置越しに自分の目で見られるチャンスだってのに)
そこまで考えて、ケンスケは自分の置かれた状況に思い至った。
(浮かれてばかりもいられないか…。明日は我が身、いや、今夜中に我が身、かもな)
「たのむぜ、XM8」
運命共同体となった相棒たるアサルトライフルを撫でながら、奮闘を誓うケンスケだった。

「ここ…、なんてどうかな」
学校敷地を抜け出した後、トウジとシンジは隠れ家となりうる家屋を探していた。
そして今、一軒の民家の前でシンジがトウジへ提案している。チャイムを押すシンジ。反応が無い。
ドアノブへ手を伸ばし、そっと回す。
「他人の家に勝手に入るんは、ようないと思うで」
「仕方がないよ。どうせここの人は強制退去させられてるだろうし…」
鍵はかかっていなかった。
「お邪魔しま…、す…」
半開きのドアから顔だけを真っ暗な屋内へねじこむ。

47 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/30(月) 20:19:12 ID:???
ズドン!

遠く銃声が聞こえた。さっ、と顔を引っ込めてトウジを見るシンジ。
「何、今の?」
トウジの顔は険しかった。
「たぶん…、どこぞで誰かがドンパチ始めたんやろ…」
「そんな…」
「ワイらかて撃たれたやないか。やる気になっとる奴が他にもおる、ちゅうこっちゃ」
不用意に顔だけを突出させて民家へ入ろうとした浅はかさを思い出して震えるシンジ。
(この家にも「いる」かもしれない…)
「トウジ…、明るくなるまで外にいた方がいいのかな…?」
「分からん…。とにかく、ワイはシンジに付き合うわ。シンジがそう思うんやったら、そうしようや」
せっかくの隠れ家候補を捨て、二人は再び歩き始めた。

おぼろげに入る月明かり以外は漆黒にほど近い、その家の居間。包丁を手に床へ寝転がる男子。
ただ、その手をはじめ、胴体や首や脚は各々が全く異なる場所に位置していたが。
そして、少し眉を寄せつつ窓際に立ち、去り行く二人を残念そうに見送る渚カヲルがいた。

48 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/30(月) 20:21:30 ID:???
天性の運動神経の賜物か。今にも散弾を放つ銃口を見るや、アスカは機敏にも二メートル横へと飛び跳ねていた。
同時に地面へ伏せる事で直撃も免れた。しかし、それでも散弾のほんの幾つかは背や脚の一部をかすめていた。
「「ちっ!」」
猟銃男の舌打ちとアスカのそれが重なった。銃身を折り、次なる連弾を込めようとしている男子。
跳ねる際にも着地の際にも決して手離さなかった銃がアスカにはあった。
(チャ〜ンス)
しっかりと両手で構え、狙いを定める。

バン!

その一撃は、寸分も狂う事なく男の左胸を貫通した。
ドサッ……、ドサッ!
銃身が折れたまま虚しく地に落ちる猟銃。二秒遅れて、全く受身を取らずに後ろへ倒れる体。
次の攻撃のためにスライド動作を行おうとしたアスカの手が止まった。どうやら賊はもう立てない。立ちようがない。
荒い息遣いで立ち上がったアスカは、ヒカリの背を押した事にようやく思考が及んで向き直った。
突き飛ばされた形で地面に伏せたヒカリには、散弾の脅威は届かなかったらしい。
だが、首だけをアスカに向けてうずくまるヒカリの顔には、はっきりと恐怖の色が浮かび上がっていた。
「ア…、アスカ…」
「ヒカリ、大丈夫だった?」
ところどころ血が出ているアスカの脚。それよりも気になるのはアスカの攻撃で倒れた男子生徒だった。
「あの子…、ケガしたよね…」
アスカは、これまで見せた事のないこわばった顔でヒカリに告げた。
「ケガじゃないわ…」
「えっ…」
絶句するヒカリ。
「死んでるはずよ」
目を伏せて怯えるヒカリへ伝える。
「分かって、ヒカリ…。仕方なかったの…。降りかかる火の粉は払いのけなきゃ、私たちが死んじゃうもの…」
正当防衛を主張するアスカの膝もまた、小刻みに震えているのだった。

49 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/30(月) 23:46:26 ID:???
てっきりアスカが委員長をあぼんするかとw
なかなか面白い展開

50 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/31(火) 00:03:18 ID:???
これのカヲルって貞カヲ?

51 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/31(火) 06:59:58 ID:???
ただ、主要キャラ以外のやつらにキャラが無いのが残念だな。シンジ、アスカ、レイ、トウジ、ケンスケ、ヒカリ、カヲル以外のやつらは名前も分からん。
あぁ〜あ、これも庵野がちゃんとしてれば…

52 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/31(火) 18:29:09 ID:???
「ケンスケ、どうしてるかな…」
シンジはもう一人の悪友の行方を気にしていた。
「ケンスケかぁ…。あいつ、張り切ってるんと違うか。ドンパチできる、エヴァのパイロットにもなれる…」
「なんだか、すごい銃を持って出て行ったよね」
「ま、ケンスケはワイらよりこういうのん得意やろから、まだ心配せんでええやろ」
「だといいんだけど…」
当てどなく歩くトウジとシンジ。学校を出てからというもの、もう随分と歩き通しである。
幸運にも、ボウガンによる襲撃を除けば悪意に満ちた敵と一度も遭遇していなかった。シンジがたずねる。
「ところでさ…、トウジのリュックは何が入ってたの? 僕もまだ自分のを開けてないんだけど…」
「ん?」
「いや…、だってトウジ…、教室を出て行く時に中を見て、ため息ついてたような気がしたから」
「ワイの武器か…? 武器でも何でもあらへんけどな」
武器じゃない?
「トランプや」
「はぁ?」
「そやから、トランプ」
あまりにも意外な答でキョトンとするシンジに、トウジの片眉が上がる。
「な? そういう顔にもなるやろ。トランプを何にどう使え、っちゅうねん」
「時間が空いてる時に遊べ、ってことかな…。ハハ…」
精一杯の冗談を言ったつもりだったが、トウジはくすりとも笑わなかった。

53 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/31(火) 18:30:44 ID:???
いまだ銃を手にしたまま立ち尽くすアスカを前に、ヒカリは何も話せないでいた。アスカが口を開く。
「私の事…、信用できなくなったでしょうね…。突然ヒカリにも銃を向けるかもしれない、って」
ヒカリは黙っていた。
「当然よね…。いくら襲われたからって、平気で引き金を引いたんだから」
つい数分前の自分を思い出すヒカリ。
(でも…、私だって引き金を引こうとしたもの…)
アスカがいなければ…、アスカに銃を取られていなければ、この場で死んでいたかもしれない。
恐怖心を完全に消し去る事はできなかったが、アスカに対する感謝の念も同時に持ち合わせていた。
「ア…」
それを伝えるため、名を呼ぼうとしたヒカリの言を遮る形でアスカが続けた。
「ヒカリが私を撃とうとした時の気持ち…、分かるの」
「えっ…」
「まだ十四歳よ。誰だって死にたくないわ。特に…、好きな人がいると」
瞬きも忘れてヒカリはアスカの顔を凝視した。
「鈴原…、でしょ」
図星を衝かれ、みるみる上気するヒカリ。
「隠しても無駄よ」
「わ…、分かる…?」
ようやく会話が成立した。
「見え見えよ。分からないのは、あの三バカトリオくらいなもんね」
「そう? 碇クンはナイーブそうだけど…」
「あれが一番鈍感! おまけにバカよ」
人差指を立ててまで、シンジのバカさ加減をアピールするアスカ。
「いいわ…、鈴原を探しましょ。シンジを待つ、って言ってたから、たぶん一緒にいるはずよ」
(鈴原を探しにアスカと…)
ヒカリの顔に明るさが戻った。
「うん」
差し伸べられた手を取ってヒカリが立ち上がる。アスカの胸も高鳴っていた。
(好きな人のいる十四歳の気持ちが分かる…。普段だったら絶対言わない事をよく言ったものね、私も)
凶悪だった遺骸の倒れる位置を背に、歩き始める二人だった。

54 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/31(火) 18:32:09 ID:???
「やはり今回も記録はナシ、か…」
「私有の家屋内まではカメラを設置しきれていません。ですから鮮明な映像はありませんが…」
「が、なんだね」
「…、音声こそ先と同様入ってきていないものの、サーモグラフ処理を施した現場の透過映像ならあります」
冬月に促され、報告を始めるリツコ。青みがかり、ぼんやりとした映像がモニタへ写った。
渚カヲルによる第二の実行がなされたはずの建物を斜め上から捉え、温度の高低を色調で表している。
「壁の内側も確認できます。ご覧の場面は、男子13番が室内を物色して何かを手にしたところと思われます」
青一色を背景に、人の形をしたオレンジ色がせわしなく移動している。リツコが声のトーンを上げる。
「ここからをご注目ください」
人型の動きが止まる。顔が玄関の方向へ向き、両手を揃えて前に突き出す。
「おそらく包丁か何かを構えています。外敵の侵入を察知したのです」
だが、それらしき明るい色調の塊は接近してきていなかった。
人の頭ほどの大きさの赤い玉だけが床から一メートル少し上空を、すーっ、と近寄っている。
「これは…、い、いったい何だね」
冬月が上ずった声を出した。
「同時刻のレコーダーを確認したところ…、渚カヲルです」
高温を示す赤い玉がオレンジ色の人型へ速度を落とさず寄ったところで、校舎屋上と同じく映像は途切れていた。
奇妙な報告内容にも微動だにしないゲンドウと異なり、冬月の顔にはありありと困惑の色が出ていた。
(何者だ…、あの少年は…)
「低体温症、などといったレベルを遥かに下回る体温分布です。精査の要あり、と認めます」
やっとゲンドウが言葉を発した。
「赤木博士…、至急彼の諸データをMAGIに当たらせてくれたまえ」
「はい」
「結果は、私と冬月へ直接伝えてくれ。一切の他言を禁ずる」
「了解いたしました」
重苦しい雰囲気のネルフ第一発令所。だがそれも、続いて流れ始めた映像で一変する。
背後から襲いかかる男子09番を見事一撃で仕留めたアスカの勇姿に、感嘆の声が上がるのだった。

55 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/01/31(火) 18:34:07 ID:???
夜が明けた。夜のうちははっきりしなかった戦闘区域の全容が誰の目にも明らかとなる。
それは、大きな山の麓にこびりつくかのように発展してきたと思われる小さな町の姿だった。

午前七時、戦闘区域の全域へ向けた放送が始まった。
「は〜い、2年A組の皆さ〜ん。ここまでの状況と、今後の予定を伝えるわね〜♪」
いたる所に設置されたスピーカーからミサトの能天気なアナウンスが響く。
「え〜っと…、既に三人のお友達が今回の選抜から脱落してま〜す」
空が白む頃合いに地形を把握し、河原へとたどり着いていたトウジとシンジが顔を見合わせる。
不眠不休で移動してきたため体は疲れきっていたが、川の水を飲んで鋭気を回復しかけていた矢先だった。
「女子07番、男子13番、男子09番の三人よ。でも…、ちょっとペースが遅いかなぁ、なんて」
(ペースが遅い? 戦争の…? 正気じゃないよ、ミサトさん!)
憤るシンジの気持ちを逆なでするがごとく、明るい調子の放送は続く。
「しっかり頑張ってるお友達の名前は、と…。ふふ〜ん…、みんなにはあんまり馴染みじゃないかもね」
(馴染みじゃない?)
「昨日転校してきた渚カヲル君! ハーイ、ユーアーナンバーワーン♪ といっても、まだ二人だけど。えへ」
シンジにもトウジにも、そしてケンスケにも渚カヲルという名が示す、その不気味な姿が脳裏に浮かんでいた。
(やっぱり…、やっぱり…、あいつはそういう奴だったんだ…)
(あの気色の悪い男や…。早速二人も…、許せん)
(屋上にいた奴の事だな…。最強の敵、ってところか)
だが、シンジはある事に気がついた。
(三人脱落って言ってたぞ…。もう一人は誰が…?)
そして、ミサトの声が衝撃の事実を告げる。
「二番手につけてるのはねぇ…、ナイス、アスカ!」
(アスカ? アスカがクラスメイトを殺したの? そんな…)
日頃寝食をともにしているアスカが手を下した、とするアナウンスで頭の中が真っ白になるシンジだった。

56 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/31(火) 22:38:06 ID:???
投下待つのが毎日の楽しみになってるよ。GJ!

57 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/31(火) 23:27:02 ID:???
俺も。エヴァ板に来ると真っ先にここに来てる
バルタザールさんいつもGJ!!

58 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/01(水) 17:59:41 ID:???
まだ低い陽光の中、きちんと両腕をストラップに通し、体に比してやや大ぶりなリュックを背負う一人の少女。
日光を嫌ったのだろうか、どこからか調達したらしい登山帽をかぶる綾波レイが山道を一人で歩いていた。
その姿は、髪の色と背丈、それに中学の制服という出で立ちこそ違え、在りし日の碇ユイに生き写しだった。
ネルフ第一発令所のモニタに流れる映像を前に、冬月が柔和な面持ちでその足取りを眺めている。
(ユイ君…、そういえばいつだったか、君とこうしてハイキングに出かけたな…)
冬月は古い記憶を呼び起こしていた。
(その道すがら、君とこの男が付き合っている事実を聞かされた…)
(それからというもの、互いに数奇な運命を歩む事となった…)
美貌の才媛、碇ユイと結婚し、一子まで設けたゲンドウの背をちらりと見やって、冬月は再び画面へ目を戻した。

全生徒の動向をデータ上で追うリツコもまた、画面を注視していた。
(綾波レイ。マルドゥック機関の報告書によって選ばれた最初の被験者、ファーストチルドレン…)
(そして…、母さんと私にとっては邪魔でしかない存在…。私たち親子を不幸にだけ導く女…)
リツコの眼差しはいつになく厳しいものだったが、誰一人としてそれに気付く者はいない。
他の生徒の位置を確認すべく手元のディスプレイに視線を落としたリツコの目が大きく見開かれた。
その瞳は期待感を宿した輝きでうるみ、体は自然と総司令席へ向き直った。
「序盤のハイライトが訪れそうです」
怪訝な顔の冬月と、手を組んだまま次の言葉を待つゲンドウ。
「綾波レイの後方より渚カヲルが接近中。距離、150」
冷静に伝えつつ、リツコは上目づかいにゲンドウの様子を観察していた。
濃い色のサングラスが細かな感情の動きが漏れ出るのを拒んでいる。
だが、ごく間近で見た事も、優しく触れた事すらもある眉の動きは見逃さない。
かすかに表情を曇らせ動揺している風のゲンドウを確認すると、再び正面へ体を戻して微笑むリツコだった。

59 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/01(水) 18:01:06 ID:???
「続いてお知らせします」
オペレータの事務的な口調が発令所内に流れる。
「同じく、綾波レイへ向かって前方より男子04番、接近!」
もはや抑えきれないほどの昂ぶりを感じるリツコだったが、どうにか笑みはこぼさず表情を取り繕っていた。
(挟み撃ち、か…。どうするのかしら? ねぇ、レイ)
冬月がリツコへ大声で問いを投げかける。
「渚カヲルの詳細はどうした? まだ分からんのかね!」
(あらあら、副指令…。碇司令だけでなく、あなたまでレイ…、いえ、ユイさんにご執心ですか)
回れ右をせず正面を向いたきり、リツコは同様に大声で応じた。
「MAGIは全力でデータを検証中です! にも関らず、現段階において詳細は一切不明なのです!」
前後双方から他者が近づいている事を知ってか知らずか、画面上のレイはいつも通りの無表情で歩き続けていた。
ただ、先ほどまでは小さく振っていた両腕が異なる位置にある。
肘を折り、肩から脇へかかるストラップに両の親指がかかっていた。まるで、すぐリュックを下ろせるように。

「レイの前後にいる生徒の武器は!」
じれる冬月の言葉を受けて、リツコは傍らのパネルを操作した。
ピュルン♪
レイの姿の両隣に男子04番とカヲルの映像が映し出された。
「マ…、マシンガン…」
男子04番はマシンガンをしっかりと両腕で支えながら周囲を見回しつつ、じりじりとレイへ近づいていた。
一方のカヲルは、配られたリュックこそ右肩にかけているが、その手には何の武器も持っていない。
「渚カヲルの歩行速度、上昇中。綾波レイまでの距離、100」
「男子04番と綾波レイ、距離、同じく100!」
オペレータ達の現状報告が次々と舞い込む。
ほどなく綾波レイの足が止まった。正面の男子04番が見えたようだ。
そして、首を左右に振っていた前方の彼もまた、レイの姿を視界に捉えたらしく動きを停止させる。
マシンガンの先端、黒い孔がレイへ向けられた。

60 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/01(水) 18:02:26 ID:???
「渚カヲル、綾波レイの後方35まで接近!」
「男子04番の位置、依然変わらず」
ネルフ第一発令所に緊張が走る中、中央画面のレイに変化が見られた。
後方を気にするような感じでわずかに視線を横へずらした直後、再び前への歩みを再開したのである。

できることなら等距離を保ちたい、むしろ逃げてほしい、と願った男子04番の望みは叶わなかった。
学校では一言も口をきいた事のない綾波レイが、自らの武器であるマシンガンに臆せず近づいてくる。
(綾波さん…、どうして…? マシンガンが見えてないの…? 来ないでよ…)
「男子04番と綾波レイ、距離、70!」
(もうきっと射程内だよ、綾波さん…)
張り裂けそうな心臓の鼓動が伝わったか、レイの足は止まった。
だが、レイは素早くリュックを肩から外すと右手に滑らせ、その場にしゃがんで中を探り始めた。
(え? まさか…、武器? 僕と戦うの…?)
少しばかり緩んだ緊張が、恐怖心と相まって以前にも増した勢いで襲いかかってきた。
そして次の瞬間、男子04番の心の均衡が崩壊する。
しゃがんだレイのすぐ後方に、カヲルの姿をはっきりと目視したのだ。
(あ…、あれは…、誰…? そ…、そうか…、あいつが…、渚カヲルだ…)
(既に二人を葬った転校生の渚カヲルだ!)
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
バババッ! バババババババッ! バババババッ!
ためらう事なく引き金を引きつつ、銃口を左右三十度ほどに振りながら男子04番が突進した。

「レイっ!!!」
それまで黙して様子をうかがっていたはずのゲンドウが突然立ち上がり、あらん限りの声で絶叫した。

61 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/01(水) 18:03:51 ID:???
(はっ…!)
異様な感覚でシンジは正気に戻った。辺りを見る。水を飲んだ河原だった。
「お、起きたみたいやな」
隣にはカチャカチャと音を立てて何かを触っているトウジがいた。手のものをシンジに向ける。
「バーン!」
まだすっきり頭の回らないシンジが状況を把握するには三秒ほどの時間を要した。やっと声が出る。
「ピ…、ピストルじゃないか…、トウジ。やめてよ…、こっちに向けないでよ」
「遅いなぁ、シンジ…。そんなことやと誰かにやられてまうでぇ」
困惑するシンジが質問する。
「それ、どうしたの?」
「お前のリュックに入ってたんや」
なぜトウジが自分のリュックの中を探ったのか分からないシンジ。
「シンジがさっさと寝てまいよったからワイは起きてんとしゃあない。でも、トランプじゃなぁ…」
淡々とトウジが語る。
「悪いとは思ったけど、調べさせてもろたんや。自分や誰かを守るためには武器がいるよってに」
「ご…、ごめん…」
どうやら眠いのはお互い様なのに自分一人だけが寝てしまったのだった。
「トウジ…、今度はトウジが寝なよ。僕が起きてるからさ…」
にや〜っ、と笑ってトウジがからかう。
「とか言うて先生、逃げよるんとちゃうかぁ? 逃げんかったとしても、あんまり頼りにならんなぁ」
「ひどいよ、トウジ!」
「にゃはは、冗談やがな、冗談」
ほんなら頼むわ、とトウジが手の銃をシンジに託した。
トウジの体力、それに精神力も限界に近かったのだろう。横になるとすぐに寝息をたて始めた。
一人座るシンジは、起きる直前に見ていた妙な夢を思い出していた。
(綾波が…、綾波が撃たれる場面だった…。無事でいてくれよ…、綾波…)
さらに、朝のアナウンス内容。
(アスカ…、誰かを殺しただなんて嘘だよね…? 嘘だと言ってよ…。ねぇ、アスカ…)
川面を流れるせせらぎのように、いつしか涙が頬を伝うシンジだった。

62 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/01(水) 22:27:27 ID:???
バババッ! バババババババッ! バババババッ!
そびえる山の中腹から聞こえてきた連続する発砲音に青葉と日向の顔に緊張が走った。
生徒たちの不正行為を監視する他、遺体の状況を確認した後に回収班を手配する役目の途中である。
校舎屋上を経て、渚カヲル第二の凶行現場となった一軒家。ただ、陰惨なバラバラ場面にマヤはいない。
行動をともにしているが、校舎屋上を検分した段階でマヤは半狂乱になっていた。
今も屋内に入っていこそすれ、玄関の土間にへたりこんで泣いている。
「また戦闘が始まったみたいだ」
「今度は誰だろう…」
イヤァァァ!と耳を塞ぐマヤへ目を向ける二人。青葉が発令所へと無線連絡を入れる。
「どうしたの」
リツコが応じた。
「お忙しいところ申し訳ありません。伊吹二尉を本部詰めに変更いただきたくご連絡を差し上げました」
ピピ、ピコピコ、カチャカチャ
受信スピーカーからリツコがパネルとキーボードを操作する音が聞こえる。青葉が続けた。
「彼女に現場は耐えられそうもありません…。無論、我々もどうにかこなしているに過ぎませんが…」
「いいわ。マヤには帰還を命じます。それより…、あなたたちは今、あの室内ね?」
「はい」
「そこからマシンガンの音は聞こえたかしら」
「つい先ほど、山の方角から聞こえました。日向二尉と一緒に確認しています」
「そう…、渚カヲル絡みでまた情報が寸断されているの。音のした地点へ二人で向かってくれない?」
「了解しました。伊吹二尉はどうしましょうか」
「マヤには学校へ戻るように伝えて。迎えをやります」
はい、と力強く返答し、青葉と日向はバラバラ遺体もそのままに、マヤを連れて外へ飛び出した。

63 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/01(水) 22:29:16 ID:???
ザーッ
男子04番が乱射ならびに突進を始めてから一秒後、第一発令所のモニタに周辺映像は届かなくなっていた。
「レイ…」
腰を上げた姿勢で何も映らない画面に向かうゲンドウがつぶやいた。
ちらつくだけの画面から早々に目を離した冬月が現場の状況を想像する。
(映像が途切れるのは三度目…、そのいずれの場所においても渚カヲルが存在した…)
(さらにもう一つの共通点…、そのいずれの場所においても死者が出る、か…)
「レイ…」
冬月もまた、思わずレイの名を口にしていた。

「映像回復が先になるとは思いますが、念のため青葉二尉と日向二尉を現場へ向かわせています」
「発信機データは…」
ゲンドウの弱々しい声の調子に起因する内心の高揚を悟られぬよう、努めて冷静にリツコが答える。
「強力な妨害電波が発生しており、生死の情報すらキャッチできていません」
「そうか…。情報が入り次第、たのむ」
ゲンドウがゆっくりと席に着く。代わって、冬月がリツコへ問いかけた。
「あの二人だけ…、青葉、日向の両名だけで大丈夫かね。もちろん伊吹二尉がいたところでどうにもならんが」
「と、おっしゃいますと?」
「こんな事は考えたくもないが…、あの渚カヲルという少年…、相手を問わず凶行に及ぶ可能性もあるのでは?」
「副司令…、では戦自に出動を要請しろ、とでもおっしゃるのですか?」
「バカな…、何もそんな事を言っているのではない…」
ゲンドウへ向けられるべきリツコの歪んだ感情はやや暴発気味になっていた。だが、さすがに一線は超えない。
「心配はご無用です。次善の策を講じ、手配を済ませてあります」
いつもと異なるリツコの雰囲気に、誰もが口を閉ざす第一発令所だった。

64 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/01(水) 23:10:23 ID:???
GJ!続き楽しみだ

65 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/02(木) 16:52:47 ID:???
あんた最高だよ
続きが気になる!

66 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/02(木) 18:55:06 ID:???
初めて聞く間近な機銃の掃射音にケンスケは身を固くした。
(随分と近いな…、いよいよか)
戦闘参加者で最も充分な睡眠を取ったはずのケンスケには、午前の太陽もさほど眩しく感じられない。
音がした方には、自らが篭もる洞穴へと続く山道があった。その途上のどこかで起きた発砲。
(ずっと待つだけなのも退屈なんだよな…、出て行くべきか…。でも、これ、重すぎるよ)
いかにミリタリーマニアとはいえ、本物のアサルトライフルは中学生にとって相当の負担である。
逡巡するケンスケの耳に別の音が届いたのはその時だった。ザザザッ、と駆け寄る複数の足音。
「あそこよ」
「ホントだ…」
「綾波さんの隣、あれが例の転校生でしょ」
洞穴のすぐ上、たしか鬱蒼とした森の広がっていた周縁部から三人の女子の会話が聞こえる。
確認できた声が三人分なだけで、もっと他にいるのかもしれない。
「渚カヲル、って言ってたわよね」
「もう二人も殺したのよ…、今だってあの音がした辺りを平気で歩いてる…」
「きっとまた誰か死んだんだわ…。それに、綾波さんの手首を引っ張ってるようにも見える…」
女子生徒たちの洞察にケンスケはうなずいていた。
(そうさ…、ここからはよく見えないけど、奴がいた近くで掃射音が響いたうえに今も平気でいるのなら…)
(それは間違いなく…、また誰かが殺されたんだよ)
「次は綾波さんが危ない、ってこと?」
「そうね…、すぐに殺さなかったのは別の目的があるからかも」
「別の目的、って何よ…」
ケンスケは会話の成り行きに固唾を飲んだ。
「分かってるくせに…。十四歳の男が同級生の女の子を脅してすることなんて決まってるでしょ」
「まさか…」
「ありうるわよね…、人を殺すような奴なら」
そして、ケンスケは続く言葉に耳を疑う。

67 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/02(木) 18:56:30 ID:???
「助けに行こうよ。あいつがいる限り、私たちも安心できないもん」
「そうね、三対一なら何とかなるよ、たぶん」
「他に仲間がいるともっと心強いんだけど…」
やはり洞穴の上の女子は三人らしい。ケンスケの心臓は、ノドを通って口から飛び出そうなくらいに脈動していた。
(ムチャだよ、奴がどんな手を使うのかも分からないのに…)
(他の仲間、って…。俺の存在には気がついてないんだよな…。どうするべきだ、相田ケンスケ!)
悩むケンスケの頭上で、ざわざわと移動する気配がした。
男子なら飛び降りるか滑り降りるであろう高さの小さな崖も回りこんで降りてくる様子。
踏み切ってくれていれば眼前でスカートの中を見られたかもしれないが、今のケンスケにそんな余裕は無い。
(やっぱキミたちだけじゃ無理だって…。この程度の高さも遠回りして移動するんだろ?)
想像した以上に時間がかかって三人は洞穴の前までたどり着いていた。その背を眺めるケンスケ。
それぞれの手にはしっかり小銃が握られている。
(本気だな…)
決意の一歩を踏み出せないでいる三人の心を見透かすように、ケンスケの揺れる思いが重なる。
(そりゃ怖いだろうさ。俺だって怖い…)
さらに自らの願望も頭をもたげ、葛藤が生じる。
(勝ち残ればフォースチルドレン…、今いるここは生き残るのに最良のポジション…)
(でも、それでいいのか、本当に…。俺も中学生なら、渚カヲルだって中学生。戦闘のプロ、ってわけじゃない)
(負ける喧嘩をするのはバカだけど、奴がそこまで無敵とは思えない…。この女子たちには強敵だろうけど)
ケンスケの口が真一文字に結ばれた。
(そうさ…、女の子を見殺しにして何がフォースチルドレンだよ! 何が正義だってんだ! やってやるぜ!)
「待ちなっ! そこのキミたち」
背後からの突然の呼びかけに、三者は揃って上体をひねると銃口を声へと向けた。

68 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/02(木) 18:57:52 ID:???
青葉と日向に別れを告げ、学校へと向かうマヤ。校門まではおよそ300メートルの地点に来ていた。
本来は身を隠す目的で着用する迷彩服だが、白昼の街路ではかえって目立つ。
軽やかと呼ぶにはほど遠い足取りの彼女へ注がれる複数の視線があった。

「おい、あれ…。教室で武器を配ってた兵隊だろ?」
「そうみたいだな」
「一人でいるぜ。しかもフラフラしてる」
「学校に戻る途中か…」
「チクショー! あいつらがこのワケわかんない殺し合いを監視してんだよ!」
「……、どうする?」
「どうするもこうするも…、ヤッちまおうぜ」
「ふふっ…、お前も好きだな」
「何が」
「あれ、女だぜ…。ヤる、ってどっちの意味だよ」
「バッ…、バカなこと言ってんじゃねぇ!」
「俺は…、どっちもやりたいなっ、と」
軍用ナイフを手にした男子が第一歩を踏み出すと、ライフルを持つもう一人もその影を追った。

バキュン!
「ひゃあっ!」
足元のアスファルトが削れて細かく飛び散った。傷心とはいえ、二尉の肩書きを持つマヤである。
反射的に銃を構える。だが膝は震え、狙いが定まらない。何よりも、涙で曇った視界では敵が見えない。
(どこ…? 私まで狙われてるの…?)
「イヤァァァ、もぉぉぉぉぉ! イヤァァァァァッ!」
腰を落としたマヤが泣き叫び始めた。

69 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/02(木) 18:59:37 ID:???
「キミは僕と同じだね…、ファーストチルドレン、綾波レイ」
手首を強く握られ、ほどこうとして歯をくいしばりながらカヲルの顔を見るレイ。
「さっきキミは僕に攻撃しようとしたんだろ?」
拾い上げたレイのリュックから取り出した物を目の前へ示すカヲルは、少し手の力を弱めた。
「これは何というものだい?」
「手榴弾」
レイのリュックには同じ物があと二つ入っている。
「ピンを抜いた十秒程度後に爆発、投げたり撃ち出したりして使う兵器…。これで正しいかな」
「……」
「あんなところで使うとキミも死んでたよ」
「いいの」
カヲルの表情に戸惑いが浮かぶ。
「私が死んでも代わりはいるもの」
「だけど…、死んだのはキミじゃなく彼、だったね」
ゆっくりとレイを連れ立って歩くカヲルが、先ほどの現場の方向を振り返る。レイも無言で同じ方を向いた。
「キミの『心の壁』は、彼が撃った銃弾を全て防いだ。そして僕は…、自分の『心の壁』を彼へと放った」
無表情ではあるが、わずかに怒気を含んだ印象のレイがカヲルの顔をじっと見ている。
「この星ではリリンの形を採るのがいいのかもしれない。でも、心までリリンにはなれない」
カヲルもまたレイを正面に見据える。
「同類で殺し合う兵器を作り、他の存在を消してまで生きようとするリリンは僕たちの敵でしかないんだ」
「……」
「そう…、僕はキミの仲間として加勢したのさ。あくまでもかりそめの仲間ではあるけれどね…」
再び前を向き直ったカヲルはレイから手を離した。しかし、レイは逃げもせず、同調して進むのだった。

70 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/02(木) 19:04:22 ID:???
「あわわっ…、相田だよ、男子01番の相田ケンスケ」
四人のうち誰か一人でも戦闘員としての心構えが整っていれば、あわや銃撃戦だった。
幸運にもそうならなかったのは、やはり皆が狂気の一歩手前でかろうじて踏ん張っていたからに相違ない。
「協力したいんだ…、力になりたい」
固かった女子三人の顔が緩んだ。アサルトライフルを脇にやり、両手を上げながら洞穴を出るケンスケ。
「キミたちの会話を聞いてたんだ。渚カヲル…、だよな? 俺に考えがある」
ようやく構えた銃を下ろし、三人がケンスケへ寄ってきた。
「相田クン…、考え、って何?」
「朝のアナウンスで、正午ちょうどに戦闘区域が狭まる、って言ってたろ?」
「うん」
「ここはちょうど山の二合目あたりなんだ。今は四合目までの区域が正午には三合目までになる」
リュックに備品として入れられていた地図を開かせ、ケンスケが説明する。
「奴をそれより上におびき出して、俺たちは入れ替わりに下る…。正午と同時に奴の首輪はドカン!さ」
「でも…」
不安げに一人が口を挟む。
「時間を過ぎて三合目より上にいたら…、私たちも死んじゃうんだよね…」
「そういう事になるね…。でも大丈夫。三合目よりギリギリ低い地点で待ち伏せして襲撃するんだ」
ケンスケの表情は軍師さながらの様相を呈していた。
「上を除く三方から銃撃、特に下からの攻撃を厚めにすれば、必ず上へ逃げるはずさ」
「じゃあ…、私たちに危険は無いの?」
「残念ながら、まったく無いとは言えないな…。何しろ例の渚カヲルが相手だからね」
「綾波さんが一緒にいるの。彼女は助けられる? もしかするとあいつ、綾波さんを…」
「その先は…、言わなくていいよ…」
綾波レイの救出に関して、ケンスケにはまるで成算がなかった。
「こちらから攻勢に出るのは…、得策じゃないとしか言えない…」
口の重いケンスケに代わって女子の一人が言葉を継いだ。
「なるようにしかならない、ってことでしょ? それは私たちだって同じ。ベストを尽くすしかないよ」
「そうね」
四人が同時にうなずいた。
「じゃ、ここからさらに上へ向かおう。まだ作戦実行地点まではだいぶあるよ」
「はい、相田参謀ドノ!」
久々に聞く軽口に小さな笑いが広がった。

71 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/03(金) 18:27:26 ID:???
泣き疲れたマヤには、もう足をばたつかせる気力すらないようだった。
男子生徒二人に両手首を掴んで森へ引きづりこまれ、うちの一人がマヤへ馬乗りになっている。
「悪く思うなよ、もとはといえばお前らのせいなんだからな」
ちらつかせていたナイフを迷彩服の首元へあてがう。脱がせるのではなく、裂くつもりらしい。
見張り役のライフルの方が声をかける。
「おい…、やっぱりやめないか…」
「何を今さら怖気づいてんだ、てめぇは!」
「だって…、この首輪で俺たちがどこにいるのかはきっとバレてるだろうし…」
「だから何だってんだよ!」
「この女の人の居場所だって分かってるに決まってる…。仲間が来て、俺たち殺されるよ…」
「へっ…、女の人、だってさ。しおらしくなっちゃって」
冷酷な言葉が続いた。
「どうせ殺されるんならイイ事してからにしたいじゃねぇかっ!」
ナイフの男は左手でマヤの襟口をつまみ上げ、そこに切っ先を突き立てると胸元あたりまで一気に裂いた。
ズババッ!
あらわになるマヤのシャツ。
「なんだ、もう一枚あったのか…。手間を取らせるなよっ!」
グサッ、とナイフを脇の土へ刺し、両手を胸の隆起へと移動させる。
「やめろよっ!」
見張りの男がライフルの銃口を向けた。マヤの上の男が笑う。
「おいおい、冗談だろ。ヤる、って言葉を先に使ったのはお前だぜ。殺すのと犯すのとどっちがヒドイ?」
「そんなことはもうどうでもいいんだ…、とにかくやめろ…」
「急にイイ子になるなよ。なんだ? もしかして先にヤリたいのか? いいぜ、別に。ほら」
傍らのナイフを抜いてマヤの体から、ぽん、と跳ねのいた。

72 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/03(金) 18:30:37 ID:???
「さぁ、先にやれって。俺が見張っててやるからよ。ライフルをよこしな」
「ダメだ」
「先にヤリてぇわ、ライフルはよこさねぇわ、って…。随分わがままだな、お前」
ライフルの男は全身を震わせながら、歯噛みするように黙っていた。
「早くライフルよこせってんだよ!」
横たわるマヤのそばから歩を進め、ナイフをぶらぶらさせて近寄る少年。その瞬間。
バキュン!
発射された弾丸は饒舌な男の喉を破ったあと、後ろに立つ巨木の樹皮へとめりこんだ。
あれほど悪態をついていた口からは一つとして意味のある音は出ず、鮮血が溢れ出るばかりになっていた。
そして、ゆっくりと後ろへ倒れた体が、飛び散った血痕の点在するマヤの上に再び覆いかぶさった。
イヤァァァァァッ!

「ひどい…」
山道に倒れる男子04番の遺体を前方に見るなりつぶやいた青葉が目を伏せる。遠目からでも分かった。
まるで大きな爪で引き裂かれたごとく縦横に深い裂傷を負い、辺りは血の海と化している。
隣で双眼鏡を手にする日向が無線づてに報告する。
「男子04番の死亡を確認。あわせて、渚カヲルと綾波レイの生存も確認」
日向が覗くレンズの先には、山道を上へと歩く二人の姿があった。

「そう…。了解しました。安全を図りつつ職務を遂行するよう期待します…」
ネルフ第一発令所で応答したリツコの顔色は冴えなかった。ぼんやりとした表情で総司令席へ向く。
「男子04番は死亡、渚カヲルと綾波レイは健在…」
「そうか…。ご苦労だった、赤木博士。青葉、日向の両名にも伝えてくれたまえ」
「はい…」
映像は一向に回復する気配を見せていなかった。ゲンドウの意向を日向に伝えながらリツコが思考を巡らせる。
(もしや…、この長時間の映像寸断は渚カヲルとレイが行動をともにしているせい?)
いまだMAGIすら導き出せていない渚カヲルの正体に関して、リツコの中に一つの仮説が芽生えつつあった。
ただ、それはあまりにも突飛なうえ、仮に真実とすれば危険極まりないものでもある。
(渚カヲルの手にかかった遺体の姿、サーモグラフ映像の赤い球体…、綾波レイだけを生かした事実…)
(まさか…)
おぼろげな仮説が確信に変わるまでは至らないものの、不気味な状況証拠の連続に総毛立つリツコだった。

73 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/03(金) 18:32:13 ID:???
「ねぇ、参謀ドノ」
重いアサルトライフルを抱え、必死の形相で勾配に立ち向かうケンスケを茶化すような物言い。
女子三人に頼られて気分の悪いはずもないが、どうにもその呼び方だけは気に食わない。
ケンスケは足を止めた。
「その、参謀ドノって呼び方、やめてくれないかな…。なんだか、からかわれてるみたいでさ…」
クスッ、と女子たちが顔を見合わせて笑う。
「いや、もっと他にあるじゃない。たとえば…、小隊長ドノ、とかさ」
ぷっ…
もう我慢できない、といった感じで三人が吹き出した。
「長くて言いにくいよぉ。じゃあ、元通りに相田クン、でいい?」
やっぱりからかわれていた事に気がついたケンスケがふくれっ面で返す。
「ハイハイ…、それでいいですよ」
(まったく…、のんきなもんだよ。これから戦闘だってのに)
アサルトライフルから外した照準器を単眼鏡がわりに後方の確認をしていた女子が和やかな雰囲気を打ち消す。
「わざわざおびき出さなくても勝手にどんどん上へ向かって来てるみたい」
言うまでもなくカヲルとレイの事である。
威嚇発砲や大声での挑発も辞さない覚悟のケンスケだったが、どうやら本格的に伏兵となるしかないらしい。
(この子たちの命運も背負いこんじまったからな…、絶対に失敗できないぞ)
土にめりこむ足取り同様、重い責任感とともに決戦への誓いを新たにするケンスケだった。

74 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/03(金) 18:35:32 ID:???
「本当に…、本当に…、すみませんでした…」
胸まで裂かれた迷彩服のマヤが巨木を背に座る前で、たった今クラスメイトを射殺した男子生徒が泣いていた。
喉を貫かれた遺骸は、マヤから死角になる場所へ彼が引きずり終えている。
「急にこんな事になって…、あいつも俺もどうかしてたんです…」
マヤは何も答えられないでいた。
「俺は…、あなたを殺すつもりでした…。でも、あいつは…、殺す前にあなたを…、あなたを…」
真摯な懺悔にも似た悔恨の涙に、マヤの口がようやく開く。
「ごめんなさい…。私だって…、命令でなければ、こんなこと…」
「俺には姉さんがいて…、ちょうどあなたくらいの歳で…、だから…、だから、あいつのやろうとした事が…」
「もういいの…、ありがとう…。おかげで助かったんですもの…、あなたには感謝してるわ…」
なんとか立ち上がったマヤが、そっと彼を抱き寄せた。

男子生徒の肩を借りて校門まで戻って来たマヤ。
「本当にありがとう。ここでお別れだけど…、必ず生き延びてね…、死んじゃダメよ…」
最後にもう一度抱きしめてマヤは体を離し、校門の中へと入った。
校舎へ向かうマヤの後ろ姿を見送る彼が叫ぶ。
「さよならーっ!」
その声に振り返るマヤ。少年は校門の上によじ登って手を大きく振っていた。マヤも応じて手を振る。
それを見て、彼の手振りはさらに大きくなる。
「うわっ、と…。おっとっと」
バランスを崩した生徒が学校敷地側へと転落した。
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピーッ
(えっ?)
手と膝を地につけてマヤを見やる笑顔が、首元で鳴る電子音に歪んだ。

ボンッ!
爆裂音と硝煙が同時に上がった。ただ呆然と立ち尽くすだけのマヤ。
揺れる煙にも、その向こうに見える赤い肉塊にも、何ら反応を見せない。
そして、目を見開いたまま失神し、その場に崩れ落ちた。

75 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/03(金) 18:37:47 ID:???
ビーッ! ビーッ!
ネルフ第一発令所にフォースチルドレンの選抜とは別系統を意味する警報音が鳴り渡った。
「浅間山地震観測研究所より入電! 浅間山火口、深度1400にて正体不明のサナギ状物体を発見!」
(浅間山ですって?)
レイの生存報告に意気消沈していたリツコの顔が締まる。
(なんてこと…)
2年A組総員参加の選抜戦闘は、まさに浅間山麓の町にて挙行されているのだった。
「無人探査機による画像、入ります」
オペレータの声に続いて、メインモニタへ胎児に似た奇妙な形の物体が投影された。
「碇司令! 現段階で軽々に申し上げるべきではないかもしれません。しかし、これは…」
「使徒、か」
リツコの声が上ずる。
「は、はい…。極めて可能性が高いと考えます…」
「まだ正体不明な段階に過ぎん。構わん。映像を選抜監視に戻せ」
「ですが…」
(たしかに…、エヴァのパイロットもいない現状では何の手も打ちようがないけれど…)
引き下がったリツコが正面へ向き直るところへゲンドウが声をかける。
「赤木博士…。心配はいらん。例の連中にチャンスを与える予定だ」
(例の連中?)
怪訝な面持ちのリツコに、ゲンドウの口元が笑んだ。

76 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/03(金) 18:39:55 ID:???
「はい、時田ですが」
日本重化学工業共同体の開発責任者、時田シロウの元へ一本の電話が入っていた。
「ええっ? ジェットアローンの二番機を、ですか?」
会話の相手は誰あろう、冬月コウゾウだった。
「そう、そちらのジェットアローンを用いて浅間山火口内を探索していただきたい」
「し、しかし…、先の一番機の暴走事故により、開発は宙に浮いたまま…。そう言われましても…」
「三番機まで建造済み、耐熱耐圧対核防護装備まで実戦投入可能と聞いていたのだが」
「どうしてそれを…。何より、使徒の撃退はネルフが擁するエヴァンゲリオン以外は無理、とそちらの」
「赤木博士かね。彼女の見解がネルフの総意ではない。それに今回は戦闘でなく調査活動に過ぎない」
「は…、はぁ…」
突然の、しかもネルフ副司令から直々の出動要請に困惑しつつも、関係各所へ承諾を求め始める時田だった。

「ふはぁーっ…、鈴原ったら、いったいどこに行っちゃったのかしらねぇ…。ふはぁーわ」
交替で仮眠をとったものの睡眠時間の不足から伸びの姿勢とあくびを連発するアスカがぼやいた。
隣に腰かけるヒカリが応じる。目の前には川が緩やかに流れていた。
「アスカ…、もう一度寝たら? 私が起きてるから」
実のところ、シンジとトウジの前を流れる川と、アスカたちが今せせらぎを聞いている川は同じである。
目的の鈴原トウジが横になっている河原から300メートル下流に二人はいた。
「私ばっかり寝てるわけにいかないわよ…。ヒカリこそ寝たら?」
「私は大丈夫」
(鈴原に会うまでは眠れない、か…。永遠に目の覚めない眠りになるかもしれないもんね…)
クラスメイト同士の戦争という現実が、ヒカリをして睡魔を遠ざけさせていた。
ぐいっ、と大きく伸びをして立ち上がるアスカ。
「ヒカリ、歩こっか」
「うん」
SIGザウエルを手にしたアスカを先頭に、二人は上流の方角へと向かい始めた。

77 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/03(金) 20:35:22 ID:???
GJ!
やべー、クオリティタカス。

78 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/03(金) 23:32:01 ID:???
スゲーおもしろい!!
そして時田にワロタwww

79 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/04(土) 17:55:11 ID:???
接眼レンズを覗き込む日向が声を上げた。
「なんだ…?」
斜面を上へと移動していたカヲルとレイが足を止めたまでは別段気にするまでもなかった。
しかし今、観察対象者の一人であるカヲルは、はっきりと双眼鏡のレンズに向かって正対していた。
(まさか…、気づかれた? いくらなんでもありえないよな、この距離で)
ざっと見積もって直線距離で300メートル以上。蛇行する山道に沿えば1キロは下るまい。
しかも山道の脇を入った背の低い雑木の中に腰を下ろし、その隙間から姿を追っているのである。
カヲルがレイに向いて口を開く。

「キミはこのゲームにいつまで付き合うんだい?」
「どうして?」
自分とレイのリュックを肩にかけたカヲルが、さっき示した手榴弾を手慰みにしている。
足は止まり、その視線は下方の雑木林へと向けられていた。
「キミなら、いつだって逃げられるだろ? この、首についている物だって無力化できる」
「……、わからない」
噛み合わない会話にカヲルが薄笑みを浮かべる。
「僕は…、もう少し楽しむつもりだよ。リリンと触れ合う事を許された残りわずかな時間をね…」
そう言うとカヲルは手榴弾のピンを抜いた。

「おいおい…」
日向の尋常ならざる声色に、すぐ隣の青葉が反応する。
「どうした」
「手榴弾のピンを抜いた…。うわっ!」
オリンピック中継で目にする投擲競技のようなスタイルで、カヲルがそれを自分の方へと投げたのだった。
拡大された絵を見たせいか、目前で投げつけられたような錯覚。
「こ…、こっちに向かって投げてきた!」
「だいぶ距離があるんだろ。ここまでは届かないさ」
笑いながら日向の見ていた方向に目を向ける青葉。だが──
そこにはまだ小さな点ではあるものの、迫り来る何かがあった。

80 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/04(土) 17:56:22 ID:???
まぎれもなく、カヲルの手を離れた手榴弾だった。
「ま…、まさかっ!」
それはもう放物線の下降部分へと差し掛かり、自分たちの居場所に向かって近づいていた。

ドガァーンッ!

垂直距離、水平距離の両方とも、計ったように30メートルほど手前の上空で爆発した。
轟音と熱風に身を伏せる青葉と日向。降ってくる炸裂片の猛威は、距離と木々が防いでくれた。
慌てて双眼鏡を構え直した日向の声が震える。
「ま…、まだスペアがあるみたいだぞ…」

「キミの手榴弾、僕が使わせてもらうよ」
二つ目を取り出したカヲル。その様子にも、炸裂した第一投にもレイの表情は変わらない。
「ほら、あそこにも敵がいる。敵と呼ぶには…、哀しいほど無力だけれどね」
(今度は直撃する位置へ投げるよ…。さぁ、早く逃げておくれ。か弱きリリンに僕の邪魔はできない…)
カヲルの指がピンにかかった。

「はっ!」
川沿いに歩を進めるアスカとヒカリの耳にも、遠くからではあるが手榴弾の弾ける音は届いた。
山の中腹から煙が上がっている。
猟銃魔以降、誰とも出くわしていない二人にとって再度の緊張を呼び覚ます音響となった。
(用心しなきゃね)
ブン!
鉄片らしき黒い何かがアスカの足元をかすめ、スカートの裾を裂いた。

81 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/04(土) 17:57:32 ID:???
「ほら、シンジ〜。アスカちゃんがお迎えに来てくれてるのよ。早く起きなさ〜い」
「は〜い…」
母の声にも眠気が勝ってしまう。一度は起こした上体を戻そうとすると布団がはぎとられた。
バサッ
「もぉ〜〜〜〜っ! エッチ! 変態! いったいあんたって何考えてるのっ!」
掛け布団を投げつけて怒るアスカ。
「仕方ないだろぉ、朝なんだからぁ!」
「修学旅行の朝くらいちゃんとしなさいよっ! まったく!」

ドガァーンッ!

ビクン、と首を跳ね起こすシンジ。
河原で休むトウジの代わりに起きているはずが、座った姿勢でうなだれ眠っていたのだった。
(夢か…、でも何だ、今の音?)
「シンジ…、何かごっつい音がしたみたいやけど…」
トウジも目覚めたようだ。二人の視線が音の方へ向く。煙の塊が四方へと広がりつつある。
「どうする、シンジ」
トウジの口調は起きたばかりとは思えないほどしっかりしていた。
「え? い、いや…、僕は…、どうしよう…」
「山から遠ざかるか、近づくか、ここにおるか、や」
(近づくなんてできないよ…、遠ざかる方へ逃げたい…)
動揺の激しいシンジの顔色を見るなり、トウジが立ち上がった。
「遠ざかりたいんやろ? よっしゃ、そうしよ」
リュックを持ち上げたトウジに遅れをとるまいと、シンジも腰を上げた。

82 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/04(土) 17:58:47 ID:???
スカートを裂いて路面へ落ちた物が手裏剣と呼ばれる古来の武器と見て取り、アスカが銃を構える。
「惣流さん、あなた一人殺したんですってね」
「転校してきて早々、男子の人気を独り占めしたかと思えば、あっさり人を殺すとは恐れ入ったわ」
「洞木さん、なんでこんな女なんかといるの? 私たちと一緒にいましょうよ」
「そうそう。突然殺されるよ、きっと」
街路樹の陰からぞろぞろと四人の女子生徒が姿を現した。
それぞれが、手裏剣、鎖鎌、吹き矢、日本刀を手にしており、さながら時代劇のようだった。
「なんだか古くさいのばかり持って…、こっちには銃があるのよ、見えないの?」
アスカの言葉にも動じない。
「四人とも撃ち殺すつもり?」
「だとしたら、どうなのよ」
「引き金を引いたら…、刺し違えてでも誰かがあなたを殺すわ。洞木さんもね」
「何ですって…」
自分一人ならともかくヒカリの名まで挙がり、アスカが一瞬後ろを気にして目線を切った。
「アスカ! 危ない!」
手裏剣が再び飛んでくるのを見たヒカリが叫ぶ。
アスカが視界を戻すと、四人の女子は既に散らばって路肩へ駆け出していた。
「ヒカリ! よけて!」
自分が手裏剣を避けるとヒカリに危害が及ぶ。まず彼女の安全を図ったのち、自らがよける算段だった。
しかし、前後に気をとられたアスカは、上から迫る影にまで注意を配りきれなかった。
街路樹の一本から飛び降りた男子生徒が、アスカへと繰り出す飛び蹴りの姿勢を変える。
両脚を開いてアスカの胴体を挟み込むと、そのまま地面へと勢いよく倒れこんだ。
ドサッ!
咄嗟にアゴを引いたアスカは頭部の強打こそまぬがれたが、男子に乗られて体の自由が利かない。
「こんちくしょォォォォォ!」
それでも、銃を持つ腕はまだ何の拘束も受けていなかった。圧しかかる敵に向けようとするアスカ。
プシュゥー
(何っ…?)
アスカの顔面の痛感が猛烈に刺激された。

83 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/04(土) 18:00:04 ID:???
男はトウガラシ成分でできた護身用スプレーをアスカへ噴射していた。
「ぎゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
バン! バン! バン! バン!
狂ったように引き金を引くアスカ。だが、それは圧迫者へ向く手前の角度に銃口を晒していた。
虚しく空へ飛び出る弾丸。
「アスカっ!」
親友の窮状。だが、ヒカリにはもうどうする事もできなかった。
男はアスカの手首をひねって銃をもぎ取り、「作戦完了だぜ」と路肩へ向かって声を上げた。
隠れていた女子があらためて道へと戻ってくる。
「銃を向けられた時はどうなるかと思ったよ…」
「木からのダイブ、最高のタイミングだったね」
口々に男子生徒へ心情を吐露する少女たち。今やアスカの支配者となった男が感謝を述べる。
「協力、ありがとよ。ほら、この銃を取っときな。だいぶ無駄撃ちされちまったけど」
きちんと安全装置をセーフの位置に直したうえで、寄ってきた女生徒へポイ、と渡した。
「洞木さん」
震えながら状況を見守るだけのヒカリに女の一人から声がかかった。
「どこか安全なところを探しましょうよ」
「で、でも…、アスカが…」
「こんな女、放っておいたらいいじゃない。人殺しよ」
(違う…、アスカは私を守ってくれた…。どうして、見捨てていけるって言うのよ!)
武器が無いのが悔しい。ヒカリの手に銃でもあれば、間違いなく彼女たちを撃っていた。
「それにさ…」
見た事がないほど怒りに満ちたヒカリの目付きにややひるみつつも、笑いながら女の一人が続けた。
「彼と彼女はこれからお楽しみ、なんだからぁ〜♪」
両手を顔に当てて悶えるアスカの耳元へ男が顔を寄せていた。
「惣流…、アスカって呼ぶよ…、ハァハァ…、初めて見た時からさぁ…、アスカを好きだったんだ…」
この状況でこの台詞。これから自分の身へ降りかかる事を聡明なアスカに想像できないわけがない。
「絶対イヤァァァァァ!」
スプレーの威力によって生じた涙顔でアスカが絶叫した。

84 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/04(土) 18:01:09 ID:???
ぎゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
バン! バン! バン! バン!
河原を背に下流へ向かって一分、前から聞こえた悲鳴と発砲音にシンジとトウジの歩みが止まった。
「シンジ…、こっちも厄介そうやな」
「今の声…、女の子…、だよね…」
「たぶんな。ああいう風な声やと男も似たような感じになるんかもしれんけど」
「どうしよう…」
「逃げる、か…。と言うても、また同じとこへ戻るだけやけどな」
トウジの言い方には、少し皮肉めいた響きが伴っていた。
「さっきのゴツイ音は遠かったけど、今のはエライ近い…」
絶対イヤァァァァァ!
さらに届いた叫び声には日本語としての意味が付加されていた。
(やっぱり女の子だ…。それに、なんだか聞き覚えのある声…)
シンジがその主に思い当たるまでそう時間は必要でなかった。
(アスカ! そうだ、今のはアスカの声だ!)
トウジを向くシンジ。
「ねぇ、今の声、アスカじゃないかな」
「ん? 言われてみれば…、惣流っぽかったなぁ」
「そうだよね…、アスカだよね…」
毎日一緒に暮らしているアスカ。エヴァのパイロット仲間であるアスカ。
いつも強気で人をバカにするのも平気なアスカ。男子みんなが憧れる可愛いアスカ。
そして…、クラスメイトを一人殺したアスカ…

シンジは銃を握る手に力を込め、走り出していた。
「お…、おい、シンジ! ちょっと待たんかいな!」
(アスカ…、アスカ…)
追うトウジを振り向きもせず、全速力で駆けるシンジだった。

85 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/04(土) 18:03:22 ID:???
「スペア、って…。手榴弾をまた用意しているのか?」
青葉の問いかけにも応じない日向。双眼鏡を握る手に力が入る。
「もっ…、もう一度投げてくるんじゃないだろうな…」
「ヤッ…、ヤバイッ!」
やや大きめのモーションを取ったカヲルから投げ出された手榴弾の初速は先ほどを上回っていた。
「逃げろ!」
日向の声と同時に腰を浮かせ、二人は山道へ出ようとする。
「言わんこっちゃないっ!」
「渚カヲルは加減てものを知らないのかぁっ!」
口々にわめきながら這う青葉と日向。迫る脅威の位置を確かめようと青葉が振り返る。
初弾が爆発したあたりを超えるのは明白な勢いで近づいていた。
「さっきのが加減してあったんだっ!」
「ダメかぁっ…」
日向の脳裏には、走馬灯のようにミサトの姿が浮かんでは消えた。
(葛城さん…、あなたと働けて幸せでした…)
死を覚悟する二人がこの世で最後に聞くのは爆発音、と思われた刹那。

86 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/04(土) 18:04:13 ID:???
バババババババババババババババッ!

