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【ガンダム】逆襲のシャア【アムロ】

1 :どぜうもん:2006/10/07(土) 10:55:31 ID:???
スレが無かったので立てました
シャア板とは無関係に、好きな内容を語って下さい

上映 1988年夏

もうすぐ20年目かあ・・・

122 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:2006/10/30(月) 19:48:29 ID:???
彼女のことを思い出したのは、あれから何年も後になってのことだった。
そう、本当に、何年も経っていた。
決して忘れていたわけではない。彼女との出会いは、
これまでの人生に於いて、最も鮮烈な事件の中で起ったことなのだ。
だが、年月に晒された記憶は、自分でも気づかぬうちに色褪せていた。
俺は、あのとき同様、MSのコクピットにあった。
しかし、彼我の瞬間には十四年近い時間が横たわっていた。
俺の乗るジェガンは、以前の乗機とは比較にならない性能を持っていたし、
ノーマルスーツに記された階級章には星と線が増していた。
いや、何にもまして、俺はもはや青年ではなかった。
にもかかわらず、俺を衝き動かしているのは、かつて青年であったときの感情に酷似していた。
この空域に到達したとき、アクシズには何機ものMSが取り付いていた。
鋼鉄の腕は小惑星の表面にしっかりとあてられ、背面のスラスターはどれも全開になっていた。
すでに、ロンドベル隊によるアクシズ爆破が失敗したとの情報は届いていた。
アクシズの破片は大気圏への突入を開始しいずれ地表へ衝突――
これによる被害はかつてのコロニー落としをはるかに陵駕し、
地球は長期にわたって寒冷化すると予測された。俺たちは、その軌道をかえようとしていた。
なぜ、こんなことをやろうとしたのか、今となってはわからない。
これほどの質量をMSで押し返そうとすること自体、無茶なのだ。
まともな感覚を持っていれば、試そうとさえ思わなかったろう。
しかし、そのとき、アクシズに取り付いていたパイロットたちは俺を含めて、
一人としてまともではなかったに違いない。スラスターを離脱のために噴かす機体は、ひとつとしてなかった。
「やめてくれ、こんなことに付き合う必要はない」
ミノフスキー粒子に攪乱されながらも、通信が入ってくる。
ロンドベル隊に所属する真っ白な機体だった。
きらきらと、細かな光の粒がまといつくように、その機体より発していた。蒼い輝きだ。
スラスターの光とも、大気との摩擦が生み出すものとも違う。
その光を見たとき、俺は矢も盾もたまらずにジェガンをアクシズへ取り付かせていた。
連邦のMSだけではなく、この小惑星を地球へ降下させようとしたはずのネオ・ジオン側の機体さえ、加わっていた。

123 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:2006/10/30(月) 19:49:17 ID:???
「地球が駄目になるかならないかなんだ。やってみる価値はありますぜ」
ネオ・ジオンのパイロットも、俺たちと同じ衝動のもとに動いているのは明らかだった。
「しかし、爆装している機体だってある」
ロンドベルのパイロットはいい募った。「駄目だ。摩擦熱とオーバーロードで自爆するだけだぞ」
確かに、俺のジェガンもオーバーヒート寸前だった。機体は激しく振動し、ヘルメットを越えて軋みさえきこえていた。
ギラドーガの一機が爆発した。続いて、友軍のジェガンも閃光と化した。
大気の上層と触れ合う機体は、いっそう振動していた。
風圧が、俺の傍らのギラドーガを小惑星の表面から引きはがすのが見えた。
とっさ、俺は敵機の腕を掴んでいた。だが、支えきることはできなかった。
ギラドーガはアクシズの表面かを跳ねながら、後方へ飛んでしまう。
「もういいんだ。みんな、やめろ!」
悲痛ともいうべき叫びを、ロンドベルのパイロットが放った。
「離れろ!ガンダムの力は……」
そのパイロットの想いが周囲の機体を弾き飛ばした――
実際に、そうだったのかどうか、今ではわからない。
大気の上層に触れたアクシズは、大きな衝撃に見舞われていたはずだ。
先のギラドーガ同様、風圧と振動が俺たちにしがみ続けることを困難にさせたのかもしれない。
ただ、そのときは、そう思えなかった。
ジェガンの全天モニターの中、遠ざかるアクシズの破片は、奇妙な光に覆われていた。
大気との摩擦とは明らかに異なる光だった。
色彩り彩りの輝きを持つ、ベールのように柔らかな光の膜だ。
破片の先端には、ロンドベルの白いMSが唯一機、残っていた。
先の蒼い光と同じく、この機体がその光を発しているのだと、俺にはわかった。
(白いMS……)
あぁ、と俺は理解した。
あの機体もまた、人の意志を背負ったものなのだ。
不意に、涙が零れた。モニターに映るアクシズの影はぼやけ、
無数の光彩は交じり合い、ひとつの色と化していた。
そのとき、俺は彼女のことを、本当の意味で思い出していた。
この宇宙で解き放たれた彼女を、今、その瞬間のこととして認識することができた。

視界には輝く蒼い宇宙があった。

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