年金を担保に借金→「収入がなくなった」→生活保護を受給

年金を担保に借金し、返済のため「収入がなくなった」として生活保護を受給する事例が
増えている問題で、札幌市は受給世帯の実態調査を行った。十一月末現在、世帯数は
八十八世帯で、借金の総額は一億千六百万円に上ることが分かった。

年金を担保にした融資は独立行政法人・福祉医療機構だけが法的に認められており、
上限は一人二百五十万円。返済は年金の全額か一部が天引きされる。

調査によると、八十八世帯のうち、借金二百万円以上が十三世帯、うち三世帯は夫婦で
三百万円以上借り、最高額は三百五十万円だった。年金全額を返済に充てているのは
五十三世帯で、全体の六割を占めた。

年金を担保にした借金の回数は一回が六十五世帯（７４％）、二回が十五世帯（１７％）、
三回以上が八世帯（９％）。借金の理由は、生活費（二十七世帯、３１％）と借金返済
（二十六世帯、３０％）がほぼ並んでトップで、事業費（十三世帯、１５％）遊興費（九世帯、１０％）
と続いている。

同市は、生活保護を受けた回数、融資を受けた理由や使途などを基に八十八世帯のうち
二十世帯に対し「年金という資産を活用しておらず、権利の乱用にあたる」として保護費を
減額支給している。

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061224&j=0022&k=200612244923