彼らが目指した山道から機銃の発射音が鳴り響いた。そして──
手榴弾へと注がれた銃弾は見事に標的を捉え、着地直前で炸裂するはずの遥か前、空中で弾け散った。
ドガァーンッ!

「うわぁっ!」
耳を塞ぎ頭を抱える青葉と日向が互いに顔を見合う。
「い…、生きてる…」
その顔が自然と山道へ向く。最新鋭の携行式機関銃を構え、迷彩服に身を包んだ痩身の男がいた。
「ふーっ、やれやれ…」
息をつくその男。
顔のカムフラージュは面立ちを隠していたが、長い髪を後ろで束ねたシルエットはある人物を想起させた。
(あれは…)
「加持さん!」
立ち上がった日向の呼びかけに男は右手を上げて笑みで応えた。
「やっ、しばらく」

87 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/05(日) 00:04:08 ID:???
GJGJ!!!続きかなり気になる

88 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/05(日) 03:27:22 ID:???
面白いw
最近毎日来てしまう

89 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/05(日) 13:01:22 ID:???
何この神スレ

90 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/05(日) 16:51:27 ID:???
アスカどうなるのアスカ

91 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/05(日) 17:47:53 ID:???
バトロワみたことない俺だけど…おもしろい!神GJ

92 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/05(日) 18:35:50 ID:???
おkブクマ決定

93 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/05(日) 18:53:00 ID:???
遥か下方で起きた二度の爆発音にケンスケと女子三人は思わず身を寄せ合っていた。
「相田クン…、あの音…、何?」
「手榴弾でも使ったんだろうな」
「あの…、パイナップルみたいなやつ?」
「映画なんかだとそういう形が多いね…。またムチャな事やる奴がいたもんだよ」
落ち着かない様子の少女たちをよそに、ケンスケが腕の時計を確認する。
(11時30分か…)
「さっ、みんな。あと少しで作戦実行地点だ。時間も限られている事だし、先を急ごう」
「う…、うん…」
仲間としてはあまりに心もとない女の子たちに、やや不安を感じるケンスケ。
それでも表面には出さず、明るく先導を再開するのだった。

「加持さん、どうしてあなたがここに…」
「赤木から頼まれたんでね。マヤちゃんと入れ替わり、さ」
危機一髪の場面の直後だというのに、加持の口調は普段と変わらなかった。
「伊吹二尉とお会いになりましたか?」
「…、会ったと言うより、見た、に過ぎない」
いぶかしむ青葉と日向。
「校舎の手前で昏倒していた…。そろそろ第三新東京に着いてるんじゃないかな」

「生命に別状は?」
「ありません。側頭部を強打したため一時的に意識を失っているだけです」
ネルフ本部の病棟へ搬送されてきたマヤの容態を内線電話で確認したリツコはひとまず安心した。
(マヤ…、済まないことをしたわね…)
オペレータの報告が発令所内に響く。
「旧東京よりホ型装備ジェットアローンの搭載機、ただいま離陸!」
耐熱耐圧耐核防護のホ型装備でずんぐりとした姿のジェットアローンを抱える機体がモニタに映った。

94 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/05(日) 18:54:31 ID:???
思い詰めた表情で走るシンジの前方には、大声で談笑しつつ歩く四人の女子がいた。
「いい気味だわ、あの女」
「ホント、いつも気取っちゃってさ。ちょっと可愛いからって調子に乗って」
「もてあそばれちゃうのも自業自得よね。洞木さん、なんであんなのといるのかなぁ」
「さぁねぇ…。脅されてたんじゃない? それとも何か弱みを握られてたのかも」
あるある、いかにもやりそぉ〜、と盛り上がる少女たち。
そこへ、銃を手にしたシンジが猛スピードで走ってきた。後ろには少し遅れてトウジ。
会話を止め、それぞれが武器を構える。リーダー格の手裏剣女は、手に入れたばかりの銃を強く握った。

「ねぇ…、キミたち…、アスカ…、惣流を見なかった…? ハァ…、こっちで声が聞こえたんだけど…」
ザザザッ、と土煙を上げて停止したシンジが手を膝につく姿勢で顔を上げ、息を切らせてたずねた。
その右手のピストルに目をやった女たちが交互に視線をやりとりする。
「惣流さん? ん〜、見なかったけど」
「ホントに…? たしかに聞いたんだよ…」
「碇クン、私たちを疑うの?」
「そういうわけじゃないけど…」
肩で息をするシンジが顔を伏せた時、吹き矢の女子が筒を口へと運んだ。

「シンジ!」
ヒュンッ
背後から駆け寄ったトウジがシンジを横へ突き飛ばした。
「ぐわぁっ!」
トウジの叫び声が上がる。思いがけない力で急に追いやられたシンジは尻もちをついていた。
ピストルも手から離れ、すぐ脇へ落としている。元いたあたりに目を向けるシンジ。
そこには、ようやく塞がりかけた腕の傷口に小さな矢を受けたトウジが片膝をついて喘いでいた。
「シンジ…、こいつら…、あかん」
鎖鎌の女がシンジの落とした銃へ素早く寄り、手を伸ばす。
一瞬の出来事だったが、友の苦しむ姿を目の当たりにしたシンジは本能的に状況を理解した。
「うわぁぁぁぁぁっ!」

95 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/05(日) 18:55:35 ID:???
腰を持ち上げたシンジが、近づく鎖鎌の女子に体ごとぶつかる。弾き飛ばされる女。
そして、シンジは銃を拾うと少女たちに銃口を向けた。呼応するように銃を向けるリーダー。
「キミたち…、やる気になってるんだね…、そうなんだね…」
眉を吊り上げてにじり寄るシンジに、銃を構える少女以外が後ずさる。
「い、碇クン…、落ち着きましょうよ…」
「そうよ…、よくないわ、そんなのを向けるなんて…」
対アスカ捕捉作戦の時と違い、今は彼女たちに協調する男子もいない。シンジが言葉を継ぐ。
「そんなの関係ないよ…、キミたちは今トウジを傷つけたんだ…」
「待って、碇クン…」
「アスカの居場所も知ってるんだろ…」
「私たちも必死なの…、分かって」
「そんなの関係ない、って言ってるんだよ!」
ただ一人後退のそぶりを見せず銃を手にシンジと対峙する少女が口を開いた。
「碇クンって友だち思いなのね…。鈴原クンのケガが心配?」
「当たり前じゃないか」
「そう…、だったらその心配のタネを消せば元のおとなしい碇クンに戻るかしら」
シンジに向けられていた銃口が、腕を押さえてうずくまるトウジを標的に変えた。
「やめろよっ!」
「その銃を地面に置いて。そうすればやめるわ」
「……」
迷いの色がありありと顔に浮かぶシンジ。トウジが叫ぶ。
「あかんで、シンジ! そんなことしてみい、こいつら何するか分からん!」
「黙ってなさいよ、あんたはっ!」
引き金にかかる女の指が、今にも動く気配を見せた。
「うわぁぁぁぁぁっ!」

バン!

96 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/05(日) 18:56:32 ID:???
絶叫とともに火を噴いたのはシンジのピストルだった。
「きゃあ〜〜〜っ!」
二人の対決から距離を取っていた三人が、悲鳴を上げつつ脱兎のごとく川の上流方向へ走り去る。
「うっ…」
女生徒の手からは力なく銃が落ち、衝撃で後方へ流れた上体がそのまま背から土にまみれていた。
倒れた場所の地面にじわじわと赤い液体が広がっていく。
銃弾を右肩に受けて倒れた彼女の様子で、シンジは自分がとった行動の意味を知る。
(僕が…、僕が撃ったから…、この子が…、この子が…)
突っ立つばかりのシンジは置いて、痛みをこらえながらトウジが少女へと這い寄った。
「大丈夫か? しっかりせえ!」
「す…、鈴原クンね…。みんなは…?」
行動をともにしていた女子たちを気にしている。
(薄情な奴らや…。一人だけ残して逃げよった…)
だが、中学生の目にも深刻と分かるおびただしい出血の量。
生死の狭間にいるはずの彼女に、トウジは事実を告げられなかった。
「心配すんな…。お前からは見えてへんやろけど、みんな無事におるで…」
「そう…、よかった…」
トウジの目から涙が一粒こぼれ、彼女の顔で跳ねた。
「鈴原クン…」
「なんや」
「洞木さんね…、あなたの事が好きなはずよ…。気付いてた…?」
「いや…」
首を振るトウジに微笑む少女。
「この先にいるわ…、惣流さんと一緒に…。碇クンにも教えてあげて…」
「もう喋らんでええ。しんどいやろ」
忠告を無視して彼女が続ける。
「私も…、クラスに好きな男子がいてね…。でもその子…、惣流さんに夢中なの…」
「……」
「悔しくてさ…。だから、ちょっと仕返ししてやろうと思ったんだ…」
「おい! しっかりせえ! おい!」
カクン、と首を横にした少女が二度とトウジの呼びかけに応える事はなかった。

97 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/05(日) 18:59:00 ID:???
新たに出現した存在が手榴弾の第二投を阻んだのを見て、カヲルは微笑んでいた。
「フフッ…、多い方が楽しいと思うよ…」
独り言でしかないつぶやきだったが、まるで返事のようなタイミングでレイが口を開く。
「いるわ」
「いるね…」
初めて自分から言葉を発したレイにカヲルが問う。
「それはどちらの事だい?」
「両方」
「この道の先には僕たちを…、いや、僕を待ち伏せしている敵がいる…」
「……」
「そして…、この山の中には、リリンを敵とする一点でつながるかりそめの仲間がいる…」
再び山道を登り始めるカヲル。レイもやはりその背を追って上へ向かうのだった。

98 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/05(日) 18:59:54 ID:???
シンジは膝を地につけて泣いていた。涙がポタポタと土に染み込んでいく。
(あの子は死んだ…、僕が殺した…、でも…)
(トウジを助けたかっただけなんだ…、あの子がトウジを撃とうとしたんだ…)
心の中に幼い姿を借りたもう一人の自分が現れる。
≪自己の正当化だね。そうやって都合のいいように解釈すれば悩まなくて済むから≫
(違う! 本当に…、トウジを助けたい一心で…、いつの間にか引き金を引いてたんだ!)
≪彼を助けるために彼女を殺したのさ。人の命に変わりはないのに≫
(トウジは友だちなんだ…)
≪彼女は友だちじゃないから殺していい…。それが碇シンジの本心だよ≫
(……)
≪ほら、何も言えない。自分の周りの小さな世界が安泰ならそれでいいのさ、碇シンジにとっては≫
(いいじゃないか…。自分の周りの幸せを大事にしたい…)
(自然なことじゃないか! 何が悪いんだよぉっ!)

「シンジ…、おい、シンジ…」
少女の遺骸を路肩へ運び終えたトウジのかける声でシンジは我に返った。
「行くで」
「えっ…」
「惣流と委員長がおるらしい」
手の銃をズボンの腰へ収め直させたトウジは、シンジの手首を強く引いて立ち上がらせた。

99 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/05(日) 23:06:20 ID:???
なにこの神っぷり。

100 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/05(日) 23:38:05 ID:???
バルたん最高

101 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 18:55:18 ID:???
両手で顔を覆ったきり馬乗りになった男子の下で身をよじらせているアスカ。
何か武器を、と探すヒカリだが、適当な物は何もなかった。
小石を集めてぶつけようと考えたが、アスカにも当たってしまう。
近寄るとスプレーを噴射されて自分まで何もできなくなる。
仮に覚悟して飛び込んだとしても、アスカの超人的な運動能力も今はゼロに近い。
援軍を得られぬまま、二人ともが無抵抗に抑え込まれる危険性があった。アスカ救出の得策たりえない。
進退極まりつつも、ただできるだけ近くから睨む事で男の動きを牽制するヒカリがいた。

「やめなさいよっ! 恥ずかしくないの、そんな卑劣な真似して!」
「何とでも言いなよ…、ハァハァ、俺はアスカといろんな事して楽しみたいんだ…、ハァハァ…」
何もできない自分が歯がゆいヒカリ。その拳は強く握り締められていた。
少しのけぞった男が後ろ手にアスカのスカートをたくし上げ、あらわになった白い腿へ両手を這わせる。
「やめてぇぇぇぇぇっ!」
気味の悪い感触にアスカがまた叫んだ。その時。

「こらぁーっ、お前ーっ! 何しとんやーっ!」
よく通る独特の文句に男の手が止まった。別の男子の手を引いて駆け寄ってくる影。
視線を向けるまでもなく、ヒカリには第一声の時点で接近してくる人物の正体が分かった。
「鈴原…」
みるみる迫ったトウジが、倒れたアスカとその上の男から手前3メートルでザザッ、と止まった。
「おい、惣流をどうするつもりや」
「い…、いや…、俺は…、人殺しのアスカ…、惣流を懲らしめてたんだ…、誤解するなよ…」
トウジに引っ張られてここへ至るまで、後悔の念からずっとうつむいていたシンジが会話内容に顔を上げる。
仰向けの姿勢で顔を覆うアスカ、のしかかっている男子、下着があらわになるほどめくられたスカート。
弱々しい息遣いのアスカは、涙交じりに嗚咽を繰り返していた。
衝動的に腰の銃へと手を伸ばし、トウジの手をほどいて男へ歩み始めるシンジ。
しかし、幼いもう一人の自分が再び現れて語りかける。

102 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 18:56:46 ID:???
≪また引き金を引くの? 今度は「アスカを助けるため」に≫
(えっ…)
≪既に一人殺した碇シンジにとっては、二人目を撃つのなんて取るに足らない事だからね≫
腰に手をやったきり銃を抜かず、うつろな目で近寄っていく。
≪アスカから直接「私は人殺しなんてしてない」って言ってほしくて探してたんだろ?≫
≪それが今じゃ自分が殺人者、さ。そして、また一人殺そうとしている≫
「い、碇…、お前は分かってくれるだろ? いつも惣流にバカにされてるお前ならさ…」
正気と思えない様子で接近してくるシンジをなだめようと男子が続ける。
「なんだよ…、後ろに隠してるのは…、銃か…? やめてくれって…、こっちによこせ、な?」

「どうする…、サードチルドレン」
ゲンドウの手元のディスプレイに映し出されたリアルタイム映像を覗く冬月がつぶやいた。
セカンド、サード、両チルドレン接近の報で切り替えられたものだが、当のゲンドウは沈黙を守っている。
「また、撃つかもしれんな…」
冬月の言葉にも手を組んで正面を向くばかりのゲンドウ。メインモニタには加持リョウジの姿があった。

プププ、プププ
「おっと、失礼」
青葉と日向に声をかけたうえで、加持は無線機に応答した。
「赤木か?」
「加持クン…、間に合ったようね」
「いやぁ、まいったまいった。どうにか、って感じだよ…。あれ? よく分かったね」
「ついさっき、その辺りの映像に関してだけ回復したの」
そうかい、と答えて、加持は襟元を正す動作をとると九十度ずつ四方を向いて手を振り始めた。
「カメラはどっちかな。迷彩服姿もなかなかのもんだろ…、どうだい、似合ってる?」
「あきれた…、随分と余裕があるようね」
「……、そうでもないさ」
加持の目が悲しげに下へ流れた。

103 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 18:57:58 ID:???
≪もう誰一人、誉めてくれる人なんていない。人を殺すような人間を誰も大事になんてしないさ≫
「碇、やめろ…。お前に銃を撃てるはずないんだよ…、俺によこせって」
≪碇シンジの周りにはもう誰もいない。友だちも他人も、誰もいない世界に一人ぼっちなんだ≫
(イヤだ…、僕を見捨てないで…、僕を大事にしてよ…)
「俺がお前を守ってやる…、さぁ、隠してる物をゆっくり…、こっちに渡すんだ…」
男子生徒の差し出した手に向けてシンジの足は進み、腕が動く。まるで誘導されるように。
そして、銃口を一度も向けぬまま伸ばされたシンジの手から、男が素早く銃を奪い取った。

「ひゃっひゃっひゃ、まさか本当に銃をくれるとはな! 惣流の言う通り、お前はやっぱバカだよ!」
スプレーだけでは心細かったところ、思わず手にしたピストル。男は有頂天だった。
生気の抜けた表情で立っている傍らのシンジに怒鳴る。
「どけよ、碇! もう用はねぇんだ、さっさと消えろ! でないと、撃つぞ!」
一人ぼっちの自分を守ってくれるような気がした相手から放たれた罵声と脅迫──
(はっ…)
シンジはやっと現実に引き戻された。

握っていたはずの銃がない。視線を泳がせ、男の手の中の物を見て慌てて叫ぶシンジ。
「返して! それ、返してよ!」
「へへっ、バ〜カ。誰が返すか。……、下がれっ! これが見えてるんだったら下がれっ!」
不気味な黒い孔がシンジを捉える。
「俺は本気だ…、本当に撃つぞ…。誰からにしようか…、ぎゃあぎゃあうるさい女からだな」
馬乗りの姿勢を保ちつつ、卑劣漢はヒカリの方へ上体をひねって銃を向けた。

バン!

104 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 18:58:59 ID:???
渚カヲル襲撃作戦の実行地点に着いたケンスケと三人の女子は、それぞれの配置を決めた。
山道を挟んで上側斜面にケンスケと一人、下側斜面に残る二人である。
カヲルが通過した後、ケンスケが山道へ飛び出して銃撃。続いて、他の三人は配置箇所からの一斉射。
その場で仕留めるのが最良、悪くても三合目以上に追いやって爆死を誘う、というシナリオだった。
「相田クン…、やっぱり綾波さんも巻き込んじゃうよね、この計画…」
「可能な限り、狙いは正確に…。渚カヲルだけを攻撃…」
悲観的観測を打ち消すよう努めて冷静にふるまうケンスケだが、内心は暗澹たるものだった。
(綾波、なんで逃げないんだよ…。せめて、攻撃を始めたら逃げてくれ…、たのむ…)
「来たわよ」
後方監視担当の女子が声をかける。腕を大きく振るケンスケ。それを合図に四人が持ち場へと散った。

「ところで赤木…」
加持が思い出した風に呼びかけた。
「出発前に言ってた件ね」
「さすがリッちゃん、話が早いねぇ」
「まだ配布されたリュックの中身を取り出していない生徒…、厳密なデータではないけれど、いいかしら」
「構わない」
「全ての映像ならびに音声記録を検証した結果、渚カヲルと鈴原トウジはまだ触れてもいないはずよ」
(委員会が送り込んできた渚カヲルに鈴原トウジ…、シンジ君と行動をともにしている少年か…)
「加持クン、なぜこんな事を?」
リツコの問いにも加持はいつも通り、はぐらかし気味に答える。
「いや、何でもないんだ。ちょっと気になったもんでね。武器を取らない…、勇気があるじゃないか」
「……」
「ありがとう、赤木。またな」

「さて、と。キミたちはどうするんだ? 俺は山を降りる」
青葉と日向に予定をたずねる加持。
「我々は引き続き渚カヲルの監視を行いたく…」
手榴弾の猛威をまざまざと見せつけられながら、なお職務遂行の姿勢を貫く二人に頬が緩む。
「若さは時に非情な結果をもたらす…。くれぐれも慎重に、な」
はい、と声を揃えた二人に別れを告げ、機関銃を背に山道を下り始める加持だった。

105 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 18:59:57 ID:???
ヒカリからアスカへと渡り、先ほど息を引き取った少女の手を経たSIGザウエルが硝煙を上げていた。
手にするは鈴原トウジ。少女の残した銃をズボンの後ろポケットに忍ばせていたのである。

「ぐぉっ…」
背面から左胸を貫かれた男子がうめき声を漏らし、銃を持つ右腕の肘、顔面の順で地面に着けた。
ゆっくりと傾いた上体が、ぐにゃり、と追う。アスカの体の上に伸びきった脚を置いたまま──

「シンジ…」
トウジが口を開いた。
「これでオアイコや…。お前は何も気にせんでええ…」
銃を下ろし、顔を伏せて話すトウジの目から涙が落ちた。
「さっきお前はワイを助けようとして…、あの子を撃ったんやろ…」
何も言えないシンジ。
「そやけど…、ワイが銃を置くな、言うたからや…。そのせいでシンジが苦しんで…」
「トウジ…」
「お前だけが苦しむ必要はあらへん…。ワイも撃った…、人を殺した…」
「……」
「シンジと同じになったんや…、だから、お前も気にすんな…」
ぐすん、とすすり上げると同時に顔も上げたトウジが、数歩前へ寄って言葉を継いだ。
「委員長…、すまんかったな…、とんでもない事を目の前でやらかして…」
倒れた男子がピクリとも動かない事に震えすら忘れていたヒカリが、トウジの言葉に反応した。
「す…、鈴原…、クン…」
「こいつはワイがどうにかするよってに、惣流を助けたってくれ」
「うん…」
ヒカリを救うために放った銃弾が人命を奪った事実。
その抗い難い重さを心と体に刻み込むべく、トウジは亡骸の下に腕を入れると静かに抱え上げた。

106 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 19:01:13 ID:???
ゴォォォォォー
爆音を轟かせながら現れた飛行機にケンスケは気を取られていた。
陽光を受けて銀色に輝く丸々とした人型の巨大な何かを吊り下げて遥か上空を旋回する機体。
人型の胴体には大きく『ホ』と書かれている。
(何だ、ありゃ…、エヴァ? でも、ネルフの機体じゃなさそうだぞ)
しばしその異様な物体を追っていた視界の端に人影が入る。
(来た!)
身構えるケンスケ。だが次の瞬間、別の音響に聴覚が刺激された。
ピンポンパンポーン♪
「はーい、みんな元気ィ〜? 定例の案内放送よん♪」
ケンスケの顔が苦虫を噛み潰したようになる。
(このタイミングで? ウソだろ? まさか、正午の戦闘区域縮小まで言うんじゃないだろうな…)
ケンスケの不安は的中した。
「そろそろ正午、山の三合目より上にいると危ないわよぉ〜」
(うわぁ〜、言いやがった。言いやがったよ!)
「あれ、わざわざ上に向かってる人もいるみたいねぇ」
もはや射程内のカヲルへケンスケが目を向ける。その足は止まっていた。
(くそぉ、失敗だ…、せっかくここまで事を運んだってのに…)
だが、カヲルとレイは再び山道をケンスケたちのいる方へ歩き出す。
(どういうことだよ…、今の放送を聞いたんだろ…)
不可解な二人の行動。一歩ごとに大きくなるその姿にあわせて鼓動も早くなっていく。

一切の会話も交わしていないカヲルとレイが、目の前の山道を通り過ぎていった。
あと100メートルも進めば三合目。生と死を分かつ決死線。ケンスケは腕の時計を確認した。
(11時58分…、よし!)

107 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 19:07:16 ID:???
良スレ期待age

108 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 19:55:33 ID:???
カチッ
無駄撃ちを防ぐためにセミオートにしてあったセレクターをフルオートへと切り替えた。
このモードで撃てば手持ちの弾は20秒も持たずに尽きる。しかし、今こそが勝負。
腹を決めたケンスケが、重いアサルトライフルを渾身の力で抱えて山道へと踊り出た。
「綾波ーっ! 逃げてーっ!」
ババババババババババババババババババババババババッ!
ケンスケの掃射に続いて、それぞれに狙いを定めた小銃三丁から弾丸が放たれる。
バン! バン! バン! バン! バン! バン!

「フフッ」
銃声に振り向いたカヲルの顔には笑みが浮かんでいた。
そして、隣にいるレイが反射的に自らの『心の壁』を展開しかけた時。
カヲルはレイの体を引き寄せ、次の瞬間には強く脇の林へと突き押した。
「立ち止まって見上げた先にリリンの造りしものが飛んでいた…」
虚を衝かれてなされるがまま倒れこんだレイがカヲルを睨む。
「邪魔をしに来たのなら止めなければならない。キミとはここでお別れさ」
(……)
レイに一瞥をくれ、カヲルが上へ向かって駆け出した。

109 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 19:58:35 ID:???
とても人間業とは思えない俊敏さで背後からの弾丸をすべて交わしつつ走るカヲル。
「いったい何なんだ、奴は!」
引き金にかかる指の力を緩め、撃ち出しをストップしたケンスケが嘆く。
女子たちも、敵の並外れた能力に手を止めていた。
(なんなの…、あれ…)
止まるのも素早かった。アサルトライフルとケンスケを眺めるように向き直っている。
だが、ケンスケはカヲルの立つ位置が既に三合目より上なのを見切っていた。
(いいぞ…、逃がしちまったけど結果オーライ、ってとこだな)
してやったり、のケンスケの表情が曇ったのは直後。
背負っていたリュックから手榴弾を取り出したカヲルが、そのピンを抜いた。

山道を下へ急ぐ加持は、しきりに時間を気にしていた。
(11時59分15秒か…)
「おー、やってるやってるぅ〜! 三合目付近で戦闘の真っ最中!」
ミサトのアナウンスに加持の顔もまた曇る。
(葛城…、自分が何を言っているのか分からないのか…。目を覚ますんだ…)
「相田ケンスケ君たちが、渚カヲル君相手に頑張ってるわよぉ、みんなも負けないでっ!」
さらに続く状況報告。
「今朝七時以降にいろいろ進展があったの。首輪が爆発しちゃった可哀相な男子でしょ、それに」

「相田ケンスケ…、渚カヲル!」
川から汲んだ水を使ってヒカリがアスカの顔や体をきれいにしてあげている街路樹のたもと。
その同じ木のちょうど裏側に揃ってぼんやりと座っていたトウジとシンジが目を見開いた。
明るい調子の放送が伝えた内容は、親友が悪魔のような男と交戦中、なる現実だった。
「ふふ〜ん♪ 頑張り始めた人もいるわ。碇シンジ君! シンちゃん、見事な銃さばき!」

110 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 19:59:44 ID:???
カヲルは迷うそぶり一つ見せず山なりの放物線を描くように手榴弾を投げた。
(あれが手榴弾…?)
(うそ…)
(死んじゃうんだ、私たち…)
伏兵として作戦に貢献した女子生徒三人は、迫る物体に悲鳴すら上げられないでいた。
(やっぱり奴だったか、さっきの手榴弾は!)
ケンスケは迫る死にも脅えていなかった。いや、生への希望を捨てていなかった。
アサルトライフルを構え直し、照準を定めるケンスケ。
(やってやる! 残弾を使って撃ち落してやるぜ!)
「相田ケンスケをナメるなぁーっ! 伊達にガンマニアやってんじゃねぇんだよぉーっ!」
うぉぉぉぉー、と雄叫びを上げたケンスケが最高点に達して下降に入った手榴弾へ銃口を向ける。
バババババババババババババババババババババババババババババババババッ! カチッカチッ
全ての弾を使いきり、空撃ちを始めた音で指を戻した。
(やるだけの事はやったさ…。後は野となれ山となれ、ってんだ…)

ドガァァァァァーンッ!

111 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 20:00:22 ID:???
最高だ

gj!!

112 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/06(月) 20:03:32 ID:???
空中での爆発音。
「きゃあ〜〜〜〜〜っ!」
三者三様、ようやく悲鳴が上がった。
爆音と熱風と炸裂片、そのどれもが女子たちには脅威だったが、放心の体のケンスケは微笑んでいた。
(やった…、やったんだ、俺…)
非常時に訪れたこの上ない幸福感に身悶えするケンスケ。
だが、爆音の余韻の奥から聞こえてきたアナウンスが正気に戻らせる。
「碇シンジ君! シンちゃん、見事な銃さばき!」
(シンジ…、銃さばき? まさか…、誰か殺したのか? あいつが…?)
動転するケンスケに道の脇から声が飛ぶ。
「相田クン…、ありがとう!」
「私たち、助かったのよ!」
「神サマ、仏サマ、相田サマ〜!」
黄色い声に照れつつも、次にかけられた言葉である現実に気付く。
「もうすぐ正午…」
腕時計を見る。秒針があと五回漸進すれば約束の時。シンジへの心配よりもまずは目前の敵、だった。
(渚カヲルは…)
いた。明らかに三合目より上の地点でこちらを向いている。
「みんなは見ない方がいいよ。俺は見届けてやるけどね」
女の子三人を後ろへやり、ケンスケは腕組みするとカヲルに注目した。

「見事な腕前だったよ」
ピピピ、ピピピ、ピピ
ケンスケを称えるように笑んでいたカヲルが、首元で鳴った電子音に眉を寄せた。

113 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 21:45:03 ID:???
すげえ
神様ありがとう・・・乙です

114 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 21:47:02 ID:???
やべー面白すぎる

115 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 22:07:19 ID:???
バルさん乙。
続きをマジ楽しみにしてます

116 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 22:41:32 ID:???
乙です。
それにしてもトリップが派手だ。
エヴァ(ry 2ゲト DQN?

117 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 23:03:30 ID:???
エヴァキャラがバトロワしててこんな違和感ないなんてすごい!
カヲルも良い味出してるw

118 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 23:08:23 ID:???
フラグ?

119 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 00:11:53 ID:???
空中で手榴弾を銃で撃っても当たった瞬間に爆発はしないはず…はじかれるだけのような希ガス
ともあれGJ!!どうなるのカヲル君…

120 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 14:52:52 ID:nepe8E3P
すげーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおもしろい!!
最高!!!!!!!!!!


121 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 15:01:32 ID:nepe8E3P
>>2WWWWWWWWWWWWWWWWWWW


122 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 15:17:33 ID:???
↑つまり>>116

123 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 15:35:49 ID:6yYYl1tS
ヤバいよ…バルさん乙です!期待上げしますよ!良スレ

124 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:49:43 ID:???
「最新ニューカマー情報〜♪ 惣流アスカラングレーさんを襲っていた暴漢を鈴原ト」
まるでラジオのDJよろしくはしゃいでいたアナウンスが中途半端に途切れた。
「あれ…、どうしたんだろ…」
腹立たしくも耳を傾けていたシンジが思わず漏らした。

バシッ、ヒュゥゥゥゥゥン…………
ネルフ第一発令所内で、メインモニタをはじめとする各種情報機器が一斉に活動を停止した。
戦闘の監視映像はもちろん、方々から聞こえていた操作音、それに照明までもが突然に落ちたのである。
「どうした! 何事かね!」
冬月の叫びにリツコが振り向いて大声で返す。
「電源が遮断された模様です!」
「まさか…、すぐに予備電源へ切り替えろ!」

ピピピ、ピピピ、ピピ
戦闘区域外警告電波を受けて鳴り始めた首輪に眉を寄せたカヲル。
だが、何もせぬうちから電波の受信が中断された事に気づき、機器の無力化をやめた。
「リリン…、その心だけでなく、造りしものも脆弱なようだね…」
小さくつぶやくと肩のリュックを下ろしてその場に置き、頂上方面へ体を向けて歩き出した。

(おかしい…)
ケンスケが腕時計を見直す。カチッ、カチッ、カチッ
秒針は既に正午の位置を大きく越えていた。にも関らず、カヲルは平然と山道を上へ歩き始めている。
(どういうことなんだ…、区域外では首輪が爆発するって、ウソだったのか…? いや…)
(爆発して死んだ男子、って放送があった。じゃあ何だよ、なんで奴のは爆発しないんだよ!)
「相田クン…」
想定時刻になってもそれらしい音響が聞こえず不安になった女子が寄ってきた。

125 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:50:40 ID:???
「爆発…、しなかったの…?」
「ああ、理由は全く分からないけどね…。渚カヲルは生きてるよ。ほら、アソコを歩いてる」
ケンスケが指差した先にはたしかにカヲルがいた。疾駆するスピードに加え、爆発すらのがれた男。
少女たちの誰もがその異常さに黙り込んでしまうのだった。

山道を走り気味に下っている加持。腕時計をちらりと見る。
(正午を過ぎて20秒…、今頃は大騒ぎだろう)
戦闘の中心地といえる麓の町へ目を戻し、速度を上げた。

「ダメです! 正、副、予備、三系統ともにシャットダウン! 回復の見込みも立ちません!」
右往左往する所員をかき分けて発令所へ入ってきた女性職員が総司令席へ向けて叫んだ。
「生き残っているのは!」
「旧回線からの分だけです! 全電力需要の1.2%に過ぎません!」
「それらは全てMAGIとセントラルドグマの維持に回せ!」
「しかし…、全館の生命維持に支障が出ます!」
「構わん! 最優先だ!」
苛立つ冬月とは対照的に、ゲンドウはいたって平穏な様子で腰を落ち着けていた。

(マズイわね…、こんな時に…)
リツコの胸中に焦りが生じる。
(このままでは何もかもが終わってしまう…)
うな垂れて立ち尽くすリツコだった。

126 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:51:33 ID:???
同じ場所に留まってカヲルの監視を続けていた青葉と日向が同時に声を上げていた。
「「おかしいぞ」」
双眼鏡を顔から離した日向に青葉が確認する。
「正午から、三合目以上は戦闘区域外だよな」
「そのはずなんだ…、だが渚カヲルの首輪は爆発していない」

「奴は首輪に何か細工したのかもしれない」
山道の真ん中の車座。元気なくうつむく女子たちにケンスケが見解を伝えていた。
「そんなの…、かなわない相手だわ…」
「弱気はよくないな…。心の持ちよう次第さ。当面の敵は去ったんだ。ひとまず成功、と思おうよ!」
「そうなんだけど…」
あくまでポジティブなケンスケに少女たちが揃って顔を上げた。そして、同じく揃って声を上げた。
「綾波さん!」
ケンスケが振り返る。制服のところどころを土で汚した綾波レイがリュックを片手に立っていた。

区域外爆発における例外の有無をたずねるために無線を通して呼びかけた青葉と日向。
「ダメだ、通じない」
「こっちもだ」
「さっきまでは使えてたのに…」
「本部で何かあったのかもしれない…」
「今回のプログラムを統合制御している本部で問題が発生していたならありうる話だ」
「こうしちゃいられないな」
慌てて学校へと急ぎ始める二人だった。

127 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:52:18 ID:???
「綾波…、無事でよかった…」
三人の女子が嬉し泣きにむせぶ中、立ち上がったケンスケはレイの肩の土を払ってやった。
「これ、リュック。あの人の」
「あの人?」
「彼」
レイは持っていたリュックをケンスケに手渡した。
「渚カヲルの、かい? え? 奴はずっと抱えてたろ?」
「道に置いて行ったわ」
「だ…、だけど…、ここから上の方だよな? さ、三合目より上…」
「そうよ」
「行った、っていうのか? 三合目より上に? 綾波が?」
「どうして?」
「いや、だって…。首輪が爆発するはずじゃないか…、奴は何か細工して無事だったんだろうけど」
「いいえ」
とても修羅場を経験したばかりの十四歳とは思えない口調でレイが続ける。
「あの人は何もしてない。私も…、何もしてない」
「爆発しない、ってこと?」
「そう」
「俺たちも?」
「そう。でも、今だけよ」
「よく分かんないけど…、全体的に今はシステムが働いてなくて、でもいずれ復旧する、ってこと?」
「そうよ」
不可思議な発言が第六感的な能力によるものかどうかは分からない。
だが、レイの指摘が現状を正しく言い当てているように思えるケンスケ。
(そういえば、あのうるさいアナウンスも不自然に途切れたっきりだしな…)
ケンスケは渡されたリュックを開けてみることにした。

128 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:53:45 ID:???
中には、全く手付かずな感じの小ぶりなアタッシュケースが二つ入っていた。
腰を落として各々を開く。SIGザウエルがきちんと一丁ずつ収められていた。
(わお! 上物じゃないかぁ!)
嬉々とした表情で一丁を手に取るケンスケ。
「それ、あげる」
レイの言葉に視線を戻す。
「綾波は?」
「私、いい。武器、嫌いだもの」
(この状況を武器なしでどうやって乗り切るって言うんだよ、綾波…)
戸惑うケンスケを見下ろすレイが告げた。
「さよなら」
何事もなかったように歩を進めるレイに少女たちが声をかける。
「綾波さんっ! どこ行くの!」
「町」
それだけ答えて、山道を下に向かい始めるレイだった。

129 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:54:39 ID:???
ネルフ本部の救急医療病棟。
「ハァーッ…、ハァーッ…、コホッ、コホッ…、んっ…」
酸素吸入マスクをつけたマヤが意識を取り戻した。
心の傷はともかく外傷のなかったマヤには、停電による酸素供給の寸断が逆に作用したらしい。
息苦しさに目を開き、辺りを見回す。自分以外は無人の病室。
痛みの残る頭を押さえながら上体を起こす。白い寝巻を着ている自身に気がついた。
(ここは…)
ベッド脇の椅子に、普段の職務の際に着用する制服がきれいに折りたたまれて用意されている。
その少し向こうの床には、乱雑に脱ぎ捨てられた迷彩服。
(私…、あの学校で…)
よみがえる爆発音。ボンッ!
「イヤァァァッ!」
通常時なら誰かがモニタしており、マヤの悲鳴にも十数秒とかからず看護士が駆けつけただろう。
だが、当然のことながら今は誰も来ない。
そして、ひとしきり絶叫して疲れたマヤは、椅子の上の制服をぼんやりと眺め始めるのだった。

130 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:55:44 ID:???
「ジェットアローン二番機、投下カウントダウン開始。60、59、58…」
遠隔操縦担当者の後方に陣取り、時田は搭載機パイロットに呼びかけた。
「しっかり頼むぞ。ネルフの鼻をあかしてやる絶好の機会だ。火口直上での切り離し、ぬかるな」
「心得ています!」
時田の拳に力が入る。一番機の失敗を取り戻したい──
その一心に燃える企業家魂が、時田の顔には宿っていた。

同じ頃。府中の戦略自衛隊作戦本部。
「正体不明の巨大クモ型物体、駿河湾より陸へ向けて進行中!」
大型モニタを前に幹部たちが会話を交わしていた。
「どうせまた奴の目的は第三新東京だ。我々がする事は何もない…」
「ネルフの連中は?」
「依然、沈黙を守っています」
「いったい何を考えているんだ…」
「どうします? どうにか彼らに知らせますか? それとも…」
「うーん…、どうだろうか。他に任せてみては」

「はい、時田ですが」
ジェットアローン二番機の晴れ舞台を間近にした時田の元へ一本の電話が入っていた。
「ええっ? ジェットアローンで、ですか?」
戦自幹部から直々の出動要請に時田は即答した。
「承知しました。そのためのジェットアローンです」
受話器を置いた時田は、マイクを取って基地全体に号令を発した。
「ジェットアローン三番機、用意!」
驚愕のあまり口の塞がらない各員を尻目に微笑む時田。その顔は野心家のそれに変わっていた。
(ジェットアローンを二機も独占、か。その気になれば世界を滅ぼせるな…)

131 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:58:14 ID:???
レイの背を名残惜しそうに見送る女子の後ろで、ケンスケは思慮を巡らせていた。
(綾波の言葉が本当なら、首輪を外そうとしても今のうちなら爆発しない、って事になるぞ)
(拳銃を肌と首輪の間にこじ入れて外向きに撃てば…)
(でも…、火薬が首輪全体に環状配置されてたら、やっぱりアウトか)
(それに、いつシステムが回復するかも分からない…)
悩むケンスケが遂に結論に達する。
(だけど! 放っておいてもこの悲惨な境遇は変わらない…。試す価値はある)
「ちょっと話があるんだ、みんな」
ケンスケが少女たちを呼んだ。

「3、2、1…、投下!」
ガッチャン
ロック解除音と同時にホ型装備のジェットアローンが浅間山火口に向かって自由落下を開始した。
シュルシュルシュルシュルッ
映像モニタ用回線などを束ねたケーブルがウインチから伸びる。
低空を低速で旋回する航空機とジェットアローンを繋ぐ命綱にも見えるが、再格納には向かない。
ケーブルを巻き戻したところで完全に引き揚げるのは不可能。
ジェットアローン本体による自力帰還という無謀な作戦である。
だが、時田には自信があった。
(五分も動かないエヴァンゲリオンとは違う…。連続稼動150日を誇るジェットアローンだ!)
ドボン!
「二番機、マグマ内へ突入!」
「よし!」
すぐさま搭載機パイロットへ連絡を入れる時田。
「極めて難度の高い投下をよくぞこなしてくれた!」
「ありがとうございます。民間の力を見せつけてやりましょう! 時田さん、皆さん!」
オーッ!
パイロットからの頼もしい言葉に、期せずして沸き上がるジェットアローン基地だった。

132 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/07(火) 17:59:12 ID:???
「ねぇ、ヒカリ…」
「何? アスカ」
「さっき…、何も見えてなかったし…、混乱して音もよく聞こえてなかったんだけどさ…」
ポツポツとようやく喋り始めたアスカに、ヒカリが顔を寄せてまっすぐ視線を交わす。
「私を助けたの…、どっち…? シンジ? それとも…、鈴原?」
泣き濡れた目元は、まだ少し腫れぼったい。しかし、口調はしっかりしつつあった。
言葉に詰まるヒカリ。
(助けに来たのは鈴原…。アスカを見て、助けるようと動いたのは碇クン…)
(でも…、最後は鈴原が…、私を助けようとしてあの男子を撃ったの…)
「ねぇ、ヒカリ。教えて」
ヒカリの腕を掴んでアスカが小さく揺する。
一瞬目を伏せたヒカリだったが、すぐ笑顔に戻して囁いた。
「碇クンよ…」
「えっ…」
大きな瞳をさらに大きく見開いて、アスカの動きが止まった。
「そ…、そう…。シンジが…、助けてくれたんだ…」
ずっとヒカリに向けていた顔を隠すようにうつむくアスカ。
まるで、表情の変化を見て取られたくないかのように──

133 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 18:42:18 ID:???
キタコレェェェェ!!

134 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 18:58:15 ID:???
乙です。にしてもレベル高いな、伏線まで張ってあるとは…

135 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 19:03:04 ID:qOBBIYvi
SUGEEEEEEE!
職人さんGJ!

136 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 21:25:50 ID:???
AGE------------------


137 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 00:57:28 ID:???
BR見たこと無いがおもすれ

138 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 02:56:57 ID:???
ああああああああああああああああああああああああああ;おうsぜb。うあ;い
gjgjgjgj

139 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 14:49:02 ID:Q8vHCTtB
早く早く!!
今後の展開が激しく気になる作品ですな!!

140 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 17:26:08 ID:9QyaiwZR
書籍化してほしいくらいです!!
続き楽しみにしてます〜

141 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 17:47:07 ID:sOQGhM1e
バルタザール神、激しく乙です!ゆっくりでいいので、素晴らしい作品にしてください!内容がテラオモシロス!!

142 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/08(水) 18:01:39 ID:???
「鈴、が動いたか…」
「では、先ほどから碇ゲンドウとの通信が途絶えているのは」
「加持リョウジ…」
「さよう、今やあの男は計画の全容を知る存在だよ」
「碇、加持…。奴らめ、何を考えている」
「赤木リツコ君が我々の思い及ばぬ動きをしたのも間違いない」
「渚カヲルも、だ。敢えて今送り込んだ意味を本当に理解しているのか」
メンバーたちの見解を聞いていた議長、キール・ローレンツが口を開いた。
「ゼーレへの裏切りならば…、死で償ってもらおう…」

「ヒカリ…、せっかく鈴原に会えたんだから、行っていいよ」
数秒をはさんで、ふたたび顔をヒカリに向けたアスカが小声で切り出した。
もたれている木の裏側を親指で差し示している。
「えっ…」
「代わりにさ…、シンジをこっちに呼んで」
嬉しさと戸惑いの交じった顔でヒカリに見つめられたアスカは慌てて言葉を継いだ。
「い、いやだ、勘違いしないでよ、ヒカリ…」
やや顔を赤らめてアスカが大げさに手を振る。
「あいつ、バカだからさ…。ヒカリが行っても空気を読まずにずっと横にいそうでしょ?」
だからぁ、と手招きして耳を近付けさせるアスカ。
「私がシンジのお守りをしてあげる、ってことよぉ…。分かった?」
「う…、うん」
うなずいたヒカリが、ぎこちない足取りで裏側へ歩いていく。
「ねぇ、碇クン…、アスカが…、呼んでるよ…」
「アスカが?」
漏れ聞こえる会話。すーっ、と大きくアスカが深呼吸をした。

143 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/08(水) 18:02:41 ID:???
「ええっ? 首輪を撃って外すの?」
「そっ。綾波が言ってたんだ。今は爆発しない、って」
「でも…、危なすぎるよ…」
女子の感想は至極当たり前のものだった。だが、ケンスケの決意は揺るがない。
「だから…、まず俺がやる。もちろん一人で、ね。キミたちは遠くにいていいよ」
黙り込む三人の少女たち。
「成功したらすぐ伝えに行くから。キミたちも首輪の恐怖からオサラバできるんだ」
「だけど…、失敗したら…」
想像したくはないものの、ありうる結末に思わず一人がつぶやく。
「爆発音が聞こえたら、俺の事は忘れてどこかへ行けばいい…」
その男気あふれる言葉にうつむき加減だった三人がケンスケの顔に見入った。
悲壮感はない。むしろ、一世一代の勝負に臨む勇者の面持ちだった。
「相田クン…、死なないでっ」
涙目の少女たちがケンスケに寄って抱きついた。
「よ、よせよ…、照れるじゃないか…」
三人の女性の肌の感触に上気するケンスケだったが、思い直すとゆっくり彼女たちから離れた。
「じゃあな」
カヲルを待ち伏せする際に潜んだ山道の上側斜面へ、SIGザウエルとともに進むケンスケだった。

144 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/08(水) 18:03:39 ID:???
麓の町にたどり着いた加持は、前から歩いてくる人影に脇の林へ踏み入り身を隠した。
「碇クンがまさか撃つなんて…」
「たぶん…、死んじゃったよね…」
「みんなで戦争って…、こういうことよ…」
日本の古武器をそれぞれに携えた女子生徒の会話を聞いた加持。
(シンジ君が人を撃った、か…。よほどの事情があったんだろう)
(ごく近い話のようだ。鈴原トウジ君とこの先にいる…)
三人の少女をやり過ごした加持は、前後左右を確認して道へと戻った。

「二番機、目標へ向けて沈降中。全ての計測値は正常、順調です。ただいまの深度、500、510…」
鬼気迫る表情で状況を見守る時田へ、傍らの整備部門の責任者から声がかかる。
「しかし、時田さん…。三番機はどういった用向きで…」
「使徒だ。進行中の使徒を撃退する」
「使徒…? 攻めて来ているのですか?」
「そうだ。そいつを三番機で迎え撃つ」
調査活動、と伝えられた二番機よりも遥かに責任重大である実戦への投入。
それを独断で遂行しようとする時田に不安が募る整備責任者がさらに問いかけた。
「ですが…、もう一度承諾を得られた方がよろしいのでは…」
「ん?」
その言葉で、時田の中に幼い姿の自分が現れて語りかける。
≪一機出すのも二機出すのも、時田シロウにとっては変わりのない事だからね≫
(その通り!)
パシャッ
幼い時田が弾け飛んだ。
「構わん! 戦自によると上陸も近い。整備を急げ!」
「は…、はいっ」
企業におけるトップダウンもネルフ同様に絶対。慌てて指示を出し始める整備責任者だった。

145 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/08(水) 18:04:25 ID:???
「鈴原…、クン…。あの……、助けてくれて…、ありがとう…」
街路樹のたもとにヒカリとトウジが隣り合って座っている。
自分を助けるために引き金を引いた最愛の人へ、精一杯の感謝を述べたヒカリだったが──
「イ、イインチョ…」
ヒカリが自分を好きなはず、と聞かされたトウジの方がむしろ緊張して声がひっくり返る。
「ソ、ソンナコト…、キニセンデエエ…。ワ、ワイハ…」
その狼狽ぶりの原因が分からないヒカリが黙り込んでしまう。つられて口を閉じるトウジ。
何ともいえない重い空気。それをさらに気まずくさせる会話が木の裏側から聞こえてきた。

「シンジ…、助けてくれたんだってね…。ありがとう」
「い、いや…、別に…、僕は…、ただ…」
同じく隣り合って座るアスカとシンジ。
「何かお礼がしたいな…」
(お礼なんて…。僕は…、銃を取られて…、それでトウジが…、トウジが…)
「キスでいい?」
親友を殺人者にしてしまった事を思い出していたシンジが、アスカの言葉に目を剥く。
「えっ、何…?」
「キスよ、キス。したことないでしょ?」
「う、うん…」
「それに、この前のユニゾン特訓最後の夜、寝てる私の唇を奪おうとしたんだったわよね?」
お礼と言うわりに、いたずらっぽい目つきを送るアスカ。シンジの首が、コクリ、と縦に動いた。
「じゃ、しよう」
「そんなぁ!」

146 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/08(水) 18:05:22 ID:???
「こんな真っ昼間から、しかもヒカリや鈴原の近くでキスするの、恥ずかしい?」
「べ、別に…」
「それとも…、初めてが私とじゃ、イヤ…?」
シンジに向けていた瞳を、悲しそうに下へ流すアスカこそ天性の女優と言えるかもしれない。
彼女のこの仕草で心の動かない男性はいないだろう。
「イヤじゃないよ、アスカ! だから…、そんな顔しないでよ…」
「だったら…、体をこっちに向けて」
シンジの肩に両手をかけて正対するように向け直すアスカ。
言われたとおりに姿勢を変えたシンジは、アスカに合わせて両膝で立つ姿勢を取った。
「しっかり…、抱きしめて…」
十四歳とは思えぬ妖艶な囁きに、シンジが腕を広げてアスカの体を寄せる。
「そう…、手を背中までまわして…、お願い…」
次第に近づいたアスカとシンジの唇が重なった。

すぐ後ろでのやりとりを聞いてうつむくヒカリとトウジ。
「イ、イインチョ…、ゴホンッ…」
声の調子がおかしいのを自覚したトウジが一つ咳払いを挟む。
「委員長…、ワイら…、邪魔…、かもしれんな…」
「う…、うん…、そうかも…」
互いに見合った顔は真っ赤である。
「どうしたらええねん…、こんな時…」
「分からない…」

上半身を強く抱き寄せたシンジの手はアスカの背中にまわり、柔らかい肌の感触に震えていた。
アスカの手もまた、シンジの背を撫でるように大きく上下に動いている。
そして、アスカの左手が何かに当たった。

147 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/08(水) 18:06:15 ID:???
その瞬間。
シンジの背に回していた右腕を引っ込め、アスカがシンジの体を強く突き押す。
腰に差してあった銃を抜き取った左手も遅れて引き戻された。
「ピストル、いっただきー!」
急に突き放されてバランスを崩したシンジが尻もちをついたまま、アスカの掌中の物に声を上げた。
「わっ…、わぁぁぁっ!」
「へへん、ちょーっとその気にさせりゃこんなもんね。普段からボケボケッとしてるからよ」
「返して、それ…」
「バーカ。あんたが持ってるより私の方がよぉーっぽど上手く使ってみせるわ」
「ひどいよ、アスカ…。さっき言ってた、お礼がしたい、っていうのも全部ウソだったの…?」
銃とアスカの顔を交互に見ていたシンジがうなだれた。

ロマンチックなムードの変化に気がついたヒカリとトウジが裏側へ回ってきた。
「ど…、どないしたんや、シンジ」
「アスカが…、僕をだまして銃を取ったんだ…」
悔しいというより、悲しいといった感じでつぶやくシンジ。
「キ…、キスしてたんとちゃうんかいな…、ええ感じで」
トウジの言葉に真っ赤な顔でアスカが答える。
「勘違いしないで! キスは、このピストルとの交換品。需要と供給よ。経済の基本ね」
「そやけど、別にシンジは望んでなかったんと違うかぁ? まるで、居直り強盗の言い分や」
「まぁ! 失礼ね! プイっ!」
そっぽを向いたアスカにシンジが問う。
「全部ウソだった、ってことだよね…」
その消沈した口調にアスカが心の中でつぶやく。
(違うわ…、シンジへの感謝は本当…。それに…、抱きしめてほしかったのも本当…)
だが、口を結んだきり返事をしないアスカだった。

148 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 18:39:44 ID:KMEb/NWS
来た北着た来た北着た来た北北きたよよよよよよっよよっよよy
ひょっほほーーーーーーい
gjgjgjgjgjgjgjgjg



149 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 18:52:41 ID:???
萌え要素とツンデレ要素すらも自由に扱う…バルちゃんは日々成長しているのか…

150 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 22:01:17 ID:???
続きが気になる木。

151 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 22:21:49 ID:???
職人さんGJ!
続きが楽しみです!

152 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 22:23:04 ID:???
バルちゃんいったい何者?


153 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 23:12:47 ID:???
愚問だな。神だ。

154 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 23:57:32 ID:KMEb/NWS
ああ。そうだな・・・神としか言いようがない。
これだけの人の気持ちを掴んでいるのだから・・・

155 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 23:59:06 ID:???
15スレぶりだね。

間違いない、ネ申だ。

156 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 00:41:08 ID:???
肉眼で神を確認、っと

157 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 17:09:03 ID:???
バルタザールさん=GOD=神

158 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:47:40 ID:???
葛城ミサトは暗転したネルフ本部内の特設放送ブースにいた。
普段の彼女ならばスタッフへ状況を確認するため、息せき切ってブースを飛び出していただろう。
だが、今の彼女はただ卓上の資料類に添えた手を止めてぼんやりと座っている。
(いったい、どうしたのかしら…)
手元から一枚の紙を顔へ寄せて、闇に慣れてきた目をこらす。
(フォースチルドレン選抜戦闘向け・第二回放送スケジュール、か…)
じっと目を落とすうち、はっ、と息を飲んで顔を上げるミサトだった。

伊吹マヤはベッドを抜け出て、用意された制服を手に取っていた。
(おかしいわ、こんなの…)
真っ暗な室内ではあったが、そこは着慣れたユニフォーム。手際よく着替えを済ませる。
まだ完全復調とは言い難くとも、発令所を目指す意思は既に固まっていた。
床の迷彩服を視界に入れても、マヤの口から悲鳴が上がる事はもうないのだった。

山道を上に向かっているカヲルは微笑をたたえながら鼻歌を口ずさんでいた。
フンフンフンフン、フンフンフンフン、フンフンフンフンフーンフフーン♪
ベートーベン作曲による交響曲第九番、歓喜の歌。
足を止め、はるか南の方角を眺めるカヲル。
「やって来たようだね…」
誰に言うでもなく漏らしたカヲルは鼻歌を続けつつ、歩みを再開した。
(この歌はキミの歌かもしれない…。リリン呼ぶところの九番目…)

159 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:48:36 ID:???
ジャバジャバジャバ、ズシーン…、ザザァー、ジャバジャバジャバ、ズシーン…、ザザァー
「巨大クモ型物体、間もなく上陸!」
戦自作戦本部と直結された映像がジェットアローン基地に流れる。
「よし。三番機、発進だ!」
時田の号令を受けて操縦担当者が声を上げた。
「ジェットアローン三番機、微速前進、右足前へ。ヨーソロー!」
「続いて左足前へ。ヨーソロー!」
ゆったりと歩行を開始した三番機の勇姿に口角を上げた時田が叫ぶ。
「敵の目的地は第三新東京と思われる! 急げ! 全速前進だ!」
「は、はいっ!」
操縦担当者がカチカチッ、とモード選択レバーを動かした。
「ただ今より全速前進! 右足前へ!」
「続いて左足前へ!」
一歩、二歩、とバランスを保って駆け始めるジェットアローン三番機。
「いいぞ。目的地を入力、十秒後にオートドライブへ切り替え!」
「了解!」
ガシン、ガシン、ガシン、ガシン…
長い腕を巧みに振って真っ直ぐ走る巨体を満足そうに見送る時田だった。

160 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:49:45 ID:???
(とか言ってカッコつけてみたものの…、いざやるとなると、やっぱ怖いもんだ…)
三人の女子生徒から距離を取って木々の間へ入ったケンスケの心臓こそ爆発しそうだった。
首輪に手をやるケンスケ。正面から少し左に寄った制御機器のあたりに触れる。
(どう考えてもここはマズイ。ちょうど正反対の位置、ってのもトラップ臭いんだよな…)
肌に触れる側に配されたゴムのような質感からでは内部構造は計り知れない。
指先の感覚を研ぎ澄ませ、外の金属に沿って慎重に手を回す。
(どこだ…、どこが最良のポイントだ…)
しかし、三六〇度ぐるりと一周させたところで確証を得られる手触りは得られなかった。
(俺たちが気付くほど間抜けなシステムじゃないか…)
SIGザウエルを握り直したケンスケが、決意を鈍らせないよう敢えて声に出す。
「やるしかないんだ、相田ケンスケ…」
首の筋肉をリラックスさせると同時に、首輪の下側から左手の親指を滑らせていく。
首輪のサイズは、タイトでありながら気道を確保するという絶妙の計算が施されていた。
(く…、苦しい…)
もちろん銃身が入る余地などない。
(親父、死んだらゴメンな。冷めた子供と思ってただろうけど…)
(アンタの息子は『命を賭す者、汝の名は男なり』とも考えたりするバカ息子だった、ってこと)
ねじ込んだ親指を制御機器から数センチ脇で止める。
その左手に内側から交差させる形で右腕を置き、首の真横に近い場所へ銃口を当てた。
呼吸と血液循環の双方が圧迫される中、ケンスケは力一杯右へ首を倒して引き金を引いた。

バン!

161 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:50:36 ID:???
ドゴォォォン…

三番機に気を取られていた時田の耳へ妙な音が届いた。
「どうした」
「二番機へ下方より衝撃! も、もしや調査対象では…」
うろたえる映像監視員の声で、慌てて時田が画面を見る。
「な、何だぁ、これはっ!」
脚部に受けた力で下を向いた二番機から入ったソナー映像。
そこには、古代生物に似た形の巨大な物体が、マグマ内を縦横に泳ぐ姿が捉えられていた。
「サナギではなかったのか! それに、予想地点より500も浅いぞ!」
「この短時間で成体にまで変態し、侵入者へ攻撃してきたのかもしれません!」
「マ、マグマ内での戦闘、か…」
時田に寄せられる視線のどれもが次の言葉を待っていた。
「止むを得ん! 調査中止! 現時刻をもって敵の撃退を最優先事項とする!」
さすがの時田も戦闘の同時二面展開までは予測できていなかった。
だが成功すれば、一番機での失態を取り戻したうえに日本重化学工業共同体の威信と名声は不動となる。
「プラズマ鎌、用意!」
左脚に取り付けさせた唯一の武器を取る指示。
「必ず倒せっ!」
「了解!」
再度の突撃を狙うように不気味な影が迫っていた。

162 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 17:51:02 ID:upExaRp3
こっこちらエヴァスレ!!神を発見した!!
ごっ強羅防衛線を突破されました


163 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:51:56 ID:???
「何もこのピストルであんたたちを撃とうなんて思ってないわよ」
シンジの問いかけに応じず、悪化した雰囲気を察したアスカが自ら口を開いた。
「ロクに銃を扱えそうもないシンジより私が持ってた方が、ぜぇーったいイイに決まってるじゃん」
「そ、そやけどこれから先、シンジに武器なしでどないせぇっちゅうんや、惣流…」
「心配いらないわ」
アスカの顔は、昨夜ヒカリと再会した瞬間のように輝いていた。
「シンジは私と行動するの。こんなバカでも何かの役には立つはずよ。その代わりに…、守ってあげる」
(アスカ…)
思ってもみなかった言葉にシンジがアスカを見上げる。
「おい、シンジ。それでええのんか? なんか、バカとか役立たずとか好き勝手言われとるで」
「役立たずなんて言ってないわよ! 何かの役に立つ、って言ったでしょ!」
「たとえば…?」
当のシンジがアスカにたずねた。
「んっ…」
雄弁だったアスカが口ごもる。
「そ、そうねぇ…、私は女子だから力仕事なんかはできないわ…。そういうのは殿方のお仕事でしょ…」
「惣竜の方がよっぽど力ありそうやけどなぁ」
「うるさいわねぇ、いちいちっ!」
からかうトウジに思わず声を荒げるアスカ。
「いいのよぉっ! 別に何だって! シンジは、ただ私のそばにいればそれでいいのよぉっ!」
(えっ、私…、何言ってるの…)
口にした言葉が間接的に意味するところへ思い当たったアスカが顔を伏せた。
そして、場を取り繕うように続けた。
「で、鈴原…。あんたはヒカリを守るの。絶対に。何があっても。いい? 分かった?」
「あ…、ああ」
うなずいたトウジがヒカリに目を向けた。真っ直ぐに目が合う。
どうやら木の裏側に回って以来、その視線はずっとトウジに注がれていたのだった。
「イ、イインチョ…、ソウイウコトラシイワ…」
トウジの声がまたひっくり返った。

164 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:52:48 ID:???
木陰から加持は耳をそばだてていた。
(シンジ君にアスカ、鈴原トウジ君と女の子…、四人か)
身を隠しながらの前進だったため思ったより時間を要したが、今や会話が聞こえる距離にまで来ている。
その目の前の道を山側から走ってくる青葉と日向。
(電波や情報を中継している学校に急ぐ途上にせよ、一直線で来るとはな。いやはや、若いってのは…)
ダッダッダッダッダッダッ
たてる足音を気にもせず懸命に駆ける二人が加持の前を通り過ぎていく。
「待った!」
加持が道へ飛び出すと、二人が前のめりになりつつ止まった。

「加持さん…」
「学校か?」
「ええ」
「俺も行く」
「別に構いませんが…」
「システムに異常発生、だろ?」
「どうしてそれを」
「…、キミたちの顔を見れば分かるさ」

不意に聞こえてきた足音で四人は会話を止めた。シンジまでが立ち上がり、中腰で様子をうかがう。
そこへ木陰から飛び出してきた別の迷彩服の男が絡み、何やら話が始まった。
話し声とその内容から、武器を配っていた二人を呼び止めたもう一人の正体は明らかである。
アスカは今にも出て行きそうな勢いで構えていた。シンジが腕をつかむ。
「なっ、何するのよっ、エッチ! 離してよ!」
「バ、バカっ。声が大きいよ…」
「いいから離して、って!」
ぐい、と力まかせに引っ張ったのと同時にシンジが握力を弱めたせいで、アスカが後ろ向きに倒れる。
慌ててシンジが体を寄せ、背が地につく間一髪で支えた。まるでフィギュアスケートペアのフィニッシュ。
「お見事。いかすねぇ、ご両人」
目立つ格好で視界に入ったアスカとシンジに、加持から声がかかった。

165 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:53:54 ID:???
「どういうことだね、赤木博士! 真っ暗じゃないか! 電源が落ちた、とでも言うのか!」
冬月から届いた大声にリツコは観念した。
(ダメね…、もう)

「アチっ!」
首筋に火傷を負った感覚で、ケンスケは右腕を引いた。
ガチャッ
足元で鳴った音の方に目をやる。一箇所で破断した首輪が雑草の上に落ちていた。
(や…、やった…、成功だ…、成功だぁっ!)
手榴弾を空中で仕留めた時に優るとも劣らない充実感がこみ上げてきたが、すぐに現実を思い出す。
(みんなに教えなきゃ)
「おーい! おーい!」

ケンスケが消えた林から30メートル。少女たちは発砲音の後に爆発がなかった事は気付いていた。
それでも、ケンスケの姿を見るまでは安心できない。そこに届いた明るい声。
ザザザザザッ、と斜面を駆け下りてきたケンスケが手を振っている。
「成功だ! 今なら首輪を外せるぞぉ!」
たしかにケンスケの首からは、あの忌々しい首輪がなくなっていた。
やったー、と手を取り合って跳ねる女の子たち。誰もが泣いている。
猛スピードで戻ってきたケンスケに、もう一度三人が抱きついた。

「だから、違うんだってば! もう、加持サンったらぁ〜♪」
シンジの体から離れて加持の腕へ飛びついたアスカは、事情をしきりに説明していた。
「シンジが私に迫ってくるのを逃げようとしてね、それで」
「悪い、アスカ。今、ちょっと忙しいんだ。後にしてくれるか」
腕をほどく加持。武器を配った一味を煙たがって遠巻きにしていたトウジへ歩み寄る。
「鈴原トウジ君、だね」
「あんさん…、惣流が来た時にさっさと空母から逃げよった…」
「その節はどうも」
腕を折って胸にあて、大げさに頭を下げる加持だった。

166 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:54:52 ID:???
いまだ電源の復旧しないネルフ第一発令所へマヤが入ってきた。
「せ、先輩…」
「マヤ…」
足元のおぼつかない様子で頭を押さえながらマヤがたずねる。
「どうなってるんですか…、どういうことですか…」
「停電よ。きっと、誰かが仕組んだものね…」
そこへ一際甲高い声が響く。
「リツコっ! あんたねぇ!」
大股で歩み寄るミサト。マヤを押しのけて、白衣のリツコの胸ぐらをつかむ顔は怒りに満ちていた。
「あら、ミサト…。迷わずによく来られたわね」
そして、総司令席からも──
「赤木博士、説明してもらおう」
ゲンドウの声に振り返ったリツコの口元はかすかに微笑んでいた。
「はい…」
手を離したミサトが表情はそのままに、腕組みしてリツコを見据えた。

167 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:55:49 ID:???
ガキィィィン
巨大な生命体をがっちり受け止めたジェットアローン二番機。
「今だ! 攻撃!」
「はい! 左腕、垂直に下へ!」
左手のプラズマ鎌が振り下ろされる。
ガンッ
「もう一度!」
「左腕、再上昇、のち下へ!」
ガンッ
びくともしない敵に時田がひるむ。
「こ、これが、使徒か…」
「この高温高圧の状況下で耐えられる構造です! とてもこの程度の攻撃ではっ!」
鋭利な触覚が、航空機とつながるケーブルを叩き切らんと伸びる。
「いかんっ、切断されると映像が届かなくなる。戦闘も何もない!」
「衝撃で上空の飛行機が制動不能に陥ってエンジンストール、最悪の場合、墜落もありえます!」
バシィッ
ケーブルを直撃したらしい。
途端に映像が乱れた。かろうじて状況はつかめるが、もはや元の鮮明な画質は望めそうもない。
オペレータが悲鳴にも似た声を上げた。
「もう一度くらえば切断は不可避です!」
「時田さんっ!」
操縦担当者までが顔を向ける。苦汁の決断をわずか数秒で強いられた時田がマイクを握った。
「人的被害は出せん…。ウインチ、切断! ケーブル全長が火口内に落ちるよう望む」
「なんとかしてみせます!」
パイロットが応じた。そして、触覚が再びケーブルへ触れる寸前──
ガチャン!
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥー
根元から切り離されたケーブルが飛行機から落下を開始した。

168 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/09(木) 17:56:43 ID:???
ジャバァッ!
ジェットアローンよりも数段困難なケーブル全長の投下すら、精鋭パイロットは成し遂げてみせた。
「やったか!」
握った拳を突き上げた時田だったが、もはや何も映らなくなった画面にその表情はすぐに沈んだ。
(あとは…、使徒が二番機の破壊にこだわってくれるのを願うのみ、か…)
(連れ立って沈降を続ければ、いかにホ型装備といえども限界は来る)
(そうなれば超高圧に本体が晒され、地下核爆発だ…。地震とともに使徒の殲滅は果たせる…)
科学万能と考え、信仰心のかけらもない時田の両の掌が無意識に合わされた。

「キミのリュックを譲り受けたいんだ」
「はぁ?」
突拍子もない加持の申し出にトウジは要領を得ないでいた。
「タダで、とは言わない。この機関銃と交換、なんてどうだ?」
背負った機関銃を下ろす加持。トウジが問う。
「そんなことして、あんさんは大丈夫なんでっか?」
青葉と日向に聞こえないよう、加持が顔を寄せる。
「俺の心配か…。ありがとう。何も問題はない」
「そやけど、ワイのリュックの中身…、トランプでっせ…」
「トランプ…」
加持は再び直立の姿勢に戻り、遠い目をした。
「トランプとは、英語で『切り札、最後の奥の手』という意味だ。知ってたかい?」
「いや…」
トウジの手に機関銃を握らせるとリュックに見当をつけて近寄り、加持が中を覗きこむ。
市販のプラスチック製トランプが入っていた。両手をリュックの中へ差し入れて封を切る。
「だが、このトランプは『最後』ではない…。『最初』さ」
独り言のようにつぶやきながら、他に見られぬようケースを開く。
一見してトランプでしかなかったその中には、自身がドイツより持ち帰ったアダムが収められていた。

169 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 18:18:31 ID:???
いつ読んでもおもしれEEEEEEEEEEEeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!次話が待ちどうしい。

170 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 18:33:46 ID:???
すげええええええ
加持さんがアダム持ってるって事は、カヲルも加持さんと関わってくるの?

171 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 18:46:14 ID:???
アダムがすごい所にwww
バルさんいつもGJGJ 最後まで見守ってるよ

172 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 19:15:28 ID:???
超オメガGJwww
この先の展開が読めない…
ハラハラドキドキ…

173 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 20:17:37 ID:???
ウッホwwwwケンスケいい男wwww

174 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 22:25:49 ID:???
すっすごい!スレタイのありきたりさからは想像も出来ない良スレだwwwww

175 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 22:56:27 ID:???
たまにスレタイを「カヲルロワイヤル」と読んでしまう

176 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 01:12:52 ID:???
やはりLASになっちゃうのか……。

ふッ…。

177 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 01:22:56 ID:???
バルさんクオリティタカスwww激しくGJです。

178 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 05:47:48 ID:???
こいつはまたとんでもない神スレだなw
スゴスギて笑うしかないwwww
同人で出してホシスwwww

179 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 11:15:47 ID:???
アスカ萌え(´д`)とかケンスケカコイィ(゚∀゚)!とかそれ以前に……



時田萌え萌え、カコヨスギヽ(´▽`)/

180 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 12:42:49 ID:xp0Dk+X6
バルちゃん!君、本出したほうがいいよ。
って言うか是非書いてくれよ!!!!!


181 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 15:23:45 ID:???
あんましあげないほうがよくない?
こんな名スレが荒らされるのは心苦しいからさ。

182 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 15:30:09 ID:???
>>181
禿同ですわ

183 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 16:39:57 ID:???
181が良いこと言った!

184 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 16:57:00 ID:???
このスレ永久的に保存したいんだけど、いい方法ない??

185 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 17:19:43 ID:???
メモ帳にコピペとか

186 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:31:02 ID:???
古武器を持つ女子たちは、青葉と日向を物陰からやり過ごしてもしばらく同じ場所に留まっていた。
「ここって割といい場所じゃない?」
「うん。見つかりにくいのに、こっちからは道が丸見え」
「ちょろそうなのが来たらさ、武器を取り上げちゃおうよ」
「で、勝てそうにない相手は無視、と」
「男子は一人でもパス、かなぁ…」
「そうね、碇クンみたいなこともあるし」
うんうん、とうなずき合う三人の前の道へ、山の方からレイが向かってきた。

「綾波さんよ」
「一人で歩いてる…」
「まさしく絶好の獲物じゃん」
「だけど、手ぶらなんだよね…」
「なんか隠し持ってるかもよ」
「とりあえず、確かめついでに出るとしますか♪」
同じクラスという以外にまるで接点のないレイの個性は、彼女たちの一人として知るところではない。
ただ、三対一でなにかしら勝負するとなって負ける気がしない相手なのも確かだった。
行く手を阻むようにレイの前へ三人が広がる。

「何?」
無表情にたずねるレイ。
「すまし顔でお散歩中に悪いんだけどさ、何か武器持ってたら置いてってくんない?」
「どうして?」
「自分の身の安全を守るために決まってるじゃない」
「……」
その感情を表さない態度が気にくわないらしい。
「ちょっと! 黙ってないで何か言いなさいよ!」

187 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:32:12 ID:???
数秒の沈黙を置いてレイが口を開いた。
「あなたたち、死ぬわ」
脈絡のない発言に、前に乗り出していた少女たちの上体が戻る。
「な、何言ってるのよ…」
「今日のうちに」
一人が声をひそめて仲間にささやく。
「ちょっと…、やっぱりこの子、気味が悪いわ…」
「ホント…、ヤな感じ…」
「パ、パスしよっか…」
いつしか、三人はレイの正面で身を寄せ合っていた。レイがたずねる。
「行っていい?」
無言で小刻みにうなずく彼女たちの脇を、変わりなく過ぎていくレイだった。

上空を旋回する飛行機からケーブルが切り離される様子を見ていたカヲルは五合目付近にいた。
歩みを止め、山肌を透視するかのような角度に目をやってつぶやいている。
「山に抱かれし八番目のキミ…。リリンの知恵に負けてしまうのかい…?」
既にカヲルの足は、今まで来た道の方へ向き直っていた。
「火口で会えると思ったのに…、お別れのようだね」
空を見上げるカヲル。
(遅いな…)

「苦しいだろうけど…、我慢して…」
とても自分では撃てない、と言った三人の女子生徒のために、首輪外しはケンスケの役目となった。
一人目の体を引き寄せ、さっき自分がしたように左手の親指を滑り込ませていく。
少女の両腕はケンスケの背と腰にまわり、胸のふくらみは一分の隙間なく密着している。
恋人同士の抱擁と違わぬ姿勢、さらには彼女の生死を分ける大役を任されて震える手元。
(うろたえるな…、男だろ! 相田ケンスケ!)
位置を定め、意を決して引き金を引く。
バン!

188 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:33:03 ID:???
「さて…。済まなかったな、キミたち。行こうか」
トウジのリュックを手に入れた加持が、青葉と日向へ声をかける。アスカが駆け寄った。
「待って、加持サン…。行っちゃうの…? どこに…?」
「学校、さ」
「私も行っていい?」
笑顔でたずねるアスカに、加持が苦笑の面持ちで答える。
「ダメに決まってるじゃないか…。学校は戦闘区域外、首輪が爆発しちまうぞ?」
もちろん今はそのシステムが作動していない事を誰よりも理解している。
だが、青葉と日向の手前、まだそれをこの段階で明らかにはできなかった。
しょげるアスカに加持が告げる。
「そうだ、アスカ。お願いがある」
「えっ、なになにィ? 加持さんのお願いだったらオールオッケーよ♪」
特別扱いされたような気がして、アスカがいつもの調子に戻る。
「そいつは助かる。三つあるんだが…」
「三つもぉ? 何かなぁ♪ キスでしょ、その次、それに…、やだっ、もぉ、加持サァ〜ン♪」
(やれやれ…)
「喜んでもらえるのは光栄だが、そういうのじゃないんだ、アスカ」
それまでの弛緩した表情を一変させ、加持はアスカへ顔を寄せた。
「まず一つ。レイを探すんだ、シンジ君と一緒に。チルドレンは集まっていてほしい」
「えぇっ…? ファーストを探すの…?」
まだ出会って日も浅いが、アスカはどうしてもレイと反りが合わない。
不満そうなアスカを気に留めず加持が続ける。
「山にいたはずだ。彼女もいずれ下りてくるだろう」
アスカが山の方角へ目を向けた。
「それから二つめ。絶対に…、死ぬな」
死、という響きにアスカの視線が泳ぐ。
「キミには、キミにしかできない、キミにならできる事がある。それを忘れないでくれ」
「う、うん…」

189 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:33:57 ID:???
「そして最後に…。これを守れれば、前の二つは自ずとついてくるかもしれない」
「何…?」
「シンジ君と仲良く」
「はぁ?」
何事か、と身を固くしていたところに聞かされた意外な言葉で呆気に取られるアスカ。
「彼にヤキモチを焼かせようと俺をダシに使うのはもうやめろ、ってことさ」
加持の口元は微笑んでいた。
「ちょ、ちょっと、加持サン…」
「さっきのキス…、やっと素直になれた、かな」
赤い顔のアスカがなんとか声にする。
「見てたの…?」
「聞いただけ、だよ」
ポン、とアスカの肩を叩いて加持が背を向けた。
「さぁ、急ごう」
はいっ、と応じた二人を伴って、加持が学校へ向かって駆け出した。

緊張の三連発を無事終え、ケンスケは腰砕けになっていた。思い通りに体が動かない。
一度ならず二度までも命の危機から救ってくれた勇者のへたり込む道の真ん中へ少女たちが寄る。
「相田クン…、本当にありがとう!」
「もう…、いくら感謝しても足りない!」
「でも、せめてものお礼に…」
そう言うと、首輪の恐怖から自由になった三人は示し合わせたように頬へ顔を寄せた。
チュッ
十四年の短い人生ではもちろん、今後もないくらいの達成感、解放感、充実感。
それらに加え、柔らかい唇を同時に三つも受けて、一層へなへなと脱力するケンスケだった

190 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:34:54 ID:???
プツン
「おや…?」
ジェットアローン基地に戦自から提供されていた巨大クモ型物体のリアルタイム映像が途絶えた。
「時田さん、どうした事でしょうか?」
「分からん…」
二番機の行く末を案じつつ、三番機の現在位置と映像を交互に見ていた時田にも状況が掴めない。
しかし、三番機は着実に目標へ迫っていた。時田が指示を出す。
「映らなくなったものは仕方がない…。あと二分もすれば敵は三番機の視界に入る。作戦続行!」
さらに、ウインチ切断を済ませて浅間山からの帰途にあるパイロットへの連絡。
「済まないが、戦自のヘリや航空機がいたら動向をうかがってみてくれ」
「了解しました」
(出動を要請しながら途中で協力を打ち切ったのか? これも民間の悲哀、かもしれんな…)
だからこそ燃える。
(なに、我々はぞんざいな扱いなど慣れている。一番機、二番機の分まで暴れてみせるぞ!)
腰にあてた手の指に、力の入る時田だった。

学校へと走りながら加持が青葉と日向に問う。
「キミたちはどう思う。今回のこのプログラム…」
青葉が応じた。
「正直なところ…、気が進みませんでした…」
日向も答える。
「同じく、です…。ただ、職務でもあり…、また、期日が迫ると意識が変わったように思えます…」
「どういう風に?」
「なぜか…、義務感が生じた、というか…」
「なるほど…。で、今は?」
「それが…、自分でも不思議なんですが…、こんな事はやはり許されない、と…」
加持がつぶやいた。
「呪縛は解けた…」
「え? 何かおっしゃいましたか?」
「なんでもない」
校門はもう目の前だった。

191 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:35:52 ID:???
「ソニック・ヒプノタイジング、だと…? それを用いた、というのかね!」
詰問調の冬月にも動じず、リツコはただ「はい」とだけ返した。
(映像によるサブリミナル効果の他、非可聴域の音波による催眠…。そんな事が可能なのか…)
絶句する冬月だったが、リツコの頭脳とシステムを統括する立場を考えればありうる話に思えた。
ゲンドウがたずねる。
「なぜ、そのような事をしたか…。聞かせてもらおう」
リツコが司令席へ顔を向ける。
「一週間前、碇司令が委員会から持ち込んだ2年A組全員によるフォースチルドレン選抜案…」
微笑を絶やさないその顔は美しく、またはかなげだった。
「私を除く皆が反対したのはご記憶かと存じます」
「当たり前じゃないのっ! 誰があんな非人道的な計画をっ!」
ミサトの叫びも物憂げに首を振って受け流すリツコ。
「しかし、私は千載一遇のチャンスと考えたのです。誰に咎められる事なく希望を叶えられる…」
「希望…、キミの希望とは、いったい何だね?」
思いがけない発言に冬月が思わず口にする。
「レイ…、綾波レイ…。彼女の抹殺です」
「何ですってぇ!」
詰め寄ったミサトが再びリツコの胸ぐらを掴んだ。
「葛城一尉。落ち着きたまえ。彼女の供述はまだ途中だ」
「は…、はい…」
ゲンドウに言われてはミサトも強く握った手を離して下がるしかなかった。

192 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:36:49 ID:???
リツコが続ける。
「彼女と私の関係については、双方の名誉のために黙秘します」
「よかろう」
「私は、結論の出ないうちからシステムの構築に着手し、翌々日には稼動を開始させました」
やや顔を伏せつつも、目だけはゲンドウを睨む。
「ネルフ総員を催眠下に置き、選抜案の実施に反対する者を翻意させました。いわば、無血革命…」
衝撃の告白にマヤは震えていた。
(そんな…、先輩…、ウソだと言ってください…、先輩…)
「映像の全てにサブリミナル効果を促す画像を挟み、スピーカーからは催眠音波を恒常的に流す…」
「せ、先輩…」
マヤが口を開いた。
「わ、私たちは外にいました…。昨日まではここでそれを聞いていたのかしれませんけど…」
「あなたたちの無線機、あれを用意したのも私よ。聴こえていなくとも、聞いていたの」
ようやく合点がいったマヤ。生理的嫌悪感を避けるはずの自分が躊躇なく現地へ出向いた理由──
(ひどい…、ひどすぎる…)
泣き出したマヤが腰を落とす。その様子をちらりと見やり、リツコがため息をついた。
「ですが…、この停電で目論見は水泡と帰しました。何もかもが終わってしまったのです…」
「よく話してくれた、赤木博士」
落ち着き払ったゲンドウの言葉に次いで、冬月から独り言のような質問が届く。
「では、この停電は誰が…?」
先ほどよりは弱まった語調でリツコが応じた。
「こんな大それた事を実行できる…、碇司令や副指令にも心当たりがお有りなのでは?」
「も、もしや…」
ゲンドウ、冬月、そしてミサト。三者の脳裏に共通の人物が浮かんだ。
(加持!)

193 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:37:41 ID:???
「許せませんっ! わ、私…、そんなの絶対許せませんっ!」
床にぺたんと腰を落とすマヤが銃を構えていた。銃口はリツコを捉えている。
病室を抜け出る際、彼女は搬送時に脱がされたままになっていた迷彩服から銃を抜き取っていた。
関係者の誰よりも早く音波を感じない状態となっていたマヤ。
目覚めた段階から既に彼女は、子供たちを死地へ追いやった首謀者に抵抗する心持ちでいたのである。
それがたとえ尊敬するリツコと分かった今でも、目の前で爆死した少年の笑顔が決意を支えていた。
(あの子の命を奪う権利なんて誰にもないもの…)
悲壮な表情のマヤを横目で確認してリツコが漏らす。
「マヤに私が撃てるかしら…?」
「私…、本気です…」
だが、その突き出した両手の震えは止まらない。
「伊吹二尉。やめたまえ」
一際通るゲンドウの声。立ち上がったゲンドウもまた、銃を手にしていた。狙うは、マヤ。
「いま、赤木博士を失うわけにはいかない。その銃を下ろさなければ、私がキミを撃つ」
リツコが視線を落とす。
(必要とあらば捨てた女、裏切り者すら利用するのね…)
カチャリ
自らが言い放った言葉で凍りついた空気の中、ゲンドウの背後で金属質な物音がした。
「待て、碇…」
冬月の声で振り向く。
そこには、ゲンドウを標的として拳銃を構える冬月がいた。

194 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 17:38:37 ID:???
「見えました! 目標発見!」
ジェットアローン三番機から届く映像に、先ほどまでのクモ型巨大生命体が映し出された。
「よし。奴よりこちらの方が速い。追いつけるな…」
時田の声にオペレータが反応する。
「いや…、敵は第三新東京でなく、さらに北を目指しているようなのですが…」
「何っ?」
三番機の発進以来ずっと確認していた地形図は頭に叩き込まれている。
たしかに、山岳を越えて目指すべき第三新東京ではなく北進しているように見受けられた。
このままでは追いつくどころか、素通りして離れるばかり。時田が指示を繰り出した。
「マニュアル操縦へ変更! 目標を最高解像度で撮影ののち、明度を補正!」
咄嗟の判断力にも磨きがかかっている時田。
「形態および色調をデジタル化、ナビゲーションのデフォルト値とし、追尾モードへ再変更!」
「了解!」
(ネルフの力など無くとも、使徒は我々が倒す!)

校門を抜けて建物に入った加持たち三人は、特設管理ルームの前で止まっていた。
「ダメですね…、IDは本部データと照合されていますから、開かないということはやはり…」
カードをリーダーに通しても開く気配のないドア。日向の嘆きに加持が応えた。
「急ごしらえの施設じゃないか。そう堅牢にも見えない」
「まさか…」
「銃を貸してくれ」
「う、撃つんですか?」
「ああ。そうでもしないと入れない。責任は俺が取る」
差し出された銃を向けるや、加持はロック部分に銃口を当てて引き金を引いた。
バン!
ドアに手を添え、するするっとスライドさせる。
「ほら、開いた」
(まったく…、ムチャする人だよ…)
口にこそしないが、心中で呆れる日向。
(でも、加持さんのこういうところが好きなのかな、葛城さんは…。参考にしよう)
揃って室内へ歩を進める三人だった。

195 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 17:56:06 ID:???
スゲー、一気に読んだ。
続きに期待!

196 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/10(金) 19:46:13 ID:???
【※ 本編とは関係ありません ※】
 こんばんは、バルタザールです。
 幾人かの方から思いのほかお褒めをいただき、調子に乗りつつ続けています。
 プレッシャーを受けながらも大変な励みです。ありがとうございます。 
 ただ、毎日の大幅更新、というのも自分なりに決めたルールではあるのですが、
 結構キツくもありまして…
 まったりと進め、ひっそりと終了するまで、物語だけを書こうと思っていたところ、
 ペースダウンと不定期更新に突然変わる可能性がある事をお伝えしたく、書き込んだ次第です。
 スレ汚し、すみません。
 あと、別に占有ストレージでもなく、2chなワケですから、どうぞ他の方も何か書いてください… m(__)m

197 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 20:13:33 ID:???
がんばってくれ!!体には気をつけてね。


198 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 20:20:13 ID:???
バルさん乙です!バルさんのペースでゆっくりでもいいので進めて下さいね♪漏れは見届け人になれる。

199 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 20:37:36 ID:???
休養も仕事のうちです

200 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 21:08:25 ID:???
応援してますよ。ゆっくりでもなんの問題もないんで頑張ってくださいな。

201 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 21:39:25 ID:???
待ちます!僕が待ちます!!

気楽にガンガってください☆楽しみにしてます!

202 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 23:22:42 ID:???
待ってますんで、やりやすいペースで投下してください

203 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/10(金) 23:29:29 ID:???
バルさん乙です
ゆっくりで全然良いんでマイペースに続けてください♪

204 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/11(土) 01:00:04 ID:???


205 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/11(土) 06:11:01 ID:???
バルちゃん乙。漏れらはいくらでも待ちますよ。
これだけ一文一文の完成度が高いと考えるのも大変でしょう。
できればこれからもこのクォリティーを落とさず、ゆっくりでいいんで完結させて下さい

206 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/11(土) 17:11:44 ID:???
そうですよ、無理せずまったり行きましょう。


207 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/11(土) 19:45:03 ID:???
バルタザールという名の神をみた

208 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/11(土) 19:58:16 ID:???
>>207マジで!!
俺も見た!!
神だね、間違いなく。

209 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/11(土) 22:12:56 ID:???
これでメルキオールとかカスパーとかも降臨したらマギスレになるのに

210 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/12(日) 02:34:45 ID:???
いやマギスレって…
それは趣旨が違うと思う…

211 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/12(日) 02:39:03 ID:???
とりあえずバルさんの帰りをみんなで暖かく見守りますか?


212 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/12(日) 08:27:01 ID:???
hageshiku doui.
ここまで心を引き付けるような文を書けるのはとてもすごいことだと思う。
プレッシャーもあるだろうけど、頑張って素晴らしい文を書き続けてほしい。
楽しみに待ってます!

213 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/12(日) 09:04:24 ID:???
俺も禿同。
だが、そろそろバルちゃんの書くバトルロワイヤルが読みたくなってきた…
今まで丸一日投下が無かったことは無いから禁断症状が……ガクガクブルブル


スイマセン、おとなしく待ちます(′・ω・`)

214 :211:2006/02/12(日) 16:13:18 ID:???
>>213 もちつけwwwwwww
ここは まったり待つ事にしょうジャマイカw


215 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/12(日) 17:08:25 ID:???
まともな男は加持サンだけ。その思いに偽りは無いはずだった。
だのに今、片時も頭から離れてくれない別の存在を加持にまで指摘され、心揺れるアスカがいた。
(なんで…? 私…、そうなの…?)
託された三つ目の願い。
(シンジを…? 私が…?)
「ア、アスカ…」
焦点の定まらない目つきと何やら思い詰めた表情を心配してシンジが声をかけた。
「はっ!」
息を飲み、ビクッと跳ね上がった顔が向けられる。
「な…、何よ…、急に…。脅かさないでよっ!」
「べ、別に脅かそうだなんて…、ゴメン…」
反論するのかと思えば、すぐに謝るシンジ。
(こんなヤツを…、私が…? 分かんないわっ、もう!)
気持ちの整理がつかず、混乱したアスカが大声を張り上げる。
「反射的に謝らないでよぉっ! こっちが情けなくなるからぁっ!」
「ゴ…」
シンジが慌てて口をつぐんだ。

216 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/12(日) 17:09:21 ID:???
「何のつもりだ。早まるな…、冬月」
銃を左に持ち、マヤを狙う腕は残したまま顔を後ろへ向けたゲンドウが穏やかに告げた。
「それはお前にも言える事だ」
(ここの床が再び血塗られる事などあってはならん…)
赤木ナオコの絶命現場を見た記憶こそが冬月に銃を握らせている。
とはいえ、ゲンドウが発砲すれば引き金を引く覚悟はあった。
この男に関わる者が決まって不幸な末路へと歩むのを冬月は知っていた。
(崇高な理想を掲げて邁進する影に埋もれるあまたの犠牲…。もういい…)
だが、一方のゲンドウもまた冬月の性格を心得ている。
いかにも不釣合いな光景、銃と初老の学究者という組み合わせに微笑を交えて伝える。
「伊吹二尉に彼女は撃てんよ」
わずかに視線を動かして下の様子をうかがう冬月。
たしかに、マヤとリツコの相互信頼関係が即座に崩れるとは考えにくかった。
「だが、碇…。これまでと今では状況が異なるぞ」
合理的な分析にもゲンドウは落ち着いて返す。
「赤木博士の行動…、取り立てて騒ぐほどの事でもない」
「…、どういうことかね」
「彼女らしい行動の一つに過ぎん…。予測の範囲内だ。我々の計画に影響はない」
銃口を向けた姿勢を保つ冬月を気にすることなく、ゲンドウは右手を自らの口元へ寄せた。
中指の先端で手袋を噛んで腕を引く。あらわになる右手。
零号機の起動実験で起きた事故の際、レイを救出しようと負った火傷の跡も生々しい。
総司令席のすぐ脇に据えられたキャビネットへその手が伸び、静脈認証ロックが解除された。
ピコッ
引き出しに手をかけ、ゆっくりと手前へ動かすゲンドウがその中へ目を落とす。
「ゼーレの老人どもは焦っている。チャンスだ、冬月…」

217 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/12(日) 17:10:31 ID:???
冷めた目でマヤを見下ろすリツコ。
「マヤに撃たれるのなら仕方ないわね…。ひどいことをした事実は消えないのだから」
それが本心から出た言葉かどうかは取り囲む誰にも分からない。
ただ、永遠の憧れとしたリツコから出た哀しい響きにマヤは激しく動揺していた。
(先輩…、今からでも構いません…)
(ひとこと…、ウソと言ってください…。私…、先輩を撃ちたくありません…)
一瞬、腕が小さく下がる。そのスキを衝いたミサトが素早く身を寄せて銃を奪い取った。

下で起きた動きに総司令席の二人が会話を止めて視線を注ぐ。
銃を下ろし、ゲンドウが呼びかけた。
「葛城一尉、ご苦労だった」
安堵の色を浮かべた冬月が続ける。
「伊吹二尉の処分は保留、ただし身柄を拘束、独房へ隔離!」
所員一同から緊張が解け、ため息とざわめきが広がり始める。
その時。
「いいえ」
ミサトが明瞭な口調で拒絶の言葉を口にした。
「伊吹二尉が撃てないなら、私が撃ちます」

218 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/12(日) 17:11:44 ID:???
「左腕、前へ!」
ジェットアローン三番機は目標が有する巨大な脚の一本に迫っていた。
ガシッ
「掴んだかっ」
「はいっ!」
「よし、そのまま離すな。タイミングを見計らって跳躍、胴体部の背面へ乗るんだ!」
相手には際立った攻撃手段がない、と見た時田は、水平な背部からの直接打撃を想定していた。
「了解! 十五秒後に左足を停止、一秒後に右足を同調!」
揃えた両足による踏み切りの算段を操縦担当者が大声で続ける。
「捕捉済み敵脚部の接地状態が上方および前方へ流れる瞬間の跳躍となります!」
「まかせた! マニュアル操縦へ変更だ!」
「はいっ!」

ケンスケと三人の少女は山道を急ぎ足で下へ向かっていた。
今なら首輪を外しても爆発しない事が立証されている。
できるだけ多くのクラスメイトに、できるだけ早く伝えたかった。
しかも、ケンスケにはもう一つ急ぐ理由がある。
(シンジが誰かを殺した、ってホントなのか…?)
途切れる直前の放送で耳にしたシンジを称える内容が頭の中で反復される。
「「「シンちゃん、見事な銃さばき!」」」
(ウソだろ? あいつにそんなことできるわけがない…)
(今から助けにいくからな…。必ず「違う」と言ってくれ…。たのむぜ)
時に少女たちの手を取りながら、先頭で麓を目指すケンスケだった。

219 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/12(日) 17:13:20 ID:???
「行くわよ、シンジ」
「どこに?」
「ファーストを探すの」
「綾波を?」
「そ。加持サンに頼まれちゃったからさ」
自分の気持ちのありようを否定するかのごとく平静を装って切り出したアスカ。
「じゃ…、トウジたちは…、どうするの?」
「ここでお別れね…」
「そんな…」
せっかく出会えた四人が散り散りになる。シンジには納得がいかなかった。
「トウジたちも一緒に行けばいいじゃないか」
修学旅行の自由行動ならばそれでも差し支えはない。だが、アスカにはある思いがあった。
(いつ何が起こるか分からないもの。ヒカリは鈴原といさせてあげたい…)
「ねぇ、アスカってば!」
「うるさいわねぇ、ちょっと黙ってて!」
シンジが口を閉じる。アスカがトウジを呼んだ。
「鈴原、ちょっと」
「なんや」
機関銃を背負ったトウジは意外とさまになっている。
「あんた、必ずヒカリを守るのよ。もしヒカリに何かあったら…、絶対に許さないから」
いつもなら茶化すはずのトウジが、落ち着いたトーンで真面目に答えた。
「ああ…、まかせとけ」
短くも毅然とした決意表明。口元を締め、眉を上げた顔は精悍そのものだった。
その変貌ぶりに驚くアスカへトウジが言を継ぐ。
「ワイなんかが誰かの役に立つなら嬉しい限りや」
「誰か、じゃないの。ヒカリのため、よ」
「そや…、委員長のためやったな…」
トウジの背後からじっとやりとりを聞いているヒカリにアスカが目配せをした。
(聞こえてる?)
不安げにうなずくヒカリ。トウジがようやく次の言葉を発した。
「心配せんでええ。死んでも委員長を守ったるわい」
感激に緩むヒカリの頬。それを見届けたアスカの顔にもまた、自然と笑みが浮かぶのだった。

220 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/12(日) 17:14:19 ID:???
さまざまな計器やディスプレイが並ぶ校舎内の特設管理ルーム。
さっそく席に着いてせわしなく動き始めた青葉と日向へ、加持が所感を伝える。
「ここは正常に機能している。本部からの通信が届いていない…」
手を止めず、目線も機器へ落としたまま青葉が返す。
「そのようです」
日向も同様に応じた。
「一目見ただけで分かるなんて、加持サンは機械にもお詳しいんですね」
「いや、まったくダメさ。キミたちの千分の一も分かっちゃいないよ」
ハハハ、と笑う加持。
「ですが、おっしゃる通りの状況なんです」
会話を続ける日向の隣で、やっぱりダメだ、と青葉がつぶやく。
「俺に分かるのは…、どうすればここの機能まで失われるか、くらいさ…」
軽い調子の後に届いた低い声で二人の手が止まる。声の主へ顔を向けると──
先ほど日向から借り受けた銃で機器類を狙う加持がいた。
バン! バン! バン! バン! バン! バン!
バリン! ガチャン! ジジジッ! ブシューッ! ガチャン! バリン!
「うわぁぁぁぁっ!」
自分たちへ注がれた銃弾ではないが、狭い室内での発砲と次々と何かが壊れていく音にたじろぐ二人。
「何をしているんですかぁっ! 加持サンっ! やめてくださいっ!」
暴挙を止めさせようと日向が叫ぶ。
バン! バン! バン! バン! バン! バン!
機械には疎くとも銃火器の扱いには覚えあり。
決して二人に危害が及ばぬよう配慮しながら、重要と思われる的を射抜き続ける加持。
もはや手におえない状況に、青葉と日向は頭を抱えて床へしゃがみこむ事しかできなかった。

221 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/12(日) 17:15:13 ID:???
「跳躍!」
踏み切ったジェットアローン三番機が伝えてくる映像から空が消える。
敵の脚の大写し、迫る水平な背部、その脇に見えるは周囲の道路、木々。
時田が叫んだ。
「各ジョイント、アブソーバー限度最大! 対ショック姿勢を取れ!」
「了解!」
地面と水平で空中にある胴体から両腕両脚を下へ伸ばし、着面時の衝撃をやわらげる格好。
オペレータの報告が入る。
「三秒後に接触! 3、2、1…」
ガシィィィィィン
「敵背部への着面に成功!」
「でかした! 放電ブレードによる攻撃を十秒後に開始!」
ゆさゆさと揺れてこそいるが、振り落とされそうもない使徒の上から直接与える攻撃である。
(勝てる…)
操縦担当者の肩にかけた手の指に、力の入る時田だった。
「い、痛いです…。時田さん…」

浅間山マグマ内。
渚カヲルとの邂逅を目指しながら侵入者への攻撃を優先した使徒が二番機を飲み込もうとしていた。
ビシッ、ボコッ、バリンッ!
その顎の力と沈み続ける深度でホ型装備の圧壊が始まる。そして──
半分ほど体内に飲み込み終えた生命体の内部で二番機の炉心が超高圧に晒された。
ドォォォォン……

222 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/12(日) 17:16:29 ID:???
グラグラッ
「あ、地震だ…」
シンジの声でアスカが足元へ目を落とす。
「きゃあ〜〜〜〜〜っ!」
ドイツ、アメリカで生まれ育った彼女にとって地震は初体験。理屈では分かっていても怖い。
いかにエヴァの操縦で他を圧倒しようとも、自分の足で立つ大地が揺れては不安だった。
「大丈夫だよ、アスカ。これくらいの揺れなんてすぐ収まるから」
シンジの呼びかけにもパニック状態のアスカは叫ぶばかり。
「大丈夫じゃないわよっ!」
地面よりむしろ大きく震えている膝頭を見て可哀相に思えたシンジがアスカの手を取る。
「大丈夫だって…」
いつもなら「エッチ! 触らないで!」となるところだが今のアスカは違っていた。
引かれるままシンジに身を寄せる。
それが地震への恐怖心からなのか、シンジとの触れあいを望む潜在意識からなのか──
当のアスカにも分からない。いずれにせよ、顔色は恥じらいの赤へと転じているのだった。

「碇との通信はまだ回復しないのか」
「このままでは非常に危険だ」
「福音どころか、人類にとって命取りとなる」
「エヴァンゲリオンが作戦行動を取れないのだからな」
「さよう、拙速な計画遂行がアダとなるよ」
黙っていたキールが口を開いた。
「ひとまず…、渚カヲルを喚問せねばなるまい」

223 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/12(日) 19:37:04 ID:???
GJ!!!

224 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/12(日) 21:20:00 ID:???
バルタザールさん、乙です!内容の造りがとても精密で、尚且つ読み手の心を惹き付ける…。
凄いです!!また続きを楽しみにしてます!頑張って下さい☆

あと、これは僕個人の感想ですが、本とかで出版しても売れるんじゃないかなと思た。

225 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/12(日) 22:34:44 ID:???
本だと手間がかかりそうなのでHP等での公開でも良いのでは?

226 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 00:15:34 ID:???
あ〜読んだ読んだ。
しかし面白いね。
最高だよ。
これぞバルタクオリティー。

227 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/14(火) 03:47:40 ID:???
堪能しますたw バルさん乙!GJです。

228 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/14(火) 18:41:11 ID:???
クオリティは高いが笑いが無いな

229 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/14(火) 20:54:49 ID:???
バルさん乙です!時田カッコイイwww

>>228
何故バトルロワイアルに笑いが必要?

230 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:04:49 ID:???
電気の供給が一向に復旧しない事態を案じた多くの職員が、情報を求めて第一発令所前へと駆けつけていた。
その最前列では、困ります、困るんです、と繰り返すだけの男性と一人の老人が押し問答を展開している。
「これより先への立ち入りが作戦部員と技術部員に限られている事くらいご存知でしょう?」
「そやから、ワシは停電の事で来たんやないと何べんも言うてるやないか」
「ですから…、どのような理由であれ、ここを通すわけにはいかないんです。ご理解ください…」
「この停電で急に正気へ戻った感じがしてやな、孫をとんでもない目にあわせたんちゃうか、と」
激昂こそしていないが一歩も退かずに主張を続ける老人。そこへ後方から声がかかった。
「お父さん」
老人が振り返る。
「おお、お前も来たか。ちょっと話にならんねやわ…」
すみません、と周りへ声をかけながら人波をかきわけて前へ進み出た二人の中年男性。
一人は息子だが、もう一人に心当たりのない老人がたずねる。
「こちらは…、どなたさん?」
息子の方が口を開く前に、問われた本人が頭を下げた。
「技術部二課の相田と申します。息子がお宅のトウジ君と同じクラスです」
まさに自分と同じ心配を共有しているに違いない仲間の出現に老人は無言で手を差し伸べた。
交わされる固い握手。
「鈴原さん、私なら中へ入れます。今回のプログラムの真相…、間近で確かめてきます」
相田の提案を受け、父子は互いの顔を見合うと力強くうなずいた。
「お願いします、相田さん」
「よろしゅうたのみましたで」
制止役の男性職員へ相田がIDを提示する。
正式に立ち入りを許可された立場の職員とあっては、彼もその通行を妨げるわけにいかない。
下げられた腕をすり抜け、相田が第一発令所内へと入っていった。

231 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:05:47 ID:???
ブォォォン…
不気味な音とともに出現した巨大なモノリス板によって、下山中の渚カヲルは周りを囲まれた。
低くこもった声が詰問を始める。
「キミは自分の役割を理解しているのか」
「我々の計画においてキミの占める割合は大きい」
「事をなすにあたっては時も惜しむべきなのだ」
「今のキミは、ただ楽しんでいるように見受けられる」
矢継ぎ早に繰り出された苦言にも微笑むばかりのカヲルに、モノリスの一つがやや感情的に告げる。
「態度には気をつけたまえ。キミすら及ばぬ力が我々にある事を忘れるな」
それでもカヲルは表情を変えず麓の町へ視線をやるばかり。キールの声が届く。
「ゼーレの意思は揺るがぬ。だからこそ、務めを果たしてもらわねばならん」
ようやくカヲルが口を開いた。
「この時を望まなかったものはいない…」
「では、集いは進行しているのだな」
モノリス群を見回してカヲルが答えた。
「彼らはその意思を感じているよ」
「しばしの猶予を与える…。ただし、状況に変化なくば我々はキミとも訣別するだろう」
ブォォォン…
モノリスが消え、ふたたび一人となったカヲル。
(限りある生命、弱い心…。リリンの生き永らえる世界がこの星にとって正しいとは言えない)
(リリンの伝承してきたシナリオには続きがある…)

232 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:06:38 ID:???
加持は腕時計を確認していた。
(午後1時…、さすがに復旧も近いだろう)
無残にも破壊し尽くされた計器類を前に呆然としている青葉と日向へ声をかける加持。
「ここはもう中継基地として機能しない。俺はちょっと行く所があるんだがキミたちはどうする?」
「ど、どちらへ…」
「放送室さ」
意図を汲めていそうにない二人に構わず、加持が続ける。
「葛城のアナウンスほど広範に届かなくとも、最大音量なら近くには聞こえるだろう」
「何をなさるんですか?」
「首輪を外すように呼びかける」

銃口を向けるミサトがリツコへ真意を問う。
「リツコ…。レイとあんたに何があったのかは知らないわ。知りたくもない…」
悠然と立つリツコに比べ、ミサトの顔には怒りが満ちていた。
「でもねぇっ! どんな理由であれ、それが科学者のすることと言えるのっ!」
「許してもらえないでしょうね」

キャビネットの中のアタッシュケースに手をかけつつ、ゲンドウは下の様子を見やっている。
冬月も同じく視線を向けていた。
「碇…、葛城一尉ならやりかねん…。伊吹二尉とは違う…」
だが、ゲンドウは小さく息を漏らした。
「フフッ…、彼女にしたところで同じだよ。赤木博士を撃てるほど葛城一尉もまた非情ではない」

引き金に指をかけるミサトは、マヤと異なりしっかりとリツコの胸を標的に定めていた。
発令所へ踏み入った相田は、その異様な光景を前に固唾を飲む。
(まさか…、仕組んだのが赤木博士…? ケンスケたちを殺し合いの場へ送り込んだ首謀者…?)
時間が止まったように誰もが身を固くしていた。その時。
パチッ、ピュルルル、ブイーン、ピコピ、パチパチ、ヒュウウウウウ…
急場しのぎで用意されたろうそくの炎を遥かに凌駕する人工的な光の束が天井から降り注いだ。

233 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:07:39 ID:???
「おおっ…」
その眩しさに皆が目を細める。パネルやモニタにも一時間前と同様の挙動が戻っていた。
「電源、回復しました!」
オペレータの一人がマイク越しに伝えた瞬間──
ビーッ! ビーッ!
警報音も同時に鳴り渡った。
ゲンドウ、冬月はもちろん、リツコやミサトまでもがその音でメインモニタへ顔を向ける。
巨大なクモ型生命体の上にロボットが乗り、攻撃を加えている様子。
「未確認移動体の波長を分析! ……、パターン青、間違いありませんっ! 使徒です!」
冬月が大声を張り上げる。
「現在位置は!」
「第三新東京の東を通過! 北上中!」
(どういうことだ…? ここを無視して、いったい使徒はどこを目指しているのか…)
前例のない事態に困惑する冬月の前、モニタを見上げていたゲンドウの顔色がにわかに曇った。
右手に掴んだアタッシュケースをデスクの上へ出して開く。
ガチャッ
その中身を確かめるべく目を落とす。だが──
(無い…)
委員会の言いなりと見せかける一方で独自の人類補完を目指していたゲンドウ。
その最も重要なファクターたるアダムが、収まっているはずの箇所に存在しない。
こんな事ができるただ一人の人物が頭に浮かぶ。
(加持…、暴挙だ…)
ガンッ!
ゲンドウの拳がデスクを打ちつけた。

234 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:08:34 ID:???
ジェットアローン三番機が放電ブレードを突き立て、避けた敵背面から体液が飛び散る。
ブシュッ! ジョワァァァ…
「時田さんっ!」
操縦担当者が悲鳴を上げたのも無理はない。
その液体が付着した腕部表面が瞬時に溶解したのである。
「攻撃続行は危険です!」
「……」
またも決断を迫られる事になった時田の耳へ、二番機を搭載していた航空機からの連絡が飛び込む。
「戦自の哨戒機を発見、基地への帰還中と思われます」
(頼らずに独力でやれ、ということか…)
期待の表れ、とは思えなかった。むしろ、失敗を笑うために放置された、と思えてしまう。
(人間の敵を倒すのに人間が手を貸さないとは…。所詮、人間の敵は人間か)
背面に乗ってただ北へ運ばれるだけに甘んじていては失態の挽回につながらない。
時田は決断した。
「攻撃続行!」
「えっ…」
「ネルフの内部資料によれば、使徒は体内にコアと呼ばれる球体を有する」
無謀な指令に戸惑う部下たちを諭すよう落ち着いて話す時田。
「それを破壊すれば敵は活動を停止する。コアを露出させ、一点への集中攻撃を目指す」
「しかし…、そこまで三番機が耐えられるかどうか…」
尻込みする操縦担当者へ、いや、自らへ言い聞かせるように時田が言った。
「人類の持てる叡智を費やしたジェットアローンだ。もし敗れるのであれば、それが人間の限界…」
悲観的な内容ではあるが、その目は凛と輝いている。
「だが、地球の盟主は我々人類だ…。負けるはずがない、負けてはならん。分かったか!」
「は、はい! 腕部再上昇、放電ブレードによる攻撃を再開!」
ブシュッ! ジョワァァァ…

235 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:09:31 ID:???
放送室に入った加持は、手当たり次第に機械をいじり始めた。
キーッ! キキーッ!
壁のスピーカーから発せられた強烈なハウリング音に耳を塞ぐ。
お供します、とついてきた青葉と日向が、見かねて手伝い始めた。
「さすが、機を見て敏なり、だな。葛城がキミたちを信頼するワケが分かったよ。俺とはだいぶ違う」
手際よく放送の準備を整える二人。
「どうぞ」
マイクが据え付けられた席まで引いて加持を迎える。
腰を下ろそうとする加持に日向がたずねた。
「ですが…、これは重大な命令違犯です。確実に厳罰が待っていますよ…」
眉を寄せて加持が返す。
「当初の命令はもう効力を失っているはずだ。それに…」
口にするのをややはばかった様子を見せたが、続ける加持。
「帰るべきネルフも失われるだろう…。俺たちへの厳罰は仕組まれているが…」
「どういうことですか…?」
「……」
何も答えずマイクを握る加持だった。

「2年A組のみんな、聞こえるか。もう首輪を外しても爆発しない。何らかの手段で試してくれ」
これまでに二度耳にした放送よりもかなり小さいボリューム。
しかし、学校の方角から放たれてきた声を、物陰に潜んでいた三人の女子は確かに聞き取った。
「爆発しない、って言ったよね」
「うん。ウソかもしれないけど…」
「既に外してる人がいれば、ウソじゃないって分かるわ」
「でも、ホントだとしても吹き矢に鎖鎌、日本刀じゃ外せないよ…」
少女たちの思惑は完全に一致していた。
(他のクラスメイトを探して…、その人たちが銃を持ってれば外せる…)
(区域外とかも気にしなくていいなら…)
(山を越えて逃げられる、ってことよ!)
誰からともなく腰を上げ、互いを見てうなずいては山道を上へ進み始める三人だった。

236 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:10:30 ID:???
トウジとヒカリに別れを告げたアスカとシンジが山を向いて歩いている。
地震がおさまった途端に、引かれていた腕を振り解いたアスカはシンジと一言も交わしていなかった。
「ねぇ、アスカ…」
「……」
「ど、どうしたの…? さっきからずっと黙ってるけど…」
アスカの足が止まる。そして、やっと顔がシンジへ向いた。
「あんたなんかとキスしたからよっ!」
自分から誘ったくせに不機嫌なアスカの言動が理解できずうつむくシンジ。
それがまたアスカを苛立たせる。
「あんた、もう当分そのまま喋らないで! ファーストが見つかったらあの子に押し付けてやるわ!」
「で、でも…、三人一緒にいるように、って言われたんじゃないの…?」
「もぉぉぉっ! 喋らないで、って言ってるでしょっ!」
怒鳴られてなお、アスカの横を静かについて歩くシンジだった。

「なんだろ? アナウンスっぽいのが聞こえなかった?」
「うん…、校内放送みたいな感じだったけど、内容はよく分からなかったわ…」
麓の町まであと少しに迫るケンスケたちだったが、加持の放送は伝わっていなかった。
とはいえ、その内容は彼らがみんなへ伝えたい事と大差ない。
「もう少しだ、頑張ろうぜ」
休みなく下りているため疲れているに違いない女の子三人を気遣いながら、下へ急ぐケンスケだった。

「委員長…、ワイ…、委員長を守る、いうて惣流に約束したんや…」
トウジとヒカリは元の街路樹に再び腰を下ろしていた。
「ワイなんかが言うても信用でけへんやろけど、頑張るわ…」
「鈴原クン…、私……、えっと…、私ね…」
自分の気持ちを伝えようと決心したヒカリだが、やはり口ごもってしまう。
「言いにくい事やったら言わんでええ…」
やや赤い顔を正面に向けたまま手を差し出すトウジ。そこへゆっくりとヒカリの手が重なった。

237 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:11:22 ID:???
ジェットアローンを乗せたままネルフ地上カメラの視界から抜けようとしている使徒。
ゲンドウは失われたアダムの在り処に思い当たると、号令を発した。
「総員、第一種戦闘配置!」
リツコへ向けていた銃を下げ、モニタを食い入るように見ていたミサトは耳を疑った。
(シンジ君もレイもアスカもいないのに…。どういうことよ)
ミサトが総司令席へ振り向く。
「内輪で揉めている場合ではなくなった。ひとまず持ち場へつきたまえ」
「しかし、碇指令」
「なんだね」
「パイロット不在では作戦行動など不可能です」
「心配ない、葛城一尉…。赤木博士、あれを使う」
リツコの顔色が変わった。
「まさか…、ダミープラグを使う、と…」
「そうだ」
「まだ試作段階です。エヴァ本体へ与える影響に関するデータも一つとしてありません…」
「構わん」
(リスクが大きすぎるわ…)
食い下がるリツコ。
「反対します。責任が持てません」
「キミに責任を負わせるつもりはない…。もとより、責任を与えたつもりもない」
衆人環視の中、責任者ですらない、とまで言われたリツコが思い詰めた表情で白衣のポケットへ手を入れた。
鈍い色で光る小さな金属を取り出す。
「碇司令…、これが何かお分かりですか?」
ゲンドウ、次いで冬月が目を向けた。
「生徒たちの首輪を爆破するスイッチ、あなたのお手元にだけ用意した、とお思いにでも?」
「……」
「これもスイッチです。全員の首輪につながっています」
リツコの掌に2年A組の命運が乗っている事実が告げられた。

238 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:12:18 ID:???
「それでもダミープラグの使用を強行なさいますか?」
ゲンドウから注がれる冷ややかな目にも、リツコは動じなかった。
「そんなこと…、させてたまるかぁーっ!」

校舎内の放送室では、青葉が本部への無線連絡を試み続けていた。
ピピー、ガガ、ピ、ピピ、ガッ、ピピピピー
「あっ! 通じました!」
にっこりと微笑んだ加持が、通信OKを示す赤いランプの点灯した無線機を譲り受けた。

絶叫とともにリツコへ飛びかかったのは相田だった。
(ケンスケを…、子供たちを殺させはしないっ!)
取り巻いていた人の輪から突如現れた影に慌てたリツコがスイッチを握り直す。
「うわぁぁぁぁぁっ!」
手首を掴まれると同時にものすごい勢いで体当たりされ、リツコの両足が床から離れる。
相田の足もまた床を離れ、押し倒すというより地へ叩きつける直前の空中。
リツコの口元が緩んだ。
(母さん、私…、バカかしら…)
その手の中から硬い音がした。
カチッ
ドサァァァッ……
後頭部から落ちたリツコ、覆い被さるようにその体へ腕がかかる相田。
一斉に周りから職員が駆けつけ、二人を取り押さえる。
「押した…、彼女はスイッチを押した…。ウッ…、ウウッ…」
身を伏せたきり動かない相田が泣き始めた。
その時。
発令所内に外部からの通信音声がこだました。
「ネルフ第一発令所、聞こえるか。こちらは特殊監査部、加持リョウジ。中継機能は既に破壊した」

239 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/14(火) 21:13:39 ID:???
(加持…)
相田の言葉を聞き、リツコを撃たなかった事を後悔していたミサトが顔を上げる。
「フォースチルドレン選抜はもう終わりだ。MAGIからの統括プログラム消去を願いたい」
二転三転する状況に戸惑いつつも冬月がすかさずたずねた。
「たった今、全ての首輪を起爆させる信号が送られたはずだ。その中継は?」
「全ての首輪に対する起爆信号…、そうですか…」
伝えられた内容の重さに滞る言葉。だが、しばしの沈黙を置いて加持が続けた。
「心配ご無用。爆発音は一切聞こえていません。何しろ、メチャクチャに壊したんでね…」
「そうか…」
ほっ、と胸をなでおろす冬月。
(まったく…、何が災いとなり、何が幸いとなるか分からんな…)
しかし、ゲンドウの呼びかけが発令所内に緊張をよみがえらせる。
「どういうつもりだ。取り返しのつかない事をしたようだな」
ミサトが声を荒げる。
「碇司令! 子供たちの命を救ったのをそのような」
「そうではない、葛城一尉…。彼は人類の存亡に関わる大罪を犯したのだ」
発令所側でのやりとりを漏れ聞いた加持が伝えた。
「碇司令…、ご想像どおり、アダムは今ここにあります」
「返すことだ。そうすれば罪は問わん」
「いいえ、返すわけにはいきません。委員会、いや、ゼーレとあなたの意思を知った以上は」
「よかろう…。もう話す事は何もない」
「なるほど…。では」
プチッ
双方が揃って通信を切った。
気を失っているリツコをちらりと見て、ゲンドウは再号令をかけた。
「総員、第一種戦闘配置! 赤木博士は病棟へ搬送後に隔離。技術部の統括者はこれより伊吹二尉とする」
えっ、私?、といった表情のマヤへ指示が飛ぶ。
「エヴァ零号機ならびに初号機へダミープラグを搭載。併行して、MAGIより選抜関連プログラムを消去」
「は、はい…」
「弐号機は浅間山麓へ空輸。葛城一尉が現地へ同行、操縦者を確保したのち戦線を展開」
(戦線? 浅間山麓? どういうこと?)
ゲンドウへ向けられたミサトの視線が不安げに泳いだ。

240 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/14(火) 21:43:31 ID:???
バルさん乙です!今回もhigh qualityな展開でした!

241 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/14(火) 22:09:16 ID:???
乙です、これからの展開が気になるね。

242 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/15(水) 04:27:37 ID:???
バルさん乙 いい感じで盛り上がってきますたね♪GJです

243 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/15(水) 04:32:36 ID:???
てか首輪も無力になったし、もうバトルロワイヤルな展開は終わったのかな?

244 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/15(水) 14:30:40 ID:???
すっごい違和感ない!!面白いね〜。


245 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/15(水) 18:13:27 ID:???
テラオモシロス!!すGeeeeeeeeeeeeEEEEEEEEEEEEEEE!
ワクワクテカテカしながらマターリ待ってまつ☆

246 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 12:39:33 ID:???
age

247 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 15:19:56 ID:???
>>246>>181

248 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 17:12:47 ID:???
>>246
ageんじゃねーよ!氏ね!

249 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 17:18:57 ID:???
糞だなwwwいったい何が面白いんだ?www

250 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 17:26:22 ID:???
お前頭わいトとんちゃうんか??
お前けつに大根つっこんだろか!!

251 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 17:35:36 ID:???
ごめん俺死ぬわ・・・

252 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/16(木) 18:16:29 ID:???
トウジの手を握って夢心地のヒカリ、アスカに怒鳴られて意気消沈のシンジ。
この二人の耳にも加持からの放送は当然入ったはずだが、実のところ右から左へ抜けていた。
平常心を失っている二人へ、しっかりと聞き及んだトウジとアスカが意思をたずねる。

「委員長、どうする?」
「えっ、何?」
手をつなぐだけで何の進展もない状況ではあってもトウジの声が胸を高鳴らせる。
ヒカリの顔からはようやく固さが抜け、笑顔でトウジへ問い返していた。
「今の放送、聞いたやろ?」
何のことやらさっぱり分からないヒカリへトウジの顔が向く。
「首輪を外すにしても結構危ないはずや…。どうせ爆発せんのやったら放っといてもええんちゃうか?」
「う、うん…。鈴原クンに任せる…」
聞き逃した放送内容を推量し始めたヒカリだったが、すぐにやめた。
トウジと運命をともにする──
この選択肢以外を今のヒカリが選ぶはずもない。
たとえそれがどれだけ危険な判断だったとしても、全てをトウジに託すつもりでいたのである。
「このままでええかいな…?」
「うん」

253 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/16(木) 18:17:20 ID:???
「シンジ、どうする?」
「えっ…、何…?」
キスを交わしてからのアスカの振る舞いがどうにも解せないシンジの顔はひたすら暗い。
時を経るほど生気を失っていく様子に、やや口を尖らせながらアスカが問い直した。
「今の放送、聞いたわよね?」
この問いかけにすら上の空な感じでいるシンジへアスカが呆れ顔を向ける。
「まさか、あんた…、首輪を外しても大丈夫、って加持サンが放送してくれたのに聞いてなかったの?」
「そういえば…、何か聞こえたような…、気がするけど」
聞き逃した放送の内容を教えられてもシンジの表情は晴れなかった。
人を殺した僕が生き残ったって──
もう元の自分へ戻れない事をシンジは分かっていた。
「無理に外さなくたって爆発しないんだったらこのままでいいかもね…」
「いい…、んじゃないかな…」

それぞれのパートナーをリードするトウジとアスカだが、本心から外さないわけではなかった。
外せなかった。
銃を首にあてがい引き金を引く──
怖かった、のである。

254 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/16(木) 18:18:12 ID:???
放電ブレードを左右に持ち替えながら攻撃を続けるジェットアローン三番機の両腕は既に内部構造が露出している。
「時田さん…、そろそろ限界です…」
「まだだ。コアには到達していない」
「しかし…」
何もできないまま引き下がれない。その思いが時田を支えていた。
(使徒が他にまだ襲来する可能性はあろう。それでも、我々はこの大グモを倒すしかないんだ…)

少女たちを先導するケンスケの視界に同じ制服を着た三つの影が入った。
「おーい!」
手を振ったケンスケの姿も相手に届いたらしい。向かってくる足は一瞬だけ止まったものの再び進み始めていた。
「キミたちーっ! 今なら首輪を外せるんだー!」

山を越えて逃げ延びようと上を目指していた三人が互いを見合う。
(相田クンだよね…。後ろに女の子も三人いる)
(まるで自分たちが見つけた事みたいに言ってるけど…)
(そっか…、さっきの放送は聞こえなかったんだ)
後方の女子三人に先んじて近づくケンスケ。その首には首輪がない。
(もう外してる…)
(じゃ、やっぱり大丈夫、なのね)
(どうしよっか…)
取るべき行動を思案する彼女たちだったが、接近者が自分たちを助けようとしている事は感じ取っていた。
(利用…、できるかも…)
ザザッ、と音を立ててケンスケが目の前に止まる。
「ほら、俺の首を見てくれよ。外せるんだ! 助かるんだよっ!」

255 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/16(木) 18:19:07 ID:???
意識を失ったリツコが搬送され、マヤを中心に作業が進められる第一発令所内。
相田が他の職員の手を借りてゆっくりと立ち上がった。ゲンドウから声がかかる。
「所属および名は?」
「技術部二課の相田、です…」
その答を聞いたゲンドウが間を置かずに返す。
「引き続きここに残り、伊吹二尉のサポートを願いたい」
意外な要請を受けて戸惑いながらも、使徒の出現とリツコの不在がもたらす危険を理解した相田が応じる。
「了解しました…。ですが…、少しだけお時間をください。すぐに戻ります…」
「理由を聞こう」
「外に…、子供たちを心配する保護者がいます。彼らに状況を説明したく思います…」
しばらく無言だったゲンドウが口を開いた。
「よかろう」
「ありがとうございます…」
床で強打した胸と脚をかばいつつ、重い足取りで相田が外を目指す。
その背を見届けるかのごとく、ゲンドウの首は自然と動いているのだった。

256 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/16(木) 18:20:03 ID:???
「加持サン…、これからどうなさるおつもりですか…?」
日向の疑問はもっともだった。
中継機能の破壊は正義だったのかもしれない。だが、ゲンドウとの会話は物別れに終わったように聞こえた。
ただ静かに視線を床へ落としていた加持が顔を上げる。
「人類補完委員会、という名を聞いた事はあるか?」
「は、はい…。我々の作戦を司る国連の組織と認識しています」
「そうだ…。エヴァの建造とこれまでの作戦行動は彼らの命で碇司令が行ってきた…」
加持の目つきが厳しくなった。
「しかし、委員会はゼーレと呼ばれる結社の傀儡に過ぎない…」
話の飛躍についていけない青葉と日向は加持の次なる言葉を待つばかりである。
「彼らの目的は…、サードインパクト」
「「なんですって!」」
揃えて声を上げた二人だったが、告げられた内容に絶句した。
「碇司令はゼーレの意思を実行する機関としてのネルフを率いているが、その実、思惑は一致していない」
「では、碇司令はサードインパクトの阻止を…」
「違う…」
加持の声は震えていた。
「碇司令が目指すのもまたサードインパクト…」
「そんな…、我々は…、人類はどうなるんですか」
「ゼーレと異なる結末を目論む碇司令のやり方でも、今の人類は滅ぶだろう…」
青葉が声を絞り出す。
「ネルフが…、行っている事は…、人類破滅の準備…」
行き場の無い感情をなだめるよう加持が応える。
「そうでもないらしい…。ゼーレも碇司令も、人類が永遠の生命を得るための計画、と考えている」
「分かりません…」
「俺にも分からないさ…。ただ一つ言えるのは、ゼーレが糸を引くこの世界は間もなく終わる…」
それを最後に加持は口を閉じた。
知らぬ間に進行していた策謀に対して無力な我が身を痛感する三人の間に再び沈黙が訪れた。

257 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/16(木) 18:21:03 ID:???
「あっ…」
うなだれるシンジの隣でアスカが声を漏らした。
「シンジ…、いたわ」
名を呼ばれてアスカを向くシンジ。
「ほら、あそこ…。ファースト」
指を差すアスカにつられて前方を見る。そこには、全くの無表情で二人へ近づいてくるレイがいた。
(綾波…、無事だったんだね…)
夢に見た襲撃シーンが現実と異なっていた事でシンジの目にわずかばかりの明るさが戻る。
だが、アスカの心境はまるで違うものだった。
(武器もリュックも持ってない…。いったい何? なんなの、あの子…?)
先行する勢いで歩いていたアスカの速度は落ち、代わってシンジの足取りが軽くなっていく。
そして、遠く見えていたレイが遂に目の前までやってきた。

「綾波…、よかった…、会えて嬉しいよ…」
シンジの態度にアスカがふくれる。
(仲のおよろしいことで…。そんなセリフ、私には言いそうにないもんね…)
(はんっ! 何さ、どうせ私は邪魔でしょうよ! やってらんないわっ!)
アスカの胸中も知らず、身を寄せて手を取るシンジ。その目には光るものがあった。
添えられた手に一瞬目を落としたレイがシンジの表情を見て問う。
「碇クン、どうして泣いてるの?」
「どうして、って…。綾波が無事で嬉しいからに決まってるじゃないか…」
「そう」
いつものレイではあるが、今のシンジにはことさら冷たく感じられた。さらに追い打ちがかかる。
「手、離してくれる?」
「あ…、う…、うん…、ゴメン…」
自由になった手をまっすぐに下ろし直したレイがアスカへ向いた。
「あなたはずっと碇クンといるの?」
「はぁ?」

258 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/16(木) 18:22:30 ID:???
レイに他意はない。
だが、シンジを思う気持ちが何なのかを考え続けていたアスカにはぶしつけな質問に思えた。
「何よ…、シンジが私といるのがそんなに不愉快?」
「……」
「心配しなくたってねぇ、こんなバカシンジの面倒…、今からあんたに任せるわよ!」
怒りの矛先はシンジへも向けられる。
「良かったわねぇ、シンちゃん…。ファーストがあんたを守ってくれるんだってさぁ…」
「べ、別に綾波はそんなこと言っ」
「うるさい! さっさと二人でどっか行ってよぉ! もぉぉぉっ!」
ユニゾン特訓の初期に見せつけられたシンジとレイの相性の良さはアスカにも分かっている。
修学旅行を中断され、教室でバトルの全容を聞いた時点から一人で行動しようとも思っていた。
はからずもここでその機会が訪れただけ、そう考えようと必死なアスカがいる。
(これでいいのよ…、この方が私にもシンジにもいいに決まってるんだから…)
葛藤するアスカと萎縮するシンジにレイが告げた。
「ダメよ。あなたと碇クンは一緒にいないと」
「えっ…?」

259 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/16(木) 18:23:21 ID:???
驚くアスカの脇でシンジが口を開く。
「綾波も一緒にいてくれ、って加持サンにたのまれたんだ…。三人でいようよ…」
「そう。でも、私は行くわ」
「どこへ?」
シンジの問いは反射的なものだった。ただ、その答をレイが発するはずもない。
(私と似た渚カヲルという人…、何かしようとしてる)
(彼の本当の体が近くにあるような気もする)
(碇司令のもとに行かないといけない)
「ねぇ、綾波…」
「ダメよ」
あっさりと断って歩を進めようとするレイをアスカが呼び止めた。
「待ちなさいよ、ファースト。勝手なことばっか言って…、なめんじゃないわよ!」
「なめてなんかいないわ」
やはり平静を保って応じたレイ。しかし、その眉が少し寄った。
カチャリ
「行かせないわよ…。加持サンにたのまれたんだから、私たちと一緒にいるの」
シンジから奪い取ったピストルの銃口がレイに向けられていた。

260 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 19:05:33 ID:???
雲行きが怪しくなってきたな。
使徒と時田を出したのはエヴァだからGJだが、個人的には原作バトロワっぽく、最後までチルドレンが葛藤しながら殺し合うのが見たかったな。
だが、これはこれで良い。
良い、すべてはこれで良い



そろそろアンチが湧きそうだからきっちりsage進行でヨロ

261 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 19:22:05 ID:???
バルさん乙♪漏れ的には問題なくバトロワ的要素を含めつつ進めるクオリティの高さに脱帽!
しかしsgae進行には禿同


262 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/16(木) 21:58:04 ID:???
じゃぁおっれもー

263 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/17(金) 13:09:32 ID:???
あぁ、シナリオ通りだ

264 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/17(金) 13:16:49 ID:???
どう考えてもレクイエムよりは良作だと思うよw

265 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/17(金) 15:15:02 ID:CC2BvPOW
普通に映画化、書籍化、マンガ化、小説化しても全然良さそうな気がする。

266 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/17(金) 16:23:19 ID:???
265よ、感想を書くのは良いのだが、とりあえずsageろ。

267 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/17(金) 17:45:13 ID:???
2、3疑問が残るが近年稀にみる良スレだな。  265があげてくれたおかげでこのスレを発見できた。感謝する。

268 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/17(金) 22:59:38 ID:???
age

269 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/17(金) 23:39:13 ID:???
糞スレにつきage

270 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/18(土) 02:19:53 ID:???
一気に全部読んだ。マジ面白い。
続きが果てしなく気になる(*´д`*)
バルさんGJです!!無理せず頑張ってください!

271 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/18(土) 02:37:40 ID:???
糞スレかと思ってひらいてみた。







今は反省してる。

272 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/18(土) 14:44:55 ID:???
許してあげる・・・・・・・(はぁと)

273 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/18(土) 19:07:50 ID:???
(はぁと)とかクソキモスwwwwww氏ねよ腐女子www

274 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/18(土) 19:20:05 ID:???
藻舞羅、何度sageろと言ったら分かr(ry


…本当に冗談抜きでageない方がいいと思うのだが。

275 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/18(土) 20:19:57 ID:???
SAGERUZO!!!!!
OMAERAMOSAGEROYO!!!!!

276 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 11:14:43 ID:???
ageてageてageまくって荒らしを呼びこむからな!(・∀・ )


277 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 11:28:10 ID:???
>>276
はいはい、わかった、わかった。
sageてね。

278 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 12:01:04 ID:???
>>277
煽ってるようにしか見えないぞ

279 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 14:26:44 ID:???
>>277 釣られんなバカ

280 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 14:40:10 ID:???
これはいい釣り堀ですね

281 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 16:24:46 ID:???
一気に読みました!!
本かHP公開したらもっと人気出ると思います
長い間この良スレに来なかった自分がバカに思える..
ゆっくりでいいんで頑張って下さい

282 :ロメオ ◆rHza36ec2U :2006/02/19(日) 20:20:13 ID:???
「活字にしたらあかん、こんなこと考えているバルタザールが嫌」

283 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:19:35 ID:???
ゲンドウがマヤへ告げた。
「引き続きダミープラグ搭載作業を進めてくれたまえ。選抜関連プログラムの消去も急げ」
「はい…」
ダミープラグの何たるかをマヤはまだリツコから教えてもらっていなかった。
計画そのものの存在をほのめかされていたに過ぎない。
だが、リツコが強行に反対した意味くらいは推測できた。
(きっと…、口外を許されないような秘密があるんだわ…)
とはいえ、あくまで私見であり邪推。今はただゲンドウの指示をこなすしかないマヤだった。

「冬月…、行こう」
使徒が現れ、リツコが不在というのに席を外そうと促すゲンドウ。
その真意を計りかねて冬月が問う。
「どこへ行く」
「執務室だ…。そろそろ老人どもから呼び出しがあるに違いない」
「だが、この非常時に」
まっとうな疑問をゲンドウが遮った。
「非常時…、ゲヒルンがネルフへ名を変えて以来、我々はずっと非常時にあったのだよ」
「……」
「そして今、ようやく正常へ…、正しい歴史へと歩み出す」
「まさか…」
「ゼーレは時計の針を強引に進めようとしている。ならば、それを利用するのも悪くはあるまい」
不敵な笑みを浮かべるゲンドウに冬月が絶句した。
(死海文書にある記述の順序をゼーレが早めよう、と…?)
(使徒とおぼしき火山内のサナギ、北上中の巨大グモ…、二体の同時出現も説明はつく)
(しかし…、それでも他にまだ使徒は存在するはずだ)
知性的な顔を歪めて何らかを熟慮している様子の冬月にゲンドウが再び声をかけた。
「同席をお願いしますよ、冬月先生…」

284 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:20:36 ID:???
ふもと近くの山道で、ケンスケを中心に六人の少女たちが円を描くように立っている。
「銃で撃って外したの? なんだか怖いわ…」
「みんな、自分じゃ無理で相田クンに撃ってもらった、ってことは…」
「相田クンと抱き合った…、そうだよね?」
既に首輪の無い少女たちに向けられた意地の悪い質問にも、一人が屈託なく答える。
「そうよ。彼は救世主、白馬の王子様。手榴弾を撃ったりしてさぁ、カッコよかったんだからぁ〜♪」
感激がそう言わせたのだろうが、登ってきた女子たちの反応は鈍い。
「へぇ、そう。相田クンが、ねぇ…」
「見てみたかった気もするけど…」
「だからって、私は相田クンと抱き合うなんてヤだな…」
あからさまな嫌悪ぶりに憤慨しつつもケンスケが説得を始める。
「そりゃ、俺なんかと身を寄せ合うのに気が進まないのは分かるけどさ…」
その顔には使命感が宿っていた。
「いつシステムが戻って爆発の危険にさらされるか分からないんだ。外すなら急がないと」
じゃあさ、と日本刀を持つ少女が切り返す。
「私たちに銃を貸してよ。お互いに撃って外すから」
「ええっ? お互いに? キミたちが?」
「大丈夫よ。これでも私たち、結構度胸あるんだから」
たしかに、堂々と演技をこなして銃を奪おうとするくらいである。自己申告のとおり度胸はあろう。
「どう、相田クン? そうしよ? ね?」
「あんまりお勧めできないけど…、そんなに俺とくっつくのがイヤなら仕方ないか…」
なかばヤケ気味にケンスケは応じる事にした。腰に差したSIGザウエルを手渡す。
「でもさ…、撃っていいポイントは限られてるかもしれないんだ。そばで教えてあげるよ」
一旦は下がりかけたケンスケが再び歩み寄ろうとした時、銃を受け取った少女が言った。
「そんな必要はないの…」
カチャ
無防備に接近するケンスケの胸元へ腕を伸ばし、引き金に指をかけていた。

285 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:22:01 ID:???
ガシィィィン
「どうした!」
初めて聞く音に反応した時田へ操縦担当者が返す。
「これまでと組成の異なる硬度の高い物質へ放電ブレードが接触しました!」
モニタへ目をやる時田。裂けた背面の深部に赤く光る球面が見えた。
「コアだ! 破壊すれば敵は止まるぞ! ここだけを狙え! 刃を周りへ当てなければ溶解液も出んっ!」
ガシィィン
ガシィィン
振り下ろされ続ける放電ブレード。
だが、タンパク質に似た部分と違い、コアは容易に刃を受けつけない。
「ダイヤモンドナイフでなければ突き破れないかもしれません…」
泣きを入れてきた操縦者を時田が鼓舞する。
「いや、エヴァンゲリオンにもダイヤモンドナイフは実装されていない。いける! 繰り返せ!」
「し、しかし…、腕部の剛性も落ちています。反発の衝撃で断裂の可能性も…」
「ネルフにできて我々にできないわけがない。腕だって二本あるんだ。全力で突き破れ!」
「は、はい」
ガシィィィーン!

286 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:23:29 ID:???
相田から事の次第を伝えられた鈴原父子は沈痛な面持ちでいた。
(あの赤木博士が…、子供たち全員を殺そうとした…?)
(とりあえず無事やいうても…。トウジ、たのむから死なんでくれよ…)
ゲンドウの指示で発令所へ戻らねばならない相田がさらに告げた。
「お察しします…。私も全く同じ心境です。しかし、くれぐれも軽率な行動はお控えください」
リツコに対しての怒りと憎しみが保護者たる彼らを衝き動かす危険があった。
「使徒との戦いにおいて赤木博士の力が必要なのもたしかです」
「分かってます…」
「ここは子供たちの理性を信じるとともに、使徒の撃退を優先させるほかありません」
まだ痛む部分をかばうように立つ相田が続ける。
「異種生命からの侵略を抑えられなければ、我々も子供たちも死ぬ運命となるでしょう…」
「はい…」
息子の返事に老人も応じた。
「最善を尽くすしかない、っちゅうことですな…」
三人の手が自然とひとところで重なる。
「子供たちの命と人類の存亡は我々にかかっています」
平時なら陳腐ですらある大仰な言い回しにも笑顔はない。
深くうなずき合った三人が、それぞれの責務をまっとうすべく持ち場へと歩み始めた。

287 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:24:32 ID:???
浅間山からの帰途にあった飛行機が、そろそろ着陸体制に入ろうとしている。
「ん?」
パイロットが不意に声を上げた。
正面の低空から、戦自の輸送機が編隊を組んで浅間山方面へ向かっているのを確認したのである。
(空挺師団が使う機体だ。二番機は既に火口内、今さら地上へ部隊を投入してもらっても…)
だが、そのさらに低空にある幾つかの機影に息を飲む。
(こ、攻撃ヘリ…。演習空域なわけもない。何をするつもりだ…?)
胸騒ぎを覚えたパイロットが時田へ連絡を入れた。

「何? 空挺部隊と攻撃ヘリ?」
三番機による攻撃でコアにひびが生じ始めた折の連絡。
モニタを注視しながらの通信内容に、時田は一瞬事態が飲み込めなかった。
「浅間山の方角へ、かなり大規模な編隊が飛行中です」
「対クモ型使徒戦への援軍ではなく、浅間山に向かっているのだな?」
「はい」
浅間山麓でのフォースチルドレン選抜戦闘など時田は露も知らない。
それに関わるネルフ各員や加持リョウジの思惑はもちろん、ゼーレの存在に至っては想像もつかないだろう。
(使徒の針路もまた、浅間山へ向いているように思える…)
(いったい、何が起ころうとしているのか…)
得体の知れない大きなうねりへと巻き込まれていく感覚──
ガシィィン
ガシィィン
「徐々にではありますが、コア表面のひびは着実に大きくなっています!」
届いた報告にも時田の表情は冴えなかった。

288 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:26:06 ID:???
銃口と対峙するはめになったレイだが、その口調は変わらない。
「撃つの?」
アスカが応じる。
「おとなしく私に従うなら撃たないわ」
「撃つ気もないのに向けたのね」
「従わないなら撃つ、って言ってるのよ! 分かんない子ね!」
どこか余裕のあったシンジへの罵倒と違い、今のアスカは本当に苛立っているようだった。
慌てたシンジは、二人の間へ割って入りレイをかばうように立つとアスカに向いた。
「アスカ…、どうしたんだよ…、綾波に銃を向けるなんてどうかしてるよ…」
沈みがちだったシンジがはっきりと主張する姿に、アスカの心は一層かき乱される。
(ファーストの事になると必死…。やっぱりあんたも他の人たちと同じね…)
(私の存在なんてどうでもいい…。大切なものの前では、いないも同然の扱い…)
銃を持つ右手に力が入る。
(嫌い…。私を大切にしない人は、みんな嫌い…)

アスカの心の動きを察してしまったレイが、間に立つシンジへ声をかけた。
「碇クン、危ないわ」
「えっ?」
「彼女…、撃つかもしれない」
思わぬ言葉で振り向いたシンジに、レイの心もまた乱れた。
(なぜ…? 碇クンがいると『心の壁』を閉ざせない…)
銃弾が放たれたとしても『心の壁』を展開すれば防げる──
そう考えたレイだったが、できない、という結論を導いていた。
シンジの目前で特殊能力を発現させたくない、という理由ではない。
シンジを思う、よく分からない種類の心。
この心のありようで壁を形成するのは不可能、と直感していた。
むしろ積極的に壁を取り払おうと願う心に戸惑うレイ。
(何…? あの人にも感じたことのなかった心…)
無言で突っ立っているシンジにアスカが告げる。
「どいて、シンジ。あんたも撃たれたいの?」
アスカの人差指は引き金にかかっていた。

289 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:26:55 ID:???
胸を撃ち抜かれる体勢に陥ったケンスケは激しく後悔していた。
(油断した…。この子たちが敵になる可能性なんて考えもしなかった…)
(女子だから無意識に見くびってたのか…。手榴弾を撃ち落して調子にも乗ってたんだろうな…)
だが、何より心配なのは行動をともにしてきた三人の少女たちである。
(みんなも銃を持ってる…。バカな事はするなよ…、こいつら、何をするか分からないぞ)
ガンマニアとしての嗜好も裏目に出ていた。
レイから受け取ったもう一丁のSIGザウエルは、ケースに収まったままリュックの中。
暴挙に対する抑止力としての戦力が温存されたままなのが何より悔しい。
(ホント、俺ってバカだ…。みんなを助ける、みんなを守る、だなんて…)
(こんな独り善がり、笑えもしない!)
暗くなる一方の心中をこらえ、眼鏡越しに銃口を睨み続けるケンスケの視界の端。
帯同してきた少女たちを心配するケンスケの思いが届かなかった事を示す挙動が入った。
「やめなさいよっ!」
今や完全な敵でしかなくなった女子生徒へ、一人の少女が叫びながら銃を向けた。次の瞬間──
バン!
抵抗の意思を表した少女の体は後方へ吹き飛ばされるように宙を滑り、そのまま背から着地した。
ケンスケが見ていたはずの銃口は向きを変え、少女の立っていた場所へ向かって硝煙が揺らいでいる。
仰向けで倒れる少女の腹部は血にまみれ、表情は苦痛に歪んでいた。
「うっ…、ううっ…」
うめくばかりの少女へ、同じく抵抗の機会をうかがっていた二人が駆け寄って抱き起こす。
「しっかりして!」
「大丈夫、助かるからね!」
その様子を眺めていた射手が非情な言葉を投げる。
「助からないわよ」
憎悪に満ちた顔で睨み返す二人の手が銃にかかろうとする。
「やめろっ!」

290 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:27:43 ID:???
怒声はケンスケから上がったものだった。
「やめるんだ…。キミたちまで撃たれる…」
「あら、王子様はよくお分かりみたいね」
ふっ、と息を漏らした女が、引き金に指をかけたまま二人の少女の感情を逆撫でする。
「その子を助けたいんだったら早く山を下りなきゃ。ここで撃ち合いしてる場合じゃないわよ」
「あんたが撃ったんじゃないのっ!」
「私を撃とうとしたからじゃない。正当防衛、ってやつよ」
「許せない…、許せないよ…」
涙を流しながら再び銃を手にしようとする姿にケンスケが声を荒げる。
「やめるんだっ!」
「ほら、王子様も言ってる。銃を静かに地面へ置くことね。そうすれば撃ったりしないわ」
二人からケンスケへ泣き濡れた視線が送られる。
(仕方ない…、従うんだ…)
唇を噛みしめ、耐え切れない怒りを押し殺して二人は銃を置いた。
「そうそう、倒れてるその子の分も貰っておかないとね。銃があると…、ほら、危ないからさ」
アハハ、と笑いつつ顎をしゃくり、吹き矢と鎖鎌の仲間へ指示を出す女子。
素早く寄った彼女たちは、まず地面の二丁を拾うと、続けて瀕死の少女の手から銃をもぎ取った。

291 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:28:44 ID:???
「あんたたちは知らないみたいだから教えてあげる」
都合四丁の銃を入手して上機嫌らしい。紐で結わえた日本刀を肩からかけ直しつつ、女が得意げに話し始めた。
「さっき放送があってね。もう首輪は爆発しないの。別に急いで外さなくたっていいのよ」
そういうこと、と他の二人もニヤニヤ笑う。
「今から山を越えて逃げるんだけど…、一緒に来る?」
「誰が、あんたたちなんかと!」
虫の息の少女へ寄りそう一人が、顔も向けずに罵った。
「あら、そう。相田クンは? さっき言ってた大活躍、私たちにもやってみせてよ」
自らが放った銃弾でクラスメイトの命が危機的状況にあるというのに、まるで気にしていない態度。
(狂ってやがる…)
ケンスケの胸中からは達成感も充実感も失われている。あるのはただ、怒り、のみ。
しかし平静を装い、どうにか返事をした。
「遠慮したいね…」
「それは残念。じゃあ、ここでお別れね。たくさん武器をくれてアリガト♪」
にこやかに手を振りながら脇を抜け、三人の女子が上を目指し始めた。

「相田クン…、どうしよう…。山を下りてもお医者さんなんていないよね…」
「ああ…」
死を間近にした友を気遣う少女たちのもとへ、ケンスケは近寄れないでいた。
(俺のせいだ…。俺がこんな目にあわせたんだ…。チクショーッ!)
横たわる少女へ傍らから、何っ?、どうしたのっ?、と切迫した調子の質問がなされる。
「相田クン! 相田クンッ!」
「話があるって!」
自らの甘い判断の犠牲となった少女から話がある、という。呆然としていたケンスケの足がようやく動いた。
膝を折り、腰を落とす。凄まじい出血量は手の施しようがない。
痛みの感覚すら遠くなっているのか、幾分穏やかな表情になっている少女の口が小さく開いた。
「あ…、い、だク…、ン…」
ケンスケの目には涙が溢れ、もうまともに彼女の顔を見られないでいる。
「あい…、だ、クンは…、わ…、るく、ない…、よ…。わた…、しの…、せい…、だよ…」
「おいっ! しっかりしてくれぇっ! たのむよぉっ! なぁっ! 死ぬなって! 死なないでくれよぉっ!」
「あ…、り、が…、と…」
その言葉を最後に、ついさっき頬に口づけしてくれた唇は動かなくなった。

292 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:30:12 ID:???
ブォォォン
ゲンドウの予想と違わぬタイミングでモノリス群が出現した。
「碇、計画は順調かね」
低い声が発した嫌味でしかない物言いに、組んだ手で口元を隠しつつ笑むゲンドウ。
「その様子だと何やら腹にあるようだな」
「いったい何を考えている」
「ネルフ総司令の立場を履き違えてはならん」
「ゼーレの意思を寸分の私情も挟まず遂行する。それが貴様の使命だ」
「だが、どうやら良からぬ企てをしているように見受けられるが」
「我々の納得できる言い分があるのなら聞こう」
釈明であれ説明であれ表明であれ、ゼーレに聞く耳などない事を承知しているゲンドウは無言でいた。
「黙っていては分からんのだよ!」
「まぁ、待て」
声を荒げたメンバーを諭し、キールが次いだ。
「碇…、渚カヲルは動いている。ネルフはどうなのか、聞かせてくれたまえ」
「ちょっとした邪魔が入りましたが…、計画通りの手配は済ませています」
「赤木リツコ、加持リョウジ…、両名が勝手な事をした、という事だな」
「ええ。赤木リツコ君は職務へ私情を持ち込んだため現在は隔離しています」
「加持は?」
「全力で身柄の確保に努めます。重大な裏切り行為を働いたため、捕捉時の生死は問いません」
「裏切り行為…。それは、ゼーレへ対して、か。それとも、碇ゲンドウへ対して、か」
フフッ、と笑ってゲンドウが答えた。
「両方、でしょう」
「今の問いでは、言外に我々と貴様の思惑が異なっている事をほのめかしたつもりだ…」
キールは敢えて数秒の間を置き、それから続けた。
「両方、という返答は、その隠れた意味をも肯定したと受け取るが…、良いか、碇?」
「ご自由に」
ゲンドウの背後にたたずむ冬月の手は汗で湿っていた。
(碇…、今ここでゼーレと訣別するつもりか…)

293 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:32:11 ID:???
「銃を下げるまで…、僕はここを動かない…」
レイの華奢な身を隠すように立つシンジがアスカへ宣言した。
「言うと思った…」
いきり立っていた語調は突然鳴りをひそめ、アスカは少し悲しそうにつぶやいた。
(シンジなんて嫌い…、ファーストはもっと嫌い…)
(でも…、自分が一番嫌いっ! ホントにヤな女っ! 大っ嫌いっ!)
カチ
親指で安全装置をセーフの位置へ戻すとアスカは腕を下げた。
そしてシンジへ近寄ると、奪い取る前と同じ腰の位置へ銃を差し入れた。
「アスカ…」
「何も言わないで…」
視線を交わそうとしないアスカの瞳は川面のようにゆらゆらと光っていた。
「加持サンと約束したけどさ…、私、一人でいるわ」
「どうして…? 三人でいればいいじゃないか」
「……」
「ねぇ、アスカってば…」
直情的なアスカが言葉を選んでいるように見える。
だが続いた言葉は、極めて素直な心情の発露に思えた。
「それだと…、私がつらいのよ…」
キスをする前に見せた悲しい顔とはまた違う表情に、何も言えなくなるシンジだった。

294 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/19(日) 22:33:03 ID:???
ズシーン…、ズシーン…、ズシーン…
グラッ、グラグラッ
「きゃあっ!」
小さな揺れ。だが一向に収まる気配のない大地の揺れが、不気味な音響とともに伝わってきた。
沈みきっていたアスカの表情が脅えた風に変わる。
音の方向に見当をつけたレイが口を開いた。
「あっちよ」
シンジとアスカの目が、レイの指差す南の山岳部を捉える。
ほどなく──
山の斜面から尺取虫のごとく動く巨大な脚が現れた。
「な、何よ…、あれ…」
「もしかして…、使徒?」
アスカとシンジの独り言が会話として成立したすぐ後、レイが告げた。
「やっぱり…、あなたたちは一緒にいた方がいいわ」

295 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 22:41:54 ID:???
>>バル
乙。ケンスケたちの話が好き。

296 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 23:35:47 ID:???
面白い!!!
gjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjgjg

297 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 23:55:22 ID:???
分析パターンネ申、、、間違いなく天才だわ

298 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 01:50:27 ID:???
ここまで来ると畏敬の念すら覚えるな…

299 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 01:54:52 ID:???
いやはや神だ。とりあえずsageを守ろう

300 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 11:52:15 ID:???
300げっと!
とか言ってる場合ぢゃねぇぇ…
バルさん乙 激しくGJ! 神だ!間違いなくネ申だ!
ケンスケの話で少し涙がこぼれそうになった…クオリティ高杉!

301 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 13:34:22 ID:???
バルちゃん!凄い文才だね!表現の仕方がうまい

そういう関係の仕事についてるとしか思えないよ

302 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 17:20:40 ID:???
ありがとう。
この気持ちでいっぱいです。

303 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 18:04:27 ID:???
続き気になります!

304 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 19:04:24 ID:???


305 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 21:51:53 ID:???
バルさん乙です!今回も最高でした!

しかし何故こんなにquality高いのに>>304みたいなカスが荒らしにくるんだろうか…。怒りを通り越して哀れに見えてくるよ。

306 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 22:24:30 ID:???
また荒らしですか。

荒らし=友達がいない

友達がいない=誰かにかまってもらいたい

という事でおk?



バルさん乙です☆次もwktkしながら待ってまつ。

307 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 01:04:08 ID:???
嵐と嵐に反応してるやつは厨の巣窟VIPにカエレ

308 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 06:48:36 ID:???
>>307
305だが、素直にスマソ(´;ω;`)ただどうしてもageるやつに文句いいたくて…。
これから荒らしはスルーします。

309 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 17:44:01 ID:???
はいはい糞ス糞ス
あげぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!!!!

310 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:46:34 ID:???
地震とは異なる揺れを感じた日向は宙に目を泳がせ、誰に問うでもなくつぶやいた。
「何だろう…」
青葉が応じる。
「変だな…、周期的に揺れている。それに、この音…」
ズシーン…、ズシーン…
立ち上がった加持が扉へ向かう。
「どちらへ?」
「屋上に、ね…」
思い当たる節があるような感じでいる様子に、青葉と日向は声を揃えた。
「「ご一緒します」」

「な、なんや、あれ…。使徒、っちゅうヤツとちゃうんか…」
地面の揺れに合わせて現れた巨大な脚らしき物を見つけ、トウジは声を上ずらせた。
もちろん、ヒカリも目視している。
「ど、どうしよ…、鈴原クン…」
「シンジも綾波も惣流もここにおるんや…。エヴァもあらへんでどないんすんねん…」

311 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:47:34 ID:???
ヒカリを守ると心に決めたとはいえ、それはあくまで凶悪なクラスメイトから、に限られていた。
相手が巨大な使徒とあっては、とても立ち向かえない。
安穏と時を過ごせていた街路樹のたもとすら危険になる──
(逃げんとしゃあないか…。そやかて、どこに逃げたらええんや…)
自分とヒカリ。二人の命と機関銃の重さが双肩にかかり、苦汁に満ちた表情へ変わるトウジ。
今こそ奮い立たねばならないと分かりながら、うな垂れ気味になるところへヒカリの声が届いた。
「何か…、何か乗ってるよ…」
音響とともにゆっくり迫っていた脚は、既に数本が斜面からせり出していた。その中央の胴体部。
ヒカリの言葉で再度目をやったトウジにも確認できた。
(ロ、ロボット…? エヴァ以外にあんなモンがおったんかいな…)
視界の中ではまだ小さいが、上に乗るロボットはしきりに直接打撃を試みているように見える。
(勝てるやろか…? どっちにしても、どんどん近づいてきとる…)
「委員長…」
「何?」
「移動するで。とりあえず、ここよりはマシな場所を探さんとあかん」
そう言うとトウジは腰を上げた。
そして、立つために一度は離した手を差し伸べ、再び強くヒカリの手を握った。

312 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:49:06 ID:???
もはや息をしていない血まみれの女子のそばで膝をつき、ケンスケは怒りに震えていた。
(どんなに謝ったって…、どんなに悔いたって…、この子はもう戻ってこない…)
(せめて…、せめてもの罪滅ぼしとして…、俺にできるのはこれくらいだ…)
その手がリュックへ伸びる。収奪されずに済んだ唯一の武器がそこにはあった。
(仇を取ってやるぞ…)
ケースを開き、真新しいSIGザウエルを右手に掴む。
(人殺しなんてしたくなかった…。だけどっ! これだけはやらないわけにいかないんだっ!)
(自責と悔恨を背負い込んで一生苦しんだって構わない。そんなの…、この子の苦痛と悔しさに比べればっ!)
スッ、と立ち上がったケンスケへ、泣き続けていた二人の少女がわずかに視線を向ける。
銃を手に鬼気迫る表情が彼女たちをして嗚咽を止めさせた。
「あ…、相田クン…」
「まさか…」
洞穴の前でチームを組んで以来、ひたすら明るく先導し続けたケンスケの面影はもう無かった。
「俺は今からあいつらを追う…。許せないんだ…」

313 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:49:56 ID:???
二人は言葉を継げなかった。怒りと憎しみは決して消えない。殺したい、と心から願った。しかし──
ケンスケがこの場を離れるという事は、自分たちが孤立無援になる裏返しでもある。
言い知れぬ不安に襲われたが、命を落とした友人を前に「行かないで」とは口にできなかった。
人を殺した挙句に逃げ延びようとする女どもに死を、と考えていたのは同じなだけになおさらである。
その時。
ズシーン…、ズシーン…
低く大きな音、かすかな地の震え。三人の顔がその発信源と思われる方角へ向いた。
ふもとの町の遥か向こうにある山の斜面から大グモが這い出ている。
振り向いたケンスケに、二人の女子が視線を注いでいた。
「もう下へは戻れない…」
「私たちも相田クンと行く…」
武器も持たない傷心の少女を連れ、かばいながら迎えるであろう戦闘はどう考えても不利である。
だが、ケンスケは即答した。
「分かった。行こう」
前門の三人組、後門の使徒。前後を敵に挟まれた以上、突破口は自らの手でこじ開けるしかない。
その思いから応じたケンスケだったが、常なら冷静な彼も頭へ昇った血に思考を妨げられたのだろう。
前方の脅威が狂暴な女子三人だけでない可能性を考慮できないでいた。
渚カヲル、そして──

314 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:50:47 ID:???
「なぁ…、この出動、いったい何だと思う?」
「何って…、さっき通達されたろ。敵が浅間山中および山麓に潜伏、掃討せよ、じゃないか」
「おかしいと思わないか? 沿岸部ならともかく浅間山なんて…、いつどうやって侵入したんだよ」
「それもそうだが…」
「いきなり地上戦、ってのも変だろ。そもそも敵と言われただけで、どこの国かも分からない…」
「詳細は現地で、かな…」
「作戦範囲内にいる者は友軍以外すべて敵だなんて…、そんな無茶な命令があるもんか」
「おいおい、言葉には気をつけろよ。俺たちは戦自隊員。政府や上官の命令は絶対なんだ…」
「分かってる…。けど、俺たちだって人間さ。理屈じゃない部分だってあるんだからな」
「いちいち考えてたらキリがない…。黙って従うしかないだろ?」
「……」

戦自の空挺隊員が機内で会話していたのと同じ頃。
エヴァ弐号機を空輸する機体を横目に、随伴するジェットヘリ内のミサトもまた思案していた。
(今から何が始まるの…。アスカを弐号機に載せたとしても、何と戦うっていうのよ…)
(あの大グモとはジェットアローンが交戦中、使徒が勝った場合の始末?)
(違うわ…、零号機と初号機も起動させる、って言ってた。三体同時展開でないと勝てない相手…)
全てのエヴァを投入するという初めての事態は、肝の据わったミサトですら弱気にさせかねなかった。
怖気づきそうな自分を戒めるように胸元へ下がる十字架のペンダントを握る。
セカンドインパクトの記憶が脳裏によみがえりかけた時、操縦席の隣にいる隊員が声を上げた。
「二時の方角に大規模な航空編隊あり! 針路、浅間山方面!」
全く予期していなかった内容にミサトの声も大きくなる。
「どういうこと!」
「エヴァ搭載機からも確認済みの模様。機体の特徴および編成より戦自空挺師団と考えられます!」
「なんですって!」
(シンジ君たち、加持、使徒、ジェットアローン、エヴァ、そして戦自…)
本来は集うはずもないそれぞれが、いま出会いを目指すかのように進んでいた。
(偶然…?)
そう思いたかった。しかし、現実は感傷的なものでない。
(いいえ…、全ては仕組まれていた…)
委員会やゲンドウの真の思惑には及ばずとも、張り巡らされた策謀の網に絡まりゆくのを自覚するミサトだった。

315 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:51:40 ID:???
「せ、戦自が、ですか…」
「そうよ、碇司令につないで」
「はい…」
ミサトからの連絡を受けたマヤは執務室のゲンドウへ取り次ぐため、直通の内線ボタンを押した。
プープープー
「何だ。今は会議中だ。後にしろ」
「葛城さんから緊急、だそうです…」
「……、分かった。つないでくれ」

「そうか…、ご苦労だった」
受話器を置いたゲンドウにモノリスの一つが不機嫌そうにたずねる。
「我々を差し置いて受けた連絡…、さぞ重要な事だったのだろうな?」
サングラスの奥から上目づかいにキールを見るゲンドウ。
「戦自も浅間山に向かっているようです。伝えられた筋書きにはありませんでしたが」
キールが事も無げに返す。
「全てを貴様に教えているわけではない」
フフフッ、と小さな笑いがモノリスの間に広がる。
「碇、貴様の息子もいるんだったな」
「サードチルドレン…、助けたければ妙な考えは捨てる事だ」
「非情な貴様も人の親、息子の命には代えられまい」
勝ち誇るように迫るモノリスにも、ゲンドウは眉一つ動かさなかった。
それどころか、微笑すら浮かべて応じた。
「私情を挟むな、と言ったのはあなた方のはず。子供にかまけて大義を見失うようでは総司令など務まりませんよ」

316 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:53:14 ID:???
「何だと…」
ざわめくメンバー。ゲンドウに翻弄されるばかりの雰囲気を断つべくキールが問う。
「ファースト、セカンドの両チルドレンも、かね。特に…、ファーストチルドレン、綾波レイ…」
「もちろんです」
「では、聞こう。現チルドレンが全員死亡したらどうする」
ゼーレにとっては問題でないがゲンドウにとっては痛手であろう、との推測に基づく質問である。
しばらく無言でいたゲンドウが口を開いた。
「全員死亡という事態は考えていません。サードはともかく、セカンドは自身の生への執着があります」
それに、とゲンドウが続けた。
「ファーストチルドレンの死。それを試みて得られる結果がいかなるものか、よくご存知なのでは?」
まるでディベートを楽しんでいるかのごとくゲンドウには余裕があった。
だが、冬月は内心でその態度をいぶかしんでいる。
(切り札たるアダムを奪われ、エヴァの正規パイロットも不在…。勝算など立ちようがない…)
(ゼーレを本気にさせてはまずいぞ。ネルフに手をかける事すら躊躇しないはずの連中だ…)

317 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:54:05 ID:???
「そろそろ作戦の指揮を取らねばなりません…。お引き取り願いたいのですが」
あからさまな排除の意思にモノリスが厳しい口調で告げる。
「碇、その態度、死を招くぞ」
キールが後を受けた。
「もはや問答の余地なし、か」
「……」
「これを限りに貴様と会う事もなかろう」
ブォォォン…
機械的な低音を残してモノリス群が一斉に消えた。

「良かったのか、碇…?」
「構わん。いずれこうなっていた」
「それが今日、か…」
「歴史とはそういうものだよ」
つい今しがた交わされた内容から今計画の目的を確信する冬月。
(残る使徒をまとめて撃破した後に人類の補完を開始する、か…)
「始まるんだな」
顔を向けぬまま、ゲンドウが応じた。
「ああ、全てはこれからだ」

318 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:55:30 ID:???
校舎屋上に駆け上がった途端、加持は眉をしかめた。
選抜戦闘における第一の犠牲者、女子07番の遺骸が回収されずに残っていたのである。
「渚カヲルの仕業です…」
既に一度検分を終えている日向が平静を装って伝えた。
「知っているよ…。彼こそが今日という日をもたらしたキーマン、さ」
「どういう事でしょうか…?」
「渚カヲルは委員会が送り込んだ。彼は…、人間じゃない」
「えっ?」
「第十七使徒にあたる」
「そんな…。どう見ても少年ですよ…」
「残念ながら…、事実だ」
突拍子もない意見だが、遺体の負った傷や手榴弾の投擲距離に思い至り納得せざるを得ない日向。
(使徒だとすればありうる、か…)
困惑する青葉と日向に向かって加持が南を指し示す。
「この音と揺れをもたらしているあの使徒も渚カヲルが呼んだに違いない」
視線の先にはふもとの町へ迫り来る巨大なクモがいた。
「わ、我々はどうするべきでしょうか…」

319 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:56:28 ID:???
「俺が調べたところによると、碇司令はエヴァを差し向けるはずだ。そして…」
「そして…?」
「ここで複数の使徒を迎え撃つ」
あまりにも予想外な展開を聞かされ二の句が継げない二人。さらに加持が続けた。
「おそらく葛城がこの町に入るだろう。入れ替わりにキミたちは本部へ戻るがいいさ」
「加持さんは…?」
「俺は残る。今さらネルフに居場所なんてないさ。それに…、葛城とも話がある」
日向が心中でつぶやいた。
(葛城さんが来るなら僕も残る…)

ゴォォォォォー
大地を揺るがす音響に交ざり、上空からエンジン音が校舎屋上に聞こえてきた。
ゴォォォォォー
それも東と南の両方から、である。双方から航空機が近づいているのは間違いなかった。
(南は分かる。エヴァだろう。だが…、東から来ているのは何だ?)
想定していなかった来訪者の正体を確かめるため、加持は東の空を見上げた。
積乱雲を衝いて現れたのは、大規模な戦自の編隊だった。

320 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:57:23 ID:???
「あ…、あれって確か…、そうだ。ジェットアローンだ」
ミサトの要請を受けて旧東京での暴走事故を食い止めた当事者であるシンジ。
使徒とおぼしきクモの上で刃を振るうロボットがその同種である事を思い出していた。
「なに…、あのダッサイ形…。あれでよく使徒と戦おうなんて思うわね…」
大地の揺れにも少しは慣れたか、アスカの調子は戻りつつあった。
「戦う者は常に美しくなくっちゃ…」
ゴォォォォォー
レイ、アスカ、シンジの三人が向く南の上空にネルフの機体が姿を見せた。
吊り下げられた人型兵器。カラーリングは赤。
アスカの声が大きく張り上げられた。
「弐号機っ!」
周りに他の二体は無い。
「へへ〜ん、残念だったわねぇ、あんたたち」
弐号機のみが空輸されてきたと知るや、もうすっかりいつもの強気なアスカである。
「敵を倒すには、やっぱり私が一番適任だって認められてるのよぉ♪」
だが、その自慢げな言葉の途中でレイは学校の方角へ歩き始めた。
「ちょっと! どこ行くのよっ!」
「学校」
シンジもたずねる。
「どうして? 今から学校へ行ったって…」
「きっとヘリコプターが来るわ。それに乗って帰るの」
「どこへ?」
「碇司令のところ」
「帰る? 父さんのところへ?」
(何を言ってるんだよ、綾波…。父さんはこんなひどい殺し合いをさせたんだぞ…)
シンジの苛立ちに構わずレイが告げた。
「さよなら」
そう言うと、レイは一度も振り返らずに学校へ向かい始めた。

321 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/21(火) 18:58:54 ID:???
ガシィィィン!
「敵のコアに半周相当の亀裂発生! いけるかもしれません!」
「かもしれません、じゃない! いくんだ!」
「はいっ!」
ガシィィィン!

山道の途中の岩に腰かけ、渚カヲルは南で繰り広げられている戦闘を眺めていた。
(九番目のキミもリリンの知恵に負けるのかい?)
そこへ、下から複数の足音が近づいてきた。

日本刀の女子が二丁拳銃、鎖鎌と吹き矢の女子が各一丁を所持し、軽快に歩いている。
「相田クンが仕返しに来るかもしれないから気をつけようね」
うんうん、とうなずきながら進む道の前方、大きな岩に腰をかけている男子が三人の視界に入った。
(誰…?)
制服こそ見慣れたものだが、スタイルや髪型に見覚えはない。
三人は銃を握り直し、前進の速度を落とした。
じりじりと接近する。それでも、二分もすればほんの十メートルほどの距離にまで寄っていた。
岩の上の男子はまるで気づいていないのか、遠くを眺めるばかり。
少女たちは互いに目配せすると、銃を構えながら大声で問いかけた。
「あなた、誰っ!」
「?」
風景鑑賞が中断されたのを疎ましく思う風でもなく少年は顔を向け、微笑みながら答えた。
「僕はカヲル。渚カヲル。キミたちと同じ、仕組まれた2年A組の生徒さ」
その名を持つ男子が早々と二人殺した事を承知している三人の表情が一瞬でこわばる。
そして、指が引き金にかかった。

322 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 19:20:17 ID:???
バルさん乙です。GJ

323 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 19:33:50 ID:???
ここはつまらないスレですね

324 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 20:36:15 ID:???
つ、続きが気になる!
これからも頑張ってくださいね!

325 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 21:18:02 ID:1MrtyqQF
名スレだから保守しとく

326 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/22(水) 00:47:06 ID:???
乙です、その調子で頑張ってください。

327 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/22(水) 01:49:09 ID:???
いい所で終わりやがって…バルちゃんは連載というものを心得てるな…

328 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/22(水) 13:52:16 ID:???
ぶっちゃけ、ケンスケのエピソードが一番好き。
まさかここまで活躍するとは…漢の中の漢だよ彼は…。

329 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/22(水) 18:25:05 ID:???
ウksgルtヴォ;うぇh@お:しrhmうぇq8おhxz;いhふぇんgrh@qh8gれ:をpxcjmらうぇ9うr0」

330 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/23(木) 09:24:51 ID:???
続きに期待sage!!

331 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/23(木) 17:26:27 ID:???
この糞スレまだ続いてたんですね。

332 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/23(木) 19:25:02 ID:???
続き楽しみです

333 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/23(木) 20:53:19 ID:???
seiuvmtuieszpheus

334 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/23(木) 21:56:48 ID:???
ガシャン
体高よりわずかに長い台座を背負う姿勢のエヴァ弐号機が切り離された。
ブシュッ! ブシュッ!
十字架に似た台座の底部から自動制御された逆噴射が繰り返されている。
自由落下がもたらす速度は漸減し、大地へ垂直に突き刺さる軌道を描くよう調整が進む。
同じ要領で後続の輸送機からは電源ユニットが投下された。
いずれも使徒とジェットアローンが通過する直後の位置あたりを目指して降下している。
作戦部員も前後して弐号機周辺に陣取るのだろう。
じっと様子を見ていたアスカがシンジへ向いた。
「行くわよ」
「えっ?」
「あ・ん・た・もっ! 来・る・の・よっ!」
レイと行動を共にする約束が果たせなくなったアスカは次善の策を採ると決めていた。
(せめて二つ目と三つ目の約束を守るしかないわよね)
(シンジを一人だけ置いてくなんてできないし…)
加持に義理を立てる、というもっともらしい理由。
シンジと一緒にいたい、と願う無自覚の深層意識とは別の動機を得たアスカは饒舌だった。
「ほら! ボサッとしてないで! 弐号機に急がないと!」
「えぇぇっ? ここから? 随分あるよ…」
目測で3000メートル近く離れた地点まで走る──
シンジの思いも道理である。しかし、アスカという炎へ油を注いだに過ぎなかった。
「なに言ってるのよ! 使徒がいる。弐号機が来てる。行くしかないでしょ!」
「そりゃ、そうだけど…」
ブシュッ、ブシュッ、ブシュッ…、……、ズゴォォォン…
逆噴射の反復周期が短くなった数秒後、轟音とともに巨大なクサビが大地にそそり立った。
その手前には迫る使徒とジェットアローン。
「使徒が来てるのに…、どうやってエヴァまでたどり着く、って言うんだよ…」
不安げなシンジの表情、間近から伝わる大地の揺れ。それでもアスカは言い切った。
「この私が言ってるのよ。なんとかなるに決まってるじゃん」
早く!と叫びエヴァへ向かって駆け出したアスカを懸命に追い始めるシンジだった。

335 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/23(木) 21:57:42 ID:???
キィィィーン、ブロロロォォォーッ!
ミサトの乗るジェットヘリは弐号機の着地を見届けると学校へ向かっていた。
まずはアスカと接触し、エヴァへ送り届ける使命である。
「発信機IDを捕捉! セカンドチルドレン、サードチルドレン、当機直下!」
戦自編隊の動向をうかがいつつ、照合のために用意されたデータを確認していた隊員が告げた。
窓に顔を貼り付けて見下ろすミサト。
アスカとシンジが弐号機の方向へ走る姿が目に入った。
「どうなさいますか! 葛城一尉!」
本来の目的からすればアスカを乗せ、エヴァへ戻るべきである。
しかし、ゲンドウと袂を別った加持に会い、その真意と彼の知る情報を探る必要もあった。
「葛城さん!」
急かす隊員の声を聞いてもミサトは即断できないでいた。
(アスカなら必ずエヴァまでたどり着けるはず…)
(海中戦闘でシンクロ率の記録を更新したシンジ君とのペアなら、なおのこと心強いわ)
(でも…、使徒をかいくぐっての移動では時間もかかる)
(かといって、加持と会うのが遅れるのもマズイ。戦自への牽制だって考えないといけない…)
態度を保留したまま、ミサトは窓越しにクモ型使徒に視線を向けた。

ビシッ! ガシュィィィン!
ジェットアローン三番機が振り下ろした放電ブレードがコアに突き立った。
抜こうにも抜けない深さで刺さり、刃から出た電子が使徒体内のエネルギーと反応してスパークしている。
「やったか!」
遠隔操縦者の背後で時田が叫んだ。
「はいっ! 脚の運びも鈍くなっています。かなりのダメージを与えているはずです!」
「よし、とどめだ! 両手を柄に叩きつけコア最深部までブレードを打ち込め!」
「了解!」
まるで祈りを捧げるように、両手を組んだ三番機の腕が大きく上がった。
「両腕、全速降下!」
ガシュィィィーン! バキィッ!

336 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/23(木) 21:58:54 ID:???
放電ブレード全長のほとんどがコア内に沈み入った瞬間、三番機両腕はヒジのジョイントから先で砕け飛んだ。
ヒュゥゥゥゥゥ…、ドシィィィン…
ちぎれた巨大な祈りの手は高く舞い上がったのち、木々をなぎ倒しながら森へと落下した。
「うっ…」
もはや次なる攻撃は繰り出せない。時田がうめいた。
とはいえ、巧みに動いて北を目指し続けていた敵の脚も完全に停止している。
そして──
ズシィーン…
ジェットアローンを支えていた胴体が接地した。全ての脚は力無くたわみ、微動だにしない。
一秒、二秒、三秒…
ジェットアローン基地に詰める総員が息を飲む。永遠に感じられるほどの緊張。
計器を見つめるオペレータからようやく状況が報じられた。
「熱、電磁波など各種データからは生体反応を感知できず…。敵は完全に沈黙…、絶命した模様」
よっしゃあ〜っ!と歓喜の声が上がる。
「勝った、か…」
張り詰めていた空気が急激に弛緩していく中、一人モニタへ背を向ける時田。
皆が手を叩き、めいめいに叫んでいる。操縦担当者が立ち上がり、後ろに立つ頼れるリーダーへ握手を求めた。
「勝利をもたらす数々のご判断、ありがとうございました…」
だが、時田は振り向こうとしない。
「時田さん…」
「い、いや…、こちらこそ…、感謝せねばならんな…」
震える声とともに向き直った頬には一筋の涙が伝っていた。

337 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/23(木) 21:59:51 ID:???
使徒の動きが止まったと見たミサトは決断した。
「このまま学校へ行って!」
「はい!」

迫る使徒から遠ざかるべく、山を登る方角へ歩き出していたトウジとヒカリも顛末を見届けていた。
「あのロボット…、勝ちよった…」
「クモみたいなの…、もう動かないかな…?」
「よう分からんけど、たぶんそうとちゃうか…」

「相田クン…、ほら、止まったみたい…」
下り同様、やはり先導して進んでいたケンスケへ少女が呼びかけた。
足を止めて振り向く。
(なかなかやるじゃないか…、エヴァでなくたって勝てるんだな)
(俺も…、勝つ。絶対に…)

校舎屋上の加持は停止した使徒よりも、むしろ戦自に目を奪われていた。
(ゼーレめ…、なりふり構わず実力行使ときたか…)
「加持さん!」
双眼鏡を手にする日向が叫んだ。
「ネルフのジェットヘリが接近中です!」
ブロロロォォォー
ローター音を響かせつつ、校庭への着陸を図る体勢のヘリ。
「加持さん!」
今度は、周辺を見渡していた青葉から声がかかった。
「あれを!」
青葉が差す指の先には、校門へとつながる道を向かってくる一人の女子生徒がいた。
戦自から目を移した加持も驚きを隠せない。
「レイ? レイ、じゃないか」
「はい…」
加持の表情が曇る。
(方向からいってシンジ君やアスカと会ったはずだ…。なぜ一人でいる…?)
上空では戦自の編隊が高度を下げ、ゆったりと旋回を開始していた。

338 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/23(木) 21:59:54 ID:???
次が気になる(`・ω・´)

バルさん頑張って下さい!

339 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/23(木) 22:01:29 ID:???
バン! バン! バン! バン!
丸腰にしか見えない渚カヲルに対して、三人の女子は躊躇なく引き金を引いた。
得体の知れない狂暴な転校生を前に、死への恐怖が何よりも優先したのである。
しかし、彼女たちの思いは遂げられない。
幻影だったかのように、岩の上からカヲルの姿は消えていた。
(どこ…?)
少女たちがうろたえていると、カヲルは何事も無かったように岩陰から歩み出てきた。
「急に撃つなんて…、僕におびえているのかい?」
バン! バン! バン! バン!
バン! バン! バン! バン!
パニックに陥った三人の口は固く閉ざされ、一方で目は見開き、指は前後に激しく動いた。
またも視界から失われたカヲルに焦燥が募る。
(な…、なんなの…、この男…)
元いた岩の上に立ち、再びたずねるカヲル。
「僕と分かりあえる可能性は感じないのかい?」
その表情は少し悲しげに見える。
「キミだよ」
カヲルは鎖鎌を腰からぶら下げて銃を構える少女を指差していた。
「えっ?」
三人いる中から一人だけが指名され、当人の顔に戸惑いの色が浮かぶ。
次の瞬間、彼女の首輪全体が鈍く発光した。
「きゃあぁぁぁ〜!」
突然の悲鳴に他の二人が思わず目を向ける。
首輪から生じた不規則な隆起が首筋へと広がり、それは瞬く間に全身を覆い尽くした。
手からは銃がこぼれ落ち、悶え苦しんでいる。
そして──
グォォォォォーッ
不気味な雄叫びを上げて彼女が両腕を広げる。
脇の下には粘菌状の網がネバネバとまとわりついていた。
「出会えても戦うしかないのか…」
つぶやくカヲルの視界で、もはや人型の獣でしかなくなった女子が上体を揺すって腕を振る。
身長の何倍の長さにもなった腕が仲間だった二人の首へ伸び、強く締め上げていた。

340 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/23(木) 22:02:22 ID:???
「降下用意!」
戦自空挺隊員に対して号令が下った。
パラシュートの最終点検を行った各員が整列する。
「出発前に申し渡した通り、作戦範囲内に存在する人員全てを掃討せよ!」
「はいっ!」
士気を高めるには効果のある威圧的な口調だが、続く言葉ではややそれが弱まった。
「敵の正体は…、不明だ…。自分も聞いていない」
「……」
「ただ、容姿に惑わされるな、とは伝えられている。敵は凶悪なゲリラ集団だ、とも…」
「……」
「とにかく! 命令が撤回されない限りは総員、全力で任務を全うするよう期待する!」
「はいっ!」
ガッシャン、ブォォォォー
扉が開け放たれ、空気を裂く音が機内にこだまする。
「健闘を祈る。降下、始めっ!」
「了解!」
ザバッ、ザバッ、ザバッ…
浅間山を見下ろし、隊員たちが次々に空中へ飛び出していった。

加持の目はその光景を逃がしていなかった。
(子供たちが危ない…)
ヒュゥゥゥン…、キュンキュンキュンキュン…
既に校庭への着陸を済ませたジェットヘリのローターが止まる。
遅れて、ミサトがグラウンドへ降り立った。
その顔もまた戦自の編隊へ向けられている。
(葛城…、世界を救うつもりだったが、まずは子供たちを守らないといけなくなった…)
(力を貸してくれ…)
階段へ駆け寄り、下に向かい始めた加持を青葉と日向が追う。
ちょうど同じタイミングで、レイが校舎敷地内へと足を踏み入れた。

341 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/23(木) 22:13:20 ID:???
もはやバトロワではない。もはや糞スレだ。

342 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/23(木) 22:59:13 ID:???
きたわあああああああああああああああ

343 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 01:22:33 ID:???
できれば本にして欲しいんですけど?

344 :sgae:2006/02/24(金) 02:17:02 ID:hx8GS9zj
熱い!熱いよ!バルさん乙♪GJ!!荒らしとか普通にスルーしてがんがって下さいね!
漏れも含めてsgae進行で保守してる ここのスレの兄弟達みんなバルさんの支持者ですよ!ねぇ?兄弟?

345 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 07:56:44 ID:???
>>344
新手の嵐か?

346 :Aッガイ ◆gYQTfHZHe2 :2006/02/24(金) 09:32:13 ID:???
>>344
吹いた

347 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 12:27:43 ID:5OPav0jc
感動wバルさん本当乙です!
>>344モチですw

348 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 13:16:42 ID:???
>>344 >>347
はいはい荒らし荒らし

349 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 16:34:10 ID:???
まぁまぁ


ぬるぽ

350 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 18:40:14 ID:???
おれは応援してるぞ

ガッ

351 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 20:24:20 ID:???
sage進行の所すまんが荒らしを呼びこむためにageてみるwww


352 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 23:50:59 ID:???
バルさん、荒らしは気にせずがんがって下さい!

353 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/25(土) 02:14:32 ID:???
シャケ━Σ゜lllllE━!!

354 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/25(土) 04:28:26 ID:???
すばらしい才能です

初めから此処まで
一気に読んでしまいました
まさか、こんな長い文を自分が読むとは…
正直、驚いています

吹き矢に、毒が塗られてないなんて

355 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 02:16:48 ID:???
先日、携帯でこのスレのマトリエルらへんを読みながらパチンコしてたらマトリエルが出てきました…

ありがとう、バルちゃん

356 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 05:07:52 ID:???
>>355
当たった?

357 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 13:36:26 ID:???
あげ

358 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:05:15 ID:???
「やはり、碇には死を与える以外ないな」
「もちろんだ。裏切り者には厳罰で応じるほかあるまい」
「ネルフもろとも死ぬがよい」
「本部施設の直接占拠、全職員の抹殺、MAGIシステムの破壊…」
「地上へ部隊を投入せずとも、MAGIさえ落とせば後はどうとでもなるが」
「ならば、予定通り各国のネルフ支部から同時ハックを仕掛けるのが先だ。フフフッ…」
戦自の出動もスタンバイさせているが、ひとまずは最小労力による攻撃を狙うゼーレ。
キールがつぶやいた。
「碇…、忌むべきは貴様の野望…。おのれの傲慢を後悔するがよい…」

(あれ…、あの使徒…、動かなくなったぞ…)
アスカを追って懸命に走るシンジは大グモの挙動の変化に気がついていた。
先を行くアスカももちろん同様である。
(ダッサイ形のくせに結構やるじゃん)
強大な敵が止まった以上、弐号機へ急ぐ理由は消えた。
しかし、アスカが足の運びを緩める事はなかった。
(わざわざここまでエヴァを持ってきたからには何かあるに決まってる…)
(シンジをまた弐号機へ入れるのは気が進まないけど、そんなの言ってらんないものね…)
そこへシンジから息を切らしつつ声がかかる。
「ねぇ、アスカ…。ハァハァ…、歩こうよ…。もう使徒は動かないみたいだし…、ハァ…」
走りながら顔だけを向けてアスカが怒鳴る。
「あんたってホントにバカね! あいつが死んでも他にいっぱい敵がいるじゃないの!」
「え?」
「クラスメイトもそうだし、エヴァが運ばれたって事は何か目的があるわけでしょ!」
ひたすら前方を目指して駆けていたアスカは、初めて後ろに視線をやっていた。
そして、自分がいま言った以外の敵をはっきりと確認するはめになった。
ザザッ、と止まったアスカへぶつかりそうになり、慌てて体をひねったシンジが前のめりに手を土につく。
「急に止まらないでよぉ…」
「シンジ…、あれ…」
アスカの視線の先に向き直るシンジ。
そこには、咲き乱れる花々のごとき無数のパラシュートが大空を舞い、ゆっくりと地上へ向かっていた。

359 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:06:12 ID:???
パラシュート隊員を全て送り出した機内では、操縦席から指揮官へ質問が飛んでいた。
「隊長殿、ネルフの赤い奴ですが…」
エヴァ弐号機が大地へ降り立つさまは既に見届けている。
「あの場所も…、作戦範囲内です…」
必要最低限しか伝えられていないとはいえ、命令を素直に解釈すればエヴァとそれに関わる人員も敵、となる。
「どういたしましょうか…」
ネルフと戦自の折り合いが悪い事くらい承知している。
しかし同じ日本人、しかも使徒と呼称される生命体の駆逐に功をなしてきた組織。
それを攻撃目標と定める事態は理に欠ける、と思えた。
「本部に…、再度確認したい…。作戦の真意を聞かねば…。通信を願う」
「はい」
パイロットが無線機のスイッチを入れた。

「政府の判断に基づいて統幕会議が下した命令だ。異論を挟むわけにはいかん。日本は文民統治の国だからな」
少し嫌味な口調で無線の向こうから応答があった。
「し、しかし…、お言葉ではありますが、ネルフとの交戦となれば事態は深刻です」
「では、命令の差し戻しを要求しろ、と?」
「い、いえ…、決してそのような…」
現場トップからの苦言に隊長が言葉を失う。だが、上官から続いたのは意外な言葉だった。
「もう試みたのだよ…。いかにも曖昧な命令によって隊員を危険に追いやれん、とな…」
机上のやりとりだけで戦自を操る政治家や統幕会議への反感が滲み出たセリフ。
「無駄だった…。命令は正式なものとして今なお生きている」
「つまり…、ネルフといえども敵…」
「そうなる」
「も…、もう一度かけあっていただけませんか。お願いします」
「無理だ。第二東京の連中は逃げ支度をしていた。今頃はどこにいるやら…、連絡もつかん」
「そんな…。では、命令の撤回や破棄はあり得ない、という事ですか」
「……、現場の判断に任せる…。こんな指示しかできないのは情けない限りだが…」
これまで聞いた事がないほど弱々しい語調は、涙でも混じっているのか、やや鼻声である。
「我々も…、明日はここに座っていないだろう…。くれぐれも」
ピーッ、ガガガガガッ、ガガー
良好だった通信状態が突然に乱れた。

360 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:07:03 ID:???
ビキンッ! ゴギッ! バキンッ! ゴギッ!
カヲルは金属質な音と鈍い音を続けざまに聞いた。
首にかかる手をほどこうと必死だった少女たちの腕は既にだらりと垂れている。
破壊された首輪は地表へ落ち、後方に反り返る体は長い腕の先端で支えられていた。
ドサッ…、ドサッ…
粘菌に全身を支配された少女が手を離す。
制服をまとった二つの体がその場へ崩れ落ちた。
動かなくなった地表の物には目もくれず、カヲルへ顔を向ける女。
グゥォォォ…
衰えぬ戦意と剥き出しの敵意。
(キミと僕は仲間になりえない…。そういうことなんだね…)
ようやく巡り会えた相手が攻撃の意思を隠さない事態にカヲルは覚悟を決めた。
(僕にとって生と死は等価値なんだ。ここで死ぬとしても、それはただの運命に過ぎない…)
(キミが望むなら受けて立つよ…)
ポケットに手を入れたまま哀しい目を送るカヲルの首元へ、激しく揺さぶられた上体から長い腕が伸びた。

「相田クン…、あれ…」
「ああ…」
ケンスケと二人の少女は、空から舞い降りる大量のパラシュートを見て足取りが重くなっていた。
(戦自…、地上へ部隊を投入して何をやらかそう、ってんだ…)
(まさか、俺たちはあいつらとも戦わなきゃいけないのか…?)
せっかく退路を塞ぐ使徒が活動を停止したというのに、今度は戦いのプロたる戦自が現れた。
(本気で来られたら、とても歯が立つ相手じゃない…)
凶悪な女子たちへの怒りも、想像できなかった現実を前にしてしぼみそうになる。
迷うケンスケの背へ二人の手が触れた。
不安を紛らわせようと身を寄せたのか、迷う男を前に押し出そうとしているのか──
その温もりを肌に感じたケンスケは決めた。
(あの子の仇は俺にしかとれない…。行くんだ…、相田ケンスケ!)
深くうなずき、ケンスケが力強く次の一歩を踏み出した。

361 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:07:57 ID:???
「レイ! あなた、どうしてここに?」
校舎へ入ろうと歩を進めていたミサトは、正面から向かってくるレイに問いかけていた。
「本部へ」
「本部? ネルフに戻る、っていうの?」
「はい」
浅間山麓一帯にいる事が危険なのは言うまでもない。
エヴァのパイロットである彼女を安全な場所へ移動させるのも任務の一つであろう。
しかし、零号機はダミープラグなる物を搭載されて出動の準備が進んでいるはず。
本来ならレイを搭乗させてこそのエヴァ。あくまで代替案としてのダミープラグに違いない。
であるならば、いま本部へ戻せば零号機と行き違いになる可能性もあった。
「レイ、待ってくれる? 碇司令に確認してみるから」
「……」
ヘリ機内に踵を返すミサトの背へ別の声がかかった。
「葛城!」
振り向くミサト。迷彩服姿の加持、それに青葉と日向が駆け寄ってきていた。
「加持…」
レイの横を追い抜いて近づいた加持がミサトの腕を掴んだ。
「まずいぞ、葛城。戦自はゼーレの手先として子供たちを殺しに来たんだ」
「ゼ、ゼーレって…? どういうこと? 戦自が出向いた目的なら見当つけてたけど…」
「一刻を争う。説明は後だ。とにかくレイと一緒に校舎へ入れ」
「レイが本部へ帰る、って言ってるのよ」
その言葉で加持はレイへ向けて上体をひねった。レイもまた加持を凝視している。
「レイ、済まないがここにいてもらいたい」
常にイエス・ノーを即答するレイから反応がない。
(ん?)
怪訝な面持ちでいた加持の胸元を指してレイが口を開いた。
「それ…、持っていると危ないわ」
その指先が差し示す大ぶりな胸ポケット。角型に突っ張り、何かが入っているのは明白である。
(気づかれちまったか…)
咄嗟に体をミサトへとひねり直し、アダムを隠そうとする加持だった。

362 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:08:56 ID:???
第一発令所へ戻って席についたゲンドウがマヤへ問う。
「状況は?」
「フォースチルドレン選抜関連プログラムの消去は完了。ただ…」
「ただ、何だ?」
「先輩…、赤木博士が他に裏のスクリプトなどを潜ませていなければ、ですが…」
「たとえ存在するにせよ、検知できないのなら仕方がない。ダミープラグはどうなっている」
「零号機への搭載と起動の確認は終わりました。現在、待機中」
「初号機は?」
「搭載済みです。ただ今から起動確認に入ります」
「たのむ」
リツコ、青葉、日向の不在を、マヤと相田でまかなう変則的な事態。
とはいえ、ここまでは順調に推移していた。
「では、相田さん。始めます」
「お願いします、伊吹二尉」
カチッ、ピコピ、パチパチ、ヒュゥゥゥ…
普段通りの起動手順を踏む。しかし──
ガシャーン!
ピピピピピピー!

<ALERT> <ALERT> <ALERT> <ALERT>
T> <ALERT> <ALERT> <ALERT> <ALE
ERT> <ALERT> <ALERT> <ALERT> <A
<ALERT> <ALERT> <ALERT> <ALERT>

「どうした」
警告音とメインモニタを覆い尽くす赤い文字にゲンドウがたずねる。
「ダメです! 初号機、起動しませんっ!」
マヤの叫びで、冬月はある人物に思いを馳せていた。
(零号機は起動しても、初号機だと起動しない…。ユイ君…)
立ち上がるゲンドウ。その拳は固く握られている。
(レイを…、私を拒絶するとは…)
(お前まで私を裏切るのか…、ユイ…)

363 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:09:57 ID:???
感激の覚めやらぬジェットアローン基地。
握手を求めてくる所員の波も一段落し、ふーっ、と息をついた時田の顔は涙と笑みでくしゃくしゃである。
イの一番に握手を済ませた操縦担当者も自分の席へ座り直し、次の命令を待っていた。
(出張ってきた赤いエヴァンゲリオンに何もさせなかったのは、誇りにしていいよな…)
(だが、のんびりもしていられない。腕の修理も必要だ。そろそろ帰還を考えないと)
勝利の余韻にひたり続けていたくとも、遠く離れた浅間山に手負いの三番機を放置できない。
(さて、と)
何気なくモニタへ目をやる。コアを狙う姿勢のままなため、使徒の黒い背面と周りの地表が映っている。
そこへ──

「ねぇ、アスカ…。いくら死んでるみたいだからって…、こんなに近づくのは…、よそうよ…」
腰の引けた格好でおそるおそる大グモの間近まで寄るシンジ。
肩幅以上に足を開き、手を腰に当てて堂々と見上げるアスカとは随分様子が違う。
「なに言ってるのよぉ! あんた男でしょ! 情けないわねぇ!」
「そんなこと言ったって…」

「時田さん!」
「なんだ…」
戦闘中とは打って変わって、時田の返事もスローで穏やかな調子になっている。
「モニタを…、ご覧ください…」
促されてゆっくり目を向ける。中学生にしか見えない男女がたった今激闘を終えた場所で上を見上げていた。
「こ、子供じゃないか…」
「はい…」
「彼らはいったいここで何をしている…。避難指示は無かったのか?」
「分かりかねます…」
「民間人がいる地域で戦闘していたとは…。まさか人的被害を出していないだろうな…」
「それも…、現時点では不明です…」
「ケガ人が一人でも出ていれば…、我々の勝利など栄誉として認めてもらえまい。全ては吹き飛ぶ」
柔和だった時田の表情が険しくなった。
「法的に保護され、事実を隠匿できるネルフとは違うんだ。もし死者までいるとなると…」
時田が背を向けた。
「ジェットアローンも…、日本重化学工業共同体も…、終わりだ…」

364 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:10:53 ID:???
山岳部の斜面や麓の森へ降り立った戦自隊員たちは小声で所感を漏らし合っていた。
「上から見たけどよ…、敵なんていたか?」
「町だってゴーストタウンみたいだったぞ」
「たしかに人の気配は無かったな」
ゲリラであれば隠れていても不思議はない。
しかし、たとえそうであっても、絶対数が少なすぎるような感覚はあった。
「これだけの部隊を投入してるんだ。十数人相手だとしたら大がかりすぎる」
数人単位で組んだ行動班どうしが出会う。
「そっちはどうだ」
「異常ない」
「こっちもだ」
「実は、うちの班の一人が気になる事を言ってたんだが…」
足を止め全員が聞き耳を立てる。
「上空から子供を見たらしい。制服を着た中学生、だとさ」
「中学生?」
誰もが顔を見合わせる。
「ちょっと待ってくれよ。だとしたらその子供も敵なのか?」
「命令によれば、掃討すべき敵、だな」

365 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:11:55 ID:???
「バカ言うな。子供に銃を向けられるわけないだろう」
「容姿に惑わされるな、と隊長が言っていた。凶悪なゲリラかもしれん」
「じゃ、お前は目の前に歩いてきた子供を躊躇なく撃てるか?」
「それは…」
その光景を想像するだけで身がすくむ。
(俺も無理だろうな…)
皆が同じ思いとなった時、一人が提案した。
「隊長にもう一度お伺いしよう。無線担当、いるか」
「はい」
「今はまだ機内におられるはずだ。通信を」
ピーッ、ガガガガガッ、ガガー
機械的な音が周りへ響き渡り、各員に緊張が走る。
「バカ野郎、気をつけろ」
「申し訳ありません…」
ガガッ、ガガガッ
「変です…。まるで通じません」
「貸せ」
他の者が試みる。だが、結果は同じだった。元の無線担当が伝える。
「おそらく…、妨害電波が出ています」
「やはり敵は近くにいる、か…」
通信をあきらめた隊員たちが、口を重く閉ざして前進を再開した。

366 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:12:50 ID:???
ビーッ! ビーッ!
ネルフ第一発令所内に警報が響いた。
「どうした!」
冬月の問いに相田が応じる。
「シグマユニット内、第87タンパク壁に汚染発生!」
「それくらいでなぜ警報が鳴るのかね!」
「侵食速度と汚染範囲が爆発的に増加中! 波長パターン青、使徒と確認っ!」
「何だとっ!」
初号機の起動が叶わないうえに迎えた使徒侵入の事態。
「碇、場所がまずいぞ…」
「ああ、近すぎる」
ゲンドウはすぐさま指示を出した。
「止むを得ん。初号機は地上へ射出、最優先だ」
「ですが、エヴァ無しでどうやって使徒を」
「エヴァが汚染されてはおしまいだ。急げ」
「はい」
「続いて零号機をダミープラグ搭載のまま射出。浅間山への空輸を準備」
冬月が口を挟んだ。
「しかし碇…、どうする」
万事休す、といった現状においても余裕を感じさせるゲンドウが内線電話の受話器を取った。
「私だ。至急、赤木博士を第一発令所によこしてくれ。……、ああ、そうだ。……、たのむ」
「彼女はまだ意識すら戻っていないだろう。大丈夫なのか」
「死んでいるわけではない」
衆目の前で虐殺を試み、今は昏睡している科学者を呼ぶ──
冬月の困惑をよそに、ゲンドウの横顔は少し笑んでいるようだった。

367 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:14:27 ID:???
迫る腕を目前に『心の壁』を展開したカヲル。
だが、それは瞬時に侵食され、一直線に首へ手をかけられた。
「うっ…」
予測できたとはいえ、いとも容易に壁を破られたカヲルはうめきながら他の存在を思っていた。
(10番目が遥か上空に現れたみたいだ。11番目は黒き月に向かったか…)
ギギギギ
強い力で締め上げてくる手。
首輪が破壊されれば、残るは人間体の脆弱な肉と骨だけである。
(キミが生き残るのも悪くはないさ…)

ケンスケたちは足を止めていた。
前方20メートルほどの地点で起きている出来事が目に入ったからに相違ない。
地に倒れてピクリとも動かない二人の少女、背を向けている女子が正面にいる男子の首を締めている。
その標的は渚カヲル──
(どうなってるんだ…? 渚カヲルに仲間二人を殺された復讐?)
(いや…、あの男の首を造作なく締められるなんておかしい…)

368 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:15:24 ID:???
「相田クン…」
寄ってきた二人の女子生徒へケンスケが告げた。
「下がっていてくれないか…。俺に任せてほしい」
「どうするの?」
決意を鈍らせかねないと悟り、彼女らへは顔を向けないまま応じた。
「あの女を撃つ」
「えっ…、渚カヲルは?」
「奴は…、あの子の仇じゃない」
「だったら、渚カヲルがやられてから撃てば?」
あれほど弱く思えた少女たちが、耐え難い憎しみを経験したにせよ平然と殺人を肯定するのに驚くケンスケ。
(変わっちまった…。みんな、もう元の自分には戻れないんだ…)
(チクショー! 許せない…、こんな事を仕組んだ大人が許せない!)
「ねぇ、相田クンってば」
「俺はもう、誰かが死ぬのを見たくないんだ…。渚カヲルだってまだ生きたいだろう。だから…、助ける」
そう言うとケンスケはSIGザウエルを構え、女の背に狙いを定めた。

バン!

369 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/02/26(日) 21:16:41 ID:???
「レイ、この胸ポケットにある物の意味、分かっているんだな」
「はい」
加持とレイの会話にミサトが突っかかった。
「何よ。どういうこと。説明しなさいよ」
「とにかく校舎へ入ろう。外は危険だ。俺たちも戦自の餌食にされる」
いつもの軽い調子は消えている。
「キミたちもだ。レイをたのむ」
何の変哲もない穏やかな言葉だが、青葉と日向へ向けた真意はレイの身柄確保に他ならない。
それを感じ取ったレイの表情が固くなった。
鋭敏に理解した二人もまた、険しい面持ちでレイの両脇へ立つ。
「どうして?」
レイが発した脈絡のない問いかけにも加持は即答した。
「それがみんなの幸せにつながるからさ」
「みんな?」
「そう、レイも含めたみんな、だ」
「ウソ」
「ウソじゃない」
「碇司令も?」
「……、碇司令は含まれないかもしれないな…。だが、シンジ君は確実に含まれる」
「碇君?」
やや上がっていたレイの眉の角度が戻った。
「さぁ、急ごう。葛城も、早く。話は中でする」
小さく首を縦に動かしたミサトが大股で建物へ歩み始める。
続いてレイを連れた青葉と日向。加持はジェットヘリに離陸を要請しに寄った後、駆け足で皆に追いついた。
キュンキュンキュンキュン
回り始めたローターの音を聞いた加持とレイの目は自然と合っていた。

370 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 21:18:40 ID:???
d;ysv;8w☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイhmf:と糞

371 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 23:20:21 ID:???
戦自を倒した後に10番目が………、あぼーん。

372 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 00:21:04 ID:???
バルタザール
君は本当に……

373 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 00:36:36 ID:???
神などという簡素な言葉では言い表せない偉大さになってきたよ…
感動の超大作の予感

374 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 04:03:56 ID:???
みんながネ申の才能に嫉妬

375 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 12:01:51 ID:???
伏線がどんどん広がっていく…。これからの展開がマジ気になる!バルさん乙!

376 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 14:24:03 ID:???
( ^ω^)このスレおもすれー

377 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 18:43:43 ID:???
バルさんはGOD。

378 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 20:53:39 ID:???
trjkrekexjkeuhkrufrtrkusekaallslrjilgmrifujiko

379 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 06:53:39 ID:???
>>378
末尾が不二子ちゃ〜ん!

380 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 08:28:16 ID:???
↑一人釣れたよ

381 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 08:49:20 ID:???
バルちゃん作家になれるぞ!

382 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 16:47:32 ID:???
毎回GJとか乙とか神とか..申し訳ないorz
バルさんすご杉だわ('A`)
何て言っていいかわかんねぇorz
応援してます!

383 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 17:48:18 ID:???
ぐわ...↑だけどごめんsageてない。
正直スマンカッタ

384 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 19:20:39 ID:bw7yS1/P
戦自投入するよりクラスター爆弾使ったが早い気がするが・・・・
意味なsage
でも読んでて面白い。ありがとう

385 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 19:37:45 ID:???
おまいらバル太ザールの事もてはやし杉www
そのうちちょーしのんぞwww

386 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 19:50:33 ID:???
>>385
才能無いやつが調子にのるとウザイが、バルは神だからおk。

387 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 02:10:10 ID:???
面白い。まさかこのスレがここまで良スレになるとは。
バルさん、応援してます。

388 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 13:42:14 ID:???
ここは随分過評価するスレですね

389 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:40:40 ID:???
電子回路に似た光学模様を描き、ネルフ本部へ侵入した使徒は変幻自在に形を変えながら侵食を続けていた。
その目的を推測しようとする相田。
(エヴァを追うわけでもなく、ここで増殖を繰り返している…)
(回路のように見える配列…、思考しているのだろうか)
(使徒にとってネルフは邪魔に違いない。まず我々を攻撃するつもりだろう。しかし…、どうやって…?)
結論へ達しないうちに隣のマヤから悲痛な声が上がった。
「相田さん!」
マヤの顔から血の気が失せていく。
「MAGIが…、ハッキングされています…」
「えっ!」
モニタへ目をやる。明らかにメルキオールの挙動が不安定となっていた。
(クソッ、こんな時に…)
カチャカチャカチャ
ハッカーの正体を探るべく懸命に逆探知を試みる。
そして──
得られた結果はあまりにも意外で厄介なものだった。

390 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:41:32 ID:???
「碇司令!」
「どうした」
「MAGIシステムが干渉を受けています! 乗っ取りを意図したハッキングです!」
「相手は」
「そ、それが…」
「はっきり言いたまえ」
「ドイツ、アメリカ、中国など…、各ネルフ支部のMAGIです…」
判断を仰ぐため、というよりも突きつけられた事実の重さに身がすくんだのだろうか。
相田の体は総司令席へ向いたまま動かない。
ゲンドウの背後で報告を聞いた冬月も動揺を隠せないでいた。
(MAGIの占拠は本部のそれと同義…。同一のシステムどうしで戦えば数的優位に立った方が勝つ)
(ネルフ支部のMAGIすべてが敵にまわると彼我兵力比は5対1だ。分が悪いぞ…)
歯噛みする冬月が声をかけようとした時、ゲンドウが相田へ指示を出した。
「MAGIへの電力供給をカット、だ」
「はいっ!」
正面へ向き直った相田は、緊急用のシャットダウンキーを手に取るとマヤに要請した。
「カウントダウン、お願いします!」
「了解!」
同じくキーを手にしたマヤが鍵穴へ差し入れる。
「3! 2! 1!」
カチッ

391 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:42:21 ID:???
二人のキーは同時にひねられたはずだった。しかし、電源は落ちなかった。
「ダメですっ! 受けつけませんっ!」
「なぜだっ!」
思わず声を荒げる冬月。
戸惑う相田が再びモニタへ視線を戻す。
そこには、電源を遮断できなかった遠因と思われる新たな試練が現出していた。
侵されつつあるメルキオールとは別に、バルタザールまでもが何者かに攻撃されていたのである。
「バ、バルタザールも、か…」
状況を伝えるべく手元の映像をメインモニタへ切り替えると、方々から「うっ」とうめき声が上がった。
三系統のスーパーコンピュータのうち、二つまでもが敵の手に落ちようとしている──
「バルタザールへのハックもネルフ支部かね!」
冬月の問いにマヤが応じた。
「いえ…、違います…」
「違う? では何者だ」
呆気に取られて言葉を継げないマヤに代わって相田が返した。
「当本部内…、プリブノーボックスですっ!」
「何だと!」
「使徒もまたMAGIの占拠を目指している模様!」
増殖を止めない使徒は勢力を大きく広げ、プリブノーボックス経由でMAGIへの侵入を計っていた。

ガラガラガラガラ…
混乱する第一発令所内へストレッチャーが押し入ってくる。
横たわるは赤木リツコ。
目を閉じたその様子は、まるで穏やかに眠っているようである。
傍らの医療班は、彼女の白く細い腕を取ると手際よく静脈を浮き出させ、用意していた注射を刺した。
「十数秒で意識が戻ります」
「ご苦労」
黙っていたゲンドウがようやく口を開いた。その悠揚迫らぬ態度に冬月も少し落ち着きを取り戻す。
(ゼーレと使徒がそれぞれ攻め来る中、あのような愚行を企てたリツコ君まで渦中に招くとは…)
(吉と出るか、凶と出るか。いずれにせよ、覚悟しておかんといかんようだな)

392 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:43:47 ID:???
「ぐぉっ…」
ケンスケが放った銃弾は、カヲルの首を締めていた女子の背から左胸へと貫通した。
寄生した肉体と命運を一にする他ない性質の粘菌状使徒は、突然に命の終焉を迎える事となった。
ドサッ
腕を伸ばしたまま受身も取らず、少女が顔面から地面へ崩れる。
断末魔と呼ぶには短い声が聞こえると同時に『心の壁』を展開できたカヲルは、難なく弾丸を防いでいた。
ちょうど互いを隠すように立っていた獰猛な女が倒れた事で、救った者と救われた者が再開を果たす。

浅間山中腹の森へ降り立ち、ふもとに向かっていた戦自隊員七名は銃声で視線を交わし合った。
(近いぞ…)
慎重に木々を分け、ゆっくりと前進する。携行する機銃の安全装置が解除された。
カチッ
その眼下には山道が横たわり、20メートル弱の距離を置いて正対する二人の少年がいた。

393 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:44:41 ID:???
「また会えたね」
カヲルの言葉にも、ケンスケは厳しい表情を崩さない。
たった今、殺人者となった負い目を押し殺しているようにも見える。
「助けてくれたのかい?」
三つの死体が転がる前で、笑みながらたずねるカヲル。
その常軌を逸した言動を受けて、ようやくケンスケが口を開いた。
「俺が撃った以外の二人は…、お前が殺したのか」
「僕じゃないよ。彼女さ」
「彼女? 仲間割れをした、ってのか」
「仲間? フフッ…、キミにはそう見えただろうね」
「何がおかしいんだ!」
二人を殺害し、手榴弾をためらう事なく投げ、今また死者が出たというのに平然としている。
その振る舞いがケンスケを苛立たせていた。
(助けたのは間違いだったかもしれない…)
しかし、続くカヲルの言葉は意外なものだった。
「怒っているのかい? だとしたら…、ごめんよ」
何ら構えることなく無邪気に謝るカヲルにケンスケはたじろいだ。
(なんだ、こいつ…。やっぱり俺たちと変わらない、ただの中学二年生か?)
カヲルが口元を緩ませ、一歩二歩と足を進め始めた。

394 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:45:35 ID:???
「来るな!」
ケンスケがSIGザウエルを構え直す。
全くの丸腰である少女二人を従えている以上、カヲルを近づける事は避けたかった。
だが銃口を向けられてなお、カヲルは気にせず接近し続けた。遂には2メートルもの至近距離に達する。
「それ、僕が持っていたやつだね」
腕を伸ばせば届きそうなところにある銃。
敵対する意思のない事を示すためか、カヲルは両手をポケットに入れたままでいた。
「ファーストチルドレンを経て、キミの手にした銃が僕を助けてくれるなんて思いもしなかったよ」
「ファースト…、チルドレン…。綾波がエヴァの操縦者だって知ってるのか?」
「もちろんさ。セカンドチルドレンは惣流・アスカ・ラングレー。サードチルドレンは碇シンジ君だね」
(どうして…、どうしてこいつがそんな事を知ってるんだ。昨日来たばかりの転校生だろ…?)
混乱している風のケンスケに、カヲルがさらなる衝撃を与える。
「キミは相田ケンスケ君、だったね。エヴァンゲリオン初号機のプラグに入った事もある碇シンジ君の親友」
もはやケンスケは絶句していた。
(渚カヲル…、いったいお前は…、何者だ…)
「キミはシンジ君を探しているんじゃないのかい? 実は、僕も会いたいんだ」
「シンジに?」
まるで予想できなかった問いかけに、うな垂れ気味だった顔が跳ね上がる。
「キミは悪い人間じゃない。今だって僕を撃つ気はなかった」
「……」
「僕と一緒にシンジ君を探さないかい?」
「シンジに会ってどうする…」
ケンスケは覚えていた。昨夜、校舎の屋上からシンジを狙ったボウガンの射手こそ渚カヲルであった事を。
「フフッ…」
カヲルの表情が、初めて目元から緩んだ。
「彼と会って話がしたい。キミたちを取り巻く世界の全てに関して、ね」

395 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:46:27 ID:???
めちゃめちゃに破壊された校舎内の特設管理ルーム。
「ずいぶん派手にやったみたいね」
三つ並んだ椅子の真ん中に加持、左右にそれぞれミサトとレイが腰かけ、青葉と日向は三人の後ろに立っている。
「じゃ、聞かせてちょうだい。あんたが何を企んでるのか」
「俺が? 俺は何も企んでなんかいないさ」

クモ型使徒にも見飽きたアスカがシンジへ声をかけた。
「さっ! 急ぐわよ!」
「ったく…、アスカは勝手すぎるよ…」
「うるさいっ!」

「男女中学生が移動を始めました…」
背を向けていた時田が振り返る。
「どこへ行くつもりだ…?」
「分かりません…。ただ、先には赤いエヴァンゲリオンがあります」
「エヴァンゲリオン…」
ジェットアローン三番機の戦闘中に突如大地へ降り立った赤い巨体。
そのイメージが脳裏に浮かんだ瞬間、ネルフ内部資料に記されていたある事実へ思い当たった。
(エヴァンゲリオンのパイロットは子供だという…。もしや…、彼らがそうなのではないか?)
(わざわざ浅間山まで繰り出してきたからには相応の理由があるはずだ)
(現時点で彼らがエヴァンゲリオンに搭乗していないのであれば不測の事態もありうる、か…)
確証はない。しかし、状況が可能性を示唆していた。
「三番機の帰還は延期する」
「えっ?」
「あの子供たちがエヴァンゲリオンの操縦者かもしれん。だとすると…」
「だとすると…?」
「ジェットアローンの出番はまだある」

396 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:47:17 ID:???
加持が発した言葉は、どれもが驚愕に値するものだった。
「何てこと…。人類補完委員会を操るゼーレと碇司令が…。それに、渚カヲルが使徒…」
「ああ」
「で、アダムを奪うために今回の計画を利用したのね…」
「赤木の仕掛けにも気づいたが、さいわい俺は部外者みたいなもんだからね。催眠にはかからずに済んだ」
「なんで止めなかったのよ」
「ネルフ本部から退出する際、携行品は全てチェックされる。アダムを持ち出すのは至難の技さ」
「だから、何」
「2年A組に支給される武器は前日に点検された後そのままヘリに積まれる、と知った」
リツコの暴挙を容認した、ともとれる加持の態度をいぶかしみながらも呟くミサト。
「持ち出しチェックにかかる事なくフリーパス、ってわけか…」
「点検済みリュックの一つにアダムを紛れこませ、そこに入っていた銃は別のリュックへ入れた」
「でも、渚カヲルがアダムを手にしたら全て終わりじゃないの。よくもそんな無茶をしたもんだわ」
「無茶かもしれないが賭ける価値はあった。本部にあれば碇司令がサードインパクトを起こすのに使うからな」
「100パーセントの確率で起きる惨事を『生徒の人数分の1』の確率にした、って言いたいのね」
「その通り」
二人が会話している間も、レイはじっと加持の胸ポケットの辺りに目をやっていた。
その素振りを加持の肩越しに見ていたミサトが問いかける。
「レイ、あなたは何故アダムがそれほど気になるの?」

397 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:48:25 ID:???
「……」
答えそうもない、と知る加持が割って入る。
「彼女にも言いたくない事くらいあるさ」
「何、それ。レイをかばってるのかしら」
「そうじゃない。ところで葛城…」
レイとアダムもまた、出会ってはいけない存在──
自分の調べた内容が正しいとすれば、触れてもらいたくない話題である加持はなんとか誤魔化そうとする。
しかし、ミサトは食い下がった。
「じゃあ、レイ。あなたとリツコの関係って何? リツコがあなたを殺すために今回のプログラムを」
「葛城っ!」
声を荒げてミサトの言葉を遮る加持。
「子供に向かってなんて事を言うんだ!」
「なりふりかまってらんないのよ!」
ミサトの目には怒りの色とともに涙が滲んでいた。
「余裕無いの、今…。シンジ君たちを殺そうとリツコだけじゃなく戦自まで出てきて…」
「落ち着くんだ、葛城…」
うつむくミサトの肩に手をかけ、加持が告げた。
「赤木は確かに間違っている…。だが、彼女は碇司令の目論見を知る数少ない存在でもある」
「ど…、どういうこと…?」
「レイが死ねば碇司令の計画が立ち行かなくなるのを知っているんだ、赤木は」
「リツコが…」
「つまり、サードインパクトへ至る道の一つを消そうとした意味においては彼女も俺たちの仲間、ってことさ」
「レイって…、何者なの…? 分からない…」
背後にいるレイの視線を感じながら加持が答えた。
「レイは…、俺たちが守るべき一人の十四歳の少女だよ」
すっかり気勢をそがれて下を向くミサトからレイへ加持が向き直る。
「碇司令の元へ行ってはダメだ。アダムも渡せない」
「……」
「キミの理想と俺たちの理想は違うだろう。それでも俺はキミの理想を認めない。その代わり…、守る」
思いのたけをぶつけた加持だが、レイの反応は冷めていた。
「私だけ説得してもダメだわ。他にいるもの」
そう言うと、レイは空を見透かすように天井を見上げた。

398 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:49:39 ID:???
遥か日本上空の衛星軌道上。
体の中央と両端に目を模した器官を有する巨大な物体が浮かんでいる。

「10番目も現れたようだ」
「あれが浅間山に落ちればパイロット抹殺は果たせるな」
「戦略自衛隊とやらには気の毒だが」
「弐号機も失うぞ」
「一体や二体欠けていても補完には足りるだろう」
「ところで、ハッキングは順調なのか」
「なにしろ5対1だ。問題なかろう」

ネルフ第一発令所は二方からのハッキングに加えて「衛星軌道上に使徒あらわる」の報で混乱の極みにあった。
ストレッチャー上のリツコが手を額に当てながら上体を起こす。
まだ頭が痛むのか、眉を寄せてゆっくり首を振っている。
「赤木博士」
ゲンドウから声がかかった。

399 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:50:30 ID:???
「非常事態につき、キミの力が必要となった。ひとまず処分は保留する。持ち場につきたまえ」
周囲を見渡したリツコは、誰もが憎悪の目で自分を見ていた時間からタイムスリップした感覚に囚われていた。
(私…、生徒全員の首輪を爆破するスイッチを押して…、それから…)
おぼろげな記憶も、普段自分がいる場所に座る中年男性の姿を目にして完全によみがえった。
(あの人に飛びかかられて…、気を失ったんだわ)
しかし、いくら非常時とはいえ、子供たちを殺した自分を用いるとはどういう了見か──
鬼気迫る表情で飛びかかってきた男が生徒の関係者である事は想像に難くなかった。
(どう思うのかしら、彼は…)
なかなかストレッチャーから降りようとしないリツコをゲンドウが急かせる。
「どうした。早くしたまえ」
「は…、はい…」
あれほど愛し、そして憎んだゲンドウの声も、平常心でないリツコにはただ上官の言葉に過ぎなかった。
反射的に返事をして、ようやく脚を床に着ける。ゲンドウが告げた。
「心配しなくてよい。子供たちは死んでいない」
「…?」
「加持がキミの願いを打ち砕いたのだよ」
あえて一言も口を挟まないでいた冬月だったが、ゲンドウの最後の一言だけは解せなかった。
(なぜ加持の名を出す? 彼女の復讐心を加持にも向けさせるつもりか…?)
どうにか自分の足で直立したリツコが、おぼつかない足取りで相田の元へ歩み寄った。

400 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:51:18 ID:???
シンジと会うため行動をともにする、というカヲルの提案に対してケンスケは質問を切り返した。
「イヤだ、と言ったら?」
「キミはそう言わないと思うよ」
「なぜ?」
「キミはあの子たちを守らないといけない」
カヲルは、ケンスケの後方10メートルから様子をうかがう二人の少女へ視線を送っていた。
「お前の言っている事が分からない…」
「敵がいるのさ」
「敵?」
「脇の斜面に武器を持った大人が何人か潜んでいるよ」
「武器…、大人…。もしや戦自…」
「名前は知らない。でも、確かにいる」

戦自隊員たちは成り行きを見守りながら小声で会話を交わしていた。
「あの坊主が持ってるのは…、SIGザウエルか?」
「なんであんな物を…」
「ゲリラなら、ありうる」
「いや、考えられん…。おかしい…」
「だが、事実だ。命令を遂行せねばならん」
「応戦じゃなく、こちらから打って出る、っていうのか?」
「それが任務だろう…」

401 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:52:31 ID:???
カヲルはポケットから右手を出すと少女たちに手招きしてみせた。おそるおそる中腰で近づく二人。
「落ちている銃を拾ってくれないか? そのうちの一つを僕に渡してほしい」
死体の近くに落ちている四丁の銃を取った挙句に一つよこせ、と言う。
渚カヲルの不気味さを知る彼女たちは途端に尻込みした。
ケンスケがその心持ちを代弁する。
「無理な相談だ。お前は手榴弾を投げて俺たちを殺そうとした。信用できない」
「そうだったね…。では、これでどうだい?」
口角を上げて少し笑んだあと、カヲルはケンスケへ完全に背を向けた。
「女の子たちもキミも銃で僕を狙っていればいい。最後に、僕の後ろ手へ一丁だけ置いてほしいんだ」
「何をするつもりだ」
「死ぬ覚悟はできていたよ。それでもキミは僕を助けた。キミたち風に言えば『借りができた』のさ」
「もっと…、分かりやすくしゃべってくれ…」
「僕は銃をもらっても決してキミたちに振り向かない。その銃で脇の森へ向かって撃つ」
「何だって?」
「僕が構えたらキミたちは下に向かって逃げる。その間、敵は僕が引き受ける」
「なるほど…。だけど、お前が逃げる俺たちに向き直って撃たない保障は無い…」

402 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:53:19 ID:???
背を向けたままカヲルが応じた。
「悲しいな…。憎み合うだけでなく互いに信じ合えるのもリリン…、人間じゃないのかい?」
一見脈絡のない問答を繰り返すカヲルに辟易しつつも、この言葉はケンスケにも感じるところがあった。
(本当に戦自が潜んでいるかどうかは分からない…)
(それでも…、渚カヲルがウソを言っているように聞こえないのはなぜだろう?)
(信じ合えるのが人間、か。女の子たちも俺を信じて一緒に行動してきてくれた)
(だのに、俺が信じた凶悪な女どもは裏切って…、そのせいで一人の尊い命が失われて…)
(いくら謝ったって取り返せる失態じゃない…。だけど、俺も誰かを信じたかったんだ…)
(殺人者になっちまった俺だけど…、いや、なっちまったからこそ…、もう一度人を信じてみたい)
(それに、二人の手へ銃が戻ってあの子たちが生き残るのに役立つんなら…)
ケンスケが大きくうなずいた。
「分かった…。信じてやろう…」
「ありがとう」
表情は見えないが、その声は明るかった。
少女たちの代わりとして銃を拾いに行ったケンスケが二人を呼び、二丁ずつ手渡す。
「私たちが二丁ずつ? 相田クンは?」
「これがある」
SIGザウエルをかかげるケンスケ。
「でも…、渚カヲルに渡すんじゃないの?」
小さく首を縦に動かしたケンスケが言った。
「俺は…、奴を信用すると決めたんだ」

403 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:54:15 ID:???
リツコが相田のそばへ立ち至り、互いに目を合わせた瞬間、マヤが叫んだ。
「メルキオール、外部からリプログラムされましたっ!」
直後、合成された機械音声が発令所内に響き渡った。

“人工知能メルキオールにより自律自爆が提訴されました”
“否決”“否決”

今度は相田が声を限りに伝える。
「バルタザール、使徒によってリプログラムされましたっ!」

“人工知能バルタザールにより自律自爆が再提訴されました”
“可決”“可決”
“自爆プログラムは三者一致ののち、02秒で実行されます”

(自律自爆…、まさかゼーレと使徒が同じ意図を持って攻めてくるとは…)
冬月の思いは発令所内の総意と大差ない。諦めてはいないが、絶望的な状況である。
「バルタザール、カスパーへのハッキングを開始!」
「は、速いっ…」
「なんて速度だ…」
カチャカチャカチャ
必死に防壁を展開しようとする相田とマヤ。だが、追いつかない。
リツコが叫んだ。
「ロジックモードを変更! シンクロコードを15秒単位にして!」
「「はいっ!」」
相田とマヤの返事が重なる。
カチャカチャカチャ、ピー!

404 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:55:15 ID:???
ヒュン…、ヒュン…、ヒュン…
圧倒的だった侵食スピードが収まった。
「どれくらい持ちそうかね」
冬月の問いに、科学者の顔に戻ったリツコが応じた。
「敵が二面から来るとなると…、持って1時間が限度でしょう…」
その返答が終わるや、マヤの報告が続いた。
「メルキオール、バルタザールにハッキングを開始!」
「バルタザールに? カスパーじゃなく?」
思わず声を出したリツコだったが、モニタ上では確かにメルキオールがバルタザールを攻撃していた。
「メルキオールをリプログラムした相手は?」
「ネルフ支部のMAGI連合です」
「バルタザールは? 使徒、と聞こえたけど?」
「第87タンパク壁から広がったマイクロマシン型使徒によるリプログラムです」
状況を確認したリツコは即座に一つの推測を立てていた。
(使徒は効率よく占拠を行うために無防備なカスパーを狙った…)
(ネルフ支部のMAGIは使徒の存在を知らず、設定されたロジック通りにバルタザールを狙った…)
(バルタザール上で…、何かが起きる)

405 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:56:13 ID:???
エヴァ弐号機まで残り数百メートルとなったアスカが急に足を止めた。
ザザッ
追っていたシンジがぶつかりそうになって、また文句を言う。
「いい加減にしてよ、アスカ…」
「しっ! 静かにして」
すぐ近くにはジェットアローンから砕け飛んだ大きな両手が、倒した木々の上に鎮座していた。
「今度はあれを見るために止まったんだ…」
「静かに、って言ってるでしょ」
アスカの目は別の物を捉えていた。
15メートルほど前方、二本で一組となった木の枝が十組ほど、腰の高さの空中で右上がりに連なっている。
どう見ても自然の造形ではない。
(釣り糸か何かで結んであるのね…。でも何のために?)
よくは見えないが、糸の所在に見当をつけて両端と思われる位置へ視線を向ける。
左側はしっかり立つ大木の根元あたりから伸びている。
しかし、右側は巨大な手が落下したあおりを受けて根が浮き上がり、やや斜めに立つ木へとつながっていた。
(なるほどねぇ〜、元々は膝の高さに張ってあった、接近者を知らせる警戒音発生装置か…)
(木が動いたせいで目立つ高さまで上がっちゃったなんて、マヌケもいいとこだわ)
(でも! 近くに誰かいるのは間違いない…。こんな子供だまし…、考えるのはきっと子供よね…)
アスカはクラスメイトが近くにいると確信していた。
もちろん、使徒とジェットアローンの激闘途上にあった地点である。
この仕掛けを作った人物が健在かどうかは分からない。
とはいえ、細心の注意を払って進むべき事に疑念を挟む余地などなかった。
「ねぇ、アスカ…。どうしたの?」
緊張感のかけらもない質問の主へ振り向いたアスカの眉はつり上がっていた。
ブン! ブン! ブン!
声を出さず、大きく腕を振り回して怒りを示す。
「ハハハ、どうしたんだよ。アスカ、面白いね、ハハ」
その時。
ガサガサッ
左右両方の木々が不自然に揺れた。

406 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/01(水) 17:57:33 ID:???
「衛星軌道上に使徒発見っ!」
MAGIへのハッキングが続く中、マヤが今日何度目かの悲鳴を上げた。
「それは既に聞いたっ!」
返す冬月の声もあらん限りの大きさである。
「違いますっ! さらに別の使徒ですっ!」
パネルを操作してメインモニタへ映像を流す。
「電波障害が生じているため、光学での最大望遠になります!」
先に現れた、とされる目のような器官を持った使徒のすぐ近く──
まるで光の束で肉体を構成したがごとき巨大な鳥がいた。
リツコはその映像を確認しながら、カスパーとバルタザールの挙動にも目を配っていた。
シンクロコードの単位を落としたため、肉眼でもモニタ上でハッキング状況が見て取れる。
(やはり…、そうなるでしょうね…)
カスパーへの侵攻速度が落ち、止まった。
次の瞬間。
カスパーへのハックを現状維持したまま、バルタザールがメルキオールへと応戦し始めた。
相田が報告する。
「使徒制御下のバルタザール、メルキオールへの干渉を開始! 圧倒的なスピードですっ!」
素人目にもはっきりと分かるほど、使徒側が優勢だった。
そして──
「メルキオール、バルタザールによって再度リプログラムされましたっ!」
次の動向に皆の注目が集まる。
(カスパーに来るのか…、それとも…)
だが、リツコは確信に近い思いを抱いていた。
(攻める敵の駆逐が先、ね。間違いなく…)
邪魔をする敵がいるのであれば、いつでも落とせるカスパーより、その撃退が優先されるはず。
リツコの判断は正しかった。
カスパーへの侵攻を止めた状態で、使徒は世界各国にあるネルフ支部のMAGIへ侵食し始めたのだった。

407 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 18:57:09 ID:???
ちょ、マジで面白い!
バルさん乙!

408 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 19:15:32 ID:???
くはぁ〜良いところで...バルさん乙!ageてる荒らしの連中はスルーでがんがって下さい。応援中!!!

409 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 19:27:21 ID:???
おいおいおい!
さっきから聞いてりゃ、調子に乗りやがって!

バルさん乙、バルさん乙!
とかよ!
てめぇらは、ゴキブリ、ダニ、ノミにか!?
あぁ!
ふざけんなよお前ら…


   バルサン超GJ!!
衰勢になったそこに痺れる!
憧れる〜!

バルサン、最っ高!

410 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 20:33:35 ID:???
(V)ο\ο(V)< バルたん超GJ!!

411 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 22:00:33 ID:???
使徒が増えすぎて俺の脳内で処理できん。
誰かとりあえずこれまでの状況をまとめてくれ

412 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 22:30:27 ID:WFf5ftFv
マトリエル→JAが破壊
サンダルホン→火山内でJAとともに多分あぼーん
イロウル→ハック中。メルを占拠>バルを占拠>ネルフ支部のMAGIに侵攻中
サハクイエル→衛生軌道
アラエル(鳥)→衛生軌道

ついでに
渚かおる→シンジを探している?
レイ→ミサト、柁と一緒に校舎
シンジ、アスカ→二号機に向かってる
ケンスケ→実は主役
時田→実は助演男優
リツコ→バトロワの仕掛け人。独房入れられるもハックに対応するため出される
ゲンドウ→ゼーレにはぶられた?
冬月→「碇…何を考えている…?」
ミサト→ヒステリ
柁→アダムを入手、補完計画を防ぐつもりか?
ゼーレ→「ゲンドウをいじめようぜ」で合意?
おまえ→糞スレと思ったらネ申スレと気付く
バルさん→大変お疲れ様です。楽しませて頂いております。今後も期待であります。


以上、間違ってたら補完、修正してくれ

413 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 22:34:16 ID:???
>>409ワロタwww
つ〜か、も少しもちつけww

バルタザールさん乙です。荒しがきても華麗にスルーしてください!マジでおもすれ〜!次もwktkしながら待ってます。

414 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 22:36:13 ID:???
ごめん上のsageるの忘れた…
ごみんなさい
あと早くも上の修正
イロウル→バル>カスパ>でも途中でやめてメル
の順番でしたね、すんません
ちなみに
ネルフ支部MAGIは
メル>バル>イロウルにやられる
ですな。



415 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 22:50:42 ID:Uambc/hv
>>412

バルディエル 相田ケンスケにより殲滅

416 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 22:52:35 ID:???
↑だが吊ってくる


てか漏れ三か月ほどエヴァ板に張り付いてるのに「ああ、糞スレだ」と思って敬遠してたんだが…





( ゚д゚ )

417 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 23:23:36 ID:24o3jUjp
>>412
鈴原洞木ペアも忘れんといて下さい(´Д`)

418 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 23:24:23 ID:???
ここを読んでると自分でもまた話を書きたくなってしまうよ。
あのころの興奮を思い出してさ。他のスレでなんか書き始めようかな…。

419 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 23:51:08 ID:???
期待age

420 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 00:20:06 ID:???
神展開過ぎてさっぱりと忘れていたが、タブリスXXっぽい現象の複線が気になってしょうがないw

421 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 02:14:43 ID:???
はじめは女(スカートはいてる)がいて、カヲル(当然はいてない)がその女をぶち殺して場所奪ったってこと


422 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 02:22:54 ID:???
使徒イパーイ出てきたw
これだけの数をどうやって倒すんだ…。何はともあれバルさんGJです、続き楽しみにしてます。

423 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 02:49:18 ID:???
今全部読んで追いついたが…

トンネルを抜けるとそこはネ申の世界でした。

まず内容最強。その上長編ってのがかなり嬉しい。

これはもう一つの公認エヴァとなりうるのではないのか。


しかし、宇宙使徒が同時に2体ってのは気になる。イロウルと外国支部マギのように絡みがあったらネ申だが、漏れにはこんなのしか想像がつかねぇ…!




サハクイエル「じゃあ、とりあえず落下してくるよー」


アラエル「はーい、いってらっしゃーい」

424 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 03:06:49 ID:???
ゼーレ:碇独占アダム(勘違い)
ゲンドウ;パワハラ(老人達)、加持アダム
加持:アダムGET

使途:セントラルドグマ in アダム(勘違い)
レイ:?
シ者:シンジきゅん♪

425 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 11:02:15 ID:???
マトリエルは浅間山に向かってたんだろ。ネルフ本部を無視してさ。
だとしたらアダムの存在に…

426 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 12:32:42 ID:???
時田「勝てないのはやはり、人の心か…」

427 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 15:30:38 ID:???
なんだここ訳わからん

428 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 16:09:15 ID:???
最近はむしろバルちゃんにハァハァしてしまいます…(;′Д`)ハァハァ

429 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 16:35:05 ID:???
もうバルたん結婚してくれ

430 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 21:29:37 ID:???
↑ちょwwwwwwおまいらwwwwwwwwwwもう少しもちついてレス汁wwwwwwそれにしてもワロタwwwww

やべぇ、腹痛い…orz笑いすぎた。


バルタザールさん乙です☆

431 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 22:24:17 ID:???
ようやく追いついた。
バルたんGJ!!! もう最高です!!!脚本関係の方ですか?

432 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 01:03:35 ID:???
バルさん乙っす。今追いつきましたが…もうね神ですね。これからも楽しみにしてます

433 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 09:19:57 ID:???
このまま何処までも突っ走ってください。

434 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 09:57:12 ID:???
いっそのこと第一次宇宙速度で月に(ry


まとめサイトナイノー?

435 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 11:13:41 ID:???
>>434
じゃあ、作成よろしく!!

436 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 14:32:07 ID:???
今からここは”バルタザール死ね”で1000逝くスレになりますた

437 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 15:00:45 ID:???
>>436 ロメオ乙

438 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 15:14:28 ID:???
>>437
ロメオじゃねーよwww

439 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 15:47:29 ID:???
>>438
はいはい、ロメオ乙。

440 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 16:00:23 ID:???
カスパー死ね

441 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 16:13:44 ID:???
>>440
否決、否決、否決…

442 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 16:30:31 ID:???
だ か ら 釣られんな...つぅの!
スルーしとけバカ!

443 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 18:03:43 ID:wT01sjG1
バルさん凄すぎ!!そしてめっちゃ面白い!!!!
ビックビジネスの予感ですな☆

444 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:17:12 ID:???
両手に銃を持った二人の女子へケンスケが告げる。
「例の大グモも動かなくなった。パラシュートの奴らを見たろ? やっぱり下に向かうべきなんだ」
「だけど…」
「俺もキミたちの後ろを追う。心配しなくていいよ」
まず少女たちをカヲルやその他の敵から遠ざけ、自分が間に立つ。
壁として立ちはだかると同時に、カヲルの行動を見届けるためでもある。
「さぁ、急ぐんだ。俺はこいつを奴に渡してくる」
二人が涙目で応じた。
「私たちも…、相田クンを信じてるよ…」
「ありがとう」
微笑みを返したケンスケに深くうなずくと、への字になっている口元を震わせて二人が駆け出した。
その姿を見ながら、カヲルへと足を進める。
背を向けたまま、右手を腰の後ろに回してカヲルは立っていた。
(待たせたな…)
振り向かない、という約束を律儀に守る男への印象が変わっていく。
(俺を悪い人間じゃない、と言ったけど…、お前も悪い奴に思えないよ)
すぐ真後ろに回っても動かないカヲルの手へSIGザウエルを触れさせる。
「ほらよ」
カヲルの指が動いたのを受けて握力を弱めると、銃の所有者はすんなりと変わった。
「ありがとう…。キミは本当に勇気があるね…、好意に値するよ」
「ん?」
「好き、ってことさ」
そう言うと、カヲルは脇の斜面へ向かって歩き出した。

445 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:18:26 ID:???
相田とマヤの背後に立ち、リツコが小さな声で伝え始めた。
「あなたたちからの制裁は…、後ほど甘んじて受けましょう…」
職務の遂行に没頭しかけていた二人のこわばった顔が向けられる中、リツコが続ける。
「ただし、MAGIの防御が先です」
中年男性に視線をやったリツコが指示を出す。
「今となってはどこまで有効か分からないけれど、まずカスパーにおけるBダナン型防壁の展開をお願いします」
「は…、はい…」
子供たちを殺そうとした人物とはいえ、鈴原父子との固い誓いを心に刻む相田は素直に従う事にした。
(彼女への怒りは決して消えない…。だが、今は使徒の撃退が優先だ…)
カチャカチャカチャ
作業に入った相田からマヤへと身をひねるリツコ。
「マヤ、手伝ってもらいたいことがあるの」
「何…、ですか…?」
「この短時間で増殖してハッキングを行うまでに至った使徒…。急速な進化を遂げている、と考えられるわ」
「私も…、そう思います…」
「進化の終着点は、死。このまま進化を続けるのなら方策はあるはずよ」
「進化の促進…、ですか?」
「ええ…。こちらから自滅誘導プログラムを送り込む…。その開発を手伝ってほしいの」
「い、今から…、ですか?」
「そうよ」
「間に合うんでしょうか…」
不安を隠さないマヤにリツコが応える。
「約束は守るわ」

446 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 20:19:07 ID:???
バルちゃん頑張れ!応援してるよ!

447 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:19:19 ID:???
ゼーレには緊張が走っていた。
「アメリカ第二支部で爆発? どういうことだ」
「MAGIが自律自爆を決議した可能性がある、とドイツは言っている」
「そのドイツも慌てているようだが」
「どうやら、MAGIが制御下を離れているらしい」
「何だと…。理由は?」
「使徒の侵入を許した、という報告だ」
「使徒? ジオフロントでなく、なぜドイツに…」
「分からん…。とにかく非常に危険な事態であるのは間違いない」
「参、四号機、それにシリーズへの危害はないのだろうな…」
「それなら心配はいらん。既に日本へ向けて各支部から離陸している」
動揺の大きいメンバーを制してキールが告げる。
「滅びの宿命は新生の喜びでもある。諸君…、偉大なる儀礼を前にうろたえてはならん」

448 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:20:13 ID:???
ざわめいた木々を見て取ったアスカが走り出す。
「シンジ! こっちよ! 早くっ!」
ガサガサッ
左右の雑木を縫って、拳ほどの大きさの石が飛んできた。
ヒュン! ヒュン!
「うわっ!」
慌ててシンジもアスカのもとへ寄る。
ザザザザッ
両側の投擲者も二人に合わせて移動している様子。
「何やってんのっ! ほら! 行くわよ!」
シンジの手を握り、一直線に駆けるアスカ。
目の前に迫った右上がりに連なる木の枝の間を突っ切る。
ココン、ココン、ココン
触れ合った枝が鳴った。
そして──
ザバァァァァァッ
(ん? 何っ?)
不意に体ごと持ち上げられた感覚にアスカが足元へ目をやる。
それまで確かに踏んでいた土は遠ざかり、代わって鳥獣捕獲用の網の上でかろうじて立つ自分に気がついた。
グゥゥゥン
さらに上へと持ち上がる全身。バランスを崩したアスカが倒れる。
バサッ
「いっ…、痛いよ…、アスカ…」
アスカは、同じく網にすくわれたシンジの上へのしかかっていた。
下にうずくまるシンジの声で非常時を悟ったアスカが周囲を見渡す。
地面から3メートルほど上。両脇の巨木の枝を支点に伸びる縄から巾着状に吊るされた網の中。
瞬時に状況を理解したアスカは悔やんだ。
(あれは接近者を知らせる物じゃなく、捕獲可能領域に入ったら合図する装置だったんだわ…)
(何がマヌケな子供だまし、よ…。引っかかる私のほうがマヌケじゃないの…)
「惣流に碇、か。こんな時でも一緒とは、やっぱりお前らデキてるんだな」
枝の音と同時に全力で引き揚げた縄を木の幹へきつく結わえ終えた男子二人が、網の真下へ出てきた。

449 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:21:46 ID:???
「いい眺めだぜ。惣流、もう少し体を左にひねってくれよ。スカートの中が見えそうだ」
「きゃあっ!」
ワッハッハッハ、と大声で笑う二人の少年。アスカが怒りをあらわにした。
「あんたたち! どういうつもり! 下ろしなさいよ!」
「ダ〜メ」
舌を出しておどける男子にもう一人が続けた。
「俺たちにはまともな武器がねぇんだ。こいつは釣り道具、俺なんかでっかい網が入ってただけだぜ?」
「そんなの知ったこっちゃないわ!」
「お前らは何か持ってるだろ? あるなら、くれよ。そしたら助けてやる」
「助けてやるぅ〜? あんたたちがやったくせに、恩着せがましいこと言わないでくれるっ!」
「おぉ、おっかねぇ。碇、お前よくこんなのと付き合ってられるな。顔が可愛いだけで、他は最悪じゃん」
「つ…、付き合ってなんかないわよっ!」
アスカの顔は真っ赤である。
「よく言うぜ。今だってしっかり手を握ってるじゃねぇか」
逃げようと掴んだきり離していなかった手を慌ててほどくアスカ。
「まぁ、お前らがどういう関係か、なんてのはどうでもいいんだ。おとなしく武器さえくれりゃ、な」

450 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:22:44 ID:???
ようやくシンジが口を開いた。
「あ、あの…、ピストルだったらあるよ…」
「バカ! 何言ってんのよ、シンジ!」
「だって、このままじゃ弐号機にもたどり着けないじゃないか…。下ろしてもらうのが先だよ…」
(だったらそのピストルで網を破った方がいいじゃないの! ほんっと、バカ!)
とはいえ、不意に破れた網から転げ落ちたあと、シンジをかばいつつ二人を倒す自信はアスカにも無かった。
にんまりと口角を上げて、少年たちが顔を見合わせる。
「碇の方がよっぽど可愛げがあるぜ。惣流にも少し見習ってほしいな。カッカッカ」
ふたたび笑いつつ、一人が木の幹へ近づいた。
「じゃ、しぼった網の口を少し緩めるからよ。そこから手を出してピストルを下へ落とせ」
「うん…」
上に乗ったアスカをかわして体を動かし始めるシンジ。
「ちょ、ちょっと! シンジ! 痛いっ! 動かないでよ!」
網目へ押し付けられるはめになったアスカが、手をばたつかせて抵抗を試みる。
その時。
カチャ、という硬質な音が自分の太腿あたりから届いた。
(これ、って…? そうだわ…、もう一つあった…)

451 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:23:43 ID:???
空挺隊員が飛び出した輸送機より低空で、浅間山を遠巻きに旋回している戦自攻撃ヘリの操縦席。
「無線が通じなくなって長いな…」
「地上部隊の状況も分からない」
陣取る二人の表情には焦燥感がただよっていた。
「赤いのとでかいのも、敵…。それでいいんだよな?」
「命令に準じればそうだ…」
このやりとりに登場した『敵』が、エヴァ弐号機とジェットアローン三番機を示すのは言うまでもない。
「行くか?」
「気は進まんが…、仕方あるまい」
ブロロロォォォォォーッ
ヘリの鼻先がジェットアローンへと向いた。

「Bダナン型防壁、展開完了!」
相田が司令席へ向いて報告した。
「ご苦労」
答えたゲンドウの視線がカスパーに向く。
カスパー本体たる巨大なユニットが床からせり上がり、リツコとマヤがその内部へと消えていた。
同様に目を向けた冬月が願う。
(リツコ君…、今はキミが頼りだ。たのんだぞ)
誰もがリツコの頭脳に期待を寄せて状況を見守っていた時、オペレータの声が発令所内にこだました。
「衛星軌道上の鳥形使徒に動きあり!」
その報告で、最大望遠映像に注目が集まる。
オーロラにも似た光の帯が、先に現れた目の化け物へ注がれていた。
「攻撃しているのか?」
冬月の問いに、手元のパネルを操作した相田が応じた。
「いえ、光線に熱、その他のエネルギー反応なし! 我々が目にする可視波長の太陽光と同質なものです!」
「では、いったい使徒は何をしている…」
疑念が晴れぬうち、光を受けた橙色の使徒の挙動に変化が現れた。
両端から体の一部を切り離して球体を生じさせ、それをATフィールドの力で保持しているらしい。
「まさか…、地上へ落下させるつもりか!」

452 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:24:39 ID:???
遠ざかるカヲルは、やはり約束どおりにケンスケへ全く振り向こうとしない。
(死ぬな、渚カヲル…。お前の超人的な力は認めるが、相手は戦いのプロだ)
(複数いるとなれば不利は間違いない。せっかく救ったその命、無駄にしてくれるなよ…)
ケンスケは少女たちを追うべく、後ずさりする形でゆっくりと下へ足を進め始めた。

「おい、子供が一人向かってくるぞ」
「我々がいる事に気づいた、というのか」
「バカな…、ありえない…」
「銃を手にしているな…」
「先制攻撃、応戦、退却…。どうする?」
「先制は…、避けたい…」
「しかし」

結論の出ない七人とカヲル、双方の視界にはもはや完全に互いの姿が入っていた。
森に分け入って隊員たちの直下10メートルに至ったカヲルが、銃口をうちの一人へ定めて引き金を引く。
バン!
ブシュゥッ!
初弾は標的の頚動脈を貫いた。
「ぐぉっ…」
血を噴き出して崩れる仲間を目にして「今こそ訓練で培った能力を全開にする時」と総員が知る。
伏せていた体を上げ、残る六人が機銃の一斉射を開始した。
バババババッ! バババババババッ! バババッ! ババババッ! ババババッ! バババッ!

453 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:25:46 ID:???
ブロロロォォォォォーッ
「時田さん!」
「どうした」
「戦自攻撃ヘリ、三番機へ急速接近中!」
バババババババババババババッ!
カン! カン! カン! カン! カン! カン!
「機銃掃射を浴びせてきましたっ!」
「何だとっ!」
もちろん、ヘリに搭載された機銃程度ではジェットアローンの装甲が破られる事はない。
しかし、出動を要請しておきながら途中で協力を打ち切った挙句に攻撃される理由もない。
「どうしますか!」
「相手は戦自だ。何らかの手違い、という可能性もある…。応戦などできん」
「ですが」
バババババババババッ!
カン! カン! カン! カン!
旋回しながら何度も向かってくるヘリが敵意を持っているのは明白だった。
「時田さんっ!」
「ジェットアローンへの被害など些少なものだ。だが…、地上には子供がいる」
悲痛な叫びに応じた時田は冷静に状況を見極めていた。
(さっきの男女がエヴァンゲリオンのパイロットであるなら被害を及ぼすわけにはいかん…)
(いかにネルフ憎し、と言えども、あの子たちに罪はない)
(まして、エヴァンゲリオンに頼らず使徒を掃討しようにも三番機のみでは限界もあろう)
「流れ弾から中学生を守れ!」
命じながら時田は別の可能性も考えていた。
(流れ弾どころか、我々をも攻撃するくらいだ。彼らとて標的にされる危険がある)
「使徒殲滅以上に重要な作戦行動だ! しっかりたのむ!」
「了解!」

454 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:26:46 ID:???
網の中で腕を上へ伸ばそうとするシンジの傍らでアスカは、スカートのポケットへ手を差し入れた。
教室を出る際に難癖をつけて以来、一度も手に取ることの無かったカッターナイフがそこにはあった。
「シンジ…」
「ん? 何?」
「ゆっくり」
「え?」
「ゆっくり動いて」
「あ…、痛い? ゴメン。でも、早くピストルを渡さないと下りられないよ」
「いいから」
木の幹に寄った男も、網の真下にいるもう一人も、その目はシンジの動きを追っていた。
(いける…)
カチカチカチ
ポケットの中でアスカは刃を滑り出させた。
鳥獣用の捕獲網といっても、それほど強度のある物には見えなかった。
事実、アスカとシンジの二人を入れてたわむ様子は、ちょっとした負荷で破れそうでもある。
静かにカッターを取り出し、胸の前あたりにある網目の一つに刃先をかけた。

455 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:28:06 ID:???
力いっぱい横に動かせば、1センチ四方ほどの目を数十個まとめて裂けるはず──
緩んだ巾着の上部にピストルを差し上げるシンジをちらりと見て、アスカは息を飲んだ。
次の瞬間。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリッ!
「んっ?」
奇妙な音で視線が泳ぐ二人の男子。
切り裂いた面に全体重をかけたアスカが空中へ踊り出た。
「こんちくしょぉぉぉぉぉっ!」
飛び降りる風圧でスカートがはだけるのもお構いなし。
アスカは網の真下にいた少年の顔面へ、渾身の力で回し蹴りを繰り出した。
ボゴォッ!
「うっ…」
降って来た一撃で頚椎を瞬時にねじられ、男は膝から崩れると気を失った。まさに華麗なるノックアウト。
均衡を保っていた状態から一変、破断されたうえにアスカを失って大きく傾いた網からシンジが落下する。
「うわぁっ…」
バタッ
ぶざまな姿で地に伏したシンジはひとまず置いて、幹のそばに怯えて立つ少年へアスカが高らかに宣言した。
「私の勝ち、ね! あんたたちに付き合ってるほどヒマじゃないのよ!」
シンジの手を引き、立ち上がらせる。
「ほら、ちゃんと立って。ピストルをもう一度しっかり腰に差すの。まったく世話が焼けるんだから…」
ブロロロォォォォォーッ
バババババババババッ!
すぐ近くの空を舞うヘリと機銃の音に、アスカの顔つきが変わった。
(おいでなすったわね…)
「シンジ、行くわよ!」
「う、うん…」
立ち去る間際、その場へ残るしかない少年へアスカが告げた。
「ここ、危ないわよ。お友だちと一緒に逃げることね…。分かった? じゃ!」

456 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:29:32 ID:???
カキーン! カキーン! カキーン! カキーン!
カヲルが展開した『心の壁』は戦自隊員たちが放った銃弾をことごとく退けた。
「なっ…、なんだ、この少年は…」
「ひるむなっ! 撃てっ!」
バババババッ! バババババババッ! バババッ! バババババババババババッ! バババババッ! 
だが、何度やっても結果は同じだった。カヲルの体には傷一つつかない。
そして──
バババッ! ババババババッ! バババババッ! カチッ、カチッ、カチッ…
遂には六人ともが全弾を撃ち尽くす事態に陥ってしまったのだった。
どんどん接近してくるカヲルに誰もが身を震わせる中、一人がある事に気づく。
(まだ弾はある…)
最初に撃ち倒された隊員の銃からは一発も発射されていない。
ゆっくりと腰を下げて腕を伸ばす。その様子を見たカヲルが問う。
「何をしているんだい?」
「……」
「無駄、だと思うよ」

457 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:30:24 ID:???
遅れて気がついた他の五人も銃へ目をやる。
「逃げた方がいいと思うな。そうすれば、少しは長く生きられるはずだから」
年端も行かない子供から諭されているような状況に眉を寄せる六名。
「本当は人を殺したくはないんだ。自分の身や大切な存在を守るうえではその限りじゃないけどね」
「そう言うが、坊主」
ようやく一人が応じた。
「お前が先に我々の仲間を撃った。応戦せざるを得ない。分かるな?」
「ああ、分かるよ。それが古くからリリンの行動原理にもなっている。目には目を、歯には歯を」
カヲルは終始微笑んでいた。
「でも、それでは悪意の応酬が続いてしまうよ。どこかで断ち切らないといけない」
「自分に手を出すな、と言っているのか」
「そうじゃない。敵にも寛容であれ、と言ってるのさ。そうすれば、命を賭けた争いなんてなくなるだろ?」
「年少ながら立派な考えだ…。しかし、我々はお前を敵と見なす。なぜなら、仲間を殺したからだ」
「どうするんだい?」
「一命に代えてお前を討つ」
そう言った途端に落ちていたフル装填の機銃を拾い上げてカヲルへ向けた。
バババババババババババババババババババババババババババババババッ!

458 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/03(金) 20:32:01 ID:???
自らの肉体の一部を切り離した衛星軌道上の使徒へ注目するネルフ第一発令所の一同。
「あれを落とされたら凄まじい破壊力となるな…」
独り言に近い冬月の言葉を聞いたゲンドウが珍しく見解を返した。
「いや、そうはならんよ…」
「?」
モニタ上に捉えられた二体の使徒。依然として鳥型から目の化け物へ光線が注がれている。
「冬月…、使徒同士に組織的なつながりは認められない」
「知っている」
「死海文書は奴らの目的を人類滅亡と記しているが…、真実は往々にして隠蔽されるものだ」
「どういう事かね」
「使徒は、この世界に君臨している人類の別の可能性だった存在…」
「……」
「奴らは自らこそ真の覇者たらん、として攻め来ているのだよ」
「つまり…」
「そうだ。使徒同士もまた…、敵」

肉眼で確認できるほどはっきりとした相転移空間が橙色の使徒から発現する。
そして──
浮かんでいた球体が、光線源たる鳥形使徒に向けて高速で放たれた。
カキーン!
「ATフィールド!」
マヤが思わず口にした。
「とてもこじ開けられそうもないな…。なぜあんな無駄なことを…」
「おそらく」
ゲンドウが答える。
「鳥形から出ている光線によって混乱しているのだろう。自滅を招くつもりかもしれん」
「自滅?」
「ああ。人間も使徒も、その知恵で考えつく事など所詮同じようなものだよ」
そう言ってゲンドウは、ふたたびカスパーへと目を移した。

459 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 20:41:15 ID:???
バルタザール死ね

460 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 21:07:29 ID:???
ワクワクテカテカして待ってます。

461 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 21:14:37 ID:???
伏線をしっかりつむいでいけるとはやはりプロか?

462 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 21:53:37 ID:???
使徒同士も敵…まぁありえなくは無いか
これがバルちゃんクォリティー…

463 :446:2006/03/03(金) 22:09:46 ID:???
バルちゃんごめん。割り込んでしまった…。氏んでくる(´;ω;`)

464 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 22:21:31 ID:???
>>463
生`

465 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/03(金) 23:13:30 ID:???
なにこの良スレ。
続き、楽しみに待ってます。きゅん。
バルさん頑張って!!

466 :sage :2006/03/03(金) 23:38:51 ID:???
バルさん一つだけ
機銃は通常、戦闘機や車両に搭載されるのを指します
また歩兵がもつ機関銃の事を指しているのなら
あれは基本的に支援火器ですので分隊に1丁ぐらいの配備ですので、残る六人が機銃の一斉射を開始した。
はおかしいです、自動小銃又はアサルトライフルとしたほうが自然です

以前ケンスケと行動を友にしている女の子達が、小銃を〜と書かれてましたが
アサルトライフル=自動小銃(小銃)です
小銃は小さい銃の事ではありません

これだけクオリティ高いだけに細かいとこが気になりました



467 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 00:18:31 ID:???
アサルトライフルは分かる。
映画とかでSWATみたいなヤツとかゴルゴ13が使ってたやつ?だろ?違う?
けど、機関銃ってなに?どんなカタチなんだ?
機関銃はマシンガンだと思ってたけど、
マシンガンとアサルトライフルはカタチ違うの?同じもんだと思てた。
んで機銃とはさらになんだ。ガトリングガンみたいなやつなのか?

教えて>>466

468 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/04(土) 00:51:49 ID:???
【※ 本編とは関係ありません ※】
 こんばんは。バルタザールです。
 ご質問や励ましの言葉をいただいても全く答えようとせず、
 さぞ無愛想なヤツだと皆さんお考えの事と思います。申し訳ありません。
 物語の進行をさせた方が良いと思い、余計な事を書いてきませんでした。
 ですが、さすがに感謝の意を示さないワケにいかない、とノコノコ出てきた次第です。

 >>466
 ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。
 ミリタリーに関しては詳しい方が大勢いるので立ち入るべきではない、
 と本来考えていたのですが、ここまで続けてしまったため、
 付け焼刃程度の知識と感覚だけに頼って書いてしまっていました。
 今後も気になる点がございましたら、お教えください。
 誤字や誤変換の類は、後で読み返して自分でも頭を抱えていますので放置してくださいw

 どうにか終劇を迎え、その後に雑談スレ的展開となれば、
 その中へ普通に交ざらせてもらいたいな、と思っています。
 スレ汚し、失礼しました。

469 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 01:07:14 ID:???
バルサン

イイヨ!イイヨ!

470 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 01:10:32 ID:???
いいスレだなぁホント。
バルさん、本気で面白いです。
無理せず頑張ってください!

471 :466じゃないけど:2006/03/04(土) 01:17:46 ID:???
>>467
機関銃はマシンガンだわな。SWATが持ってんのはサブマシンガンだろ?
具体例だすと、

・機銃(機関銃)→M60 M249
・アサルトライフル→M16 89式 AK47
・小銃→モーゼルkar98k 38式
・サブマシンガン→MP5 UZI

・機銃(機関砲)→M61A1

機関砲と機関銃の違いは弾の口径の違い。


これでおk?



472 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 01:25:53 ID:???
>>466,>>467,>>471のおまいら、武器などに関して詳しすぎwww普通気付きにくいだろwwそこまで詳しいと、尊敬に値するな。


バルタザールさん、とってもおもすろいです!たま〜に荒しが来てるようですけど、気にしないで下さい!僕も華麗にスルーするようにしてます。続きを楽しみに待ってます☆

473 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 02:04:39 ID:???
そんなとこ気がつく方が少数だよw
バルさんいつも乙です

474 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 02:15:08 ID:???
抱いてください

475 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 02:21:34 ID:???
ここに来るヤシの9割はそんなミリタリー要素に詳しくないから、そこまでつっこむ必要も無いと思うが
とにかくバルちゃん乙よ。

>>474
3Pでもいいかい?(´・ω・`)

476 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 04:49:58 ID:???
ここで疑問。
バルたんとスレ主>>1は同一人物なのか?

477 :ロメオ ◆rHza36ec2U :2006/03/04(土) 06:07:51 ID:???
>>1じゃないと思うけどもしそうなら
宮村優子が出てくるんじゃない?
それを大オチに持ってきたりすると・・・

478 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 07:17:19 ID:???
銃関係にはうるさいオタクが多いから
出すならしっかり調べろと誰かが言ってたっけなぁ

479 :466:2006/03/04(土) 08:37:31 ID:???
>機関銃はマシンガンだと思ってたけど、
マシンガンとアサルトライフルはカタチ違うの?

機関銃=マシンガンはあってますが、アサルトライフルはマシンガンではありません
確かにアサルトライフル(自動小銃)も連射できますし
自動小銃を少し改良しマシンガンにしたやつもありますが
それぞれの目的が機関銃は支援火器
アサルトライフルはあくまで38式とかの進化系で歩兵が近接戦闘を行うためのものです
だから、形から似てないのが普通です
自衛隊の装備なら、89とミニミの形は全く似てません

>機銃とはさらになんだ。ガトリングガンみたいなやつなのか?
簡単には戦闘機や戦車に装備されてるやつで、取り外して使用する事のない機関銃
戦車の上に有るのは機関銃、戦車の主砲の同軸についてるのが機銃
現在ガトリングガン系は基本的に機銃、あんなもん人間が装備できないから

>機関砲と機関銃の違いは弾の口径の違い
20mm以上を機関砲と言うのが一般的です

長々と申し訳ないです


480 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 08:52:03 ID:???
>>471,>>479
わざわざ馬鹿な漏れにありがとう。
つまり人が持って戦闘に使うのが自動小銃(アサルトライフル)、支援火器で自動小銃よりでけぇのが機関銃、乗り物についてるさらにでかいのが機銃なんだな(アバウトすぎか?
自分でググれよと言わずに教えてくれた二人に感謝。

>バルさん
こちらこそスレよごしすまない。
俺のかわりにスレをもりあげてくれ。
場所は住人が知ってる。
もし再び会うことができたら、8年前に言えなかった言葉を言うよ…
ピー…

481 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 11:38:49 ID:???
このスレは俺の休日の半分を奪っていきましたよ

482 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 15:00:43 ID:???
たぶん、皆そうさ。

何この長編。バルたんクオリティ高杉。続きが楽しみ。

483 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 15:14:42 ID:???
ageてるバカどものおかげ?!で新参が増えてきたな…よろしくな兄弟達よ!
くれぐれもsage進行で頼む!
バルさん乙!

484 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 15:55:39 ID:???
ageてやるよ
バルタザール死ね

485 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 16:15:35 ID:???
sageてやるよ!

バルタザール乙

486 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 17:51:30 ID:???
バルちゃん乙!さて、続きを待つか。








…早く読みたいよ(´・ω・`)

487 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 19:32:42 ID:???
我らのキューティクル艶々ロン毛アイドル「青葉シゲル」をヤフー投票で
チャンピョンにしよう。貴方の一票がエヴァの歴史を塗り替える。 現在
堂々の1位、しかしアイドルはぶっちぎりでなければならない。
本スレ2号
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1141414193/l50
投票先
http://event.yahoo.co.jp/eva/kagi/chara/character_enq.html

投票者Aさんの意見
「ちょwwwwwww投票するするwwwwwww
青葉シゲルLCLになるとき、マヤちゃんとかリツコとか出てきてんのに
一人怯えながらプチってなったんだぜ?
そんな青葉シゲルにいれるしかないだろ 」

本当にお願いします!
ペンペンなんてそこそこ人気のあるキャラなんかに抜かれるわけにはいかんのです!


488 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 20:49:02 ID:???
バル氏の人気に嫉妬

489 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 20:57:31 ID:7EQxBUZy
疑問投稿OKのようなのでくだらないこと質問します
攻撃ヘリが巨大ロボットに機銃掃射するシーンがありますが戦闘用のヘリが
破壊する意図を持ち、なおかつ重装甲を持つ敵に対して攻撃するなら普通
空対地ミサイルを用いるのではないでしょうか?
また、一定区間内の敵を全て相当しろとの国家直属の命令があったら
収束拡散爆弾やナパーム、その世界で言えばN2爆弾などを投入してもおかしく
ないと思いますがあえて犠牲を伴う空挺部隊を投入するという設定にするの
は何かストーリー進行上重要な意味があることなのでしょうか?
くだらなくてスイマセン。毎日楽しみに呼んでますので頑張ってください

490 :466:2006/03/04(土) 21:44:36 ID:???
>>489
日本国内でのゲリコマなら普通は、歩兵を使って包囲圧迫し殲滅するのが普通です
もし貴方の街に北のゲリラが攻めて来たからと言って、いきなり気化爆弾で街ごと破壊されたら
北のゲリラより国や自衛隊を恨むでしょ?



バルさん頑張ってくれ


491 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 22:09:34 ID:???
おまいらここで輝くなと何度いっt(ry

492 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 22:13:38 ID:???
ageてやるよ
バルタザール死ね

493 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 22:17:35 ID:???
〃∩ ∧_∧
⊂⌒(  ・ω・)  はいはいロメオロメオ
 `ヽ_っ⌒/⌒

494 :ロメオ ◆rHza36ec2U :2006/03/04(土) 22:20:55 ID:???
なんでオレがwwwwwwwwwwwwwww
バルタザールさん頑張って下さい
オレも負けないように頑張ります

495 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/04(土) 22:47:09 ID:7EQxBUZy
490
う〜〜〜〜ん
確かに現代戦闘におけるゲリコマ掃討は包囲殲滅が常識だけど
普通に使徒相手にN2爆弾使ってるし劇場版に至ってはネルフ相手に使う
からあの世界の住人たちは気化爆弾なんか使うのもためらわないだろうし
間接的でもゼーレの命令だから手段を一切選ばないかなっと思ってました
wwwwwww

496 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 00:29:07 ID:???
ここを偶然覗いてしまい、
熱中しすぎて宿題が終わらない件について

497 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 01:08:48 ID:???
そろそろテスト勉強しようと7時に思いこのスレを見終わったらこの時間になっていた件について。

ウワアァアァアアアァアアア

498 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 08:17:11 ID:???
492:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2006/03/04(土) 22:13:38 ID:???

494:ロメオ◆rHza36ec2U :2006/03/04(土) 22:20:55 ID:???




なんてわかりやすい…

499 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 09:56:13 ID:???
後期試験の勉強しようと思いこのスレ見てたら朝になった件について

500 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 11:07:14 ID:???
>>499なぜ勉強しようとしてこのスレ開くのかと小一時間(ry

501 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 11:27:17 ID:???
ロメオってキモイよね?

502 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 11:28:41 ID:???
謝罪しないといけないね(´・ω・`)

503 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 11:30:11 ID:???
そして恒例のバルタザール死ね

504 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 11:31:28 ID:???
最近板の流れがおかしい気がする
本当に悩ましい

505 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 12:42:53 ID:???
悩ましくて良いじゃないか

506 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 13:51:21 ID:???
無駄レスでスレを埋めるのはどうかと思う

507 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 18:09:01 ID:???
>>498
全くだなwwワロスwww
ロメオ自演乙

508 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 18:33:15 ID:???
>>506はどうかと思う

509 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 18:36:26 ID:???
>>498の自作自演問題を見抜けない漏れについて。

どこから真性の自演と判断できるのか、知恵を(ry

510 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 19:42:34 ID:???
時間が近いからじゃん?
そしてバルタザール死ね

511 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 22:35:37 ID:???
ロメオwwwミグルシス

512 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 23:11:12 ID:???
バルさんガンガレ!

513 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/05(日) 23:21:34 ID:???
バルサンガンガレ

514 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 01:10:33 ID:???
昼に見つけて今やっと読み終わった…とにかくバルたん乙!
漏れも昔SS書いてたんだけど、あんまり長く書かないと続き書くやる気がなくなってくるから気をつけて

515 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 06:58:07 ID:???
バルたんまだかな?

516 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 13:31:08 ID:???
バルガンガレ!

517 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 17:19:57 ID:???
>>494
オマイなんで言われてるかわかんないの?www
自分の胸に手を当てて聞いてごらん?www
言っとくけどオマイエヴァ板で最も嫌われてるコテハンの一つだよ?www
今までオマイろくなスレ立てなかっただろ?www

518 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 17:51:55 ID:???
ロメオめ
おとなしく自分のスレに
ネタだけ投下すればいいものを…

519 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 18:04:07 ID:???
荒らしはスルーしろと何度言えばわかる!勝手にやらしておけばいいじゃん!

バルちゃんを気長に待つべし!

520 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 18:12:56 ID:???
>>519 がイイ事言った!禿同

521 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:29:23 ID:???
眼前の少年を亡き者にすべく、決死の覚悟で絞った引き金。
しかし飛び出た銃弾は、光を伴って現れた多角形の幕によって全て防がれた。
その幾何学的な壁こそ、戦自隊員六名がこの世で見る最後の光景となる。
ヒジを折ったカヲルが、生じていた光の一部を払うように腕を振るった。
シャキィィィーン! ブシュゥゥゥッ!
腕の動きに沿ってえぐられた壁は鋭利な刃となって居並ぶ男たちへと伸び、その首を瞬時に斬り飛ばした。
ズサズサズサッ、ズサッ、ズサズサッ…
大きく後方へ跳ねた六つの頭が地に着く音から遅れること三秒。
主を失ってなお、どうにか立っていた体も次々と崩れた。
ドサドサドサドサッ、ドサドサッ…
悲しみと戸惑いの表情を浮かべながら、物言わぬ肉塊となった敵を見下ろすカヲル。
(争いを好まぬ勇者がいる一方で、死を怖れず戦いに身を投じるリリンもいる…)
(ゼーレが言うほど単純な存在ではないようだね…)
ケンスケを追うべく、カヲルの足が山道の方へと向き直った。

じりじりと後ずさっていたケンスケは、連続して聞こえた発砲音に覚悟を決めた。
(いくら奴が超人的でも、至近距離から撃たれては助かるはずもない…)
(『借り』ができたにしても…、こんな返し方はされたくなかった…)
ほんの数十分前、互いに敵として対峙したカヲルへ思いを馳せ、涙ぐむケンスケ。
(お前の思い…、たしかに受け取ったからな)
(無駄にはしないさ。女の子たちを守り、必ず生き残ってやる!)

カスパー内部、数多く貼られたメモを参考に作業を進めるマヤの隣で、リツコは確信を新たにしていた。
(ありがとう、母さん。必ず間にあうわ…)
ノートPCのキーボード上で絶え間なく指が動く。使徒に自滅を促すプログラムの完成は近い。

522 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:30:23 ID:???
「機銃ではラチがあかん。ミサイルをぶちこもう」
「……、後戻りできなくなるぞ…」
「出動した以上は進退を自分で決めるなんて無理さ…」
「そうだな…」
抗戦してこない敵を前にした軍人が示すであろう類と異なり、ヘリ機内の二人の表情は暗かった。
しかし、その指はミサイルの発射レバーへかかる。
ブロロロォォォーッ
急速旋回を行い、ジェットアローンをみたび正面に据えた。
「目標、正面。巨大ロボット胴体部に照準ロック!」
ピピピピピ、ピーッ
「ロック完了」
「発射!」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ

「ミ…、ミサイ…」
操縦担当者が声を上げる間もなく、排煙の航跡を引く初弾がジェットアローン三番機に命中した。
ドグヮァァァァァン!
「うわぁっ!」
モニタ映像の乱れに、時田が状況をたずねる。
「被害は!」
「軽微! なれど胸部装甲に亀裂発生! 機能中枢は健在ながら、同箇所への連続被弾は危険です!」
「まだ来るか?」
「おそらく…」

523 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:31:18 ID:???
「なんというロボットだ…、ミサイル喰らって傷一つ、とは…」
「続けて第二射、用意。照準ロック!」
「ロック完了、発射!」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ

「来たっ!」
「左腕で受けろ!」
「はいっ!」
グゥィィィッ!
ヒジから先を失った左腕が、初弾と同じ箇所を狙って飛来するミサイルの針路を塞ぐ。
ドグヮァァァン!
ヒュゥゥゥ…、ガシャン! ガラガラッ、ガチャン、ズシーン…
内部が露呈するほどに剛性を削られていたため、この一撃が左腕に引導を渡した。
「左腕、肩部より脱落、完全に損壊! 破砕片の推定落下範囲、半径40メートル!」
「周囲は無人か!」
「とてもそこまでは確認できません!」
「敵の搭載ミサイル数は?」
時田が初めて戦自を『敵』と呼んだ。
「残り二発の模様!」
「よし…。三番機、地表に直立。周囲における人員の有無を確認、存在した場合は安全を確保」
「はい!」
「なお、敵が次のミサイルを発射すれば、応戦を今作戦の第二義とする!」
「了解!」
ギィィィ、ドシィィン…
クモ型使徒の上で前屈み気味の姿勢にあったジェットアローンが地表へ降り立った。

「う、動いたぞ…」
「腕を吹っ飛ばしたうえ、武器もなさそうだ。怖るるに足らん。攻撃続行!」
「ネルフの赤いのは、いいのか…?」
「空挺に遅れて戦車大隊も投入される、と聞いた。きっと厚木や入間の航空からも援軍が来る」
そうか…、と応じた顔は土気色となっていた。
「第三射、用意!」

524 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:32:43 ID:???
校舎内の特設管理ルームではミサトが携帯無線機を手にしていた。
「あれ…? おかしいわね。通じないみたい」
日向が即座に自分の物を差し出す。
「お使いください」
「ありがと♪」
そろそろアスカとシンジが弐号機へたどり着いていても良さそうな時間である。
状況を確かめるべく通信を試みるのだが、やはりつながらない。
「ダメね…。どういうことかしら」
これまでとは異なる強烈な爆発音を耳にして立ち上がっていた加持が答える。
「妨害電波が出ているんだろう」
「誰から、よ」
「おそらくは、使徒…。技術的には戦自も可能だが、自軍の連絡系統まで犠牲にするほど愚かじゃない」
「使徒? 大グモの活動が停止したのは見届けたわよ」
「他の使徒、さ。複数の使徒がここを目指しているはずだからね」
「他に…、来ている…」
上空を見る角度だったレイの首がミサトへ向けられる。
「いるわ」
「どこに?」
「空」

525 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:33:31 ID:???
第一発令所の相田が叫んだ。
「鳥型使徒による光線、増幅!」
目玉の権化たる使徒は、先刻より混乱の度を増しているようだった。
次々と体の一部を切り離しては、鳥型へと放ち続ける。
そして遂には、球体を保持するために用いていたATフィールドを自傷する向きへ変えるに至った。
ビシュッ! ビシュッ!
自身を切り刻むように躍る姿は、狂気による支配を思わせた。
「碇…、あの光は…」
「ああ。相手の思考へ立ち入り、精神を侵食する働きがあるようだ」
「一つは片付くかもしれん。だが、このままではあの光の鳥が残るぞ」
「成層圏の敵に対してエヴァは有効な攻撃手段を持たん」
「どうする…?」
冬月の問いにも、無言を貫くゲンドウだった。

526 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:34:24 ID:???
「いかん! アメリカ第一支部も爆発したようだ」
「中国もさきほど連絡を絶った…」
「残るはドイツのみ、か…」
「ネルフ支部は我々の目であり、手」
「ジオフロントだけが健在なら、むしろ劣勢となったのでは?」
「いや、まだ大丈夫だ。参、四号機、シリーズもある」
思い思いの言葉を受けたキールが継いだ。
「南極に派遣した国連艦隊からは既に日本近海まで搬送済み、との知らせが届いている…」
何を、と問うメンバーはいない。
「渚カヲルを急がせよう。国連軍へのエヴァの配置変更通知も必要だろう」

ブォォォン…
カヲルの周りをモノリスが取り囲んだ。
「首尾はどうなっている」
「いい加減にじらすのはやめたまえ」
「時は来たのだ」
足を止めたカヲルが応じた。
「与えられた使命なら進めているよ」
「遅い! もはや猶予ならん!」
焦るメンバーの口ぶりに、カヲルが怪訝な表情を見せる。
「あなたたちもリリン…。なのに、なぜ滅びを望むんだい?」
「今さら何を言っているのかね! キミはただ我々の指示どおりに動けばよい!」
次いでキールが告げる。
「未だ現れておらぬ使徒を呼び出すのだ。一刻も早く」
ブォォォン…

527 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:35:15 ID:???
クモ型使徒の停止。山の方角へ大挙して降下したパラシュート。
トウジは山道へ入ったばかりの地点で逡巡していた。
(このまま登ってええんやろか…? ヤバそうなんが、ぎょうさん来たみたいやしな…)
ヒカリの存在が迷いの振幅をいっそう大きくする。
(ワイ一人なら、どうとでもなる。そやけど、委員長を危ない目にあわすワケにはいかん…)
「鈴原クン…」
立ち尽くすトウジを見かねてヒカリが声をかけた。
「いいのよ…。鈴原クンが思う通りにして」
「……」
「大丈夫。鈴原クンがいれば…、私、怖くない。どうなっても後悔しないよ…」
それでもトウジは思い切れない。
(そない言われても…、ワイは委員長を守るためにおるんや…)
そこへ──
ザッザッザッザッ
山道の上から同じ制服を着た二人の女子が駆け下りてきた。両手に銃を持っている。
トウジはヒカリを隠すように前へ立つと、背負っていた機関銃を腕へと移した。

涙をこらえて懸命に走る二人の少女の視界にも前方のペアが入った。
(あれは…、鈴原クンと洞木さん?)
(大きな銃を持ってる…)
その様相を目にし、靴裏でしっかり大地を噛むと土煙を上げて前進を止めた。
距離にして10メートル弱。
決して仲の悪い間柄ではない。しかし、互いが武器を手にしている状況ではおいそれと近寄れない。
沈黙を破ったのはトウジだった。
「すまんなぁ…。銃を持ってる以上、こっちに来てもらうわけにいかんのや…」
トウジは両腕で機関銃を構え、銃口を二人へ向けていた。

528 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:36:05 ID:???
友人を殺され、その犯人の死を見届け、ケンスケと別れてきたばかりの一人が話しかける。
「待って、鈴原クン…。私たち、撃つ気なんかないよ…」
その声はかすかに震えていた。トウジが返す。
「ワイもそう思いたい…。でも、素直に信じられんようになってしもた…」
少女たちへ向いたトウジの口元は歪み、目からは今にも涙がこぼれそうである。
「上にね…、上に相田クンがいるの。もうすぐ下りてくると思う…」
「ケンスケが…? ケンスケがおるんか?」
「うん。もう一人…、一緒に来るかもしれないけど…」
「もう一人? 誰や」
親友との再会が近い、と聞いたトウジの口調には本来の明るさが戻りつつあった。
しかし、女子の返答によって再び暗くなる。
「渚…、カヲル…」
「何やて!」
最も会いたい人物と最も避けたい人物が連れ立って現れる可能性がある──
「なんでまたケンスケと渚カヲルが一緒におるんや…?」
「話すと長くなる…。それに…、あまり話したくない…」
(ワイらと同じように、つらい事があったんやな…)
トウジはあえて聞き出そうとはしなかった。
「分かった。ほんなら言わんでええ…」
「上から兵隊みたいなのも来てるはずなの。そっち…、行っていい?」
「ああ。こんなモン構えて悪かったな…」
機関銃を下ろしてうなずいたトウジの元へ二人が駆け寄った。
「ありがとう…。信じてくれて」
泣き出す女子の肩へ手をかけたトウジの頬にも一筋の涙が伝っていた。
「礼を言うんはワイの方や…。ワイかて、誰かを信じたかった…」

529 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:36:59 ID:???
エヴァ弐号機のそばにテントを張って臨時の作戦部を整えた部員たちもミサトへの連絡を試みていた。
「ダメですね。通じません」
「どうした事だ…」
その時、「ほら! もうちょっとなんだから!」という甲高い声が各員の耳へ届いた。
声のした方向へ一斉に顔が向く。
そこには、シンジの手を引いて走ってくるアスカの姿があった。
「セカンドチルドレン!」
おーい、ここだぁ!と皆が手を振る。
にっこりと微笑んだアスカは、握っていたシンジの手を離して素早く駆け寄った。
「すぐ乗れる?」
「もちろんだよ」
「ミサトは?」
「やはりキミたちも会っていないのか…」
随伴していたヘリが先行して飛び去ったのは知っていても連絡がつかない。
指揮をとるはずの作戦部長を欠いて表情が曇る部員たち。
「なに辛気臭い顔してんの? ミサトがいなくたってどうにかなるわよ。私と弐号機がいるんだから!」
息を切らしながらやっとシンジがテントに到着した。

530 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:37:55 ID:???
「ひどいよ、アスカ…。ハァハァ…、さっきまで引っ張ってくれてたのに…、ハァ…」
「サードチルドレンも一緒だったのか!」
「え? はい…」
「出発時点で初号機は本部にあった。ここへ向かうかどうかも聞いていないんだ」
アスカが口を挟む。
「テストタイプが来たってしょうがないじゃん。実戦用の弐号機さえあればじゅうぶんだわ」
「だが、せっかく彼も揃っているのに」
「いいの。私とシンジ、二人で乗るから」
「その手があった…。海中戦闘ではシンクロ率の記録を更新したんだったね」
アスカがむくれる。
「どうしても二人で乗ったおかげ、にしたいのね…。シンジがいなくたって更新してたわよ!」
激しい自己主張に、はいはい、と苦笑いを浮かべつつ、プラグスーツとヘッドセットを手渡す。
「キミも着替えないと。ほら」
シンジにもスペアの赤いスーツを授ける。
「また、これを着るなんてな…」
「何よ! 文句あるわけ? このアスカ様が着用したはずのスーツよ。ちったぁ嬉しそうにしたら!」
「嬉しくないのに、そんなフリできないよ…」
「まぁ!」
抑えて抑えて、と二人をどうにか引き離した部員が促す。
「悪いけど、更衣室なんて無いから…、そこの木陰で着替えてくれるかな」
「えぇぇぇぇぇっ! ほとんど丸見えじゃない!」
森の中とはいえ、やや開けた場所に陣を構えているため、周囲の木の密度はまばらである。
「プライバシーには配慮するよ」
「仕方ない、か…。シンジ、あんたは後。私が着替え終わるまで、じっと待ってるの。いい?」
「分かってるよ…」
「見たら…、殺すわよ」
じっとりとした視線を送ったアスカが木の陰へ消え入った。

531 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:38:52 ID:???
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ
ドグヮァァァァァン!
「三度目の被弾! 左脇装甲、半壊!」
時田は決断した。
「まずは地表にカメラを向けろ!」
「はい!」
上体を屈めたジェットアローン三番機が、三六〇度くまなく捜索し始める。
(我々は人的被害を出すわけにいかんのだ…)
しかし、時田の思いはむなしく打ち砕かれてしまう。
「時田さん…。破砕した左腕の一部を発見…」
勢いのない言葉じりを気にしながらモニタを見た時田の目が巨大な鉄塊を捉えた。
その下に、人がいた。
口から血を流して動かない、中学生らしい少年の上半身。
(な…、なんという事だ…)
自ら攻撃したのでないにせよ、ジェットアローンを構成していた物体の下敷きとなって絶命した人間──
その現場へ這って近づく別の少年も映し出された。
自身も頭を強打したのか、しきりに首をさすりつつ、必死で上に乗った金属を取り除こうとしている。
(先ほどの男女以外にもやはり子供がいた…)
(そして…、最悪の事態が起きてしまった…)
後悔と怒りが心中に渦巻く。
(おのれ、戦自め…。国民を守るはずの貴様らが奪った命…、どう償うというのだ!)
(許さんぞ…)
二番機、三番機の同時展開を決断した際の野心家の心情に加えて、今の時田には義侠心まで宿っていた。
「敵は三発目を撃った。応戦する! 地上の少年からできるだけ遠ざかり、ヘリを撃破!」
「りょ…、了解…」
「ジェットアローンの力は人々のために役立ててこそ、だ! 罪のない子供まで巻き込む敵を許すな!」
「は、はいっ!」

532 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:40:03 ID:???
「衛星軌道上の使徒、自身への攻撃を続行中!」
既に両端の目に似た部分は大きく損傷し、胴体中央も不自然によじれている。
それからほどなく。
光線を止めた鳥型使徒が、自らのATフィールドを放った。トドメ、である。
ビュシャァッ! ビュシャァッ! ビュシャァッ!
橙色の巨体が木端微塵に刻まれ、次々に大気圏へ突入しては燃えつき始めた。
「あの光の鳥、厄介だな…」
冬月の言にようやくゲンドウが返す。
「零号機を使う」
「…、どういう事かね」
立ち上がったゲンドウが相田へ指示を出した。
「空輸待機中のエヴァ零号機目的地を、紀伊半島沖巡航中の国連軍空母へ変更!」
「了解」
たずねる冬月。
「国連軍空母、だと?」
「ああ。ゼーレの行動表によると現在は紀伊半島沖にあるはずだ」
「何があるんだ」
「ロンギヌスの槍、だよ」
「ロ…、ロンギヌスの槍…」
アダムのデストルドー反応を停止させうる唯一の存在。
それが今、日本に向かっている、という。
「零号機で何をする…」
「鳥型使徒の殲滅、だ」
(一体を倒すために槍を使うのか? アダムが手元に無い以上、切り札ともいえる存在だぞ…)
(それに、みすみす槍を奪われるほどゼーレが思慮浅いとも思えん…)
慌ただしく思いを巡らせていた冬月の耳へ相田の叫びが届く。
「ドイツ支部との通信回線、消滅! 使徒による各支部への攻撃が終了した模様!」
相田が体ごと司令席へ向き直った。
「来ます!」

533 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:41:10 ID:???
そのやりとりを聞いていたカスパー内部のリツコがマヤに確認する。
「どう?」
「ギリギリ、ですね…」

「来ましたっ! カスパーへのハッキングが再開されました!」
シンクロコードの変更とBダナン型防壁にも関わらず、そのスピードは以前より遥かに速い。
相田が唇を噛む。
(各MAGIとのせめぎ合いの中で更なる進化を遂げたか…)
みるみるカスパー全域へと迫る。機械音声が鳴った。
“自律自爆まで、あと10秒、9、8、7、6…”
「いかん…」
冬月以下、総員が床からせり上がったカスパー本体へ目を向ける。
「赤木博士っ!」
叫んだ相田へリツコが大声で返した。
「大丈夫! 1秒程度の余裕があります!」
「1秒…」
“3、2…”
「マヤ、押して!」
「はい!」
ピッ
指示と同時にリツコも抱える端末のキーを押し込んだ。
ピッ
“1…”

数秒の沈黙。のち──
シュルルルルゥィィィン!
メインモニタ上にただ一つ残ったカスパー最後の牙城たる領域から、正常を示す水色が一気に広がる。
バルタザール、メルキオールの両方が瞬時に平時へ戻った。
そして再度の機械音声。
“人工知能による自律自爆決議は破棄されました”

534 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/06(月) 18:42:06 ID:???
プリブノーボックスや実験棟を埋め尽くした電子回路状の光学模様が次々に消滅していく。
「やったぁーっ!」
第一発令所に歓喜が訪れた。
固唾を飲んでいた相田が席を立ち、這い出てきたリツコへ握手を求める。
「赤木博士、ありがとうございました…」
だが、リツコは差し出された手へ自らの手を重ねようとしない。
「ここで握手を交わすとあなたの決意が鈍るでしょう…。決して私を許さないはずの心…」
融和的なムードを敢えて閉ざすリツコ。
(なぜ…? 彼女は死を望んでいるのか?)
呆然と立つ相田およびリツコとマヤへゲンドウが次なる指令を下した。
「零号機で国連軍空母搭載物を収奪、ならびに、未起動初号機を浅間山へ空輸!」

作戦部員とミサトの間では、ようやく無線連絡がつながっていた。
「セカンド、サード両チルドレンを確保。現在搭乗準備中」
「ありがとう。指示は追って無線で出します」
「葛城一尉は今どちらに?」
「選抜戦闘の中継基地だった学校よ。レイもいるわ」
そこへ、屋上へ出ていた加持が戻ってきた。
「戦自のヘリがジェットアローンを攻撃している…」
「何ですって!」
誰が味方で誰が敵か、まったく分からない混沌とした状況に拍車がかかる。
(戦自はシンジ君たちを狙ってたんじゃないの?)
(もしかして…、自軍以外は全て敵、ってこと…?)

時田が号令を出した。
「四発目は撃たせるな!」
「はい!」
「三番機には腕がない…。北東へ200メートル移動の後、キックで叩き落せ!」

535 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 19:09:04 ID:???
いよいよエヴァも参戦か!バルちゃん乙です!
てか時田カッコイイ(・∀・)

536 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 19:39:11 ID:???
今日もまたまたGJですな。

537 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 19:42:26 ID:???
そ、そうか…!
わかったぞ…!
バトルロワイヤルはクラスメイトの戦いじゃなかったんだっ!
これはネルフ、戦自、JAでのバトルロワイヤルだったんdうわおまえはだれだ何をすrくぁwそdrftgyふじこlp;@

538 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 19:48:20 ID:???
なかなか渋い解釈↑ バルさん乙♪

539 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 19:56:59 ID:???
削除依頼出してきますた

540 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 20:18:10 ID:???
>539
どこまで必死なんだよwwwイタいからもうやめとけ

541 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 21:44:44 ID:???
>>540
あえてここは改心して自分のレスを削除依頼した説を推したい

542 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 22:15:49 ID:???
おまいら!



荒しは華麗にスルーしよ〜ぜ!そう、華麗にだぞ!

543 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 02:08:09 ID:???
使徒同士も敵なはずなのに、カヲルは使徒を呼べるのか?


スマン、野暮なツッコミだな。
バルちゃんGJよ

544 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 10:49:57 ID:???
時田カッコヨスw
今までショボイイメージだったのにトウジとかケンスケとかどんどん可能性が広がる…

これからもがんばって〜

545 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 11:33:09 ID:???
おもしろいからクヤシイ

546 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 15:59:38 ID:???
つまんないから優越感

547 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 16:38:04 ID:???
スルッとスルーする

548 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 17:21:05 ID:???
はいはいツマンナスツマンナス

549 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 17:22:59 ID:???
それ言ったらスルーになってないって
もっと華麗に、蝶のようにスルーしろ!!

550 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 17:36:08 ID:???
はいはい蝶の如く蝶の如く
ageeeeeeeeeeeeEEEEEEEEEEEEE

551 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 17:49:01 ID:???
サゲサゲサゲサゲ

552 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 18:04:51 ID:???
住人増えてきたな〜。
これはバルちゃんのqualityがいかに高いか証明してるってことでおk?

さて、そろそろバルちゃん来るかな〜?

553 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 21:53:43 ID:???
>>552
バルタザール信者乙

554 :バルタザール:2006/03/07(火) 22:32:31 ID:???
実はここまでの全部私の自作自演です。
本当にどうも有難うございました。

555 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 22:49:03 ID:???
もっとくやしく

556 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 23:12:36 ID:???
>>554
笑えない。マジで消えろ。久々に2chで怒りを覚えた。

バルちゃん、一生懸命書いてるんだよ。真面目にやってる人を侮辱して何が楽しい?つまらないと思うなら見なければいいだけの事だろ?

荒らしのやつらの人間性を疑う。

557 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 23:16:12 ID:???
>>556
煽ってるwwwww

558 :100までsageろ!!:2006/03/07(火) 23:37:09 ID:???
sage@sage@sage@sage
sageサゲサゲサゲsage
sageサゲサゲサゲsage
sage@sage@sage@sage


559 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 23:43:44 ID:???
>>556おまいの気持ちはよく分かる。僕自信もそう思った。でも、やっぱりスルーしよう。

どうせ、掲示板で荒らしてる奴は、自分の部屋から一歩出たら他人とも喋れない暗い人間ばかりだろ。

外の世界での溜ったうっぷんを、2ちゃんねるで晴らす。それが日課なんじゃない?

荒しをするって事は、誰かと関わりたい人達。要するに友達がいないんだろう。

まあ、一般人からしてみれば可哀想な人達だね。そんな社会からの落ちこぼれヲタニートを相手になんかする必要は無いよ。

荒しは確かにムカツクが、そういったヲタニートがいる限り、無くならないだろう。

だから、全て華麗にスルーしよう!ここの作者にも迷惑をかけないようにさ。


長文&スレ汚しスマソ。

560 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 23:46:02 ID:???
>>558頑張ってsageようとしてるおまいに、感動した。それと共にワロタwww


561 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 00:44:59 ID:???
ま、荒しはスルーする方向で。
シカトぶっこぐってヤツですよ(ぇー

562 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 01:30:24 ID:???
そそwバカはほっとくに限る!
しっかし本当にバカだとおもた...


563 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 04:14:54 ID:???
作者は淡々とやっているのにほかの住民が馬鹿すぎてw
はたから見てると儲なのか嵐なのか区別つかないよwww
君子は静観するに限る。で、連載が終わったら長文でベタ褒め、これ通のやり方

564 :556:2006/03/08(水) 09:23:18 ID:???
>>559-563
本当にすまん、マジで頭にきたもんで…。確かに藻前らの言うとおりだ。これからはちゃんとスルーするよ。

スレ汚し、本当に申し訳ない○| ̄|_

565 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 09:41:32 ID:???
このスレはロメオと違って自演じゃないよな?

566 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 10:01:20 ID:???
2chで聞いてどうするんだ。
自演だろうが自演でなかろうが、話が面白ければ問題ない。

567 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 12:34:03 ID:???
なんだこのスレ
( ´Д`)キモッ

568 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 14:17:40 ID:???
>>559
つまりオマイって事だろ?

569 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 14:19:53 ID:???
>>556
じゃあオマイは一生懸命書いてる他の職人達を一回も叩いた事が無いのか、
と問いたい

570 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 14:26:24 ID:???
>>569
一度もない

571 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 14:28:40 ID:???
>>570華麗にスルー汁

572 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:50:44 ID:???
国連軍の輸送機編隊が間もなく日本の領空へ差しかかろうとしていた。
それぞれにはエヴァンゲリオン参号機、四号機、そして白いエヴァシリーズの巨躯が吊るされている。
「はい、了解しました。では、仰せのとおりに」
指示を受けた隊長が無線を通じて各機へ連絡する。
「各機、これより配置変更の旨を告ぐ」
浅間山麓へ全機集結、という本来の作戦が破棄されたのである。
「参号、四号を担当する機は当初目的地への航行を続けよ。シリーズ担当機は紀伊半島沖海上へ!」
「Roger!」

「護衛? 国連空軍が、か?」
「空軍、というより…、自律制御型のエヴァンゲリオンが回ってくるようです」
ロンギヌスの槍が何であるかを理解していない空母の艦長は、大げさに肩をすくめた。
「やれやれ…、正気とは思えん。こんな物を守ったところで、いったい何になるというんだ」
甲板の全長を用いて運搬される、無闇に長い物体を見下ろして吐き捨てる。
「つい先だっても、使徒とかいうバケモノとエヴァンゲリオンのせいで太平洋艦隊の三分の一を失った」
大破を経て再就役にこぎつけた空母オーバーザレインボーを預かる身として、出るのは愚痴ばかり。
「あのオモチャに関わるとロクな事にならん!」
「それなんですが…、あの長物を狙う別のエヴァンゲリオンを想定しているらしく…」
「子供のオモチャの取り合いに巻き込まれるわけか…」
チッ!
聞こえよがしの舌打ちに、艦橋の緊張が高まる。

573 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:52:03 ID:???
「一切の反応が返ってこない…」
頂上付近から下山中の戦自部隊の班では、先行している友軍と連絡がつかない事態を憂慮していた。
「通信は回復したんだろ? それなのに、応答が無いのか?」
「ああ。さっきから試しているが、呼び出しに応えない」
「まさか…、敵襲を喰らって壊滅…」
「バカな…、我々を凌駕する兵力が敵にある、と言うのか?」
「分からん。とにかく、他の班と合流して下へ急ぐとしよう」

ガシン、ガシン、ガシン、ガシン
使徒の上から降りて地表の少年たちから遠ざかったジェットアローン三番機。
旋回するヘリの位置を確認する。
「敵は最後のミサイルで装甲の欠けた胸部か左脇を狙うはずだ。そこを晒すように構えろ!」
時田が下した指示の意図は操縦担当者にも伝わったが、危険な駆けでもある。
「被害がリアクターに及ぶ可能性もあります!」
核反応を動力源とするジェットアローンの心臓部。
その損壊は、三番機の活動停止という一次的な影響にとどまらない。
「承知している。そうならぬよう、必ず撃滅するんだ!」
「りょ、了解っ!」
「来るぞ!」
モニタ上に、正面から接近するヘリが映った。

ネルフ本部に連絡を入れるミサト。
「零号機と初号機の状況は?」
マヤが出る、と考えていたが応じたのはリツコだった。
「零号機はダミープラグで紀伊半島沖へ出動、初号機はそちらへ向かっているわ」
「あんた…、なんでそこにいるのよ…」
「使徒の侵入を食い止めるため、碇司令の命で現場へ復帰する事になったの」
(いくら使徒の撃退が目的とはいえ、リツコを呼び戻すなんて…)
(納得できない…、したくない…)

574 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:53:03 ID:???
無言でいるミサトへリツコが問いかけた。
「葛城一尉こそ弐号機と離れているようだけど、何をしているのかしら」
無線機から漏れ聞こえた内容に、そばで立つ加持が大きく首を振って見せた。ミサトがうなずく。
(分かってるわよ。加持といる事を知られるわけにいかない…)
だが、リツコは見通していた。
「黙ってても無駄よ。加持クンと一緒、でしょう」
「……」
「悪いことは言わないわ。彼と行動を共にするのは危険よ」
「あんたに言われたくないわね…」
「どういう意味?」
「子供たちを殺そうとしたあんたなんかに心配してもらいたくない、ってことよ」
「この会話…、司令や副司令に筒抜けなのが分かって言っているんでしょうね」
「ええ…」
生じた短い沈黙を利してゲンドウが割って入る。
「葛城一尉。加持が持つアダムを奪回してもらいたい。これは命令だ」
「お言葉ですが…、承服できかねます」
ゲンドウが、フフッ、と息を漏らした。
「そうか…。では、せめて戦闘指揮で大いに腕を振るってくれたまえ」

トウジは山道から一歩とて動く気配を見せなかった。
(兵隊が来るかもしれん。そやけど…、ケンスケを待ちたい)
ヒカリも二人の少女も、トウジに移動を促そうとしない。
たとえ凶暴な敵が現れようとも「それが運命」と、十四歳の身をして達観せしめていたのである。
そして遂に、まぎれもなく近づいてくる足音がトウジの耳へ届く。

575 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:54:01 ID:???
赤いプラグスーツに身を包んだアスカとシンジがエントリープラグへ収まる。
「もうドイツ語で考えろ、なんてムチャは言わないわ」
「あの時は…、ゴメン。でも、アスカに言われて覚えた言葉もあるんだ…」
「何?」
「グーテンモルゲン…」
「はぁ? あんたバカァ? エヴァに挨拶してどうすんの」
「それもそうだけど…」
「ないアタマを使わなくたっていいわよ。思考言語、日本語をベーシックに」
ブシュォォォン
「エヴァンゲリオン弐号機、起動っ!」

時田の拳は固く握られていた。
「全速前進! ミサイル発射前に距離を詰め、左脚部によるカカト落とし!」
「はいっ!」
ガシン、ガシン、ガシン
ギュィィィィィン!

「まずい、近すぎる!」
「うわぁぁぁぁぁっ!」
今にもミサイルを繰り出そうとした戦自隊員は間近の巨体にひるんだ。
次の瞬間、大きく振られたジェットアローンの脚がローターより高く上がり──
ガシャヮァァァァァンッ!
駆動力と重力によって戻る金属の足がヘリに接触した。
自らを御する事もかなわず、大きなハンマーで打ち据えられた機体が破砕音とともに落下する。
ズバババァァァンッ
直後。
ドグヮァァァーン!
地面へ叩きつけられたヘリは大爆発を起こした。メラメラと揺れる炎。ユラユラと広がる黒煙。
「時田さん…」
「悔やむな…。責はすべて私にある。他に道はなかったのだ…」

576 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:54:57 ID:???
「ジェットアローンが…、ヘリコプターをやっつけちゃった…」
目撃した光景に息を飲むシンジ。
「攻撃されたら応戦するしかないじゃない。にしても、あのロボット、なかなかやるわね…」
アスカの口元が真一文字に結ばれた。
「シンジ、私たちも負けてらんないわよ!」
「え? 敵なんて、いないよ?」
「今から来る…。間違いなく…」
そこへ、音声通信がプラグへ届いた。
「アスカの言う通りよ」
「ミ、ミサトさん…」
シンジの表情が曇った。
無理もない。午前中、あれだけクラスメイトを煽った放送の張本人である。
「いずれ使徒がやって来るわ。初号機も回してもらえるようだけど、それまで弐号機で踏ん張って!」
「了解っ♪」
明るく返すアスカの後ろでシンジが通信相手へたずねた。
「ミサトさん…、どういうことですか…」
その口ぶりで、ミサトはシンジの心中を悟る。
(今回の殺し合い…、シンジ君にとっては私も仕組んだ側の一人、だわ…)
「昨日からたくさんのクラスメイトが死んだんだ…。父さんやミサトさんたちのせいで…」
「聞いて、シンジ君。あれはネルフの皆がコントロールされていたせいなの。今は目が覚めているわ」
「そんなこと言われたって…、死んだ人はもう戻らないんだ…」
「シンジ君…」
「僕も…、人を殺した…。そんなこと…、したくなかったのに…、クッ…、グスッ…」
涙をすする音で、気丈だったアスカも反応してしまう。
「私も…、殺したわ…。言い訳はしない…、だけど事実…、ウッ…」

577 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:55:50 ID:???
やりとりをモニタしながら計器が示す数値の変化を追っていた地上の作戦部は動揺を隠せないでいた。
「シンクロ率がどんどん落ちていく…」
「起動可能数値の下限を下回る可能性があります…」
深刻の度合は増すばかり。そのうえ、さらなる悪化をもたらす存在が現れる。
シュパァァァァァン
遥か天空の上から幅広の光線が弐号機へと伸びた。
「「うわぁぁぁっ…」」
「シンジ君! アスカっ! どうしたの! シンジ君!」
同時に上がった二人のうめき声で、ミサトは管理ルームを飛び出した。
(何が起きたの…)
階段を駆け上がるミサトを青葉と日向が追う。

「レイ…、いま何を考えている?」
部屋に残された加持はレイへ率直な質問を投げかけた。
「碇君」
「心配かい?」
「……」

屋上に着いたミサトが、日向から受け取った双眼鏡で南の方角を見やる。
「な、何よ…、あれ…」
明るい光線を全身に浴び、十字架型台座から腰を浮かして頭を抱え、膝を折る弐号機の姿があった。

ネルフ第一発令所にもその様子は伝わっていた。
「使徒を自滅へ追いやった光線と同種、か…」
つぶやいた冬月がゲンドウへ顔を寄せる。
「精神汚染が目的なら危険だ。いま彼らを失うわけにいかん…」
「分かっている」
ゲンドウが出張作戦部へ直接指示を出した。
「エントリープラグ、射出! パイロットとエヴァの接触を絶て!」

578 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:56:54 ID:???
大きくなる足音へと目を向けるトウジ。
その視界に入ってきたのは再会を誰より待ち望んだ相手、ケンスケだった。
眼下で待つ親友に気づいたか、一瞬足を止めたのち、速度を上げて駆け下りてくる。
「トウジっ!」
「ケンスケっ!」
ザザザッ
男同士。誰もが認める悪友。抱き合うなんてガラじゃない。
どちらからともなく右手が伸びた。ぐいっ、と互いを引き寄せつつ交わされる固い握手。
「よかった…、トウジが無事で…」
「ケンスケの事やから心配はしてへんかったけど…、やっぱり会えると嬉しいもんやな…」
二人の瞳はうるんでいた。
「シ、シンジは…?」
「惣流と一緒におる。綾波を探しに行ったわ」
「じゃ…、生きてるんだな」
「惣流がおったら、なんぼあいつでも大丈夫やろ」
やっと頬を緩めたトウジが、今度は問い返す。
「渚カヲルとおった、って聞いたで。あの男は、どないしてん…?」
「奴は…」
急にうつむいたケンスケが声を絞り出した。
「死んだと思う…。戦自から俺たちを守る、と言って森へ消えたんだ…」
「そ…、そないな奴やったんかいな…、渚カヲルって…」
放送で伝え聞いた二人殺害の報以外、トウジはカヲルとまったく遭遇していない。
煽動的なアナウンスが真実だったかどうか判然としない事に思い及び、トウジは絶句した。
同様の思いにかられていたケンスケが続ける。
「シンジが人を殺した、ってのは本当なのかな…」
一縷の希望を持って発した質問だったが、トウジの回答はそれに応える内容とはいかなかった。
「ああ…、ホンマや…。ワイも一人殺した…」
「トウジも、か…。俺も、だよ…」
会話を聞いていた三人の女子は、その暗く思い雰囲気にそろって顔を伏せた。

579 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:58:06 ID:???
炎上するヘリから周囲へ頭部を向けなおしたジェットアローン三番機が異様な光景を捉えた。
「なんでしょうか…、時田さん…」
赤いエヴァンゲリオンへ向かって上空から光の帯が注がれている。
「分からん…。だが、人間業ではない。おそらく…、使徒」
空対地の通常兵器には抗えても、姿をキャッチすらできない高空の敵となると手の出しようもない。
(戦自、使徒…。今やいずれも我々の敵だ)
(ネルフ、エヴァンゲリオン…。彼らはライバルでありこそすれ、敵ではないはず…)
時田は決断した。
「地表の状況を慎重に見極めつつ移動。目標、赤いエヴァンゲリオン!」
「攻撃、ですか…?」
「違う。傷ついた三番機にできる事は限られる。エヴァンゲリオンなくして人類の勝利はないだろう」
「つまり…」
「救出に向かう」

校舎屋上では、弐号機を注視するミサトと日向のかたわらで青葉が周辺に気を配っていた。
(んっ?)
昨夜、トウジとシンジを追い立てるべく声を張り上げた先にある木の裏側。
木の陰に重なっているようで、時折わずかに異なる動きを見せる濃い小さな影へ目を止めた。
(誰か…、いる…)
日向へ寄って耳打ちする。二人の視線がゆっくりと向けられた。
横目でうなずき合うと、ミサトの両脇へ歩を進める。
急に身を寄せられた気配に、接眼レンズから目を離したミサトが左右へ首を振りながらたずねた。
「何? どうしたの?」
「下がってください…」
ひときわ小さい声での指示をいぶかしむミサト。
「どうして?」
「校庭に侵入者あり」
「っ!」
見当をつけて目をやる。
(あの木…?)
黒みがかった小さな影の腕と思われる部分が小刻みに揺れる。すると──
十数名で構成された迷彩服の一団が、後方のフェンスをよじ登って敷地内へ踏み入った。

580 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 17:59:18 ID:???
「ひどい…」
六個の頭部と、同数の遺骸。中腹の森で仲間の惨状を見た隊員たちは言葉を失った。
(何を使えば…、どんな心情なら…、これほど残虐に殺害できるのか…)
一人が皆に声をかけた。
「これで疑う余地はなくなった。敵は凶悪だ。任務はもとより、彼らの弔い合戦でもある…」
大きくうなずいた各員は、小銃をしっかり構え直すと麓を目指して進み始めた。

「エヴァンゲリオンを下げた航空機、接近中」
報告を受け、空母オーバーザレインボーの艦長が問う。
「識別コードはネルフか? 国連空軍か?」
「ネルフです。電源ユニットを搭載した後続機も確認」
(初期型、か…。この長物を奪いに来た方、ということだな)
どちらであっても、彼にとってエヴァは厄介者でしかない。
「続けて報告します。エヴァンゲリオン輸送機の大編隊も確認。識別コードは、U.N.AIRFORCE」
「承知した…」
(艦載機、支援艦船、ともに手薄。指をくわえて見守るしかないのか…)
大きくため息をつき、宙を見上げる艦長だった。

「ダメです! 弐号機、プラグ射出信号を受けつけません!」
出張作戦部からの連絡に緊張が走る第一発令所。
「パイロットは?」
「無事です! しかし…、精神汚染が進行している模様!」

581 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 17:59:50 ID:???
ユイ「シンジもう朝よ、起きなさーい」
シンジ「なんだ…夢だったのか…」

582 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/08(水) 18:00:30 ID:???
≪因果なものだ。自ら実験台を願い出た挙句の精神崩壊、とはな…≫
≪あの人形を実の子だと思っているようです。娘さんがすぐそばにいるというのに…≫
(やめてぇっ! そんなこと思い出させないでぇっ!)
≪アスカちゃん、一緒に死んでちょうだい…≫
(いやぁっ! 死にたくないっ! ママも…、死なないでぇっ!)

≪ビーッ! ビーッ! 脳波、心音停止…。被験者生命反応、ありません…≫
≪そうだ! あの男は自分の妻を実験台にして殺したのだ!≫
(僕は…、僕はエヴァを知ってた…?)
≪乗るなら早くしろ…。乗らないなら…、帰れ!≫
(あの日…、事故が起きて…、逃げたしたんだ…。父さんと母さんからっ!)

「いかん…、このままではパイロットともども使い物にならなくなる…」
冬月の嘆きをかき消すようにマヤが叫んだ。
「弐号機へ接近する地上移動体あり!」
ピコピ
パネルを操作してメインモニタの映像を切り替える。
エヴァ弐号機直結映像が捉えたのは、激しく損傷した上体を揺らして駆け寄るジェットアローンだった。
ガシン、ガシン、ガシン、ガシン…
「接近の意図は」
「不明です!」
「先日の一番機実験の意趣返しではあるまいな…」
ゲンドウが答えた。
「たとえそうであっても、エヴァに傷一つ付けられはせんよ」
「そうは言うが碇…、あのリアクターに万一の事があれば二次被害は甚大となる」

「目標まで200。05秒後に接触!」
「構わん! 全速前進! 右肩からぶち当たれ!」

583 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 18:18:30 ID:???
ワクテカ

584 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 18:45:52 ID:???
>>581
良くやった!

585 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 18:54:13 ID:???
>>570
はいはい偽善偽善

586 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 19:08:31 ID:???
弐号機あっさりやられてる(´・ω・`)JAがどうやって救出するのか気になる…。

バルちゃん乙!

587 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 19:09:56 ID:???
この流れは劇場版をパクってますね

…ようはパチモンってこったなwww
このスレもこのSSもwww

588 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 19:10:52 ID:???
話はともかくこのスレの雰囲気怖い
別にコテがきたからって荒らし扱いしなくてもいいし荒らしが来てもスルーすればいいのに
FFスレで何でこんなに荒れてるのかさっぱり分からん

589 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 20:13:48 ID:???
なんだこの空気・・・
せっかくバルがSS投下してくれたのにおまいらGJも乙!もないのかよ
バル乙!これからも期待してる

590 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 21:29:38 ID:???
バル氏乙

591 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 22:42:56 ID:N7Y6P+vB
GJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJG!
…何故Gで終わる?orz

592 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 22:45:40 ID:???
>>589それには同じく同感。バルさん、乙です。

だけど、下手に乙とかレスすると、友達なしで殴りあいの喧嘩すら出来ない引きこもりヲタニート君達から、毎回ありがたくな〜いお言葉をもらうだろうから、今後はあまり乙などのレスは控えた方がいいのではと思い始めたとこなのよ。

でも、外交を一切否定し、自分独自の世界を自分の部屋に造り上げて、毎日懲りずに荒しいるヲタニート君達もさっさと仕事探せばいいのにね。

荒らす暇があるなら、職探せ(まだ景気は悪いから、みつからないと思うが、行動を起こさないよりはマシ)。

親の脛をかじって生きてるなら尚更だね。本当に可哀想な人生だと思うよ。

荒らしている本人は楽しいんだろうけど、あなた達は周りから見たら精一杯抵抗している一本釣りの鮪みたいで本当に哀れね。

早く目を覚まして、ボランティアでもしてた方が世の中の為だと思うよ。


っと、随分と長文になってしまった。バルタザール氏、知的障害者はほんのごく一部です。(もしかしたら、自演かも)

貴方の味方はたくさんいますよ!なのでこれからも面白いストーリーの投下をおながいしますm(_ _)m

次作も楽しみにしてまつ☆

ノシ

593 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 22:52:26 ID:???
>>592
お前の嵐を煽る発言でまた嵐が湧くということまで頭が回らないのか?
嵐を叩く奴も嵐となんら変わらんよ。
スルーしとけばいいと何回言えば…
ここから嵐には一切触れない方向で

594 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 23:23:10 ID:???
>>592
自分の事語らなくていいよwwwwwwww
偽善者ヲタさんwwwwwwww

595 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 23:25:41 ID:???
バルさん乙です
まだゼルエルとアルミサエルが来ていないところが気になりますね〜
使徒と量産機の絡みとか見れたりするのだろうか…

596 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 23:29:16 ID:???
>>592
荒らしている本人は楽しいんだろうけど、あなた達は周りから見たら精一杯抵抗している一本釣りの鮪みたいで本当に哀れね。

必死こいて抵抗してんのはお前だろ。
お前みたいに嵐を煽る奴がいるから荒れるんだろうが

597 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 23:33:02 ID:???
つ〜かアク禁にできんのか?

598 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/08(水) 23:44:42 ID:???
>>596
思った事実を言ったまで。間違った事は言ってない筈だよ。正当な者が不当な者からつべこべ言われるのには、納得のいかないものさ。

でも君とは敵対したくないな。ここは素直に謝っておくよ。

599 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 00:03:00 ID:???
もう592にも反応しなくていいな
最早荒らしと変わらん。以下スルーで。

600 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 00:54:01 ID:???
うはwwwwwwwwwwww
ここの>>592は漏れらと同じ匂いがするおwwwwwwwwwwwwwwwwwww

601 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 01:10:00 ID:???
ヒント:荒しは存在しない

602 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 01:43:51 ID:???
>>600いつからお前の方についたと言った?馬鹿じゃないの?少しは考えなさいよ。

私は荒し側についた覚えは無いわよ馬鹿。

603 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 01:55:14 ID:???
>>602
だがお前のやってる事は荒らしとかわらない事に気付け

604 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 02:20:00 ID:???
スルッとスルーする(`・ω・´)

605 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 02:58:54 ID:???
あ゛〜もぉどぅしてスルー出来ないかな?!馬鹿はほっとけ!っうの!
バルさん乙です!スレが若干荒れ気味ですがsage進行してる人に悪気はないと思われ(たぶん...
とりあえずもう一度だけ言うぞ!
嵐 は ス ル ー し ろ !
馬 鹿 は ほ っ と け !

606 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 03:01:01 ID:???
もうイイジャマイカ

592>>でもこれだけ言わしてくれ(´・ω・`)
そういう風に知的障害って言葉を使うのはあんまりよくないと思う。


"もうイイジャマイカ"とか言いつつスマソ・・・orz

607 :606:2006/03/09(木) 03:08:08 ID:???
>>605に言ったわけではないです
スマソ...情けないorz

608 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 03:38:16 ID:???
バルオツ

609 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 04:38:17 ID:???
>>607 605だがわかってくれたらそれでぉk!気持ちは藻前と何ら変わりはしないよ。むしろsage進行してる兄弟達も同じ気持ちなはず(たぶん

嵐を刺激すると余計に荒れる… テラウゼェ('A`)
ここは一つ大人になれ!馬鹿を相手にする大人はいない!
暖かくバルさんを見守り応援していこうジャマイカ? これで藻前と漏れは兄弟だ!

長文スレ汚し申し訳ない…

610 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 04:52:25 ID:???
>>609よ、お前も嵐だということは分かってる。だが素でやってる可能性もあるから、あえて釣られよう




お前がageてるんだよヴォケ

611 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 10:10:52 ID:???
これだけ言っておく。

荒らしに反応するのも荒らし。

612 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 10:37:21 ID:???
このスレではバルタザールと敵対する者は全て荒らしとされるのですね。
勿論バルタザール信者の勝手な言い分なんだろうけどね。
とりあえずageておきますね。

613 :sa-----ge!!!:2006/03/09(木) 10:48:10 ID:???
もーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーsageろって言ったジャマイカ!!

悪い物は壊せばいい。
でも、良い物は残しておこうね不如帰。

614 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 13:13:17 ID:???
読み手の行動一つで職人の評価も変わるんだって事も覚えておけお前ら
何か可哀想になってきた。職人が

615 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 15:03:09 ID:???
だから、とりあえずバル乙っていっておけば万事おk

616 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 15:07:05 ID:???
はいはいバルタザール信者乙

荒らされるのがが嫌なら2chになんか投下しないで自分のサイトでも立てるんだな

617 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 16:23:36 ID:???
>>610 素だった…信じてもらえないかもだが荒らす気などさらさらない…漏れはこのスレ そしてバルさんの支援者だ!

正直スマンカッタ

618 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 16:31:21 ID:???
集められた人間たちが戦いあうバトロワ
スレタイどおりの展開になってる
これも狙いの一つだとしたら、バルタザールは笑ってるだろう
うがった見方とか信者とか言われてもかまわんが、もしかすると遊ばされてるだけじゃね?
スレが伸びるのは注目されてる裏返しでもあるからな
こんだけ荒れて淡々と進めてるんだぞ
嵐も煽りも楽しんでると見た

619 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 16:57:48 ID:???
>>618
結局バルタザールは糞だと、そうゆう事ですね?

620 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 17:14:06 ID:???
要するにこのスレ自体がバルタザールの釣りって事さ!

621 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 17:26:04 ID:a7hvQ9oH
ハッピーエンドキボン
頼むよバルちゃん。アスカだけでも

622 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 17:43:38 ID:???
>>620
な、なんだってーーー!!!

623 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 18:40:36 ID:???
スマソ 釣りだたwwwwwwwww

が、バル氏が最期に残した言葉だった

624 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 18:46:10 ID:???
>>623
黙って筋トレしろモヤシ
そんな細い腕じゃ片手腕立ても出来ないだろうがなw

625 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 18:53:42 ID:???
ネタ的にも面白いSSなのに
藻まいらツマンネ事でもめるなよ

626 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 19:58:31 ID:???
カキコするのに片手腕立てするほどの筋肉いるんですか?wwwwwwwwwww

627 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 20:34:38 ID:???
マジレスすると片手腕立てに必要なのは筋肉ではなくバランス力

628 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 21:37:12 ID:???
どっちにしろ関係あんのかと

629 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 23:08:22 ID:???
おまえら駄レス=埋めに繋がるからやめろ

630 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/09(木) 23:47:40 ID:???
埋め

631 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 01:39:19 ID:???
バルたん待ち

632 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 05:43:57 ID:8EmKY6Hz
マジレスすると筋力があってなおかつバランス力もないと片手は無理。

633 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:25:45 ID:???
「戦自は下を目指していると思う。ここにいるのは危ない…」
ケンスケの言葉を受けてトウジがつぶやいた。
「ワイらの力で勝てる相手とちゃうな…」
「ああ…」
ヒカリたちへ向いて表情をうかがう。
憔悴した風の少女たちは、男子の言葉を待っているように見受けられた。
「町に戻るで」
トウジの呼びかけに顔を見合わせて無言でうなずく三人。
(自信なんかあらへん…。そやけど、絶対守ったるさかい…)

小銃類を手に侵入を果たした敵の姿に、校舎屋上のミサト、青葉、日向はゆっくりと後ずさった。
自分たちにしろ、管理ルームへ残した加持とレイにしろ、抗戦するだけの武器は皆無に等しい。
作戦部長として修羅場をくぐり抜けてきたミサトといえども、悲観的にならざるを得なかった。
(まずいわ…。せめて弐号機が動けば牽制くらいには使えるでしょうけど…)
悶え苦しんでいた赤い巨体へ再び視線を向ける。
「んっ!」
エヴァへ向かって一直線に突進するジェットアローンが目に入った。

634 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:26:34 ID:???
≪ヒカリ…、今これで私を撃とうとした?≫
≪チャ〜ンス…、バン!≫
(仕方なかったのよぉ! ヒカリも私も狙われて…、だから撃ったのっ!)
≪ケガじゃないわ…、死んでるはずよ≫
(人殺しなんてしたくなかったのにぃっ! ウッ…、ウウッ…)

≪キミたちは今トウジを傷つけたんだ…≫
≪そんなの関係ない、って言ってるんだよ!≫
(トウジが…、僕をかばって傷ついたんだ…、だから…)
≪うわぁぁぁぁぁっ! バン!≫
(助けたかっただけなんだっ! あの子が死ぬなんて…、考えなかったんだ…)

ガシン、ガシン、ガシン、ガシン
ガキィィィン!
ジェットアローン三番機が、前屈みのエヴァ弐号機腹部へ右肩から突っ込んだ。
ズズズズズッ
エヴァ初号機をしてどうにか前進を阻み得た一番機と同じ性能のロボット。
損害を受けていない駆動系が生み出す馬力で突入を許した弐号機と台座が後方へずれ動く。

「もう一度、体当たりだっ!」
「はいっ!」
時田の声に応えて半歩下がった三番機がふたたびの激突を果たす。
ガキィィィン!
グググググ…、ビュォォォォォ…
今にも膝をつきそうだった弐号機が台座ともども一気に傾き──
ズズズシシシィィィンンン…
バックロールエントリーに似た体勢から、緑の絨毯へその身を投げ出した。

635 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:27:24 ID:???
「「うわぁぁぁっ…」」
シンジとアスカの悲鳴がネルフ第一発令所に響き渡った。
弐号機直結映像が映し出すのは半球状の空のみ。
完全な仰向けとなって倒れこんでいるのは、客観視点でなくとも分かった。
「パイロット両名の生存は確認! ケガもありません!」
オペレータの音声に安心しつつも呆れる冬月。
「無茶をしおる…」
だが、エヴァを転倒させたジェットアローンの力に感嘆もしていた。
(民間の総力を結集した、との喧伝もあながちウソではなかったようだな)
(炉心を防護しつつの操縦も見事だ。そのノウハウも今日限りとなるのは悲しいが…)
メインモニタが、出張作戦部からの映像に切り替わった。
天空より伸びる光の帯を逃れて横たわる弐号機。そして──
身代わりのごとく光線を照射されるジェットアローンがいた。

636 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:28:13 ID:???
じりじりと後退したミサトたち三人は、階段を駆け下りて特設管理ルームへと戻った。
「戦自よ! グラウンドに入って来てる!」
その報に加持が眉尻を上げた。
「ここまで来たとなると…、子供たちも既に巻き添えになっているだろう…」
開け放たれた扉に目をやって加持がミサトへ寄る。
「葛城…、これをたのむ」
胸ポケットからアダムを取り出した。
「俺たちの切り札だ…。これを持って逃げろ」
「逃げろ、ったって…。どこへどうやって…」
「乗ってきたヘリを追い返したように見えただろうが、付近の地上で待機させている」
加持の口元には笑みが浮かんでいた。
かつて心から愛し、今も想う男のクセを知るミサト。
(隠し事がある時の顔…)
一方的に話し続けそうな加持を制する。
「ちょっと待って。あんたは来ないの?」
「この学校から500メートルほどの場所だ。無線で現在位置を伝えながら進めば、すぐに離陸できる」
「質問に答えなさいよ!」
取り合わないどころか、加持は青葉と日向への指示を始めた。
「キミたちにはレイの護衛をお願いしたい。もちろん葛城の補佐も、だが」
はい…、と力なく返す二人には気も留めずミサトが声を荒げた。
「勝手な事ばっか言ってんじゃないわよっ! あんたはどうするのっ!」
「今は俺の心配より自分の心配をしろ」
「あんたねぇっ!」
突っかかるミサトの手を取り、アダムを握らせた加持が小さくうなずく。
八年前の幸せな日々に見せていた穏やかな表情だった。
(加持…)
類似した別の記憶もよみがえる。
十五年前の南極、朦朧としながら救命ポッドのハッチが閉じる直前に見た優しい顔──
(まさか…、死ぬ気なの…?)

637 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:29:03 ID:???
「ネルフ機が、青いエヴァンゲリオンと電源ユニットの着艦許可を求めてきています」
空母艦長は既に心を決めていた。
「断れ」
先に入った連絡に従うなら当然の措置である。
「当艦が運搬を任ぜられた荷を奪いに来た奴らへ協力する必要などない」
「遅れて上空に現れる空軍編隊との共同作戦、ということですね」
「いや…」
「は?」
「いずれにも与するつもりはない。我々の任務遂行を妨げる存在は…、敵だ」

「空母オーバーザレインボーの回答…、着艦拒否…」
浅間山麓の弐号機とジェットアローンへ目を奪われていた第一発令所に弱々しい報告が届いた。
(そう出るだろうな…)
冬月はゲンドウの背をちらりと見た。
(特殊装備の無い零号機、しかもダミープラグによる起動…)
(ゼーレがどんな手を打ってくるかも分からん…。どうする、碇…)

638 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:29:53 ID:???
ジェットアローン三番機に降り注ぐ光は頭部のカメラを通じて、遠く離れた基地のモニタへも届いていた。
「ぐわぁっ…」
操縦担当者が唐突に奇声を上げた。レバーへ添えられていた両手は離れ、髪をかきむしっている。
「どうしたっ!」
時田が呼びかけても意味のある言葉は返ってこない。ひたすらうめくばかり。
前へ回り込んだ時田は、身をよじらせている彼の目から涙がこぼれているのに気がついた。
「しっかりしろ!」
やはり応じない男は、やがて後悔の念を口にし始めた。
「仕方なかったんだっ! 戦自ヘリの攻撃は子供たちに危害を及ぼしたっ! だから…」
「おいっ! 何を言っている!」
「撃墜は本意じゃないっ! でも…、ああするよりなかった…。殺すつもりでやったんじゃないんだ…」
もはや正気でないのは明らかだった。
(この光線…、エヴァンゲリオンが苦しんでいたのも道理だ…)
(精神を乱して力を奪うとは…)
周囲を見渡した時田は、さらに愕然とする。
モニタを注視していた他の職員たちもまた、一様に頭を抱えて悶えていた。
(可視光線の束に注意を向けるのは生物の本能…。視覚を遮断しない限り餌食となる…)
ただ一人、光に背を向けていた時田だけが正常な意識を保っていた。
(止むを得ん…。映像をカットするほかない…)
開発の総責任者は並ぶ計器やレバーの機能をすべて理解している。
目を閉じ首を垂れた時田が、カメラからの回線を司るレバーに手を伸ばして一息にひねった。
ガチャッ
プツン…、ヒュゥゥゥ…
煌々と光を放っていたモニタが停止したのを確信して顔を上げた途端、操縦担当者が座席から崩れ落ちた。
バサッ
同様の音は方々から聞こえた。
バサッ、バサッ、バサッ…
昏倒者の続出。作戦行動には致命的であるうえ、ケーブルを断たれた二番機と同じく映像も失われた。
不用意に回復を試みると、唯一残った自分まで倒れる──
痛恨の面持ちで立ち尽くす時田だった。

639 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:30:53 ID:???
走るでもなく、しかし、しっかりとケンスケの足跡をたどるようにカヲルは麓を目指していた。
はるか南には、幅広の光の中で動きを止めたジェットアローン三番機が見える。
(個体によってさまざまなリリンの心…、キミが興味を持つのも分かるよ)
(ゼーレに教えられたのとは少し違うんだ。僕も…、探ってみたい)
上空に目をやっていたカヲルが、背後の物音で歩みを止める。
(決して分かりあえないリリンもたくさんいるみたいだけどね…)

「子供だ」
「付近に他の気配はない…」
「あいつがさっきの惨殺犯か…?」
「可能性は高い」
「信じられんな…」
「用心して接近しよう。手の内が分からんうちに迂闊なマネはするなよ」
「ああ。ただし攻撃の意図を確認次第、撃つ…。それでいいな」
居合わせる隊員たちが目の動きで承諾を表した。

640 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:31:43 ID:???
クモ型使徒から逃れようと山へ向かっていた生徒は大勢いた。
その眼前へ降下してきたパラシュート部隊。
進路も退路も断たれ、震えながら身を隠す男子三人組の視界にトウジたちが入った。
「鈴原だ…。相田もいるぞ」
「女子を三人連れてる」
「どこへ行くんだろう…」
今や当初の戦況と異なっているのは加持のアナウンスで知っている。
とはいえ、機関銃を抱えたトウジを先頭にケンスケを除く皆が銃を手にする集団は恐怖の対象でもありえた。
「仲間に入れてもらえないかな…」
最前列で様子を眺める一人がつぶやく。彼らの武器はナタ、木刀、スタンガンだけだった。
飛び道具を持つトウジたちが羨ましい。
「だけど、あいつらが俺たちを敵とみなしたら勝ち目はないぜ…」
背後の返答に前を向いたまま応じた。
「あの洞木がいるくらいだよ…? そう悪いグループには思えない…」
ひそんだ草むらの前を五人が過ぎていく。
「このままじゃ、どうにもならない…。思い切って声をかけようと思う。どうだ?」
限られた選択肢に消去法を当てはめれば、それしかないだろう。
「「うっ…」」
後ろの二人から上がった短いうめき。
賛成の意思表示、と受け取った少年が合図のために振り向く。
グサッ
「うぉっ…」
激しい痛みに思わず漏らした声。
刃渡り20センチにも及ぼうかとする軍用ナイフが胸へ突き刺さっていた。
前のめりになる上体をかろうじて支えながら、正面に立つ影を上目で見る。
迷彩服の男がにやりと笑っていた。
ブシュッ…、グサッグサッグサッ…
沈み込んでいた刃は、抜かれるやすぐさま別の位置へと入り、二度三度と体の内外を往復した。
「うぅぅぅぅぅ…」
ドサッ
生きるために意を決したばかりの少年は倒れ、それほどの時間を要さず絶命した。

641 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:32:33 ID:???
「弐号機、活動停止! シンクロ率、ゼロパーセント! 再起動できませんっ!」
なすすべなく大地に横たわるエヴァの姿。
身を挺して救助したと考えられるジェットアローンも動きを止めた事態で、ネルフ本部は沈黙に支配された。
重い雰囲気を打破するように声を張り上げるゲンドウ。
「零号機、起動! 空母搭載物を奪い、衛星軌道上の使徒へ向けて投擲!」
「しかし碇…、着艦せねばじゅうぶんな電源は確保できん。内臓電源だけでいけるのか…」
「五分もあればカタはつく」
だが、その目論見を阻む存在が輸送機から伝えられる。
「十一時方向の国連空軍編隊より離脱した飛行物体群、空母オーバーザレインボーへ進行中!」
映像送ります!、という叫びとともに届いたのは、曲線で構成された白い九体の巨躯だった。
背からは鳥類を思わせる翼が大きく広がり、口元にはまるで笑っているかのごとく歯が覗いている。
リツコは驚きのあまり、総司令席へ向き直った。
「碇司令…、これは…」
わずかに眉を寄せ、ゲンドウが答えた。
「エヴァシリーズ…、S2機関搭載型だ」
「す…、数的にも性能的にも零号機では…」
言われずとも承知しているゲンドウだが、もはや撤退の二文字はありえない。
「構わん。ロンギヌスの槍による使徒殲滅に加え、エヴァシリーズとの戦闘用意!」

642 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/10(金) 18:33:25 ID:???
ミサト、レイ、青葉、日向から視線を集める加持が言った。
「俺には責任がある。キミたちや子供たちを守る責任だ」
「加持…」
「今回の選抜戦闘を知りながら止めず、碇司令との反目にみんなを巻き込んだ負い目を晴らす必要がある」
「だからって…、あんたが…、今ここに残ってどうなるのよ…」
涙声で詰問するミサト。
「これでも得意な事の一つや二つはあるんでね。時間稼ぎくらいにはなるだろう」
加持の目はまっすぐにミサトを捉えていた。
「葛城…、もう一度会えれば…、その時は八年前に言えなかった言葉を言うよ」
「……」
「さぁ、急ぐんだ。裏口から抜ければ一直線でヘリに向かえる。青葉君、日向君。葛城とレイをたのんだ」
両腕を広げ、四人を抱えこむように扉の外へ押し出しにかかる加持にレイがたずねる。
「どうして? どうして私を助けるの?」
にっこりと笑んで応じた。
「言ったはずだ…。それがみんなの幸せにつながるんだよ」
「分からない」
「いずれ分かる。キミには…、キミにしかできない事がある」
ぐいっ、と力を入れて四人を部屋の外へ送り出し、日常の別れ際と変わらず手を振る加持だった。

643 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 18:51:03 ID:???
バルさん乙!GJ!
か…カジさん…

644 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 19:17:52 ID:???
>>624
オマイは黙って筋トレでもしてろやwww筋肉バカwww

645 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 19:46:08 ID:???
加持さん…(;_;) 御願いやから生かせてやってなバルさん

646 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 19:47:09 ID:VRw/HJw8
イイネイイネ

647 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 20:11:56 ID:???
バルGJ!!!!


648 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 20:20:12 ID:???
バルいいよ!!

649 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 20:26:06 ID:???
>>646
ageんなヴォケ

650 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 22:40:27 ID:???
バルさん乙です。加持死亡フラグたったか・・

651 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 22:59:34 ID:???
バルタザール氏ね

652 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 23:11:45 ID:???
これって主人公はケンスケと時田さんだよね?

653 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/10(金) 23:18:32 ID:???
そうですけど何か?

654 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 01:41:37 ID:???
バルさん乙です。楽しく読ませてもらってます。


内容にいちゃもんつけるわけじゃないのだけど、
すごい個人的で、悪いのだけど
ケンスケカッコヨスw
それにともない 守ってきた女の子達をすごい気に入ってるオレ
そろそろ名前を付けてあげてほしい
そして生きててほしいと願うオレ

655 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 01:53:16 ID:???
バるさんwwwwwwww

656 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 02:20:07 ID:???
バルちゃん乙!加持死亡確定か…(´・ω・`)

657 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 02:29:08 ID:???
誰か現状をkwskお願いしまふ

658 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 02:32:00 ID:???
チルドレンの影が薄いので今後の活躍に期待

659 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 02:56:42 ID:???
>>658
主人公はケンスケだから気にするな

660 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 07:17:47 ID:???
ばる死ね

661 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 07:19:36 ID:???
ばる生きろ

662 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 07:34:30 ID:Y2YekpUt
バル死ね

663 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 07:39:34 ID:VcV5tbvL
バル生きろ

664 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 08:56:52 ID:???
>>661 >>663
荒らしをスルーできないなら君もこなくていいよ
あとせめてsageろ

665 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 12:08:04 ID:???
と、釣られた>>664であった

BAL乙

666 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 13:23:49 ID:Y2YekpUt
ここは自演の匂いがプンプンするスレですね・・・
特にバルタザールからwww

667 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 13:36:50 ID:???
まさかw
ロメオじゃあるめーし

668 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 20:44:19 ID:???
案外
バルタザール=ロメオ
かもよwww

669 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 00:25:13 ID:???
文章力に差があり過ぎると思うが

670 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 01:22:36 ID:???
バル>ロメオ

671 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 02:40:40 ID:???
…申し訳ない。かなり冷静に偏見なく両者の文を読み比べた結果
大 し て 変 わ ら ん 。という結果を導き出した。

文章力云々でない魅力だよ両者共にね。
あと台詞で概ねの説明をするところ、びっくりするぐらい単純な擬音。
悪いけど本当に文章能力自体は変わらない。でも両者共に両者にしかない魅力がある。
だから読者は別段両者を比べなくていいのではないか?と思うけどな
面白ければいいじゃない?

672 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 02:54:17 ID:???
>>671=ロメオ

673 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 03:58:50 ID:???
違うんだけど…。と言ってみても証明する手立てはないけどな
しかしロメオが「双方共、文章力で勝負する職人ではない」なんて
意見出す奴かどうか考えてみろってのw


674 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 05:13:21 ID:???
てことはバルもロメオも知能レベルは変わらないってことかwww

675 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 08:19:30 ID:???
まぁそうゆう事だ罠www

676 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 08:43:05 ID:???
>>ロメオが「〜」なんて意見言い出すか考えてみろ

そんなこと考える価値もない。
自分だとばれないように意見や言葉使いや語尾を変えるのが普通だろ
見るべきは不自然な賞賛なところ。たしかに自演ぽい

>>673の言い訳が自演した奴の言い訳っぽいのも裏付け



そしてバルさん乙カレー

677 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 08:45:36 ID:???
それはロメオに乙カレーと言ってる事になるんだぞ?

678 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 09:39:17 ID:???
おまいら餅つけ

ロメオ?どうだって良いよ
漏れはバルのSSが読みたいだけだ

679 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 16:18:42 ID:???
だからロメオだってwww

680 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 21:09:04 ID:Xf+KTziO
バルさん感動したよ。

本編と絶妙にかみあってるのもGJ!!!

681 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 21:12:10 ID:???
ごめん。ageてしまったorz

682 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 22:00:47 ID:???
どうせ誰かがageるんだから気にするなwwwwww

683 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 01:39:29 ID:???
まちきれないんだが…
そんな俺の顔面に曇りなき右ストレートを決めてくれ

684 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 01:46:48 ID:jeWsJfl/
歌はいいね…


の続きってなんだっけ?はっきり出てこない

685 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 01:54:30 ID:???
>>683
安心しろ、俺もだ

686 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 03:05:34 ID:???
>684
歌はいいね。歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ。そう感じないか?碇シンジ君?
僕の名を・・?
知らない者は無いさ。失礼だが、君は自分の立場をもっと知った方がいいと思うよ。
あの・・君は?
僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ仕組まれた子ども達さ。
じゃあ君が・あの・・渚くん?
カヲルでいいよ。
僕もシンジでいいよ。

渚カヲル。過去の経緯は抹消済みか・・。何者なの?あの少年は。

暗記してるのはここまでだな。あと日向がシンクロテスト云々言ってたハズ。

687 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 04:41:56 ID:jeWsJfl/
>>686
そんな覚えてるんか。スゲーな。dクス

688 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 04:50:46 ID:???
>>686
俺の記憶と若干違うが、そんなことはどうでもいい。



荒しはスルーしろ
スルーしろスルーしろと何回言えば…みんなおk?

689 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 05:01:45 ID:KGku4bbx
おk

690 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 08:30:50 ID:???
sage進行だという事を各々の頭に叩き込んでおいてくれ

691 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 09:23:51 ID:???
どうゆうのを荒しと呼ぶかまとめよう。


・ageてるのは問答無用で荒し。こうゆうのは絶対スルーね
・ageてるが、バルたんを賞賛してる奴。釣りの可能性あるからスルーして。注意もしなくていい
・sageてるが、明らかに荒し目的で中傷してる奴。スルーしてくれ




該当する奴は全部スルーでお願いします。
後、無駄レスを抑えるために今後はこうゆうレスも控えるべきだね

692 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 12:28:24 ID:???
はいはい荒らし荒らし

693 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 13:35:57 ID:???


694 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 15:12:25 ID:???
成長しないスレでつね

695 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/13(月) 17:35:56 ID:???
【※ 本編とは関係ありません ※】
 こんばんは。バルタザールです。
 「待ちきれない」という意見までいただき、書き手としては嬉しい限りです。
 ありがとうございます。

 しかし、従来のペースでいけば今日更新すべきなのですが、
 ほとんど書き進められていません。申し訳ありません。
 ストーリーの骨格は書き始めた段階から完成しています。
 とはいえ、自分の欲目から登場キャラクターを増やしたせいで、
 話がかなり大きく広がってしまっているのも事実です。
 更新するからにはまとまった量で、とも考えており、
 ペースは今後さらに落ちます。他にやらなければならない事もありますので。
 この話を書き進めるために無理をしている、とは言いませんが、
 ときおり湯船や寝床で次の展開を考えている自分に苦笑していたりもしますw

 当初は500レス目くらいで書き終わるかな、と思っていましたが、
 とても無理でした… orz
 落ちる事なくこのスレが1001を迎えても終了していないかもしれません。
 モチベーションは継続しています。始めた以上、終わらせる責任もあります。
 2chに長編を書くとなると荒らされて当然、イヤなら自分のサイトにでも書け、
 というレスがありましたが、至極正論だと思います。
 次スレにまたがったりせず、このスレで完結させるべきですから、
 どこかのWEBストレージを用意して、そこへ続きを載せていく事も考え始めました。
 その際は、このスレにURLを書き込みます。
 ただ、スタート地点である当スレに書いていくのが本来の姿とも理解しています。
 もし、まだ物語の続きに期待をお寄せ下さるのであれば、
 しばし気長にお待ちいただきたく思う次第です。本当にすみません。
 スレ汚し、失礼しました。 m(__)m

696 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 17:54:32 ID:???
無理しなくていいから、ゆっくりでもいいから
とりあえず完結させて下さい。

697 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 18:37:05 ID:???
>>695
某スレの奴に比べれば更新早すぎるくらいだけどな。

698 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 19:12:29 ID:???
>次スレにまたがったりせず

いや、そんなことは無いと思う。楽しいから全く問題ないと思うよ。ゆっくりストーリー創っていって下さい。待ってます(`・ω・´)

699 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 20:13:40 ID:???
完結する前に削除依頼出して来なきゃ!

700 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 20:16:33 ID:???
>>695
あそこかい?なあ。

701 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/13(月) 23:27:45 ID:???
適当に投下すればいいと思うよ
それでもバル乙とか賞賛の嵐だと思うし
どうせ厨房の巣窟なんだしさ

702 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 01:13:02 ID:???
バトロアって見たことないんだが、
このSSみたいにいきあたりばったりで、
支離滅裂な展開ばっかりなの?

703 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 01:15:32 ID:???
尻が滅裂です

704 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 01:59:56 ID:???
いっちゃ悪いが、もはやバトロワではないからな

705 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 02:11:01 ID:???
いいよいいよ、バルちゃん!>>697の言うとおり今までが更新早過ぎたくらいだよ!

マタ-リ待ちます(´・ω・`)

>>691
もし次スレたてる場合はよろしく!

706 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 02:13:12 ID:???
>>704
だ が 、 そ れ が い い

707 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 07:02:09 ID:???
バルさん乙です!ここに完結を求めてクオリティを下げるような事だけはしないで下さい。
皆バルさんのクオリティの高さは認めてますぉ♪どこに書き続けても漏れは完結まで見届けますぉ♪
ゆっくりバルさんペースでがんがって下さい。乙♪


しかし…まだageてる馬鹿ガイル…

いい加減大人になってほしいもんだ

708 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 07:19:29 ID:???
皆って勝手に決めんな馬鹿


709 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 10:19:16 ID:???
バル氏乙
出来れば加治が生き延びてほしいな。

710 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 10:55:14 ID:???
ちょwww今日はじめて来たが、2時間かけて全部読んだwww
バル氏やべぇよwww

誰かまとめサイトかなんか作れよ
って、思った。

711 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 18:01:58 ID:???
>>710
よろしこ(・∀・)

712 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 18:33:58 ID:???
>>711
よろ。

って埋めるのもバル氏に悪いな・・・。

713 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/15(水) 15:11:11 ID:???
ほちゅ

714 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/16(木) 18:14:36 ID:???
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ
ほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅほちゅ

715 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/16(木) 21:48:48 ID:???
うぜぇよwwwwwwwwww
wwwwwwwww

716 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/17(金) 11:40:42 ID:???
とりあえず職人が来るまでwktkしてますね

717 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/17(金) 18:47:55 ID:???
とりあえずバルタザールが死ぬまでageておきますね

718 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/17(金) 19:36:08 ID:???
>>717
空気嫁

719 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/18(土) 01:14:32 ID:???
まだ分かって無いようだな。無駄レスになるから何回も言わせんな。>>691を読んでから出直して来い

720 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/18(土) 06:44:14 ID:???
>>718
空気嫁馬鹿

721 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/18(土) 21:43:18 ID:???
バル氏まだー?

722 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/19(日) 01:01:32 ID:???
>>721
マターリまて
バル氏も忙しいんだろ。


723 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 00:50:19 ID:???
バルさんどうしたんだろう?

724 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 05:46:48 ID:???
マターリ待ちましょうや(´・ω・`)

725 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 08:02:16 ID:???
バルさんの書く小説はいいんだけどさ、皆続きとかかこうとしないの?
これじゃここ、バルさんの書く小説を読むスレだよ・・・

726 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 09:50:38 ID:???
その気持ちも分かるがバル氏の文を変に歪めては…orz
という気持ちが先立つ
書くなら書くで、別の物語にするとかしないと(´・ω・`)

727 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 11:24:32 ID:96ecnC+z
>>725
じゃぁオマイがしろ
>>726
オマイが書け

728 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 12:01:22 ID:???
おまいら少しもちつけwww

マターリ待とうではないか(´∀`)

729 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 16:54:31 ID:???
最近投下ペースが・・・
某スレじゃないがヤシマ

730 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 18:17:22 ID:96ecnC+z
さくじょいらいだしてきまちた

731 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 18:35:52 ID:???
>>725
続きはバル氏しか書けないと思うぞ。
書くなら新作だな(:;.;゜釜゜:..;)

732 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 18:49:26 ID:???
>>731
sage同。…間違えた、禿同。書くなら全くの新作にした方が無難だな。続きを書こうとなると、滅茶苦茶になって全てが悪くなる。

733 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:25:42 ID:???
草むらにいた三人の少年を一瞬で屠った戦自隊員は、腕を振って後ろの仲間を呼び寄せた。
「見てのとおり、完全に子供だ」
足元で動かない三つの体に表情を歪める者もいたが、実行者は気にせず続ける。
「無力な敵ではある。しかし、任務遂行に感傷は無用。次の目標もいる」
そう言うと、遠ざかりゆくトウジたち五人を指差した。
「行くぞ」

「浅間山麓のジェットアローン、使徒からの光線で活動を停止しました!」
出張作戦部からの報告に冬月は困惑した。
(パイロットの精神を侵すタイプなら、あのロボットに影響など出ないはずだが…)
(遠隔操縦基地の人員がやられた、とでもいうのか…)
「光線、収縮!」
ジェットアローンに注がれていた光が、天高くへ巻き取られるように消えていく。
ほどなく。
「再び光線発生! 浅間山方面へ伸びています!」

木々の触れ合う音を耳にしたカヲルは足を止めて振り向いた。
隠れていた戦自の一団が現れ、小銃を構えつつ山道に並んでいる。
ポケットに入れていた両手を出そうとするカヲルに、隊員たちの指が反射的に動いた。
ババババババババッ! バババババババッ! バババババババババッ!

校庭への侵入を果たした戦自隊員たちは慎重に歩を進めていた。
全方位に細心の注意を払いながら、ゆっくり校舎へ向かっている。
四人を送り出した加持は特設管理ルームを出ると、半身を隠しつつ窓から動向をうかがい始めた。
(奴らは選抜戦闘の事なんか知らない…。いま行っている作戦の意味も伝えられていないだろう…)
日向に返そうとしたものの、本人が固辞した銃を握り締めた。

734 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:26:30 ID:???
校舎の裏口から小高い土手を越えたミサトたち四人は、ヘリの居場所として聞いた地点を目指していた。
(加持…、絶対死なないでよ…)
あふれ出てくる涙を見られぬよう先頭に立つミサト。
丸腰の日向がレイとともに続き、しんがりを青葉が務めている。
ほどなくヘリの機体が見えてきた。
ミサトが速度を上げようとした時、レイが告げた。
「待って」
顔を向けてミサトがたずねる。
「どうしたの?」
「いるわ」
ザッ
ミサトの足が止まった。
「いる、って…。誰?」
「敵」
30メートルも進めばヘリに乗り込める。しかし、レイの言葉がはやる思いを押しとどめた。
「戦自? 分かるの? レイ」
もう一度ヘリを見る。その瞬間。
ババババッ! ババババババッ! バババッ!
二秒ほど炸裂音が続き、止んだ。飛び出した一つの影が、手にした何かを投げつけて逃げ去る。
(手榴弾!)
今日だけでその脅威に二度もさらされていた青葉と日向は、投擲物の正体を即座に見て取った。
ミサトとレイの前へ出て叫ぶ。
「伏せてっ!」
ドグヮァァァーンッ!

735 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:27:17 ID:???
ブォォォォー! ガシャンッ! バリン!
一撃で粉微塵に吹き飛んだヘリの残骸と爆風が、木々の合い間を縫って押し寄せる。
「うっ…」
ミサトをかばって倒れこんだ日向と、レイに覆い被さった青葉。
直後、黒煙が上がり炎の揺れる方向から複数の足音が四人へ近づく。
それをしっかり聞いていたのはただ一人、レイだけだった。
傷を負った青葉と日向に加え、不意に押し倒されたミサトも前後不覚となっていたのである。

迷彩服の連中が地表の四人を取り囲む。
「男は迷彩服を着ているが、女は軍服のようだ」
「ネルフだろう。ヘリに向かっていたと思われる」
「さっさと始末しようぜ」
「ん…? 子供もいるぞ」
青葉の下にいるレイへ視線が集まる。
「お…、おいっ…、意識があるみたいだ…」
眉尻を上げたレイの赤い瞳が、憎悪を隠さず周囲の男たちを睨んでいた。

「零号機、投下!」
ガチャン!
ゲンドウの指示を受けた輸送機からエヴァが切り離された。
空母オーバーザレインボーへ向かって、ダミープラグで起動した青い体が降りてゆく。

「艦長! 青いのが来ます!」
「総員! 対ショック姿勢!」
ズウゥゥシャァァーンッ!
弐号機の戦闘時にも勢いよく着艦を許したが、それと同等の衝撃を受けて大きく揺れる巨艦。
ザバァァン…、ズズズズ…、ザバァァン…
固定してあるロンギヌスの槍ですら脱落しかねないほどのうねりに方々から悲鳴に似た声が上がる。
うわぁぁぁっ!

736 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:28:11 ID:???
後方より迫る複数の人間と銃弾に気づいたカヲルは『心の壁』を難なく展開していた。
カキーン! カキーン! カキーン!
しかし──
上空から精神状態を探る光の帯がカヲルの身へと降り来ていた。
(こ、これは…)

≪キミが人類補完計画の仕上げを担うのだ≫
≪最後の使徒たるキミが出現すれば、残る九つも出てこざるを得まい≫
≪複数のエヴァンゲリオンを用いて全使徒の殲滅を果たす…≫
≪全人類へ福音がもたらされる時。その一助となってもらおう≫
(僕が? リリンにとっては僕も敵だろう?)
≪その通り。だが、キミはシナリオを知っている≫
≪我々によって生かされている事実も、な。人類の勝利を妨げてはいかん≫
(決して裏切らない、と? そんなに僕を信用していいのかい?)
≪信用、などではない。有史以来の契約なのだ≫
≪キミが何を望もうと構わん。しかし、歴史はシナリオに沿って進むのだよ≫
(だったら、僕に頼らなくてもいいんじゃないかな?)

バシュッ!
光を浴びてやや乱れた心では壁を維持しきれなかった。
耐性の落ちた部分から漏れた弾丸が右腕をえぐる。
「ううっ…」
負った傷の痛みでカヲルに正気が戻る。
(空にいるんだね…。キミも心に興味を持ったのかい…?)
(僕も、だよ…。キミとは仲間になれそうだ…)

737 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:28:58 ID:???
≪この屋上は私の縄張りよ! 出ていかないと撃つわ!≫
(縄張り? 自分専用の場所、ってことかい? 拠り所がないと不安なんだね)
≪ごちゃごちゃうるさい男! ボウガンよ、見えないの?≫
(見えているよ)
シャキィィィーン! ブシュゥゥゥッ! ドサッ…

≪シンジ! そこはあかん! 走れ!≫
(友だち…、いいものだね)
≪てっ、てめえ、誰だっ! この家はやっと見つけた俺の隠れ家だ…、出て行けっ!≫
(僕もここにいたいんだ)
≪真っ暗で見えないかもしれないがな…、俺は包丁を持ってる…。刺すぞ…、本気だぞ…≫
(見えているよ)
シャキィィィーン! ブシュ、ブシュ、ブシュゥッ! ドサッ、ドサドサッ…

(殺すつもりはなかったんだ…。ただ碇シンジ君に会いたかったのさ)
(ボウガンで彼を撃ったのは、周りが本気になっている事を知らせたかっただけだよ…)
(あの家にシンジ君が寄る感触を得たから入ったんだ。先客には済まない事をしたね)

バシュッ!
心の壁はさらに緩み、左脚に第二弾を被った。
(空のキミ…、僕はリリンじゃない。心を知りたければ標本として不適切だと思うよ…)
(いま僕を撃っているリリン…、他者を怖れる思いからの行動だと考えるかい?)
(きっと違う…。群体として生を受けたリリンが本能として持つ連帯感だろうね…)
(僕にもキミにもそんな同類がいない…。本当はキミもうらやましいんじゃないのかい?)
(正直に言うよ…。僕はうらやましく感じる。そして…、彼らをもっと知りたいんだ)

シュルルルル…
鳥型使徒が発しカヲルへと伸びていた光線は、すぐ間近で小銃を放つ戦自隊員へ指向を変えた。

738 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:29:49 ID:???
途端に銃声は止み、迷彩服の一団は揃って地に膝をつけると頭を抱えて苦しみ始めた。
「敵が子供なのは分かっている…。命令なんだ…。仕方ないんだ!」
「良心の呵責は感じた…、躊躇もした…。しかし、どうすればいい! どうするべきなんだぁっ!」
それぞれに心情を吐露する姿を目の当たりにして、カヲルの心も揺れ動く。
(恐怖心や連帯感に加えて命令による行動、か…。ますますリリンが分からない)
(これもゼーレの差し金だとすれば、人類への福音と呼ぶ計画に疑問が生じる…)
(僕も…、どうするべきだろうか…?)
バタッ、バタッ、バタッ…
気を失って崩れる戦自隊員たちを尻目に空を見上げるカヲル。
「彼らを殺さずに済んだ。ありがとう、空のキミ」
そう口にすると、全力で下へ駆け始めた。

空母オーバーザレインボー上空で旋回していたエヴァシリーズが急降下を始めた。
「槍の投擲は間に合いそうか!」
零号機からの映像を見ていた冬月が叫ぶ。
「ダミープラグの思考に異常なし。照準の精度を問わねば敵襲03秒前に投擲できます!」
マヤの返答にゲンドウが応じた。
「衛星軌道上使徒を正確に狙わせろ! 2秒強を充当して確実に仕留めるんだ!」
「はいっ!」
リツコがパネル操作に割って入る。
「ダミープラグへの作戦指示はこの方が早いの」
ピコピコ、カチャカチャ
「先輩…」
最前列まで臼歯に覆われた口元を歪めるエヴァシリーズの飛来を映し出すメインモニタ。
ギュォォォォ
固定具を引きちぎって槍を構えた零号機が上空を狙う投擲体勢に入った。
「敵襲まで03秒!」
ピピピピピピピピ、ピーッ
「目標ロック完了! 発射!」
ビシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

739 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:30:38 ID:???
放たれた槍が空母甲板上の零号機を狙って飛び込むエヴァシリーズ各機の合い間をつんざく。
エヴァシリーズが体を張って止めようとしないのは、槍の威力を裏付けているようでもあった。
超高速で大気圏外を目指す槍が視線を集める一方で──
ガシャワァァァァァン!
「エヴァシリーズ、零号機およびオーバーザレインボーに直撃!」

「艦長! 退避なさってください!」
瞬時にして大破へ至った空母は、沈没不可避となった。
突撃を遂げた白い九体が、ホバリングしつつ青い一体を空中へ連行していく。
槍を守れず、任された艦もなすすべなく沈む。艦長がようやく言葉を発した。
「やはり我々の戦力は時代遅れか…。まったく抗いえず、海の藻屑となるようだ…」
「艦長…」
「オモチャと馬鹿にしておったが、私こそ馬鹿だったな…」
目深にかぶった帽子で隠れているが、声色から涙がにじんでいる様子が分かる。
揺れる艦橋の中、各員とも艦長の次なる言葉を待っていた。
「さいわい奴らは当艦を離れて空へ上がった。今なら逃げられる…」
「では、急ぎ手配します」
「そうしてくれたまえ。一人の犠牲者も出さぬようにな」
「はい」

光で構成された鳥型使徒へ向かうロンギヌスの槍。
「いけるか…」
問わず語りの冬月の言葉にゲンドウが返した。
「あの槍なら間違いない」
ピキィィン
進路を塞ぐように展開されたATフィールドの中央へ槍が到達する。そして──
グググググググゥゥゥゥゥゥゥ…、ビシュゥゥゥゥゥンッ!
抵抗されたのも束の間、槍は一直線にフィールドと使徒本体を突き破り、宇宙空間へと抜けて行った。
光の鳥は霧消した。

740 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:31:30 ID:???
ギー、ギー、ギー、クワァッ
エヴァ零号機の装甲を剥がしにかかったエヴァシリーズは、たった数秒でその意図を完遂した。
直後、笑うがごとく大きく開いた九つの口が、零号機の肉体をついばみ始めたのだった。

「残酷なものだ…」
空で展開される地獄絵図を見やって空母艦長はつぶやいた。
「艦長、準備が整っています。ご指示どおり既に総員退避済み、残るは我々のみです」
「そうか…、ご苦労だった」
「お急ぎください。速やかに当艦を離れなければ、沈没時の渦に巻き込まれます」
だが、キリストの受難劇の様相を呈する零号機の惨状を見る彼は動かなかった。
「私は…、残る」
驚きを隠せない一同。
「海の男が海で死ぬのは本望だ」
「しかし…」
「戦力が時代遅れなら、考え方も時代遅れだな。ハッハッハ…」
もはや誰一人として言を継げない。
「見ろ、あの青いエヴァンゲリオンを。時の流れは残酷だよ。古いものは駆逐される」
「……」
「任務を全うできず母艦すら失った海軍軍人…、海以外では何もできず、時代に対応もできない老人…」
その声は先ほどまでと違い、涙を感じさせなかった。

741 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:32:19 ID:???
「オーバーザレインボーと運命をともにさせてくれたまえ。私からの最後の命令だ」
常に彼を支えてきた副艦長が、固く結んでいた口を開いた。
「了解しました…。総員退避! ボートへ急げ!」
艦橋全体へ指示を繰り出し、ためらいがちな皆の足を押し進める。
一人一人と敬礼を交わして送り出した艦長へ、最後の一人となった副艦長が告げる。
「私はご挨拶しません…。まいります」
うなずいた艦長に背を向け、最後のボートへと駆け出て行った。

六十秒後。
「太平洋で眠る先人も多い…。ロクな戦績もないが、最後だけは緒先輩方に恥じぬ形となれただろうか…」
大きく傾いた艦橋で、海面へ目を落としつつ独り言を漏らした艦長の耳に別の声が届いた。
「もちろんです。海の男として望んでも得られぬほど立派な最後ではありませんか」
副艦長だった。艦橋の皆をたしかにボートへ乗せ終えた事を確認して戻ってきたのである。
「ご一緒いたします」
「そうか…。すまんな…」
「いいえ。艦長のもとで務められて幸せでした」
視線を合わせた二人は帽子をかぶり直し、数分前まで壁だった個所に直立して敬礼を交わすのだった。

742 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:33:16 ID:???
トウジを先頭にヒカリと女子二人が続き、丸腰のケンスケがしんがりを務める五人。
感覚を研ぎ澄まし、周囲に気を配っていたケンスケが突然に叫んだ。
「みんなっ! ダッシュだ!」
えっ?と振り返った他の四人は、十数メートル後ろに現れた武装集団の姿で事態を把握した。
ヒカリに手を伸ばしたトウジと目が合う。
(全速力で走れ! 応戦は二の次だ!)
前にいた二人の少女の手を取り、ケンスケも走る。
「逃げたところで我々の射撃精度は落ちんぞっ! 構えっ!」
ジグザグに走るより、できるだけ距離を取る事こそが命中率を低下させる良策と考えたケンスケ。
しかし、相手は戦自である。背後から届いた敵の発言にも理はあった。
(そりゃそうだろうけど…、黙って撃たれるわけにいかねぇんだよっ!)
直線距離で25メートルほど離れているが、狙いを定めて撃たれては平易な目標に過ぎないだろう。
(間違いなく餌食、か。だったら…)
意を決して手を引く少女に伝えた。
「銃をくれ。そして、走れ!」
命を救い続けてくれた恩人の提案に、二人は何らたずねる事なく銃を差し出した。
握っていた手を離して銃を受け取るや、叫ぶ。
「振り返らずに走るんだ!」
意図を理解した彼女たちだったが、どうする事もできない。両腕をいっぱいに振って駆ける。
その様子を見て口元を一文字に結んだケンスケが足を止めた。
そして、二丁拳銃を突き出しながら戦自部隊へ向き直った。

743 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/20(月) 22:36:42 ID:???
【※ 本編とは関係ありません ※】
 こんばんは。バルタザールです。
 いろいろやる事があって、なかなか手が回りません。すみません。
 続ける & 終わらせる気は満々ですが、ペースはやっぱり遅くなります。
 スレ汚し、失礼しました。

744 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 22:39:29 ID:???
超GJ!
艦長カッコヨス。

745 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 22:39:41 ID:???
今回も面白かった〜☆最高です!マターリ待ってますのでガンガって下さい(`・ω・´)

746 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 23:45:36 ID:???
「15日ぶりか・・・・」
「ああ、間違いない」  「神だ」

747 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 00:02:58 ID:???
神降臨

748 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 14:02:24 ID:???
>>745
新参乙

749 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 16:05:37 ID:???
バルさん乙、GJ!
加持.ケンスケ.艦長.副艦長…男気を感じる!なんか熱くなってくる…

750 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 17:24:10 ID:???
ケンスケに恋をした

751 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 18:02:41 ID:???
乙です。ケンスケイイネ

752 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 18:08:44 ID:???
主人公ケンスケ

753 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 20:11:30 ID:???
目頭が熱く…泣いているのは、私?

754 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/22(水) 04:28:56 ID:???
とうとうケンスケに死亡フラグが…

755 :ケンスケ:2006/03/23(木) 21:09:26 ID:???
トウジ、この戦いが終わったら俺結婚するんだ・・・
絶対に結婚式出ろよな。ハハハ・・・・・

756 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 00:05:28 ID:???
バルタザール氏マジ乙!昨日初めてこのネ申スレを発見して一気に読み終えてしまいますた。
一部の厨に「このスレはすでにバトロワではない」なんて言い出す輩がいたが、気にすることはない。おれはバル氏のこの話は立派に「エヴァ」であると同時に、「バトロワ」であり、それら二つの要素をうまく繋げた傑作だと思う。
なぜなら、過酷な運命のなかでそれでも前に進もうとする時田やケンスケ、加持やミサト達の姿はみなそれぞれ七原や三村、川田といった人バトロワの人物達の物語と見事に重なるからだ。
特に、エヴァもバトロワも原作はほとんど救いのない話であるのに対し、なんとか登場人物達に救いを与えようとするバル氏の姿勢には激禿同。
後、原作エヴァと違ってちゃんと伏線の回収もできているところもクオリティタカス!


757 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 00:09:34 ID:???
バル氏GJ!
確かに伏線の回収は見事だな〜GAINAXにあなたの爪の垢、いやむしろチン(ryを煎じてのませたい!


758 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 00:10:53 ID:???
ま〜まとめると…  「どうみてもバルタザールは神です。本当にありがとうございました。」
…ってことだろ?

759 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 02:28:09 ID:???
ま、そーゆーのことだな。

760 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 02:37:18 ID:???
バル氏GJ!!
もしかしてこのままEOEまで話をもっていくのかな…。

761 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 10:13:02 ID:???
バルさん忙しいのかな?(´・ω・`)

762 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 15:48:32 ID:???
>一部の房
( ´∀`)オマエモナー

763 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/25(土) 13:59:42 ID:???
>>760戦自が出てる時点で(ry

764 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/25(土) 14:17:59 ID:???
だかしかし主人公はケンスケだぞ?

765 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/25(土) 16:41:23 ID:???
これは映画にできる。
10周年企画でやってくんねーかな…

766 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/25(土) 22:48:44 ID:???
本気で映画にするとなると15禁ぐらいになりそうだな。

みんなの言うとおり伏線の回収はバル氏うまいな。
>>756
原作エヴァはわざと伏線回収してないと思われ。

767 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 00:54:40 ID:???
わざとってゆーか、する気もなかったろうね
設定がリアルタイムでコロコロ変わってたから最後は開き直ったんだろう

768 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 01:21:25 ID:v543De5I
わろた

769 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 01:46:07 ID:???
いかにも厨が好みそうな話だな。

770 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:31:32 ID:???
完結する前にこのスレ終わらせてやるよ

771 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:33:15 ID:???


772 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:34:09 ID:???


773 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:35:37 ID:???


774 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:37:46 ID:???


775 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:40:14 ID:???


776 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:44:12 ID:???


777 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:45:28 ID:???
もう秋田

778 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 13:59:50 ID:???
埋めてやる

779 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 14:48:53 ID:???


780 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 14:50:52 ID:???


781 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 14:51:41 ID:???


782 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 14:53:10 ID:???


783 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 14:54:20 ID:???


784 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 14:59:40 ID:???
また厨が沸いてますね。勉強でもしたらどうでしょう?

785 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 15:02:52 ID:???
煽るな阿呆

786 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 15:05:20 ID:???
>>785
スマネorz

787 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 16:17:54 ID:???
春が終わるね・・・。

788 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 20:53:18 ID:???
そんな事よりバル氏まだ?

789 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:05:47 ID:???
>>787
このスレも終わるね・・・。

790 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:07:02 ID:???


791 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:07:51 ID:???
kuso

792 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:08:44 ID:???
kuso

793 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:09:42 ID:???
kuso

794 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:10:47 ID:???
kuso

795 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:12:02 ID:???
kuso

796 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:13:11 ID:???
kuso

797 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:14:53 ID:???
kuso

798 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:15:51 ID:???
kuso

799 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:19:14 ID:???
kuso

800 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:20:08 ID:???
800get

801 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:21:12 ID:???
kuso

802 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:22:06 ID:???
kus

803 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:22:53 ID:???
ku

804 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 15:23:44 ID:???
k

805 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 18:07:22 ID:???


806 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 18:09:50 ID:???
>>800
なんかちゃっかりしてるお前が好きだ。

バル氏おいでやす〜。

807 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 18:14:11 ID:???


808 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 18:15:04 ID:???
くs

809 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 18:16:07 ID:???


810 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 18:16:56 ID:???


811 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:14:38 ID:???
右腕と左脚から血をしたたらせつつも、カヲルは懸命に駆けていた。
(リリンの心に興味を持ち、僕とも分かりあえそうだった空のキミ…)
(消えたのかい? キミをそんな目にあわせられるとしたら…)
ついさっきまで確かにいたはずの感触を失ったカヲルは真実をつかみとっていた。
(ロンギヌスの槍か…。ここで使うとはね…)
(リリンが勝ち残るのは構わない。だけど、すべてのリリンが勝利を手にするのはふさわしくない…)
(他者を犠牲にしてまで生きようとする者、自らの犠牲をいとわず他者を守ろうとする者…)
昨日以来めぐりあった人間たちの行動を考えるほどにカヲルの思考は混乱しかけた。
しかし、今はただ一つの目的のために急ぐ。
(僕は…、憎むべきリリンと戦い、愛すべきリリンを守りたい…)

ヒカリの手を引いて走るトウジは、後ろの三人がついて来ているのを確かめようと首を向けた。
(ケ…、ケンスケがおらんやないか…)
目に映ったのは、泣き顔で走っている二人の女子だけだった。
そして──
その遥か奥、迷彩服集団との間に背を向けて立つケンスケの姿があった。
(あのアホんだら…、こんなとこでカッコつけんでもええんやぁっ!)
今すぐ足を返し、機関銃で援護へ向かう意思が湧き上がる。
とはいえ、その行動はヒカリを置き去りにするのと同義だった。
仲間を助けるべくケンスケが選んだ道。アスカに誓ったヒカリの守護者たる自分。
(委員長とケンスケを天秤にかけるやなんてワイにはできん…。どないせぇっちゅねん…)
後方へ顔を向けたまま走るトウジの視界がにじむ。
(死なんでくれ…、ケンスケ…)

ケンスケの両目はしっかりと開いていた。
死を覚悟しても、戦闘時に視界を閉ざす事は本能が拒んでいた。
居並ぶ隊員と銃口を確認した刹那、短い人生での出来事が走馬灯のようによみがえる。
(親父、悪いな…。今度こそ本当にお別れだ…)
トウジたち四人を生かす盾として立ち塞がるケンスケの指が引き金を引こうと動く。

バン! バン! バン! バン! バン!

812 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:15:28 ID:???
「碇め…、ロンギヌスの槍を使って使徒を倒すとは…」
「槍はどこにある」
「今や宇宙空間、我々の手による回収は不可能だよ」
「おのれ…、重ね重ね邪魔をしおって…」
エヴァシリーズからの映像を前に、ゼーレ内では憤怒の情が渦巻いていた。
議長キール・ローレンツがなだめるように語る。
「先に碇と話をした事で見当はついていた。慌てる必要はない」
「しかし…」
「槍はデストルドー反応に誘引されて戻る、とシナリオにある」
「……」
「その反応なら我々の手で現出できるのだ。心配には及ばん。フッフッフ…」

「冬月、電話を入れてやれ」
「電話? どこに、だ」
ネルフ第一発令所総司令席のゲンドウは冬月の問いに背を向けたまま答えた。
「日本重化学工業共同体…。皆が死んだわけでもあるまい」
「何を伝える?」
「光線源は殲滅した。動けるうちに退散しろ、とでも言ってやればいい」

プルルルルルルル、プルルルルルルル
外線を示す音で鳴る電話機に、ジェットアローン基地で唯一正気を保つ時田が力無く寄る。
ガチャ
「はい…」

813 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:16:15 ID:???
バタッ、バタッ、バタッ、バタッ…
響き渡った複数の銃声と同時に、ケンスケと対峙する戦自隊員たちが次々に倒れた。
(どういうことだ…?)
今にも引き金を絞るつもりだったが、まだ二丁拳銃からはただの一発も飛び出していない。
迷彩服の一団に動揺が走り、次の瞬間には体を後方へ向けた。ケンスケに背を見せる格好。
(なんで俺に背を? 戦いのプロが…)
だが、その理由は即座に判明した。
山道の上の方向から猛スピードで駆け寄る一つの影が銃を手にしている。
その正体こそは──

「渚カヲルっ! 生きていたのかぁっ!」
思わず上げた叫びが届いたか、戦自を挟んでまだ遠いカヲルの口元が笑んだように見えた。
バン! バン! バン! バン!
まったく躊躇することなく引き金を引くカヲル。
放たれた銃弾が、虚を衝かれた標的を素早く正確に射抜き続ける。
「ううっ…」
「ぐぉっ…」
バタッ、バタッ、バタッ…
それぞれ一発ずつの弾丸で的確に致命傷を与えているようだった。
(な…、なんて奴だ…。俺なんかより断然銃の扱いにたけてやがる…)
バン!
遂には最後の一人までもが倒れた。
バタッ…
反撃すらできぬまま、ケンスケを蜂の巣にするはずだった男たち全員が地に伏して動かなくなった。

814 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:17:05 ID:???
発砲音で感傷を遮られ現実に戻ったトウジは足を止め、涙に覆われた目を袖でぬぐった。
結局走り続ける事を選択したトウジは、ヒカリたちとともに緩やかなカーブを曲がリ終えていた。
ケンスケや戦自の姿がうかがえない地点である。
(今のは兵隊が持っとった銃の音とちゃうはずや…。ケンスケが撃って…、その後に反撃はあらへん…)
考えにくい事態ではあったが、ケンスケが勝ったのかもしれない。
現況から察しえる推測は、ずっと抱いていた希望に沿う。だからこそ、足を止めたのだった。
「委員長…、止まってすまんな…。そやけど…」
「いいの…。鈴原クンの思う通りにしていいのよ…」
皆を走らせた張本人のケンスケがいない事。今日何度か聞いたのと似た銃声しかしなかった事。
ヒカリもまた、トウジと同じ考えでいた。
「相田クンは…、私たちを助けようとしたんでしょ…? でも…、今の音なら彼…、生きてる…」
「やっぱり委員長もそない思うか…」
「うん…」

ザッザッザッザッ、ピョンッ、ザッザッザッ
横たわる迷彩服の男たちを飛び越えて、カヲルがケンスケの元へ走り寄った。
「よかった…。ケガは無いかい…?」
「お…、お前こそケガしているじゃないか…」
今の戦闘では反撃されていないはずだが、カヲルの腕と脚からは血がしたたっていた。
「大したことないさ…」
「いや、かなりの深手だ…」
「これ、返しておくよ…。随分と弾は使ってしまったけどね…」
預かっていたSIGザウエルを手渡すカヲルは、ようやく実感する肉体の痛みを押し隠すように微笑んだ。
銃を受け取ったケンスケがカヲルへ肩を貸す。
「つらそうだ。すぐに止血しないと」
「ありがとう…。でも、この痛みなんて軽いものだよ…。本当の痛みは心の中にあるんだ…」
「無理するな」
「フフッ…、キミは本当にいい人だね…」
カヲルの額はじっとりとした汗で濡れ、顔色は蒼白へ転じつつあった。

815 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:17:52 ID:???
「うんっ…」
爆風を受ける直前、日向から身を挺して守られたため傷一つ負わずに済んだミサトの意識が戻った。
倒れた姿勢のまま周りを見渡す。敵として現れたはずの戦自の影はなかった。
「日向くん…、しっかりして。大丈夫?」
眼鏡が弾け飛んで素顔となった日向は、眠ったように動かないものの呼吸はしている。
ぐい、とその体を持ち上げると自分の身をスライドさせ、おぼつかない足取りでミサトは立ち上がった。
「こ…、これは…」
迷彩服の背中の一部が裂け、うつ伏せの姿勢でいる日向と青葉に驚いたのではない。
自分たちを囲むように四つの体が転がっていたのである。首から上の無い状態で──
(な、何よ…。どういうこと…)
咄嗟に青葉の下にいるはずのレイへ視線を向ける。
(いない…)
青葉が守ろうとしたレイは、その身の下から忽然と姿を消していた。
あまりにも不可解かつ異常な事態に、ミサトは二人を起こしにかかった。
「青葉くん! 日向くん!」
腰を下ろして体を揺する。
「ねぇ! 起きて! お願い!」
悲痛な声と体への刺激に目を開けたのは日向が先だった。
「んっ…」
すぐ脇のミサトへ目を向けて声をしぼり出す。
「葛城さん…。ご無事でよかった…」
「ありがとう、本当に助かったわ。大丈夫? 大したケガは無さそうだけど…」
「ええ。葛城さんが無事なら僕は何ともありませんよ…」

816 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:18:40 ID:???
遅れて目を覚ましたらしい青葉が唐突に叫んだ。
「い、いないっ!」
自分が守った対象の不在を悟ったようである。
「そうなの、レイが消えたのよ…。それに…」
「それに?」
「二人とも…、立てるなら周りを見てくれる…?」
促されてどうにか立ち上がった青葉と日向は、ミサトが確認した時と同様に絶句した。
「これはいったい…」
「私たちが気を失っている間に誰かがやった…。そうとしか考えられないわ」
「……、まさか…」
ミサトの眉間には苦悩を示す深いシワが刻まれていた。
「レイの可能性が高いわね…」
すぐさま青葉が伝える。
「この殺傷方法は…、渚カヲルと同様です…。検証した複数の現場と状況が酷似しています」
「そう…」
心ここにあらず、といった返事をするミサト。
(レイ…、あなたって何者…? どこへ行ったの…?)
じっと何事かを考えている風のミサトへ日向がたずねた。
「葛城さん、ご確認ください。加持さんから託されたアダムを…」
その言葉で我へ返ったミサトは制服のポケットへ右手を突っ込んだ。
(無いっ!)
急変したミサトの様子に日向は事態を把握した。
「もしや…」
「なくなってるわ…。レイが持っている、と考えるのが自然でしょうね…」
「彼女はネルフへ帰りたがっていました。碇司令はアダムを奪い返すように葛城さんへ命じましたよね?」
青葉が継いだ。
「危険です…。手段は分かりませんが、アダムを持って碇司令の元へ戻ろうとしているのでは?」
ミサトは歯噛みした。
(急襲を受けたとはいえ不覚だわ…。加持が命を賭けて持ち出したアダム…)
(何があっても碇司令の手元へ戻らせるわけにいかない!)

817 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:19:28 ID:???
ゴォォォォォー
エヴァンゲリオン初号機を吊り下げた輸送機は浅間山を目視できるところまで来ていた。
「投下準備完了。カウントダウン開始、お願いします」
弐号機と同じく十字架に似た台座に据え付けられた初号機を映像で確認する冬月がつぶやいた。
「まるでゴルゴタの丘のイエス、だな…」
「人類の拠り代…、今日という日のためにエヴァンゲリオンは造られたのだよ」
ゲンドウの発言は間違っていない。しかし、冬月には気がかりがあった。
「イエスは時の権力が弄した謀略で命を落とした。初号機にも…、命取りとなる要素は多い」
「……」
「使徒、ゼーレ、エヴァシリーズ…。パイロットも使えるかどうか分からん。思い通りに運ぶかね…」
肘をつき、口の前で手を組む姿勢のままゲンドウが応じた。
「問題ない」
「だが、碇…」
「冬月先生…。ゼーレや私でなく、この日を誰より待っていたのはユイです…」
碇ユイ。その名を耳にした冬月が小さくうなずく。
(そうだったな…。ユイ君がいる限り人類が滅びることはない…)
得心した冬月の様子を背中で感じ取ったゲンドウが立ち上がった。
「初号機投下カウントダウン、開始!」

バッシャァァァァァンッ!
全身を食い尽くされた挙句に投げ出されたエヴァ零号機の残骸が海面へ触れた。
空母オーバーザレインボーが沈む渦と零号機が生む渦を見るエヴァシリーズが口元を歪める。
何らの抵抗も示せず餌食となった塊の最期を見届けようともせず、各機は北東へ向かい始めたのだった。

818 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:20:16 ID:???
「エヴァシリーズが零号機を破壊してしまったようだ」
「数が足りずとも補完はできる」
「かといって、これ以上減るのは望ましくないぞ」
「参号機、四号機はそろそろ浅間山かね?」
「まもなく着陸体勢らしい。現地にて初号機、二号機も揃う」
「シリーズも後を追っている。いよいよだな」
「現れていない使徒がまだいるのでは?」
「十二体のエヴァンゲリオンがあれば、どうとでもなろう」
「楽観はできん。ネルフ支部を壊滅させたような使徒では困る」
キールの声がまとまりの無かった雰囲気を締める。
「ともかく、もはや後戻りはできぬ。大いなる喜びを迎えるため、最善を尽くすほかあるまい」

「シンジ君、アスカ、聞こえる? 返事をして」
出張作戦部経由の回線で音声をつないだリツコは、弐号機プラグ内のパイロットたちを呼んでいた。
「「ううっ…」」
嗚咽だけは返ってくるが、意味のある言葉はない。
「ダメね…。二人とも精神に相当なダメージを負ったみたい」
リツコのため息を隣で聞いたマヤが提案する。
「もうすぐ初号機も到着します。二人を外へ出して安静にさせるしかないと思います」
「そうね…。プラグの強制射出とハッチオープン、パイロットの回復を優先させましょう」
いかがですか、とリツコが総司令席へ向き直る。
「異存はない…。よろしくたのむ…」
ゲンドウとリツコの間にただよう微妙な緊張感は誰もが察していた。
しかし、非常時である現在において判断へ私情が挟まれる事はなかった。
「セカンド、サード両チルドレンの身柄確保、心身の回復を最優先とします!」
出張作戦部へ向けたリツコの指示が響いた。

819 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:21:04 ID:???
立ち尽くしていたトウジの足が、いま駆けてきた道を戻る方へ向いた。
もしケンスケが存命なら必ず現れる。その思いから出た行動だった。
「すまん…、ワイはここでケンスケを待ちたいんや…」
ヒカリ、そして少女二人の声が重なった。
「「「うん…」」」
機関銃を構えつつ、カーブで死角になった道の先を見つめるトウジだった。

侵入を果たした戦自が校舎へ足を踏み入れるタイミングで、加持はゆっくりと屋上へ向かい始めた。
(いくら迷彩服姿でも、肩章もないこの出で立ちで奴らの友軍を装うのは無理だろう…)
死の危機へ直面しているというのに、加持の頬は緩んでいた。
(ま、できるだけの事はやるさ。葛城が生きていればそれでいい…)

アダムをスカートのポケットへ入れ、綾波レイはふたたび学校を目指していた。
(これを手にする事が許されるのは誰?)
(碇司令…? 渚カヲル…? 私…? 他の使徒…? それとも…、碇クン…?)
感情にまかせて四人の首をはねたばかりとは思えないほどレイは落ち着いていた。
(きっとそれは…)
結論を導き出そうとした時。
レイは歩みを止め、中空に目を見張っていた。
そこには、白と黒がまだらに配色された不気味で巨大な球体が突如現れ、微動だにせず浮かんでいた。

820 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/03/28(火) 19:25:32 ID:???
【※ 本編とは関係ありません ※】
 こんばんは。バルタザールです。
 レスのペースが速いうえに、私の作業が遅く、
 とてもスレが終わるまでには終劇となりそうもありません。
 すみません。すべて私のせいです。
 以前書いたように、別の場所での続行も視野に入れています。
 そういう事態となれば「バルタザール」「バトルロワイアル」で
 検索にかかるよう最適化したいと思います。
 当分はここに書いていくつもりですが。

 スレ汚し、失礼しました。

821 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 19:41:50 ID:???
GJ!

822 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 21:18:41 ID:???
バルちゃん乙!
このスレで完結しないなら次スレ作るべきかな?

823 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/29(水) 02:04:29 ID:???
乙です。
950を超えたら次スレは考えればいいんじゃないか。

824 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/29(水) 11:06:59 ID:???
ケンスケ最高だな。

825 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/29(水) 12:08:07 ID:???
バルさんGJ!そろそろ次スレでもいいかも…しかし…おもしろい…

826 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/29(水) 12:49:37 ID:???
パターン赤、ネ申です!!

冬「ネ申だな」
ゲ「ああ間違いない、ネ申だ…」

827 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/29(水) 13:48:53 ID:???
900超えたらでいいんじゃね
ここの男どもはかっこいいな惚れそうだよwwwっうぇwww

828 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/29(水) 20:56:41 ID:???
場所を変えるよりはエヴァ板で完結させて欲しい。次スレ立てればいいだけだし

829 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/30(木) 04:58:11 ID:???
まじオーバー・ザ・レインボーの艦長と副官カコイイ

830 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/30(木) 17:42:37 ID:???
バル本人の望むままに
素直に次スレたてるよりも、そうしたほうが、嵐・厨よけになる

このスレ、儲にも厨が多いからね

831 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/31(金) 08:08:46 ID:Qh/pyq39
おぉ!読み更けていたらこんな時間にっ・・・
素晴らしいです!

832 :名無しが神でも代わりはいるもの:2006/03/31(金) 15:13:48 ID:erkrwgjb
全てはバル氏の意向に任せるが、ここまでの書き込みに荒らしはいないから
そうそう捨てたもんじゃないかともおもう

833 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/31(金) 16:40:45 ID:???
まあ、ageてるオマエラが嵐なんだがな。

834 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/31(金) 16:57:01 ID:???


835 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/32(土) 16:18:34 ID:???


836 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/32(土) 17:58:48 ID:???


837 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/32(土) 18:56:52 ID:???


838 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/32(土) 23:16:22 ID:XO/y6wet


839 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/32(土) 23:50:20 ID:???


840 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 03:31:47 ID:???


841 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 12:02:39 ID:???



842 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 19:56:47 ID:???


843 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 21:46:21 ID:???



844 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 21:48:02 ID:???
バルさん来ないね

845 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 00:04:30 ID:???
まだ一週間たってねぇだろ。少しはまてよな。バル氏だってリアルがあるんだよ。

846 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 09:49:16 ID:???
もはやバトロワではないが、バルさんがネ申なためsageて待つ

847 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 13:41:22 ID:???


848 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:38:06 ID:???


849 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:39:25 ID:???


850 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:40:29 ID:???


851 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:42:55 ID:???


852 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:45:20 ID:???


853 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:46:42 ID:???


854 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:48:45 ID:???


855 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:49:49 ID:???


856 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:51:25 ID:???


857 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:52:43 ID:???


858 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:53:58 ID:???


859 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:54:57 ID:???


860 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:56:44 ID:???


861 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 14:57:32 ID:???


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890 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:34:01 ID:???
くぁすぇdfrtgyふじこlp;@:「」

891 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:34:49 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;:@「」

892 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:36:18 ID:???
くぁwせdrftgyふじkp;@:「」

893 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:37:04 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

894 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:38:40 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

895 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:40:24 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

896 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:41:58 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:」「

897 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:42:59 ID:???
くぁすぇdrftgyふじこlp;:@「」

898 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:44:09 ID:???
くぁwせdrftgyふじkp;:@「」

899 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:47:02 ID:???
あqwせdrftgyふじこlp;@:「」

900 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:47:47 ID:???
900げと

901 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:48:30 ID:???
通報してきた

902 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:49:17 ID:???
>>901
アク禁は確実だな

903 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:50:08 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

904 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:50:55 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:」「

905 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:52:25 ID:???
>>901
>>902
そんなんでビビルと思ってんの?
それこそ傲慢な思いあがりだわ!

906 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:53:59 ID:???
そして再開
くぁwせdtぎゅじこlp;@:」「

907 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:55:04 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;:@「」

908 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:56:19 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;:@「」

909 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 15:57:36 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

910 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:00:51 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;:@「」

911 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:04:36 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;:@」「

912 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:08:14 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;:@」「

913 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:10:03 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

914 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:11:06 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;:@」「

915 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:12:21 ID:???
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

916 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:13:09 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;:@」「

917 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:15:30 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;:@「」

918 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:16:20 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

919 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:17:29 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

920 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:19:08 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyひこlp;@:「」

921 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:20:55 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

922 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:23:10 ID:5ahwY4s5
そろそろ秋田

923 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 16:28:17 ID:???
おまえ氏ねよ!まじで!!そんなに荒らしたいのか?頼むわ氏んでくれ!

924 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 18:39:00 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;:@」「

925 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 18:43:18 ID:5ahwY4s5
qawsedrftgyhujikolp;:@[]


926 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 18:44:06 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;:@「」

927 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:00:47 ID:???
わざわざ一回一回手作業で書き込むなんてアホだなwww
スクリプト使えば簡単なのにテラアホスwwww

928 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:05:52 ID:???
(´・ω・`)オマイカワイソス
三時間も嵐続けるなんて…。他にすること無いんだね。
こんなことしてないでバイトしたり、勉強したりして有意義に時間を使ったほうがいいと思うよ。友達と遊んだりするのもいいと思うよ。
友達はいないのかい?

929 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:08:50 ID:5ahwY4s5
>>927
練習だからいいんだよ
くぁtgyひこlp;:@」「

930 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:09:48 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;:@」「

931 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:12:26 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrfgthyじゅいこlp;:@」「

932 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:12:36 ID:???
sage sage sage sage sage sage sage !!!

あと、この手の嵐はスルーしなくて良いもの?

933 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:13:53 ID:5ahwY4s5
qzwぇcrvtbyぬみ、お。p・@¥「

934 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:14:38 ID:5ahwY4s5
あzsxdcfvgbhんjmk、l。;・:¥

935 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:15:40 ID:5ahwY4s5
>>932
スルーすれば良いと思うよ?
くぁzwsxtfvgbyんk、おl。p;・@:¥「

936 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:17:16 ID:5ahwY4s5
くぁzwsぇdcrfvtgbyhぬjみk、おl。p;・@:¥「」

937 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:18:35 ID:5ahwY4s5
くぁzwsぇrfvtgbyhぬ@p;・:¥「」

938 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:22:04 ID:5ahwY4s5
>>928
たしかに他にする事ないね、春だし
友達は勿論いるよ
嵐をするのはヒッキーだけって考えはもう時代遅れって事さ

939 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:23:27 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

940 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:24:21 ID:???
脳内の、だろ?

941 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:25:16 ID:5ahwY4s5
ざqxswcでvfrbgtんhymじゅ、き。ぉ・;p¥:@」「

942 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:26:50 ID:5ahwY4s5
qzwぇcrvtbyぬみ、おp。・@「¥

943 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:28:01 ID:???
>>938
バッカジャネーノwwww

944 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:28:16 ID:5ahwY4s5
あqswでfrgthyじゅきぉ;p:@」「

945 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:28:37 ID:???
コイツ>>1かな?

946 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:30:28 ID:5ahwY4s5
>>943
嵐に反応する香具師も嵐です
本当にありがとうございました

947 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:31:45 ID:5ahwY4s5
zstrddvbyghm;じこ。p;l

948 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:33:03 ID:5ahwY4s5
sずrsfrbfhんgふhhbbyj

949 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:35:39 ID:5ahwY4s5
sん7いgdrjみtふぉhぎゅsん7お

950 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:36:03 ID:???
当面の避難所
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1046863143/

951 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:36:42 ID:5ahwY4s5
わえtybfとおl86;うtyrtydぉいむいlh;お:

952 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:36:46 ID:???
もうすぐ終わりそうだから、誰か次スレお願い

953 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:39:38 ID:5ahwY4s5
次スレ立ててもすぐ潰すから意味無いよ

954 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:43:14 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrftgyふじおlp;:@「」

955 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:44:58 ID:5ahwY4s5
くぁwせdrtyふじこlp;@:「」

956 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:46:56 ID:5ahwY4s5
くぁzwsぇdrcftvygbふんじmこ、lp。;@・:¥¥」

957 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:49:04 ID:5ahwY4s5
6yふぃ;こ。9ぷr6う5bd7いtn

958 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:52:31 ID:???
お前に友達と思われてる人カワイソス(´・ω・`)

959 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:54:49 ID:5ahwY4s5
友達も2chやってる事知ってるし友達も2chネラーだしね
漏れメールも2ch風だし

960 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:54:54 ID:???
次スレ
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1144061607/

961 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 19:59:10 ID:???
>>959
つまり友達も引きこもりニートなのね。社会のゴミ乙。

962 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 20:00:54 ID:5ahwY4s5
↑(´∀`)オマエガナー

963 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 20:09:19 ID:???
おーい、このスレも次スレも書き込まないのか?


つぶすんだろ500分時間使って

964 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 21:14:33 ID:???


965 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 21:17:44 ID:???
何をしても無駄だ、こいつは埋めきるまで止められん、イノシシの暴走だ

966 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 22:13:05 ID:???
別にやらせとけばいいでしょ。次スレまで埋めるとは思えないし
次スレも埋まったらさらに次スレ作ればいいし。
まぁその前にアク禁だな

967 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 23:17:27 ID:???
       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       | 通報しますた!
       \
          ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   ∧_∧      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         ∧_∧     ( ´Д`)    < 通報しますた!
         ( ´Д` )   /⌒    ⌒ヽ    \____________
        /,  /   /_/|     へ \
       (ぃ9  |  (ぃ9 ./    /   \ \.∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        /    /、    /    ./     ヽ ( ´Д` )< 通報しますた!
       /   ∧_二つ (    /      ∪ ,  /   \_______
       /   /      \ .\\     (ぃ9  |
      /    \       \ .\\    /    /  
     /  /~\ \        >  ) )  ./   ∧_二∃
     /  /   >  )      / //   ./     ̄ ̄ ヽ
   / ノ    / /      / / /  ._/  /~ ̄ ̄/ /
  / /   .  / ./.      / / / )⌒ _ ノ     / ./   (゚д゚) シマスタ!
  / ./     ( ヽ、     ( ヽ ヽ | /       ( ヽ、  ゜( )ー
(  _)      \__つ    \__つ).し          \__つ  ./ >  (・∀・)シマスタ!

968 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 07:59:40 ID:???
新スレたったからそろそろうめないと。

969 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 09:10:55 ID:???
ウザイスレがここも荒らしてるの?

970 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 10:21:55 ID:???
>>968
今頃かよwwwww

971 :バルタザール ◆EVAry2gtDQ :2006/04/04(火) 19:42:39 ID:???
【※ 本編とは関係ありません ※】
 こんばんは。バルタザールです。
 凄まじく伸びていたので何事かと思えば、なるほど…
 ここへ投下する以上は不可避の事態ですね。

 まずは>>1さん、わざわざ新スレを立てていただきありがとうございます。
 お手間を取らせてまで書いたものを待ってもらえるのはこの上ない喜びです。
 本当に嬉しい限りです。
 しかし…
 すみません。実のところ、まだほとんど続きは書けていません。
 今週中にはどうにかしたいのですが、ちょっと分かりません。
 本当に申し訳ありません。できるだけ早くどうにかしたいと考えています。
 別ストレージ案はいったん保留にし、ここへ書いていきます。
 「のんびりしすぎ」と怒る方や「スレの占有」と感じる方もいるかと思いますが、
 ここまでお膳立てされた以上は頑張ります。
 少々お時間を頂戴しますが、お待ちいただければ幸いです。
 スレ汚し、失礼しました。
【※ この文章は旧スレ・新スレの双方に書き込ませていただきました ※】

972 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 22:26:39 ID:???
バルさん頑張って。
毎回楽しみにしてるよ。

973 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 22:57:36 ID:???

がんがれ

974 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 00:12:46 ID:???
やっと追い付いた
自分は小説家を目指す者です。たまたまここを見たのですが文才や発想、まとめかたや状況説明等もかなりのレベルだと思います!
擬音の前に詳しい説明、比喩表現等を取り入れた後に発するのが良いと思います。
エヴァネタに頼らなくても面白い作品が出来ると思います。
とても素晴らしいです!これからも頑張ってください


975 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 01:27:06 ID:???
期待してます!

976 :カスパー ◆Prqhvkxo1c :2006/04/05(水) 05:27:45 ID:???
「本部の直上に謎の物体が出現!!」
一人のオペレーターの一言でまた辺りに緊張が走る。
「詮索班は何をやっている!状況は?」
冬月が激を飛ばしながらモニターに出すよう促す。
「モニターアップします」
「おぉ……」
一同の驚きと共にそこに映ったものは白と黒の入り混じった球体で微動だにせず空中に静止している。
「使徒か!?」
「マギは、判断を保留しています」
冬月の早い質問にマヤが素早く答える。
(ここに来て更に……か。しかしエヴァは3機共出払っている……打つ手がないぞ)
冬月はモニターに映る使徒をただ凝視していた。


977 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 05:33:42 ID:???
カスパー来ちゃったよ

978 :カスパー ◆Prqhvkxo1c :2006/04/05(水) 06:43:14 ID:???
「使徒を肉眼で確認……か」
ミサトが本部の上空に浮かんでいるものを見て呟く。
(でも今までのタイプとはどこか違うわね……新種の使徒?)
ミサトの考えが捜錯してるのを知ってか中々声をかけれないでいた二人が咳を切った様に切り出す。
「どうします?ああ堂々と本部上空に居られたらウカウカ近付けもしませんよ」
「・・・」
日向の質問にも無言の回答をせざるおえなかった。
(本部の動きがまるでない……当然よね、エヴァ3機とも出払ってるんだから)
ミサトはしばらく悩んだ後青葉に本部に通信繋いで、と冷静に静かに一喝する。
ピピ……ガガ
古い電子音がした後
「こちらネルフ本部」あまり聴き成れない男の声だった。
「(マヤちゃんなら話が早かったんだけど)葛木だけどそっちの状況は?」
ミサト少しめんどくさそうに頭を少し掻く。
「葛木さん?」
「ん?誰だっけ?」
ミサトはその声の主を少しだけ覚えていた。
「相田です。今伊吹さんに代わります。」
「葛木さん?」
「マヤちゃんそっちの状況は?」
伊吹二尉は少し躊躇った後ゆっくりと話始めた
「はい、上空に使徒と思われるものが突如現れました!」
少し気になった点……(使徒らしき?やっぱり今までにはないパターンなの…)

979 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 06:44:18 ID:???
後メル来たら本当にマギスレだなおいw

980 :カスパー ◆Prqhvkxo1c :2006/04/05(水) 07:03:05 ID:???
「それはこっちでも確認してるわ。で……使徒らしきってどうゆうことなの?」
自分の考えに確証を得る為に質問を投げ掛ける
「パターンオレンジ、マギは判断を保留しています。でも……これまでの事を考えると使徒の可能性が高いですね」

「エヴァ3機は?」
「零号機は大破、弐号機はパイロットが意識レベル一桁です。初号機はダミープラグで機動、浅間山付近です」
「司令と副司令の判断は?」
「相手に動きがないので……」
「様子見……か」
(状況は芳しくないわね……)
「とりあえず今からそっちに向かうわ」
そうまとめ通信を切ろうとした最中もう一つ聞くことがあるのを思い出した
「レイ……来てない?」
「はい…」
それを聞いたミサトは…そ……とだけ言い残し通信をきった
(事が大きくなり過ぎて状況が掴めないわね……戦自がここに来た理由……誰の差し金なの……。そもそもこの候補者選抜はリツコの独断の筈よ……もしかしたら……仕組まれていたのかもね)
考えが推測の域を出ないなら考えても仕方ないと割り切り今出来る事を行動に移す事にした
三人はヘリに乗り込み本部に向かう
(加治が命をかけて守った物だもの……何としても)
そう強く胸に秘める、胸の十字架の首飾りが一瞬光って見えた……

981 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 09:11:24 ID:???


982 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 15:44:53 ID:???
かつらぎの字が違ってる件に関して

983 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 16:31:00 ID:???
かじも間違ってるわ!

984 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 17:20:27 ID:???
カスパ乙。
バル氏の続きじゃなくて新しいの書いたら?

985 :カスパー ◆Prqhvkxo1c :2006/04/05(水) 17:42:06 ID:???
まず訂正
葛木→葛城
加治→加持
そして勝手に投稿したのは謝ります……
バル氏のを見て凄く面白かったので自分の小説魂に火がついたと言うか何と言うか皆さん凄く楽しみにしていたので少しだけ自分の考えで進めてしまいました
ですがそれはやっぱり良くないと思ったんで……
自分が書いたやつは無視してもらって結構です
本当にすみませんでしたm(_ _)m
バルさん頑張っていい作品を作ってくださいね♪楽しみにしてます


986 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 18:02:45 ID:???
>>985
ここまでのレスは読んでるんでしょ?
バル氏は他の人が書くのを嫌がってはいませんよ。
むしろ、占有してしまっていることに負い目を感じておられるほどです。
あなたも頑張ってください。
カスパー乙!

987 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 19:06:36 ID:???
ふむ…カスパー乙!漏れも新作を書けば良いと思われ♪
バルさんもカスパー氏も双方円満ジャマイカ?

988 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 22:17:05 ID:???
うへぇ、一気に読んだお・・・・。


989 :カスパー ◆Prqhvkxo1c :2006/04/05(水) 22:18:30 ID:???
>>986
はい、ですがやはりバル氏はバル氏の展開があると思います
自分が書いた事でそれと違う構成になるのは……やっぱり他のを書こうと思います!

>>987
ありがとうございます♪
他のやつを書いてみようと思います
どのような構成で書くのかはまだ決まってませんので良かったら案をください♪
では、長文失礼しました

990 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 23:49:21 ID:???
990

991 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 16:21:22 ID:???
埋め

992 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 18:08:52 ID:???
>>カスパー氏 乙 とりあえず新作の安をと言う事なので… バトロワと言うスレタイをふまえて! ネルフ内部をメインとしチルドレンのみ参加すると言うのはどうでしょう?
かなりクオリティの高さが必要だとは思いますが…
まぁ1つの安としてね?! あと…新スレに行ったほうがよくね?


993 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 18:37:06 ID:???
>>123

994 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 21:28:51 ID:???
シンジ「や、やめてよトウジ…そんなとこ舐めたら汚いよぉ…」

トウジ「そんなことあるかいな、おまえのここは綺麗だよ…」

シンジ「あん…ああん、そんなんしたら…う〇ちでちゃうよぉ…」

トウジ「出せや出せや、ぶっといのひねり出せや」

シンジ「うわあああああああああああああ」

ブリピー!ドバドバドバ…

シンジ「ハァハァ、う〇ち出ちゃったよぉ…しかも大好きなトウジの前で…」

トウジ「ホンマに汚いのォ…」

シンジ「えーん、ひどいよぉ…」

トウジ「でも全部食ったるわ、おまえのこと好きやからな」

シンジ「嬉しい…僕も大好きー」

995 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 21:30:51 ID:c7o35psG
>>994
気持ち悪い・・・。

996 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 21:38:45 ID:???
さて・・・ひそかにコードー

997 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 01:29:29 ID:???
てい

998 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 01:29:43 ID:???
てやー

999 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 01:29:57 ID:???
そらそらー

1000 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 01:30:14 ID:???
1000チェストー

1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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